雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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徳島県高越山 (海抜1133m) 遭難事故は何故起きたのか?(その9) 参考サイトを見る 「西日本最高所にある小学校 その2」
天空の学校、標高の高い順の全国ランキングは?

●前エントリーで、有名な四国カルスト西端の高原酪農地にある、愛媛県西予市立 大野ヶ原小学校が、西日本で抜きんでて海抜高度の高いところにある学校ということが判明しました。また、そこは氷点下10度はあたりまえ、積雪も少ないときで50センチ、多い年では2m、かつて区内観測所があったのか? 1962年ー1963年のいわゆる38豪雪では、3m近い積雪記録が残っているそうです。ネット掲示板などで北日本の方が四国は南国だというけれども、四国でも内陸の山間部では標高が高いこともあって、とても寒いし、けっこう雪が降ることが明らかになりました。その証拠の一つが雲の上の天空の小学校 「大野ヶ原小学校」 です。 さて、では、雲の上の天空の学校ですが、日本全国でのランキングはどうなんでしょうか? 

●拙連載記事のテーマは、2014年12月5日に徳島県 高越山 (1133m) の山頂付近で発生した遭難事故の原因は何であったのか? その真相を解明して、吾輩を含めて第二の遭難事故を起こさないためにはどうしたらいいのか? を考えることです。その趣旨から逸脱してきたので、独立した別個の記事とすべきところなんですが、ある意味ではイベント業である吾輩の仕事の関係で、3月8日に大きな行事を控えているので、なかなか再調査に行けないという事情があります。3月1日には小さなヤボ行事が4つも舞い込み日曜が完全に潰れました。むかしから忙中閑ありというように、何とか時間を捻出して、平日でもいいから3月8日までに再度高越山に登りたいところ…。先日から気温が上がっているので高越山の雪は半減していると思いますが、できれば新雪が20~30センチ積もったところを高越寺参詣林道を徒歩で歩いてみて、駐車場にたどりついて雪中に倒れてみて (倒れるのは演技ですが) 検証したいところであります。


雲の上の天空の学校、全国ランキング!
やはり、予想通り、日本のハイランドにある学校が並びますね。中央高地だのハイランドなど変な言葉をよく使いますが、別に地理用語などではなく吾輩が勝手に言っているだけです。本州の中央部の長野県や北関東の山沿いは標高が高くなっています。2500mとか3000mの高山が目白押しで、山々の間の盆地や扇状地の標高もかなり高くなっています。海抜1000m以上に町や村が沢山あり人々が定住しています。そういう地域をさして中央高地だのハイランドだのと勝手に言っているだけです。で、調べたら海抜1000m以上の高地に学校が多数あるみたいです。そもそも、西日本には2000mを越える高山は一座もないから、おのずと高原や山間扇状地の海抜が低いです。で、西日本勢は中央高地の天空の学校群に全く太刀打ちできないのでは? と思われそうですが、西日本一の高海抜の大野ヶ原小学校 (1140m) が見事に11位に入りましたわね。

1位  長野県南牧村立  南牧南小学校      1325-1330m
2位  栃木県日光市立  中宮祠小中学校    1300-1310m
3位  長野県上田市立  菅平小中学校      1255m
4位  群馬県草津町立  草津小学校       1230-1240m
5位  群馬県草津町立  草津中学校       1210-1220m
6位  長野県松本市立  大野川小中学校    1205-1210m
7位  長野県木曽町立 開田中学校(公式HP無) 1160-1170m
8位  長野県川上村立  川上第一小学校    1160-1165m
9位  山梨県北杜市立  高根清里小学校    1150-1160m
10位 長野県川上村立  川上中学校       1145-1150m
11位 愛媛県西予市立  大野ヶ原小学校    1140m
12位 長野県木曽町立  開田小学校        1135-1140m
13位 群馬県嬬恋村立  田代小学校        1115-1120m
14位 群馬県長野原町立 北軽井沢小学校    1100-1110m
15位 長野県松本市立  奈川小中学校      1090-1100m 


なお、小中学校というのは小学校と中学校の併設校で、同一の敷地にあり、あるいは同一建物の中にあるので、一つの学校と看做した。

●以下、標高が1000m台や900m台になると多数の学校が存在するようです。上位群はほぼ間違いないと思いますが、国土地理院地形図上で拾いだしたり、高地にある自治体の教育委員会のサイトの情報を閲覧してリストアップしましたが、チェックしきれない面があり、ひょっとすると遺漏があるかもわかりません。全国の学校のデータベースもあるようですが、学校所在地の標高のデータなどはなく、検索不能です。リストの最上位群ならば、地形図ファンならばおおよその見当をつけて拾い出せても、はや上位100とかなると手作業でのリストアップはもはや不可能です。お手上げ。

●各学校のホームページを順番に拝見しましたが、吾輩は教育関係者ではないので教育に関することはよく分かりませんが、どの学校も学校周辺の地域の自然環境について情報を盛っています。これは大変貴重な情報で、大きな意義があります。いまやネット情報は膨大で昔では考えられないような情報が閲覧できるのですが、問題は、どこの誰が何時その情報を発信したか不明なものが非常に多く、情報の信頼性が全く担保されていません。せっかく膨大な情報がありながら利用価値のない情報がほとんどです。(つまり吾輩のブログも情報の信用性がないということです) その点、たとえば、その学校の生徒が学校の近くで○○という植物を見つけ写真入りで学校HPの掲載された情報などは、かなり信憑性があります。どこの学校でも環境教育がおこなわれ学校周辺の自然を観察し、もし生物クラブなどあれば可なり専門的な調査までやっています。学校は全国最北端から最南端まで、離島や山間僻村まで存在していますから、数千数万の学校が出す情報は貴重なのではないか? とくに、かつて区内観測所を学校が担っていた歴史があるし、理科教育の一環として校庭の隅に気象観測施設がある学校も多いようで、気象庁の観測網を補完する意味で貴重ではなかろうか


●ところで、上記のリストの学校名 (つまり地名なのですが) には聞いたことのある地名がいくつもありますね。菅平 (すがだいら)草津 (くさつ)開田 (かいだ)田代 (たしろ)奈川 (ながわ)、これらは気象庁のアメダス地点名でもあります。菅平小中学校のある菅平は関東甲信地方の人ならスキー場で有名で知名度は高いのでしょうけれども、西日本など遠く離れた地方でこの地名を知る人は、たぶん気象ファンです。申すまでもなく菅平は北海道以外での最低気温の記録-29.2度であまりにも有名です。これが本州での公式の最低気温記録であります。 (なお、かつての区内観測所時代に岩手県藪川で-35度がありますが参考記録ですし、非気象庁観測で奥日光戦場ヶ原と尾瀬ヶ原で-31度前後の観測がありますが非公式です。) 菅平で-29.2度が観測されたのは2012年2月19日であって、そう古いことではありません。

菅平・野辺山の年最低気温の推移
↑ これって温暖化してるんでしょうかねえ? 吾輩にはおおむね横ばいに見えますけど…。それにしても、おおさぶーっ(註)ていう感じです。

(註) さぶい=寒いの意味、わが淡路島の方言、人に会ったときなど 「ほんまに、さぶいのう」 などと挨拶をします。ただし、気温が+5度程度で 「さぶいのう」 ですので、地球が寒冷化して淡路島でも-15度とか-20度になったら、何というのか? 表現する言葉 (方言) が存在しません。 いまのところ旧 洲本測候所の観測で今年の最低気温は-1.5度。氷点下になったのは (冬日は) 3日だけです。

アメダス菅平は、菅平小中学校のすぐ南側に隣接して設置されているようです。もしかしたら、学校敷地の端にあるのかも? 詳細は現地調査しないとわかりません。アメダス菅平は本州最寒記録保有観測所です。いつか機会があれば見学したい観測所です。 アメダス野辺山は南牧南小学校から南南西2.3キロぐらい、JR野辺山駅から800mぐらいか? 両地点とも冷えるときは物凄く冷えますね。地名を伏せてこのグラフをみたら、だれでも北海道の道東か道北やろな、と思うでしょう。東京から120キロや150キロのところ、北緯36度台でこんなに冷えるところがあるのは驚きです。こんなにも、さぶい所で育った小学生や中学生は、逆境によく辛抱して忍耐強い人間に育つのでしょうか? どうなんでしょう?


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おたけさんのコメント
淡路島でどこが一番高い学校なのでしょうね?

北淡仁井小学校(廃校)それとも南あわじ市の灘小学校、
もしかしたら洲本市立上灘小学校(廃校)意外と南淡中学だったりしてね。
あぁそうだ、景観園芸学校も有ったのですね。


山のキノコの返信
で、調べてみました。国土地理院地形図から読みとると…、

仁井小学校 (廃校) は海抜190-200mです。ダントツの高所にありましたね。
津名丘陵という300mほどの広い丘の上に集落が沢山ありますよね。

灘小学校は、廃校と統合を繰り返して、日本の僻地・過疎地の象徴みたいなところです。そもそも、淡路島の中で唯一の離島振興法の指定地区でした。しかも、兵庫県教育委員会から僻地指定でかつて2級、現在は1級でしたか? 離島指定は2014年3月末で目出度く解除されました。 (沼島は離島振興指定のままで、僻地第5級!) 灘海岸は台風時には太平洋の大波が打ち寄せて海岸道路が通行不能になります。しかも、集落間の距離があります。で、分校だらけでしたわ。 

南あわじ市立灘小学校は、灘中学校跡 (灘山本) に統合移転。海抜20-30m。
灘第一小学校 (灘土生、吾輩の出身校) は海抜30-40m。
旧 灘第一小学校潮崎分校 (灘仁頃) は海抜95mぐらい。
旧 灘第二小学校 (黒岩) は海抜15mくらい。
旧 灘第二小学校来川分校 (灘来川) は海抜65か70mくらい。
洲本市立上灘小学校 (廃校・上灘相川) は海抜20-30mぐらいです。
たしか、上灘小学校は中津川と畑田にも分校があったと記憶しています。

>意外と南淡中学
当たりです。現行の、島内の公立小・中・高の学校では一番高いですね。海抜85-90mぐらいです。以下、高いところは淡路市立山田小学校60-70mぐらい、洲本市立鮎原小学校65mぐらい、南あわじ市立八木小学校62.4m標高点あり、洲本実業高校60ぐらいか、 正確な標高が不明なので順位がつけられませんです。学校の敷地は広いので、校門のある所とか校舎の玄関等をその学校の所在地と定義して、現地調査しないとわかりませんわ。

>景観園芸学校も有ったのですね。
国土地理院の地形図には、兵庫県立大学(淡路キャンパス)の名前で載っていますワ。国土地理院の地形図に載る地名や施設名は、地理院が自治体に地名調書というものを出して、地名や施設名や名跡などの調査依頼をすると書物に書いてありますが、 多分、国土地理院の掲載基準では学校の本校の名で地形図に載せるという基準がありそうな感じです。兵庫県立淡路景観園芸学校 などと名乗って独自に入学試験などを実施していますが、実は独立したそういう学校があるわけではなく兵庫県立大学 のなかの一つのキャンパスでしかありません。で、あくまでも学校の本体は兵庫県立大学なので地形図には本体の名前で載せるようです。どうやら国土交通省 国土地理院の地形図掲載基準では、淡路景観園芸学校などというものはなく、あくまでも兵庫県立大学だという見方のようですわね。ま、とにかく極めて紛らわしい学校名にしています。名前だけ見たら兵庫県立大学とは全く別の専門学校か何かだろうか? とつい思ってしまいます。一般の人を対象にして受講者を集めて園芸指導までやっているので、一体何の学校なんだ? と紛らわし過ぎますね。 さて、肝心の海抜ですが、230-270mぐらいの所にあるようですね。





おたけさんのコメント その2
景観園芸学校の地図見ました。標高を調べる便利なサイトが有るんですね。
以下↓
国土地理院 地理院地図(電子国土Web)
画面真ん中にあるクロスマークの位置に拡大画面(マウスのルーラーを回せば)を持っていって、マウス右で左下に緯度経度高さがでますね。データーはどれくらいの精度なのかわかりません。



山のキノコの返信 その2
おたけさん、こんばんは。

せっかくコメントを頂戴して水を差すようなことを言うのですが、その点はお許しください。細かな微地形を調べるには、じつは、あまり精度がよろしくないというか、あてにならないんですわ。国土地理院の地形図は測量に基づいていて、世の中にあるすべての地図の原図です。市販の普通の地図もネットで閲覧する地図も、あらゆる地図は国土地理院地図を編集したにすぎず、その点は国土地理院の地図は地図の王様です。で、私が、はめ込み借用する地図に国土地理院の地図しか使わないのは、それが本家本元の一次的地図といえるからです。つまり、他の地図は二次的な地図にすぎず、全て国土地理院地図の粗悪なコピーです。(ただしゼンリンの住宅地図は別です)

国土地理院の測量原図を見ると、三角点や標高点以外にもかなり多数の地点の標高を実測しているみたいですが、地表面すべてを漏れなく測量し尽くしているわけじゃないし、要所要所の標高を求めて、あとは空中写真判定や現地調査等をもとに等高線を引いているようですわ。で、意外に国土地理院の地形図には誤りが多いんです。とくに山間部では…。現地の地形と地形図の等高線の引き方が全然合わないことがよくあります。ま、誤りというよりも地形図の限界みたいなものかも? たいへんな優れ物の国土地理院地図ですが、おのずと限界があります。あまり細かな点まで見るには、解像度の低い画像みたいなものですわ。

国土地理院の地形図であてになるのは三角点の標高ですが、それとて測量誤差が生じるようです。何回か測量して平均をとってるみたい。で、三角点 (山の高さ) なんかコロコロと変更されています。たとえば諭鶴羽山では、608.3 → 607.9 → 608.0 など。最近、国土地理院のネット地形図が模様替えされましたが、こっそりと山の高さが大分変わっています。実は三角点の標高自体が厳密には正確と言いきれないし、とりあえずこの標高に決めときましょうかって感じです。三角点でさえ厳密には正確じゃないぐらいだから、等高線の信頼性はさらに落ちます。そういうことなので、全国の雲の上の学校の高さ番付を作成したときに、1230-1240mというふうな表記にしました。それ以上詳しくは測量士を連れて来て最寄りの標高点を基準に測量する以外にありません。かりに、中間をとって1235mと決めてもあまり意味がありません。また、その地点が1230m線と1240m線とのどっちに近いか内挿法で案分して、たとえば1237mだと決めたところで、その標高差10mの間が均一の勾配であるとは限らないので、これもあまり意味がないんです。

ま、サイト上でクリックして経緯度や標高が表示されたところで、その元になる地形図で微妙な地形を表現する限界が背後に横たわっています。で、あまりアテにはならないんですわ。地形図の上で等高線を読図するほうが、まだましなんです。実際、三角点に+マークを合わせても地形図に記入されている標高数字と違う数字が示されますわ。たいてい…。



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徳島県高越山 (海抜1133m) 遭難事故は何故起きたのか?(その8) 参考サイトを見る 「西日本最高所にある小学校」
●南北に長い日本列島のなかでは、四国は南国の範疇に入るのはほぼ間違いないところです。たしかに、室戸岬にいけば亜熱帯樹木のガジュマロにごく近縁の アコウ というクワ科イチジク属の樹木が道路の横に沢山生えています。足摺岬の近くにいけば ビロウ という亜熱帯のヤシ科の樹がはえています。亜熱帯の木性シダの ヘゴ や、木性ではないけど オオタニワタリ という亜熱帯性のシダがあります。(もちろんこれらの珍しいシダは絶滅危惧種あつかいで、特に四国ではオオタニワタリは野生絶滅) 遠出をして徳島県南部から高知県の海岸道路へとふらふらと走っていくと、人家の庭先にバナナの樹 (正しくは草) にそっくりな バショウ が植わっていたりします。これって食べられるんかいな? という小さな実がなっているのを見かけます。自然観察の目で見ると、このように四国の太平洋沿岸では亜熱帯要素の植物が沢山みられ、南国という色合いが濃厚です。でも、まあ、それはあくまでも海岸近くの平野部のハナシであって、ちょっと山間部に入ると植物の種類が一変します。

●山間部に入って、標高600mを越えると照葉樹林の優占樹種になるシイの樹が消え、800m以上に登るとスギの植林がなければ一斉にブナが現れます。申すまでもなくブナは冷温帯の代表的な樹木であります。ブナは本州中央部はもちろん東北地方南部あたりでも山のほうに行かないと見られない冷涼地の樹木です。ようするにブナの森が周囲に普通にあるところは、(寒冷地とまでは言えないにしても)冷涼地であるということです。で、四国の中央にデンと横たわる四国山地の標高が高い所にはブナの原生林がいたるところにあります。高越山の山頂付近に鎮座する高越寺の周辺にもブナがたくさんあります。何べんも阿呆の一つ覚えを言うのですが、四国山地の山間部は南国などではけっしてなく、むしろ冷涼地といって何ら差し支えありません。ま、冬はそれなりに雪が積もりますわ。もちろん、これは標高が高くなるにつれて気温が下がることだけでなく、海岸から距離があるほど冷えやすいということがあるためです。

●吾輩は四国の住人ではありませんが、北日本の人らが四国は南国であって、高越山の住職らが雪中行軍で倒れたのは雪の恐さを知らないからだ、などと言うので 「そうじゃないんですよ、四国の内陸山間部はけっこう雪がふりますわ」 と反発しているわけです。で、阿呆の一つ覚え…。さきに、徳島県平野部や淡路島ではスタッドレスタイヤ装着率は1%以下と申しましたが、これはその通りなのですが、ところが徳島県西部山間地に行けば事情は一変します。たとえば冬に旧 西祖谷山村や東祖谷山村などへはスタッドレスやチェーンなしでは恐くて絶対に行けません。東北地方等の除雪がなされる道路と事情がちがい道路の勾配がきついのでチェーンは必携です。できればスコップも。ただし積雪の絶対量は少ない (つまり冬に降水量が少ない) ので、東北地方の太平洋側と同じ程度でしょうか? で、山間部の住民の車ではスタッドレス装着率やチェーン携行率は跳ね上がります。


南国の四国にある、雪に埋もれる驚愕の小学校!
さて、四国は南国ではないという証拠のサイトを見つけたので、そのサイトを拝見します。昨年4月1日付で運用を開始した新進のサイトのようです。有名な四国カルストの西端にある高原酪農の村の小学校のようですね。借用許可を得ていませんが写真を1枚引用いたします。
愛媛県西予市立 大野ヶ原小学校公式サイト 

大野ヶ原小学校のサイトから借用

↑大野ヶ原小学校の公式サイトの2015年2月9日付の記事から写真を拝借しましたが、なんとも凄いですわね。 「今朝の最低気温が、校庭の自記気温計で未明から明け方にかけ-11℃」 であったという記述があります。積雪は豪雪地帯の新潟県ほどはなさそうですが、この写真だけでは誰も四国だとは思わないでしょう。しかも最低気温が-11度! 説明がなければ日本海側のどこだろうか? 東北地方かな? と思ってしまいます。四国に、こんなところがあるのは全く驚きです。

ただし、吾輩は雪には全然驚かないです。四国の海抜1000m以上では冬はどこもこんな感じです。吾輩が驚いたのは雪ではなく、そんな高所に人が住み、村があり、小学校があることに正直言ってビックリしました。四国カルストは淡路島からあまりにも遠いので大昔に一回行ったきりですが、山の上に村があるなんて気がつかなかったわ…。ていうか、四国カルストといっても東西に長いので、普通は観光客やライダーたちが行くのはもっと東の部分ですわね。

●大野ヶ原小学校日記の2014年4月24日記事によると、大野ヶ原は 「夏は冷涼、冬は時に2mを超える積雪のある地域です。昨年度は積雪も最高で50cm位だったかと思います」 ということで、年によって積雪の深さのバラツキが大きいような感じはします。バラツキが大きいのは四国山間部の積雪の特徴のひとつです。発達した南岸低気圧 (むかし台湾坊主と呼ばれたような) が四国沖を通過してシッカリした降水量があれば、山間部ではドカ雪です。ときには一晩で1m。低気圧通過後に冬型の気圧配置になって風向きにより関門海峡を越えて日本海から雪雲が進入してきます。或いは瀬戸内海上で雪雲が湧きたち、積雪の上乗せです。そうなると場所によっては2mとか3mです。そういうふうにならないと、せいぜい40センチとか50センチです。ちなみに 旧 剣山測候所の観測記録 でも積雪の深さは極端なブレがあります。表の最深積雪の列ですが、積雪の観測が行われた1970年~1991年の22年間で、最深積雪の最小値は30センチ、最大値は292センチです。これは吾輩が毎年冬に雪景色を見物に行っても感じるところで、今年は雪が少ないなあとか、あるいは凄く多いなというバラツキが極端です。バラツキが大きい現象は統計的には標準偏差が大きいということであり、「平年並み」 などという言葉があまり意味をなさないですわ。


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大野ヶ原小学校の、素晴らしい環境教育!
大野ヶ原小学校のホームページは開設して1年に満たないので、総コンテンツはまだあまり多くありません。で、ほぼ全部の記事を拝見しました。学校の近くにあるブナの樹を観察したり、北海道の小学校とブナの標本の交換をして、地方によりブナの葉の形質に大変な差があることを観察するなど、素晴らしい環境教育が行われています。ここで、大野ヶ原小学校が問題を出しています。

【大野ヶ原小学校日記、2014年9月25日(木曜日)ブナの学習2より】
問題 : 総合的な学習の時間で、ブナの木について学習しました。北海道の黒松内中から、大野ヶ原のブナの葉と比べたいと申し出があり、黒松内町のブナの葉を送っていただき、交換することになりました。西予ジオパークの学習をしているので、大野ヶ原のブナの葉について調べてみることにしました。黒松内町はブナの北限域だそうです。どちらが (四国の) 大野ヶ原のブナの葉かな?
どちらが大野ヶ原のブナでしょうか?

●自然観察 (とくに植物観察) をしている人ならば、この大野ヶ原小学校の出題は絶対に間違えない問題です。熱心に全国山登りめぐりをしている人もたぶん気付いているでしょう。申すまでもなく、四国のブナは左のものです。北海道のものは右。ブナは冷温帯を代表する樹木ですが、南限地は九州の鹿児島県の高隅山 (1236m) です。北限地は北海道の 後志 (しりべし) 総合振興局 の黒松内町付近です。ただし、真の北限地は黒松内町ではなく、その隣の蘭越町 (らんこしちょう) の 「ツバメ沢ブナ保護林」 というところで海抜600mらしい。 → 『分布最北限ツバメの沢ブナ林の林分構造』 ブナは色々なナゾがあって、北から南へいくほど葉が小さく、かつ、日本海側から太平洋側にむかっても葉が小さくなるという不思議な連続的勾配がありますね。狭い範囲で近畿地方だけを見ても、近畿日本海側のブナは葉が大きく、紀伊山地のブナは葉が小さいです。むかし葉の小さいブナを 「コハブナ、小葉ブナ」 と区別しかけましたよね。色んな説明がなされ、なぜそうなるのか諸説あるって感じですね。

それから、四国ではおおむねブナの出現高度は800-1700mあたりです。山によって微妙に異なるようですがだいたいその範囲にありますね。北にいくほど出現高度の下限が降りてきて、北海道の渡島半島で完全に海抜ゼロまで降りますよね。(部分的には、佐渡島など海抜ゼロ近くまで降りていますが、そういう例外は除く) 北海道で出現高度下限が海抜ゼロまで降りても、上限は600-700mぐらいであるハズなんです。ところが、ツバメ沢ブナ保護林でプツリと途切れて、それ以北 (以東) ではブナが見つかっていないようです。本来ならば北海道の平地ならば全域でブナが自生可能と考えられるのに、なぜないのか? 大きな謎とされています。 こちらも諸説あるみたいです。 

で、自然が豊かな大野ヶ原で素晴らしい環境学習がおこなわれていますわね。大野ヶ原小学校出身者から立派な植物学者が現われるかも? そういえば、日本の伝統的な草本学を、近代的な植物分類学に引き上げるに不滅の功績を遺した 牧野 富太郎 (まきの とみたろう) 先生の出身地は大野ヶ原からごく近くですわね。(高知県佐川町)


大野ヶ原小学校は、西日本一の標高の高い小学校!
さて、大野ヶ原小学校関係者がたぶん気付いていないようなのですが、この小学校には大変な特徴があります。勝手に写真を借用させていただいたお礼の意味で、すこし調べてみましょう。

●この小学校は、文句なしに、群をぬいて、西日本で海抜高度の一番高い所にあります。 中央高地 (日本のハイランド=信州や北関東など) を含めた全国ランキングでも、10指に入るような高海抜です。これは宣伝材料になりますね。なんでもいいから西日本一とかいう物があれば謳い文句にできます。




西日本の天空の学校 所在地の標高の高いほうからの順位

調査方法】 国土地理院の地形図をネット閲覧し、各地の海抜高度の高い高原や山間部に存在する町や村を丹念にチェックし、公立学校 (私立も含む) の所在地を確認していった。その学校の所在地の高度は等高線で判読した。

1、 学校の敷地を等高線が横切る場合には、その等高線の高度を学校所在高度とした。
2、 学校の敷地を等高線が横切らない場合は、その学校をはさむ2本の等高線の高度を示した。 

ふつう、学校敷地は広大であり、学校敷地内でも標高の高低差はあり、学校のどの部分をもってその学校の標高とするのか? など種々問題もあるので現地調査が必要であるがそれは不可能。で、いわば、文献調査のみであり現地調査はしていない。 なお、ここでいう学校とは教育基本法や私立学校法等で規定する学校 (常識的な学校) であって、たとえばスキー場が運営する 「スキーの学校」 とか、自然保護団体が運営する 「NPO法人 山の学校」 などは学校ではない。また、県や自治体が運営する 「林間学校」 なども教育関連施設であっても、常時在籍する生徒がいるわけではないので除外します。


1位  愛媛県西予市立   大野ヶ原小学校  海抜1140m
2位  奈良県天川村立   洞川中学校     海抜840-850m
2位  和歌山県高野町   高野山高等学校  海抜840-850m
4位  和歌山県高野町立 高野山小学校   海抜830-840m
5位  和歌山県高野町   高野山大学    海抜820-840m
6位  和歌山県高野町立 高野山中学校   海抜828m(学校のHPによると)
7位  熊本県高森町立   高森東中学校   海抜800-810m
7位  熊本県高森町立   高森東小学校   海抜800-810m
9位  兵庫県神戸市立   六甲山小学校   海抜790-800m
10位 熊本県阿蘇市立   波野中学校     海抜760m
10位 熊本県阿蘇市立   波野小学校     海抜760m

四国山地や九州山地の標高が高いところ900mあたりまで点々と高地性集落が沢山あります。みな小規模の集落でありますが、ひょっとしてとんでもない高いところに分校があるかもしれません。千一、万一、漏れ落ちている学校があるかもしれません。しかし、さすがに海抜1000mを越えれば村とか集落など皆無です。また、追随する2位以下の高地性学校群から標高差で300mも抜きん出ているから、大野ヶ原小学校の第1位の王座は不動だと思います。



徳島県高越山 (海抜1133m) 遭難事故は何故起きたのか?(その7) 参考動画を見る 「スノーアタッカー御用達はランクルとジムニー」
もう2本参考動画を見ます。

こちらは四国のスノーアッタッカー達



↑ ●この動画を視聴して先ず思うのは、登場するクロカン仕様の車たちのナンバーです。徳島と香川ナンバーであります。徳島県人と香川県人は仲が悪いハズなのに、仲良くやっているということであります。ビックリです。仲が悪いのは種々の理由があるようですけど、たとえば、むかし異常渇水のときに、香川県が徳島県に吉野川の水を分けてくれと頭を下げてお願いしても断られたことなどがあって、香川県人が根にもって恨んでいる等の確執があるみたいです。そういえば長年水不足に苦しんできたわが淡路島も、鳴門海峡に橋がかかったときに、橋にパイプラインを通して吉野川の水を分けてくれと徳島県にお願いしましたが、断られていますね。ま、これはしかたがないことで、明治の初めに淡路島が徳島県 (阿波藩) から独立しようとした (稲田騒動) から、「淡路のやつらはケシカラン連中だ」、ということが140年あまり経っても尾を引いています。吉野川に余るほど水があるのに、「あいつら兵庫県に行ってしまったんやけん、兵庫県本土側から水を貰ろたらええんや」 ということであります。 徳島県等と折衝を重ねたが交渉は難航を極めた結果、島外導水を本土導水に委ねたということです。 でも、同じ言葉をしゃべるマニアの世界では県境など全く関係なしということか?

●動画の冒頭に出てくる町並みは旧 阿波町ですよね。吉野川対岸の旧 山川町へ渡っていますね。多分、おそらく、吉野川支流の穴吹川 (つまり高越山西側の谷) をさかのぼって旧 木屋平村へ行っているのではないですか? 冒頭の背景の山に友内山(1073m)がちらと見えたので分かりました。で、この動画の雪の道はどこか? ですが、吾輩は国道438号で、剣山登山口の見の越へ至る道だと見ます。積雪のため冬季は通行止めになるところです。国道とは名ばかりで実質は狭隘な林道です。多分、9割は当たっていると思うんですが、あそこはとても恐い所です。夏行っても恐い道です。とくに冬場は雪崩が起こるんですわ。徳島地方気象台はときどき徳島県西部の山間部に雪崩注意報を出しますね。南岸低気圧が通るたびに新雪が積もるので表層雪崩が発生しますし、山の傾斜がきついので全層雪崩も起こります。ただし規模は小さいのですが、小さくても雪崩は雪崩です。甘く考えてはいけませんわ。

●それにしても、なんともはや素晴らしい動画! であります。映像の編集も素人離れして凝っていますし、背景音楽の選曲も、なんていう曲か知らないですが、初期のビートルズを彷彿させるような曲で素晴らしいです。とにかく、平野部ではめったに雪など積もらない南国徳島県 (および香川県) にこんな集団がいるのは驚きです。4輪にチェーンを巻き牽引ロープを準備していくら待っても雪が降らないから、ならば雪山の通行止め林道に行って道を切り拓いてやるぞ! という闘志がみなぎっています。世に通行止めなど存在しない、我々が通行不可能を可能にしてやろうじゃないか、てな感じであります。ここまで雪に埋もれた林道は吾輩の未改造車では行けませんが、この集団が除雪さながら雪を蹴散らし踏み固めてくれたら、後ろをついて行くことならば出来そうです。映像では、ひとこともナレーションが入ってませんが、We try to attack the snow mountainns ! there is no limit of 4×4-car ! という勇ましい字幕に、困難に挑む挑戦者たちの闘志がみなぎっています。



こちらは北の大地のスノーアタッカー達



↑ ●さて、こちらは北海道のスノーアタックです。これが本場のスノーアタック! だと銘打つ通り、本家本場のものなのでしょうが、四国の集団と雰囲気がかなり違います。やっていることはそんなに大きく違わないのですが、四国の集団は 「挑戦する」 という色合いが濃厚で、「一糸乱れぬ団体行動」 をとる軍隊的な雰囲気すらあります。一方、北海道の集団は、「楽しんでいる」 という色合いが濃厚で、団体行動をとっているハズなのに個々人のプレーを拝見すると非常に個人的な印象がします。一人ひとりが思い思いの演技をしているという感じです。一台の車が急な崖のようなところを意を決して降るのですが、では参加者全員が一列に並んで順番に降るのかといえば、そうならない。もし仮に、この場所に四国の集団が来たならば、この崖を一列縦隊になって順番に降るのではないか? (軍隊的だというのはそういう意味) 

●ひとつには自然環境の違いがあることも関係しているでしょう。基本的には北海道 (東北北部も) は地学的には周氷河地形です。水は凍ると体積が増え、溶けると体積が減ります。岩石に含まれる水分が凍結と融解を繰り返すと岩石を破壊します。零度前後の気温帯の時間が長い北日本では山地の浸食作用の大きなものが、この水分の凍結と融解です。破壊された岩石の破片の大きなものはより下方に転げ落ち、小さな破片はあまり転げないので、地形が緩やかになりますわね。で、地形がなだらかで傾斜が緩いから広い雪原ができて、広ければ各人が思い思いの雪遊びプレーができる、ということでしょうね。なお、周氷河地形はわが兵庫県にも存在 しています。もちろんかつての氷期に形成されたものです。

一方、四国山地は浸食が激しい壮年期地形であります。日本有数の降雨量があるのは剣山地の南東斜面で、年降水量で多い年には6000ミリを超えます。日本で最大年降水量が6000ミリを越えるのは、屋久島・剣山の南の梁瀬・尾鷲(大台ケ原山)・伊豆半島の天城山の4地点です。(だったと思う) この激しい降雨量が山地を浸食し、谷を深く下刻します。雨が多いから樹木に覆われていますが、もし樹木をはぎ取って土が見えれば、グランドキャニオンみたいな谷があちこちにあります。2000mを越える山が一座もないわりには山が急峻なのです。で、林道の標高の高い所に行って雪遊びですが、一つ間違えれば谷底に転落です。広い雪原がないのと、極めて危険な地形なので軍隊式に一糸乱れぬ団体行動を取らざるを得ない、ということなのでしょう。 四国でも 四国カルスト 大野ヶ原 のように広々としたところもありますが、 (しかも標高が高いので多雪地帯! 1mも2mも積もる) 行くのに徳島・高松からほとんど1日がかりです。四国は狭いといっても北海道の4分の1の面積があり意外に広いです。ほかにも四国山地の頂上部には点々と隆起準平原が存在しますが (たとえば剣山山頂の平家の馬場など) 頂上に行く車道がありません…。



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●以上、参考動画を2本拝見しました。北国の北海道と南国の四国のスノーアッタッカーたちの動画でありますが、注目点はその車種です。やはり、北でも南でもどこでもスノーアタッカー達は、圧倒的にトヨタのランクルとスズキのジムニーを支持しています。これらの車種はほとんど雪道走行のための車と行っても過言ではありません。除雪されていない深雪の道なき道を突破するための車といえましょう。高越山の遭難事故で帰らぬ人となった住職は、その雪道走行能力抜群のランクルに乗っていましたから、的確な車種を選択しているわけで雪を知らないということではなく、雪道走行の心得や雪道の運転スキルはあったハズです。そういうふうに考えると、遭難事故の原因は南国の住民ゆえに雪を知らないのではなく、理由は他の所にあったのであろうと考えるべきなんです。

●結局、あの住職さんだからこそ積雪期の高越山の船窪ツツジ公園まで行けたということであります。あるいはあの住職さん以外にはあそこまで行ける人は南国徳島にはいなかったとも言えます。だから、電話 (携帯は通じたみたい) でレッカー車を依頼しても、途中までしか行けなかったのです。もし、これが北海道とか信州などだったら住職さんらは救出されていた可能性があったのでは? 冬の高越山のあの狭い参詣路でスタックしたらおしまいですが、それを救出できるのは動画に登場した阿波泥暴さんらの集団以外に考えられないです。南国の四国では、プロでも積雪期の山上から救出依頼されても、対応する装備やスキルが十分にありませんわね。たとえば徳島平野やわが淡路島じゃ、駐車場に並ぶ車のタイヤを吾輩が調査したら、スタッドレスタイヤ装着率は1%以下です。何年待っても雪が積もらない地域でカネもいるのに冬タイヤを履いてはしゃいでいる人は、スキーに行く人か、吾輩のような変人かのどちらかです。

というふうな地域性を考えたら、遭難死した住職は 「安全マージン」 を十分にとらなかったのも事故の原因でありましょう。ここまでは行ける、これ以上は危険だ、との境を見極めるのは難しいですが、雪山で万一の場合には北日本とちがい助けてくれる装備や技術を持つ人がほとんどいない地域です。しかも、仕事でどうしても行かなければならない事情から、住職らは単独車でした。常識的には複数台で行くべきところなので、安全マージンをより大きく取っておかなければならなかった、といえましょう。 しかしまあ、そう簡単に結論付けられないので、近いうちに再調査に参りたいと思います。

ところで、ランクルに乗っているランクルさんは、ランクルで雪遊びや泥んこ遊びはしないのでしょうか? ランクルさんのランクルにはウインチが付いていましたっけ? ウインチがあれば道路中央に落ちて邪魔している岩を横にのけたり、深みにはまった自車を自ら引っ張り上げたり、いろいろ出来そうですね…。手巻きウインチやチェーンブロックでも上手く使えば、道路の邪魔石を横に移動できますね。



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おたけさんのコメント
>手巻きウインチやチェーンブロックでも上手く使えば、道路の邪魔石を横に移動できますね。

ランクルさんのウインチは注油不足です、なので利用するにはワイヤー交換が必要です。ワイヤーの太さはマキトリ軸径の20分の1以上の太さが必要なので、さてどのくらいの力が発揮できるでしょうか? ウインチが付いていても、前から車がハマっちゃうとどうにもなりませんね。

ちなみにトヨタランドクルーザーは淡路島の農民車に最適です。壊れない、部品がいつまでも互換性あるし、頑丈です最高のリサイクル車ですね。廃車する時は農民車の製作している鉄工所へ持っていけば、高価買い取りですね。輸出の方がもっと高いでしょうね。

大雪で車がダメならスノーモビール等もありますが、国内法で道路走行は禁止だそうです。昨年の大雪でも、警察から許可が出ないと公道でレスキューに活用できないそうです。


山のキノコの返信
ランクルさんのウインチはワイヤー交換が要るのですね。そもそも相当年代物ですし…。ランクルは淡路島の農民車を作っている鉄工所に持ち込めば高値買取とは、知りませんでした。それにしても頑丈というか壊れにくい証拠に、ランクルさんの車は驚くほどの耐用年数ですね。淡路島に車は何台あるのか分かりませんが、人口14万切っていますが、成人1人1台として10万台ちょっとでしょうか? ランクルさんの車は10指に入るのではないでしょうか? 凄いです。

実は淡路島の山なんて標高が低いし全然面白くないので、雪山見物や、山菜採り、キノコ狩りに四国東部の山々の林道をあちこち30年走り回り歩き回りましたが、(1回だけですが四国では絶滅寸前といわれているクマにも出会いましたわ)林道の奥まで行くと道の真ん中に石が落ちて道をふさいでいることがあります。どうしたら横にどけられるか色々試行錯誤しましたが、意外にいいのは人力です。3mぐらいのシッカリとした丸太を探してきて、その石の根元に差し込み、てこの原理 でちょっとずつ動かすんです。丸太に自分がぶらさがるように体重 (90キロ) をかけてやるのですが、多分1トン近いような石でも動かせますわ。道の外まで動かす必要はなく、自分の車が通れるだけ動かせばいいんです。でも、まあ、そういう石が道に落ちてくることが問題で、そういう道には立ち入らないほうがいいです。

>大雪で車がダメならスノーモビール等

そういう手がありましたか! 名案ですね。ゴムの丸いタイヤだから滑るわ、はまるわ、ですね。タイヤの替わりにクローラー (キャタピラー) ならば雪上であろうと泥沼であろうとスイスイのスーイスイですね。スノーモービル (雪上車) でレスキューに行けば、高越寺の住職さんらを救出できたかもしれませんね。でも、まあ、雪国でも信州や北海道でもない徳島県にスノーモービルなんてあるのでしょうか? 井川スキー場にあったような気はしますが…。スノーモービルは無いので、建設会社からブルドーザーとか、陸上自衛隊から戦車を借りるといいですね。たぶん、田んぼを練りまわすトラクターでも雪上を行けるのでは?

でも、まあ、はめ込み借用した You Tube動画を何べん見ても、はまるのが困るのではなく、はまるのを楽しんでいるとしか見えませんわね。はまるから面白いのであって、スイスイ行けたら面白くないのかも? という感じがしますね。


ランクルさんのコメント
ここ数日、自作の孵化器で卵を温めていて、3週間ちょうどで軍鶏が孵りましたので、嬉しすぎてね。ここにコメント書けなくて・・・・・(^_^) 

私の愛車ランドクルーザーは昭和62年11月に買いました。1987年ですから、28年9ヶ月ですか。ランドクルーザー70というのでランクルの中でも評判のいい型です。

車両形式:S‐BJ70V
メーカー:トヨタ
車種名:ランドクルーザー70
2ドア、ゴールドメタリック、機械式ウィンチ装備
販売時期:1987.08‐1990.01まで

アルミ製のボートを持っていた頃、ひとりで釣をして、浜からのボートの上げ下げをこのウィンチで砂浜を引きずってやってました。グリスを塗ったのはいつだったか?(^^;

この型は日本では販売されていませんでしたが、海外では販売されていたそうです。昨年一年間の限定で 「ランクル70」 が復活しました。日本の環境基準や安全基準に合致できなくなったために絶版になったけれど、海外では引き続き販売されていた。なんでも環境問題、地球温暖化などと規制をしますが、今年の冬はこんなに寒い。さぶ過ぎます。結局1年間だけの期間を区切って復活することになったそうだが、1年後に新しい規制で販売できなくなるとか、ヘンな話だが・・・。

私のランクルはディーゼルなので大阪市内を走れないらしいのですが、知らずに昨年大阪中を走り回りました。誰にも止められませんでしたが、帰ってきて娘にいわれました。ハンドル名はずっとランクルを通してきましたが、いけるところまで乗り続けます。ハンドル名を変えなければならなくなったらネットワーカーもやめます。これまでランクルで相当悪態をついてきましたのですわ(^o^)


山のキノコの返信
>3週間ちょうどで軍鶏が孵りましたので‥‥

それは、おめでとうございます! これで養鶏家になれますね! 軍鶏の身は引き締まって歯ごたえがあり美味いらしいですね。キノコを採ってきたら軍鶏鍋ですね。慶野松原でぼちぼちショウロですが、味噌汁に入れて美味いから、軍鶏鍋にショウロもいけそうです。でも、松がダメになってショウロが出なくなりました。

>浜からのボートの上げ下げをこのウィンチで砂浜を引きずって…

砂浜をウィンチで引っ張るのは分かるのですが、そのアルミボートを、車の屋根に載せてロープで縛って運ぶのでしょうか? 屋根に載せるのは重量挙げ選手のごとく、よいしょとか? こんなのがあれば楽ちんですが → 軽トラアームクレーン

>グリスを塗ったのはいつだったか?

おたけさんの言っている意味がよくわからなかったのですが、なるほどそうですか。長いこと使ってないということのようですね。ワイヤーロープが既に錆びついているとか? 無理に使うとぴーんと張っているワイヤーが切れて、どこに飛んでくるかわかりませんね。怪我をするかも? あるいは、ひょっとするとワイヤーが巻きとりドラムに綺麗に巻きとってなくて、さあ使おうとしても、中でワイヤーがからまっていて引き出せなくなっているとか? そんな状態かもしれませんね。

>地球温暖化などと規制をしますが、今年の冬はこんなに寒い。さぶ過ぎます。

本当にさぶいです。春一番が吹いて少し暖かくなりましたが、さぶいのはイヤですね。でも、実は雪景色を見に何べんも行っています。山の上はさぶすぎです。雪は見たいが、さぶいのはイヤと、たいがい矛盾したことを言っております。そのうち剣山(1955m)に登ろうかとたくらんで、雪が減るのを待っています。どんくさい者がいま行ったら遭難するのがおちです。ていうか、たぶん私の車では登山口の見ノ越までたどり着けないです。積雪20センチを越えたら、とにかく最低地上高の高い車でないと、車体の腹の下に雪をどんどん抱え込んで、じきに立ち往生ですわ。

ところで、とっくに地球温暖化のインチキなどバレているのに、温暖化対策を進めた連中は「ほうかむり」を決め込んでいますね。本来ならば自然科学史上で最大のスキャンダルである筈なのに、気象学者らもそっと立ち去るだけです。悪質です。誰ひとり反省も責任もとらないのは、原発推進者たちと酷似しています。悪法も法と言われるように、温暖化対策の法律が色々とできて、最近では新聞テレビでも温暖化をほとんど言わなくなっているのに、悪法だけが残りました。意味のない温暖化対策に税金が喰われているのは、やりきれないです。


【拙稿は続く】 



徳島県高越山 (海抜1133m) 遭難事故は何故起きたのか?(その6) 参考動画を見る 「意外に多い高越山の雪」
貴重なYou Tube動画があったので借用

高越山で雪遊びされている方のYou Tube動画を見つけました。結構たくさん雪が積もっています。瀬戸内地方の平野部ではめったに雪など積もらないから、ほとんどのドライバーは冬タイヤやチェーンの用意がなく (そんなもの全く無用の長物) 雪の積もっている山の上に来るのは (山の上に来ることが出来るのは) 一部のマニアか変人の類です。で、山の上では数十センチから時には1mとか2mも雪が積もっていることはあまり知られていません。四国は日本列島のなかでは南国の範疇に入るのですが、それはあくまでも平地のハナシなのであって、標高1000mより上にいけば北日本(豪雪地帯じゃない北日本)とそうかわりません。 勝手に埋め込み借用したのですが、冬季の高越山の様子を知る大変貴重な映像であります。


↑ このスノーアタック動画で注目する点はその車種です。この車は申すまでもなくスズキのジムニーであります。除雪されていない雪道を強引に走破するためにカスタマイズされています。そもそも改造しなくてもオフロード走破性能抜群のこの車種を、購入したままのノーマル車で使用するのではなく、雪道を攻略するために特化させるのです。吾輩も含めてそういう趣味のない一般の者にとっては、ほとんど理解不能なことでありますが、そうした道があるのかないのか分からんようなところを走って 「どろんこ遊び?」 に興じたり、スタック覚悟じゃなくて、わざとスタックしてその窮地をどう脱出するかを楽しんでいるとさえ見える 「雪遊び」 に興じる人びとが選択する車が、大きなものではランクル、小回りが利くものではジムニー、これしかないねっていう感じです。これらは、スノーアタッカー達の御用達 (ごようたし) です。

●拙稿で論じようとしているのは、高越山遭難事故が発生した理由は何か? ということであります。ネット掲示板等で、南国の住人は雪の恐さを知らないからだ、というふうな北国の方の書き込みが散見されました。ところが遭難死した住職の車は 「ランクル」 でした。もちろんスタッドレスを履きスコップ等も車に積んでいたといいます。車種選択は正解ですし、高越山は冬季は淡路島南部から眺めても白く雪が積んでいるのが見えています。で、雪の恐さを知らないというのは当たってないと思います。あの山に関して多少は土地勘のある吾輩の見方は、あの狭い参詣路 (林道) を行くにはランクルでは図体が大きすぎたのではないか? ランクルではなくジムニーにするべきだったのではないか? と考えています。理由は狭隘な道に図体の大きな車では、脱輪の危険性が高まるからです。とくに積雪で路面と路肩が見分けがつかない状態では極めて危険です。ということで、再度現場検証に行く必要がありそうです…。


2014年2月19日の高越山の「積雪の深さ」を推定
●動画投稿主のスノーアタッカーの 「さとけん」 さんが雪遊びをされたのは2014年2月19日ということですが、このときの高越山の山頂一帯での積雪の深さの推定をします。気象庁 アメダス穴吹 2014年2月 日ごとの値 (抜粋) から、穴吹での2月に入ってから19日までの降水量は48ミリであります。なお、1月はほとんど降水量がありませんでした。ここで注意を要するのは、アメダス穴吹は高越山の山麓付近ではありますが、山頂そのものではないことです。通常は、山の上は山麓よりも降水量が増えます。3割増しとか5割増しになることが多いです。麓で48ミリならば、山頂では60~70ミリだった可能性があります。 ちなみに、高い山では中腹で降水量が増えます。例えば富士山。山麓は降水量は少なく、中腹で多く、山頂で再び少なくというパターンです。

表中、最高気温が7.7度以下の部分を水色に着色しましたが、最高気温というのは瞬間的に示顕するものです。麓でこの最高気温の水準であれば、山の上は1日中氷点下です。降った降水は全部雪だったと思われます。17日に3ミリの降水がありますが、この日の最高気温が12度です。しかしながら夕方に寒気が襲来し急に0度近くになってからの降水で、山ろくでも降った物は雪か、みぞれであったと思われます。

●結局、高越山の山頂部分では2014年2月は月初から19日までに、累計で60~70センチの降雪があったと考えて差し支えないですが、雪は積っても自重で締まっていくことに加えて、融解したり蒸発 (昇華) もしています。気温が低かったから融解はほとんどなく蒸発で10センチ、自重引き締まりで10センチの積雪の深さの減衰があったと見ます。で、40~50センチの積雪であっただろうと推定します。


アメダス穴吹の2014年2月の降水と気温



徳島県高越山 (海抜1133m) 遭難事故は何故起きたのか?(その5) 現地調査を行い検証する
高越山冬景色、写真ギャラリーその3
駐車場から先は積雪が多い
↑ 船窪つつじ公園駐車場から先も車が通行できなくもないが、轍の上に新雪が積もった状態です。最近、車や人が通った形跡がありません。すくなくとも昨日の祭日は人々はこれ以上先には行っていないようです。轍もかなり古いもののようです。ここから先は一般車両は進入禁止! 「四輪駆動 + 四輪チェーン巻き + スコップ + 牽引ロープ」 のスノーアタッカーたちの領域ですわ。

路肩あたりを掘ってみると積雪は50センチある
↑ ちなみに轍の外側 (谷側) を掘って測ってみたら、ちょうど積雪50センチです。轍の部分は圧雪状態だから、いくらなんでも50もないだろうと掘ろうとしたら新雪の下が固く締まっていてピッケルなど道具がないと掘れません。で、何センチあるのか不明です。

もはや、誰も来ていないようだ
↑ 駐車場から徒歩で30分ほどかけて躑躅群落の手前まで登ってきましたが、もはや古い轍も新雪にほとんどかき消されています。足跡もなく、かなり長い日数だれも来ていないことが窺えます。

船窪つつじ公園に到着
↑ ついに 船窪つつじ公園 に到着です。地表は純白無垢の雪原になっています。雪は万象を包み込み、たとえ汚いものがあっても隠してしまいます。でも、汚いものを一時的に隠すだけなのであって、消し去るわけではありません。一時的な目クラマシなのです。フクイチ原発由来の放射能なんかは特にそう…。フクイチが終息したわけじゃないのに報道がほとんどなくなったですね。特定秘密保護法がジワジワと実効していますね。明らかに自由な言論空間が縮小しています…。

説明看板
↑ 説明看板いわく、「天然記念物オンツツジ群落と林床部に生育する希少植物をシカ・イノシシの被害から守るため保護柵を設置しています。」 ウソなんだよ。ヒトの被害から守るために保護策を設置していますと、正直に書けばいいのに…。

気温は2度くらい
↑ 持参の温度計 (検定済みの温度計じゃないから器差・誤差が大きいが) で目通りの高さで2度くらい。一面の雪原の上で気温が上がりにくいという事情はあるにしても、平野部からみたら随分と低いです。時刻は12日16時頃ですが、同時刻の気象庁の観測では、麓の穴吹で10.7度、池田で9.4度、徳島で12.8度でした。 北日本を調べると、同時刻に秋田で3.5度、青森で1.5度、函館で1.5度で、やはり四国でも標高1000メートルより上は東北地方北部~北海道南部の平野部と同等の気温になっていますね。(なお、上記の北方3地点も積雪があり、地表が雪に覆われているという条件は同じです)

冬のオンツツジ群落
↑ 国の天然記念物のオンツツジ群落です。これって、本当に天然の姿なのか? と吾輩は以前から疑っています。もともとオンツツジが多かったのは間違いないでしょうけど、人がツツジ以外の木を切って名所化した可能性が捨てきれません。ただし、オンツツジははっきり言ってシカの不嗜好植物です。シカがオンツツジ以外の木を食べた可能性も捨てきれません。シカの不嗜好性で形成されたならば天然群落ですが、ヒトが関与しているならば人工群落 (半人工・半天然) と言えましょう。さっき、説明看板はウソだ! と申した理由はこれです。シカは (イノシシも) オンツツジなど食べませんから…。シカよけだけなら柵は不必要なんですわ。で、柵は明らかにヒト除けです。1000人の花見客が1枝づつ枝を折れば、オンツツジ群落は大きな痛手です。1000人が林床を踏んで固めるのもダメージですわ。

降り返ると吾輩の足跡が
↑ つつじ群落は縦450m幅100mの広がりがあるのですが、群落に沿って狭い車道があります。車道の真ん中と思われるところが吹き溜まりになって盛り上がっています。腰ぐらいの高さがあります。で、雪の少ない山側を歩きましたが、40センチの高さがある長靴がすっぽりと埋まります。こうなったらスノーシューとかカンジキが要りますよね。住職らは氷点下の風雪の中、こんな状態で1.7キロも歩いたのでしょうか? これでは雪山登山重装備じゃないとアッと言うまにやられますね。とくに、83歳の寺男の方は。年齢的に足が上がらないと思います。ふつうでも80代男性の歩きかたはトボトボと足を引きずります。30センチの積雪下 (吹き溜まりじゃ50センチぐらいか) じゃ足をすりながら歩くラッセル状態でしょう。アッというまに体力をすり減らしますよね。スタックした車を乗り捨てて1.7キロ+1キロを徒歩で寺に向かおうとしたのは正しい判断だったのかどうか??  (その時の住職らの防寒着や足ごしらえの情報がないので判断できませんが…)

山荘の前を雪が塞ぐ
↑ つつじ山荘の前に、屋根から落ちた雪山が出来ています。積雪は少ないけど、信州の山の宿みたいですね。

今日は視程が利かない
↑ せっかく来たのに見えません。画面のまん中に西日本第二の高峰の剣山(1955m)が見えるハズですが、視程距離があまりに短いです。右に矢筈山(1849m)、左に天神丸(1632m)が見えるハズなのですが、残念。

展望台
↑ 展望台周辺は、陽がよく当たるのと開けて風が当たるので積雪が少ないです。駐車場から寺まで1キロほど登山道があります。結局2.7キロ。住職らの車はつつじ公園を少し行ったところで脱輪ということですが、平地でも2.7キロは83歳男性にとってはきついのではないか?

寺の駐車場へ至る林道
↑ この先が寺へ行く林道 (参道) です。今日はここで時間切れ! であります。肝心の林道実地調査ができませんでした。ふんどしを締め直して、ネジを巻き直して、また来ますわ。午後5時に船窪つつじ公園駐車場に戻って、すっ飛んで淡路島まで帰ったのですが、スっ飛ばせば午後7時に帰りましたわ。飛ばせば2時間です。便利になりましたねえ。昔は鳴門海峡をフェリーボートで渡ったものですが、5月連休など混雑時にはたった1.2キロの海峡を渡るのに5時間かかりましたよね…。

【拙稿は続く】


徳島県高越山 (海抜1133m) 遭難事故は何故起きたのか?(その4) 現地調査を行い検証する
●以下、雑想庵の写真ギャラリーに陳列する写真は、2015年2月12日 (大安) の午後3時~4時半の間に撮ったものであります。午後ちょっと遅すぎないか? という疑問の声が聞こえてきましたが、たしかに遅すぎますね。そんなことは分かっております。危険回避のため、気象が穏やかな日を待っていたのですけど、その適した日が来たら午前中忙しかったという事情なんで、しかたがありません。

●たとえ車道や林道を車で走るだけであっても、山へ行くのは “朝早く出発して、できれば午前中に行程をこなし、午後の早い時間帯に引き上げる” というのが鉄則です。これは登山と同じであって、いわば “山の掟 (おきて)”です。掟を破る者に対しては山の神様 (= 大山津見神、おおやまつみのかみ 他) は非常に厳しいです。大バチが当たります。必ずしも遭難するわけではないのですが、遭難する危険性がグンと高まりますわね。

とくに初めて行く林道ではこの鉄則をくずしたらダメでしょう…。山の掟を現代風に解釈したら、言うまでもなく万一何かあった場合でも、明るいうちに対応できる時間的余裕を持たせて落ちついて行動すれば、何とかなるということであります。日が暮れてからジタバタするのは危険であるということです。暗がりでよく見えないから崖から滑落するとか…。それから、夏の山では上空に寒気 (500hPa高層図で-9度以下の寒気) が本州の上空に進入していたら、ほとんど間違いなく午後に激しい雷雨が来るケースが多いためであります。これはなにも北アルプスだけでなく四国の山でも全く同じです。今回、掟破りの午後遅くにノコノコと来たのは、この高越山は過去多数回来ているから、道に迷うなどということはなく、地元の諭鶴羽山に登るのと同じ感覚であります。


高越山冬景色、写真ギャラリーその2
眺望が開け、徳島平野を睥睨する
↑ 海抜850m地点から徳島平野を俯瞰しました。平野のまん中に 四国三郎 (しこくさぶろう) と讃えられる吉野川が見えています。画面の右上あたりに鳴門大橋やわが淡路島が見えるハズなのですが、今日は霞がかかって視程不良です。残念。せっかく来たのに視程が悪いと、ここまで来るコスト (橋代・高速通行料金・ガソリン代) を損したみたいな気分になります。

住職らが雪中行軍した尾根が指呼の間に見える
↑ 同じく海抜850m地点から。前方に見える尾根は海抜1100m前後です。昨年12月5日午後に、スタックした車を乗り捨てて寺に行こうとして、強い北西季節風が吹き雪が降りしきるなかを雪中行軍して住職らは不帰の人となりました。ご冥福をお祈りします。この遭難事故を検証して第二の遭難事故を起こさないようにするのが、せめてもの供養になるのではないか?

山の牧場みたいなところにログハウスふうな棟がある
↑ 海抜890m地点に、牧場のような草地とログハウス風の棟があります。たぶん徳島県立山川少年自然の家の関連施設でしょうが、ログハウスふうな棟はよく見ると丸太作りではなく、鉄骨作りです。ならばログハウスと言えないわけですが、なんと言うのでしょうか? それにしても夏の避暑用別荘として最適ですわね。気温減率6.5度/100mとしたら向こうに見える平野部よりも5.7度平均気温が下がります。徳島地方気象台の年平均気温は16.6度です。6度下げたら青森地方気象台の10.4度とほぼ同じになります。ここの気温は青森と同程度ではないか? なお、高越山山ろくの吉野川市山川町の吉野川に架かる瀬詰大橋の南側岸にある三角点の標高は39.9mです。平野部は海抜は事実上ゼロと考えてよろしい。夏の日中は平野部は強い日射で気温は上がりますけど、山の上は上がりにくいです。夏の日中は10度ぐらい違うでしょう。100万円程度で売りに出されたら買ってもいいですわね。見晴らしも最高ですし…。 (勝手な放談)

登山車道が完全に雪に覆われた
↑ 海抜900mを越えると一挙に雪が多くなりました。路肩では積雪20~30センチ程度。車道の轍 (わだち) の部分では10~15センチ程度です。昨日 (2月11日) は祭日でしたから結構雪見客が来たのか? 轍の部分はよく踏みつけて圧雪状態です。吾輩の車は四輪駆動+スタッドレスを履いて来ましたが、これで何とか行けそうです。勾配がきついので新雪状態ならチェーンを巻くのを覚悟してましたのですが大丈夫そうです。しかしまあ、急こう配、ヘアピンカーブの連続なので一旦停まったら発進できなくなるかも?

船窪つつじ公園の駐車場に到着
↑ いかんせん雪の降らん瀬戸内地方のドライバーは雪道走行の経験不足であります。北日本の人らみたいにスイスイとはいきませんが、(もっとも、道幅が狭く急こう配なので北日本のベテランドライバーでもそうスイスイとはいかんでしょうけど) 微速前進でカメのように登り難行苦行の結果、船窪つつじ公園の駐車場にたどり着みました。海抜は1010mです。

広い駐車場
↑ 結構広い駐車場です。駐車場は日が当たるせいか比較的雪が少ないです。車が走りまわった跡がたくさんあります。昨日は雪見客が大勢来たのではないか?

●この駐車場が一番賑わうのは5月下旬の日曜日です。物凄い数の花見客が来ますね。駐車場は徳島・香川ナンバーの車で埋め尽くされます。徳島・香川ナンバーに混じって神戸ナンバーもちらほら。淡路島南部からも結構花見客が来ているハズです。オンツツジの花見シーズンには、日曜日だったら出来るだけ午前早くに来ないと車を置く場所がありません。で、吾輩は5月には絶対に日曜日には来ないです。ヒドイ目に遭いますから…。花見シーズンはこの駐車場から先は車の進入は禁止です。オンツツジの群落まで800mの道を歩かされるのですが、人の大行列です。花を見に来るのではなく人を見に来るみたいな状況になりますわ。もし、オンツツジの花見に来られるならば、日曜日を避けることをお勧めしますね。

ちなみにオンツツジとは漢字で書けば雄躑躅の意味で、ツツジ属植物では比較的大きくなります。樹の丈が6m程度にまで成長します。花も大きめで朱色の花です。典型的な 襲早紀要素 (そはやきようそ) の植物で、分布は紀伊半島南部・四国・九州中南部の比較的標高の低い山 (500~1000mあたりに多い) です。紀伊半島南部にあるものは品種のムラサキオンツツジ (紫雄躑躅) で、そうしますと赤花のオンツツジとしては、わが淡路島南部の諭鶴羽山系に自生する集団が分布の東限地ということになりそうです。


【拙稿は続く】



徳島県高越山 (海抜1133m) 遭難事故は何故起きたのか?(その3) 現地調査を行い検証する
本日は2015年2月12日 (大安) であります。

●机上の空論ばかり弄していてもいけません。で、現地調査であります。ある意味ではイベント業に属するかもしれない吾輩の業種は大安が忙しいのでありますが、午前中に仕事を片づけて正午に自宅を出発しました。大安で日が佳いばかりか天気も穏やかで暖かくてよろしい。南国四国といえども海抜1000mのところまでいくと、下界では想像できないぐらい景色は一変します。菜の花が咲き乱れ春色濃厚な山ろくから、北日本にワープしたような感じであります。で、荒れた日には危険であるから穏やかな日が連続するのを待っておりました。現地調査してきた証拠に写真を陳列します。


高越山冬景色、写真ギャラリーその1
山麓から高越山を見上げる
↑ 山ろくの吉野川市山川町の街並から高越山を眺めました。山容はわが淡路島の先山 (448m) に似ています。しかし、似てはいますが、やはり先山よりも高度があるのが分かります。(写真では分かりませんが)

平地はポカポカ陽気で、菜の花が満開
↑ 高越山の山ろくにある山川町の畑で菜の花が咲き乱れていました。本日 (2月12日) の最高気温は、最寄りのアメダス穴吹で11.6度もありました。風が弱く日差しもあるので、非常に暖かく感じられます。

ふいご温泉が、車でも徒歩でも登山口
↑ 国土地理院の地形図を見ると、ふいご温泉 というのがあって、徒歩でも車でも、この付近がメインの登山口のようです。歩いて登る登山道は正味の登高標高が完全に1000mあります。(山頂1133m、登山口の標高90m) 健脚な人で2時間、普通なら3時間コースですわね。かなりしんどそう。富士山でも登山口は海抜2400mぐらいあるから、実際に登る標高差は1300mあまりです。そんなに違いませんわね。でもまあ、富士山は高いだけに空気が薄くなってその分余計にしんどいですが…。
船窪つつじ公園の駐車場あたりが見える
↑ 画面の奥の山の右の部分が、船窪つつじ公園の駐車場のあたりです。

道はせまく対向車がきたら困る
↑ 登山車道はとても狭く、対向車がきたら困ります。勾配もきつく、ガードレールのない部分もあります。海抜1060mにある船窪つつじ公園まで全線舗装はされていますが、わき見運転厳禁です。

高越山の山頂を見上げる
↑ 高越山の山頂を見上げましたが、高越寺は樹木の陰に隠れてみえません。

海抜550mのところに廃屋がある
↑ 海抜550mの高所に赤い屋根の廃屋がありました。スギ林の中にありますが、もと段々畑であったような形状が見られます。住人がここを去るさいに自給用の畑にスギの苗木を植えたのだろうか? 周辺の山の斜面は一面のスギの植林です。おそらく林業で生計をたてていたものが、林野庁の愚かな拡大造林政策の為に木材の供給過剰にくわえて、外材輸入の自由化のために木材価格暴落で暮せなくなり、ここを捨てて平地に降りたのではないだろうか? あるいは山の中の暮らしが嫌になったということかも?

つららが出てきた
↑ 海抜600mまで登るとツララがでてきました。しっかりとした立派なつららなので、朝は氷点下4~5度ぐらいに冷え込んでいたのか?

雪が出てきた
↑ 海抜630mでようやく雪が出てきました。まだ、薄らという感じで積雪は僅かです。

徳島県立山川少年自然の家の看板

徳島県立山川少年自然の家の建物
↑ 海抜740m地点です。徳島県立山川少年自然の家と書かれた看板があります。この施設の前を結構通っていますが、いつの間にか閉鎖したわねって感じです。で、検索して調べたら、Wikipediaに2006年に閉鎖したという記述です。もう10年近くになるんだ。徳島県立山川少年自然の家 ネットって便利なんだけど、検索しただけで本当に調べたと言えるのだろうか? という疑問があります。誰かが調べて書いたものを閲覧しただけじゃないのか? 「調べる」 っていうのは本来は自分の足で歩いて取材し文献を渉猟して不明な点を明らかにしていく行為じゃないのか? あるいは自分で観察し実験し記述して、集めたデータをもとに帰納、演繹、再検討…、っていう営みではないのか? ググっただけで調べたなどといえるのか? 疑問に思います。

雪らしい雪が出てきた
↑ 海抜820m地点です。いよいよ本格的に雪らしいものが出てきました。小さいながらも雪庇 (せっぴ) のようなものが形成されていますわね。吹き溜まりになっているところを踏んだら、ズボッと膝あたりまではまりそうです。まだまだ山頂までは上があります。これから雪が急激に増えるのではないか? と楽しみです。やはり、ここ (高越山) が淡路島南部の南あわじ市住民にとって、一番至近距離で行ける雪が見られる場所ですわね。飛ばせば2時間あったら来られます。ゆっくりでも2時間半か。日本海側まで行くよりは遥かに近いです。

【拙稿は続く】



徳島県高越山 (海抜1133m) 遭難事故は何故起きたのか?(その2) 遭難事故当時の高越山の気象を推定する
●残念ながら高越山の山頂にアメダス観測所はありませんから推定する以外にありません。さいわい高越山の山裾にアメダス穴吹があります。山頂から北西に水平距離4.5キロ、高度差約1000mであります。以下に、その観測データを図にして示します。それから西日本の上空約1000mの観測データがどうだったかも表にして示します。


↓ 以下2枚の図は、あくまでも山麓での観測データ
気象庁 アメダス穴吹の観測統計 から当該データを抽出して作成。
山麓にあるアメダス穴吹の観測データ 気温・降水強度
↑ 赤線が気温の変化で単位は℃です。青色線が1時間降水量で単位はミリですが、縦軸のスケールが度とミリを兼ねています。気温が十分に低いと通常は4ミリの降水量は4センチの積雪になります。


山麓にあるアメダス穴吹の観測データ 風速


↓ 西日本上空900hPa面 (上空約1000m) での観測データ
高層気象観測データ検索 から当該データを取得して作表した。山麓と一変するのは風速です。1000m上空は少なくとも10~15m、ときには20mの強風が吹いていた模様であります。
高層気象観測データから高越山の気温を推定する
↑ 残念ながらラジオゾンデを揚げて高層気象観測している地点は少なく、西日本の本土部分では福岡・松江・鹿児島・潮岬の4地点しかありません。しかたがないので、高越山は松江と潮岬間330キロのほぼ中間点にありますから、内挿法で両地点の中間値と考え計算しました。しかしまあ、高越山は四国山地の北側に位置するし、四国山地は1500~2000mの峰々が東西に屏風のようになっていて太平洋からの暖気をブロックするから、1000m上空ならば松江に近いかもしれません。おそらく福岡と同等程度では?


2014年12月徳島県西部大雪のアメダス降水量分布
徳島地方気象台 の気象速報 平成26年12月5日から6日の大雪について から降水量分布図を引用します。
徳島県大雪のアメダス降水量分布
↑ この図を見ると2014年徳島県西部での大雪は非常に局地的な現象だったことがわかります。アメダス池田では降水量は104ミリでしたが、気温が低い山では積雪1メートルに相当しますね。実際1mどころか井川スキー場で130センチだとホームページに書かれていました。高越山は大雪の中心から随分とはなれています。降り始めから降り終わりまでの降水量はアメダス穴吹で41ミリです。降り始めは気温がまだ高かったから積雪に貢献した降水量は30ミリ程度で、住職らが倒れていた駐車場で積雪30センチという情報とピタリと一致しています。


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●以上の客観的な気象観測データを踏まえて考えると、次の状況であったと、それなりの確度でいえそうです。

高越山山頂付近では12月4日の昼過ぎまでは気温がせいぜい零度近辺で、雪であっても湿った重い雪であまり積雪にはならなかったと推定、夕方ぐらいから気温が下がり、積もりやすい乾いた雪になったと想像できます。気温は意外に低くなくせいぜい-2度か-3度、あるいは-3度か-4度程度であったと思われます。結局、40ミリ程度の降水量であったのですが、最初は気温が高めで積雪が伸びず30センチ程度の積雪。尾根では風が強く10m以上、尾根を縫う林道は風の吹きさらすところは積雪10~20センチか? 林道が尾根の東側に回ったところでは雪が吹き溜まるので40~50センチのところもあったのでは?

1000mで6.5度気温が下がるというのはあくまでも目安です。実際にはケースバイケースで、ほとんどかわらないこともあれば、時には1000mで10度も下がる場合もあります。高越山と山裾との気温の差はそれほど大きくなかったであろうことは、高層観測データが示唆しています。降雪が上空の寒気を引きずりおろして地表付近を冷やした可能性も考えられます。

住職らが麓の自宅を出た5日9時半ころ、山麓は気温が1度か2度で、雪がチラチラと舞う程度で、山は雪化粧していたでしょうが降雪強度は1時間に1~2センチ積もる程度。麓はあまり風がなく物凄い風雪ではなかったと思われるから、出発したのではないか? 海抜1050mにある船窪つつじ公園まで登ったら (降水量と時系列から推定して) 20センチ程度の積雪で、船窪つつじ公園から林道に入ると道が狭いし積雪で路肩がわからなくなり脱輪、あるいは海抜1143mのピークの風下側を林道が巻くので予想外の吹き溜まりがありスタック、車を乗り捨てて徒歩で寺に向かう間に更に10センチ積もった、と推定します。




【拙稿は続く】


徳島県高越山 (海抜1133m) 遭難事故は何故起きたのか?(その1) 通信社が記事を配信、全国区のニュースになった
●昨年12月4日昼ごろから5日の深夜まで、徳島県西部の山間部で大雪がありました。道路が雪で埋まり積雪の重みで樹木が倒れ、三好市やつるぎ町では孤立集落があいつぎました。救助のために自衛隊の出動があったのは記憶に新しいところです。三好市の腕山 (かいなやま、1339m) の山頂直下にある 井川スキー場 腕山 では130センチの積雪、孤立集落では70センチの積雪だったと報じられました。この大雪で徳島県では3人の犠牲者が出ました。孤立集落に住む90代の老女と、大雪の被害中心地帯からかなり東になるんですけれども、高越山 (1133m) の山頂付近で男性2人が雪中に倒れました。

●この 高越山 (こおつさん) は、剣山地の前衛の山で、吉野川ぞいの徳島平野に一番せり出している山であります。山の形が秀麗で場所によっては富士山みたいに円錐形に見えるので阿波富士とたたえられています。山頂にある 高越寺 (こうつじ) は御本尊に蔵王権現をお祀りし、阿波国修験道の発祥地と称される真言宗大覚寺派の名刹 (めいさつ) であります。淡路島南部の海岸から高越山のその秀麗にして端正な山容はよく見えていて、遠望するにひときわ目立っています。そういうこともあり、高越寺の信仰圏は間違いなく淡路島南部の南あわじ市にまで及んでいます。吾輩も何べんとなく登拝しています。 (ただし、吾輩は信心が不足しているので、寺に参るというよりも西日本一と讃えられるオンツツジの大群落を見に行くという感じではありますが…)

●高越寺の住職さんらが雪倒れたというニュースを聞いて、ヤバイなと思ったのですが、あの山はめったに雪が積もらない徳島県東部平野部や淡路島南部の人間にとって、一番至近距離で本格的な雪景色が見に行ける山でして、眺望も素晴らしく、冬の休日には雪景色や霧氷を見に来る登山者で結構にぎわいますわ。四国沖を南岸低気圧が通過したら双眼鏡で 「かなり積もっているわね」 と確認してから見に行きますね。で、そこで現実に遭難死亡事故があったわけで安易な入山は一考する必要がありそうです。おそらく高越寺の住職さんが誰よりも一番多く高越山に登り、狭くて急こう配の高越山登山道の積雪期の車での走行回数が多く、経験を積み上げているハズなんですが、その人でさえ遭難死したということは深刻です。

そういえば、かつて剣山測候所の職員も遭難死 (殉職) しています。剣山山頂を職場としてだれよりも冬の厳しい亜高山帯の山を知るベテランでも命を落とすのが山の恐さです。測候所職員と山上寺の住職さんとでは職種が全く異なりますが、ちょっとの判断ミスや不用意で命を落とす事例としては共通しますね。事故を起こさず、安全な登山・安全な雪景色見物を行い、関係方面に迷惑をかけないためにも、この 「高越山死の彷徨」 遭難事故を検証したいと思います。

まず、遭難事故の概要を見るために、ニュース記事を二本引用します。



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【雪の中で倒れていた山寺の住職と寺男 死亡確認】 NHKオンライン 2014年12月6日 (リンク切れ) 
徳島県吉野川市の高越山で5日、山頂付近にある寺に向かっていた住職と寺で働く男性の、 2人の行方が分からなくなり、6日朝になって雪の中で倒れているのが見つかりました。 2人は心肺停止の状態で病院に運ばれましたが、警察によりますと6日夜、死亡が確認されました。
 
5日、吉野川市の高越山で、山頂付近にある高越寺に向かっていた高埜茂洋さん (43) と寺で働く美馬市穴吹町の守本正夫さん (83) の行方が分からなくなったと、家族から警察に捜索願いが出されました。

2人は、6日午前8時ごろ、寺の近くの山道の雪の上で倒れているのを捜索に当たっていた知人などに発見されましたが、心肺停止の状態で、現場に到着したレスキュー隊によって病院に運ばれましたが、警察によりますと、6日夜、死亡が確認されたということです。家族が警察に説明したところによりますと、2人は、5日午前9時半ごろ、山のふもとから車で寺に向かいましたが、昼過ぎに高埜さんから 「車が脱輪して動けない」 と電話があったということです。

家族はレッカー車を手配しましたが、大雪で現場までたどり着けず、午後3時に高埜さんから 「歩いて寺に向かう」 と電話があったのを最後に連絡が取れなくなっていました。


【雪上で2人が心肺停止 不明の住職ら、徳島】 産経WEST 2014.12.6 
徳島県吉野川市の高越寺に向かった住職、高埜茂洋さん (43)=同市山川町井上=と、無職、守本正夫さん (83)=同県美馬市穴吹町三島= が5日午後から行方不明になり、県防災ヘリコプターが6日朝、寺駐車場の雪の上で倒れている2人を発見した。地元消防によると、2人は心肺停止の状態。雪の中、徒歩で寺を目指していたとみられる。

阿波吉野川署によると、高越寺は高越山 (1133メートル) の頂上付近にあり、地元消防によると、2人が倒れていた周辺は約30センチの積雪があった。

2人は5日午前9時半ごろ、高埜さんの自宅を車で出発。午後1時ごろ、寺の南約1・8キロの公園付近で 「雪で車が脱輪した」 と高埜さんから家族に電話があった。高埜さんは約2時間後、電話で再び家族に 「歩いて寺に向かう」 と話し、その後連絡がとれなくなった。
 
高埜さんの自宅は高越寺の麓にあり、寺には数日ごとに守本さんら手伝いの人が入れ替わり滞在、送迎を高埜さんがしている


石井町の六条大橋から高越山を眺める
↑ 石井町の六条大橋 (吉野川に架かる橋) の川の南側から見上げた高越山。5~6キロにわたって海抜1100m前後の稜線が続いていて、一番北の端 (画面では右になる) にあるピークが高越山です。この尾根伝いに林道が2キロほどあって、ここを雪中行軍して住職らは倒れた。写真を撮ったのは2014年10月19日。

高城山から見下ろした高越山
↑ 剣山系の主稜線上にある名峰の 高城山 (たかしろやま) の山頂から高越山を見降ろしました。リンクのWikipediaでは標高1627.9mとしていますが、これは三角点の高さであって、実際の山頂に1632mの標高点があります。


山菜採りや、茸狩りで遭難死亡事故が!
徳島県警察 の資料 安全で楽しい登山のために のなかに高越山遭難事故がしっかりと記録されています。表を1枚引用させていただきます。死亡遭難事故を注意喚起のため着色しました。1年間で警察におせわになった遭難者は28名ですが、うち徳島県人は14名、他県人も14名ですね。他県人がちょうど半数ですわね。高越山遭難事故以外での死亡者は、山菜採りと茸狩りで命をおとしています。こりゃあ、教訓として肝に銘じなければ! 徳島県警察のお世話にならないように気をつけなくっちゃ! (自戒の意味)

徳島県警察本部生活安全部地域課 『安全で楽しい登山のために』 より



【拙稿は続く】



今冬最強の冬将軍襲来か?
本日は2015年2月8日 (日曜日) であります。

●今冬最強の寒波襲来でしょうかね? 500hPa高層天気図を見ると、寒冷渦 (上空の低気圧) の中心に、-48.9度という数字が見えています。観測史上最低ではないにしても強烈な寒波です。北海道あたりをかすめるか? という感じですがどうやら北日本を中心に襲来しそうで残念なところです。何といっても日本の政治・経済の中心は大東京であります。東京こそ統治機構の中心地点です。ここを異常低温とか大雪とか寒波暴風で叩かなければなりません。まだまだ温暖化利権者の残党が東京に巣食っていますから、ここを震え上がらせる必要があります。というのは、北海道が-30度になろうと、-40度になろうとも、人ごとみたいに思っています。東京周辺に4000万人が住み、東京と福岡を結ぶ線上の南北200キロの幅 (つまり太平洋ベルト地帯) に日本人の大部分1億人がいるので、この地帯の感覚が日本の基準になっています。寒冷な北海道に500万人、準寒冷地の東北に700万人住むといってもあくまでも1割の人口比率、マイナーな辺境扱いです。メジャー感覚では北海道は日本語の通じる外国、西日本から見たら満州みたいなところです。準外地みたいなもので、ここがいくら凍てついても、首都圏ではどこ吹く風と人ごとで、いまだに温暖化の恐怖を煽ってカネもうけをたくらもうというヤカラが居るんです。そう言う連中を完全に黙らせるためには、寒冷渦が北緯35度まで南下する必要があるというものです。

●まいど馬鹿の一つ覚えみたいに切歯扼腕・悲憤慷慨するのは、毎年2~3兆円もの国家財政が温暖化利権者どもに喰い散らかされているからなんです。もちろん、2~3兆円という数字はあまりにもアバウトな数字ですけれども、これはどこまでが地球温暖化対策の費用なのかと解釈次第で灰色部分も多いからです。消費税増税だって、消費税率を上げた陰で (そのお見合いとして) 法人税率を減免したり、企業の色んな控除で優遇措置を与えていますよね。広い意味でその一環として地球温暖化対策費用が大企業等に権益として流し込まれています。なぜ、国民・納税者は怒らないのだろうか? 疑問です。そりゃあ、国民・納税者のなかに権益に巣食う側の人間が居ることは間違いありません。けれども、どんなに多く見積もってもせいぜい1~2割程度でしょう。大部分の国民の8割はカネを盗られる側にいます。なぜ、怒らないのだろうか??


寒冷渦直撃で大東京をぶっ潰せ!
ま、そうはならんでしょうけど。
今冬最強寒波襲来
↑ 2015年2月8日09時 (日本時間) の図です。気象庁サイトの 船舶向け天気図提供ページ から、500ヘクトパスカル高層天気図 を抜粋借用した。あまりにも見にくい高層天気図なので、等温線を勝手に着色しました。なお、リンクを閲覧しても最新の図しか見られないです。


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今回はダメみたい…
地上も、1キロ上空も2キロ上空も、ほぼ西北西の風向のようです。風に北寄りのベクトルが強すぎます。瀬戸内海はよくみると東西走行ではなく、瀬戸内海西部よりも瀬戸内海東部が持ち上がっています。西南西~東北東の走向です。この走向ラインに対して西北西の風が来ると、45度の入射角度で風が瀬戸内海を横切ってしまいます。これでは瀬戸内海上や四国山地にあまり雲が湧きません。 かといって、日本海寒帯気団収束帯 の向かう方向が、隠岐の島~近畿地方北部~三重県四日市ラインになっています。比較的に海抜高度が低い中国山地を乗り越えて瀬戸内に雲が流れ込む走向でもないし…。 残念でした。ま、風向きが変化するのを期待したいところ…。 (申すまでもなく雪が舞うのを期待していたのですが、四国山地に雪が積もったら雪見に行くつもり…)


↓ 風向きがあまりよろしゅうないです。もうちょっと西風か、西南西の風を期待したいところ。出典は、ウィンドプロファイラ
風向きが、よろしゅうない。


↓ 日本海寒帯気団収束帯 (いわゆるJPCZ) の走向もあまりよろしゅうないです。JPCZの直撃下にある兵庫県北部の山間部が大変なことになっているようです。急激に積雪を増していますね。災害がないようお祈り申し上げます。出典は、レーダー・ナウキャスト
JPCZの向きも、よろしゅうない。



落葉樹の開花は、あまり寒暖の指標にならない (続編)
落葉樹の開花というのは、必ずしも気温と相関しているわけではない!

●これが、落葉樹の開花日が、必ずしも寒暖の指標 (ものさし) とはならない大きな理由です。すなわち、例示したウメの花が例えば気温が8度になったら一斉に咲き、8度にならないと咲かないというのであれば寒暖の指標になりましょう…。けれども実際には3度や4度の低温で花が咲くこともあれば、7度や8度になっても咲かないという奇妙な現象が起こっています。

●下に掲げた分布図は、全国各地のウメの開花日がいつなのか? またその開花した日の気温が何度ぐらいなのか? を調べたものです。ウメの花は毎年早かったり遅かったりですし、気温も目まぐるしく変化します。で、開花日も気温も平年の値を用いています。であるから毎年平均するとこれぐらいになるということであります。それにしても驚くべき差が生じています。水戸では大寒のさ中の1月31日に開花します。その頃の日平均気温は2.7度ですが、最低気温の平年値はなんと-2.5度です。氷がバリバリに張るようなときに開花です。一方、札幌ではかなり暖かくなって気温が10.3度になったころにウメが開花します。最低気温の平年値は6.1度です。水戸との差はなんと7.6度 (8.6度) にも達します。


とても興味深いのは、おおむね日本列島の中央部では気温が低くてもウメの花が咲きます。列島の北と南では気温が高いときにウメの花が咲く傾向がハッキリと見えています。それから至近距離の2点間でも大きな差があります。仙台と山形ではウメの開花時の気温差が4.5度もあります。水戸と銚子でも3.5度の差があります。そもそもウメは休眠期間が短く、休眠の破れ次第で開花の早晩の大きな差が生じるし、標本木の遺伝的な性質が同一ではないし、ウメが早く咲いたから暖冬だ、遅いから厳冬だ、なんて必ずしも言えないわけです。暖冬か厳冬かは検定済みの精確な温度計で測って解析するべきもので、花の咲く日など、ええかげんな物差しで測るものじゃありません。まして、花が早く咲いたから温暖化の証拠だなどというのは大馬鹿者であります。噴飯物のええ加減さであります。ま、ウメの花はええ加減ですが、遺伝的性質が合同なサクラ (ソメイヨシノ) だって休眠打破の進み具合が大きく左右するし、かなりええ加減ですわ。黒潮に洗われる八丈島は本土よりかなり温暖ですが、暖冬の年には休眠が上手く破れずに、サクラの開花が本土の関東や東海地方よりも遅れることがありますわね。

気象庁サイト 生物季節観測の情報 うめの開花日
気象庁サイト 過去の気象データ検索
から情報を抽出して下の図表を作成しました。


ウメの開花と気温の関係


生物季節が環境指標たりえるのは、自然分布の範囲内のみ!
●石垣島と那覇がチョン切れたが、琉球諸島を粗末にしているのではありません。日本列島は北東~南西走向に長すぎるので入らないだけです。両地点では17~18度でウメが開花で、本土の開花気温と比べると完全に “異常値” を示しています。そもそも両地点ではめったに10度以下に下がらない地方でありますから、ウメの開花観測自体がまったく意味がありません。温帯果樹を亜熱帯域の気候指標にしようとすること自体が根本的な間違いです。

●同じことが、北海道の道東地方や道北地方についても言えましょう。ときには樹木があまりの低温で材の中心部まで凍結し、幹が裂けるという現象が報告される地方です。耐寒性最強のリンゴ (耐寒限界-35度とされる) ならともかく、リンゴよりも耐寒性が弱いウメには厳しい環境です。札幌以東 (以北) にウメの開花観測がないのは測候所が無人になったこともありましょうが、そもそもウメの栽培適地から外れることが大きな原因であろうかと思います。

ハッキリ申して、東北地方北部から以北と、九州南部以南は、ウメの開花が遅れていて異常値を示しています。ようするに、どんな樹木でも本来の自然分布の幅は意外に狭いものです。自然分布の範囲をはみ出したところでは、「開花」 や 「開葉」 や 「結果」 などの生物季節は異常値を現わすことが多いです。いわゆる狂い咲きなどの現象が頻発しますね。それどころか、そもそも生育自体が無理になってきます。生物季節の観測がその地点の気候指標として有効なのは、あくまでもその生物の本来の棲息分布の範囲内にあるときだけです。なお、かならずしも自然分布内でなくてもいいのですが、自然分布ではその樹木が例えば平均気温10度~5度の範囲に自生するとしたら、10度より高くても5度より低くてもダメという意味です。10~5度の範囲の外でその樹木を植えて開花観察をしても割合に異常値を示すのでダメだという主張です。



↓ 気象庁観測統計から抽出したデータセット
各地のウメ開花平年日と、その日の平均気温平年値


落葉樹の開花は、あまり寒暖の指標にならない
●大寒も大過なく過ぎ去り、(つまり豪雪とか大寒波がなく災害がなかったという意味) 立春を迎え、太陽高度はじりじりと高くなっています。大空には水蒸気が多くなったせいか? なんとなく白っぽく、けだるいような不透明感が漂ってきました。今朝はわが淡路島南部のアメダス南淡でも氷点下を記録、なんと-2.5度! であります。おおーさぶ、てな感じ。明け方には諭鶴羽ダムで 「蒸気霧」 が見られるだろうと予測、本土の内陸部ではありふれた現象ですが、島の中ではめったになくニュース価値があります。で、写真を撮ろうと昨夜から構えておりましたが寝過ごしたわ。どうやら吾輩は写真家にはなれないようだ。

●基本的には雑想庵には暖房はないので、部屋の中は7度とか8度です。別に灯油代を倹約しているのではなく、若干呼吸器系統の疾患を持っているので石油ストーブを焚いて部屋の空気を汚したくないからであります。できれば北日本みたいに燃焼ガスを戸外に排出するストーブの設置工事をしたいところ…。ですが、周囲が海で冷えづらい島ではそんなストーブは売られてないです。多分需要がないのでしょう…。じゃあ、エアコンを使うという手もありましょうが、電力需要を減らすために国民みんなで節電に励む必要があります。電力需要を減らして原子力ムラの連中を兵糧攻めにして叩かなければなりません。電力需要が膨らむと、「やっぱり原発を稼働せにゃならんやろが」 と世論誘導の材料になってしまいます。原子力村は政官財の癒着構造そのものであり、象徴です。ここに改革の大ナタで切り込まないかぎり、この国は絶対に良くなりませんわ。


島内あちこちで、ウメの花が咲いています。
実は、ウメの花は春の花ではありません。冬の花です。(ただし西日本でのハナシ) ウメは暖かいから咲くのではなく、実は寒いから咲くのであります。ウメのような落葉樹木は夏が終るころに芽が 「休眠」 に入ります。冬が到来して一定の寒さにさらされると休眠が破れて (休眠打破) 花芽が生長をはじめ花を咲かせます。晩秋あるいは初冬に寒波が来て、早期に休眠が破れさえすれば、後は暖かかろうが寒かろうが花を咲かせます。今冬がそういう状況です。昨12月に大寒波が襲来し、徳島県西部で130センチの積雪があり徳島県で3人の犠牲者が出ました。12月が非常に寒かったので、休眠打破が順調に進んだのでしょう、淡路島では早くからウメが咲いていますわ。(他所の地方はどうかは知りませんが…) 暖冬気味で冬が暖かいとウメの休眠打破がうまくいかないので、開花が遅れるということが起こります。

北極圏で涵養された寒気は、ある程度溜まったら低緯度に吹きだします。一旦吹きだし終ると次の寒気蓄積まで寒波が来ません。で、1か月とか2か月の周期で 「寒」 「暖」 を交互にくりかえします。先ず、「寒」 が来て次に 「暖」 が来ると早く咲くのですが、先に「暖」が来てあとに「寒」が来ると非常に遅く成ります。単純に気温の寒暖に追従して咲くのではない から、休眠という現象を持つ落葉樹の開花は寒暖の指標にするのはあまりふさわしくありません。


↓ 1月17日 南あわじ市八木 北富士ダムにて 
一瞬、ウメではなく超早咲きのサクラかな? と思ったんですが、花や樹形や枝ぶりを子細に観察しましたところ、ウメです。八重咲きのウメの品種みたいです。
1月17日 南あわじ市八木 北富士ダムにて

↓ 2月2日 南あわじ市北阿万 文化体育館にて
2月2日 南あわじ市北阿万 文化体育館にて 

おたけさんの 『なんでも散歩写真です』
広田梅林へ行ったら紅梅が咲いてました(^^)v とのことです。 撮影日は2015年02月03日らしい。写真家 おたけさんの写真を借用しますね。綺麗ですわね。

写真家 おたけさんの作品


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おたけさんのコメント
写真取り上げてもらってありがとうございます。 2/1の休みの日に広田梅林へ出かけたのですが咲いてたのは水仙、蝋梅、紅梅のほんの少しだけでした、 梅を見にこられてたお客さんも全く居ませんし、まだノボリなどの飾り付けもされてませんでした。

昨年韓国へ旅行に行ったとき聞いた話ですが、韓国では梅を砂糖で漬けるらしいです。甘い砂糖漬けでオヤツだったり、冬の風邪ひきにお湯に混ぜて食べるそうです不思議ですね。



山のキノコの返信
おたけさんの写真を勝手に借用しましたが、事後承認ありがとうございます。

>韓国では梅を砂糖で漬けるらしいです。
これって、ウメの花の砂糖漬? ウメの実の砂糖漬? どちらなんでしょうか? たぶん、ウメの実の砂糖漬なんでしょうけど、サクラの花の砂糖漬ってなものがあるから、ウメの花もいけるんでしょうね…。

実は、実家では実母がウメの実の砂糖漬を毎年つくっていますワ。庭先に大きなウメの樹があって5月の終わりに収獲します。収獲したウメの実を選別して虫喰いなどを除きます。そして、センマイドオシでウメの実を突き刺して傷をつけます。ガラス瓶にそのウメの実を入れ、砂糖も入れて漬けこみますワ。砂糖はウメとほとんど等量入れます。ウメ1キロに砂糖1キロ。一か月ほどすると、あら不思議、ウメの実の水分が砂糖に吸い取られ、梅酒のようなものができます。水など1滴も入れてないのにビンの中は水にウメが浮かんでいる状態です。でも、まあ、梅酒じゃありません。しいて言えば、ウメジュースでしょうか? これを盛夏のうだる暑さのときに、氷水で割って飲み物にしていますワ。不思議なのは、アルコールなど1滴も入れていないのに、なんとなくお酒っぽい感じがするのです。

この砂糖漬のウメの実も、魚を煮るときに一緒にいれて煮たり、小皿に乗せてお茶のお菓子の代用品にしたり、工夫して食べてしまいます。ところが、実は、私はウメが大嫌いですわ。梅干しは嫌いなものの筆頭です。世の中に、何でこんな塩辛くて酸っぱい食品が存在しているのか? 理解できませんね。かといって甘い物も苦手で、ウメの砂糖漬も大嫌いですワ。で、自分はウメなど食べないのですが、そのウメの樹の剪定や収獲などは自分がしています。けっこう沢山なって実母と実弟が食べる分以外は、あちこちに配っていますわ。 もし、おたけさんもウメを食べるんでしたら、いかが?

不思議なのは、そのウメの樹ですが、早い年には正月明けの1月上旬に花が咲きます。遅い年では開花が3月初めまで遅れたこともあります。ところが、収穫時期はほとんど毎年同じです。数日と違いませんわ。最大限で2か月弱も開花時期の早晩があるのに、実が成って収穫時期が数日と違わないという現象は、なんとも不思議なことです。



スイートスプリングは、ジュースにすれば極上の美味さ (続編)
スイートスプリングの生産・出荷の累年統計
農林水産省の特産果樹生産動態等調査 長期累年統計表一覧〔Excel:e-Stat〕 からグラフを作成。長期累年 (長期累年統計表一覧〔Excel:e-Stat〕) → 表番号2-1 の上から40番目であります。

スイートスプリングの生産統計グラフ

●このグラフは農林水産省のエクセルデータを単純にグラフ化しただけでありますが、良く見ると2000年の数字が抜けていますわね。何でやろか?? 農水省に問い合わせないと分かりません。それから、2005年以降のデータがありません。統計データを集計するのに暇がかかるのやろか? でもまあ、10年もかかれへんやろな。多分、統計データを取ることをやめたんとちゃうか? これも農水省に聞かないと分かりません。 

●スイートスプリングは品種登録された翌年から苗木が供給されたのか、栽培が始まったようでありますが、結局、栽培面積は横ばいでほとんど増えませんでしたわね。栽培面積が増えないのに生産量が増えていったのは、単純に樹が成長したためでしょう。生産高がなめらかな上昇ではなく増減の凹凸があるのは、多分、表年と裏年 (=隔年結果) が起こっているからでしょう。2004年以降の状況は不明ですが、2004年時点で樹齢20年に達し成木です。栽培面積にそう大きな変化がないとすれば、生産高も600トンか700トンあたりを出没していて横ばいのはずです。ま、やはり、生産量は極めて少ないです。



スイートスプリングやネーブルの、栽培可能エリアは?
スイートスプリングの果汁に落果ネーブル果汁をミックスすれば、極上の美味いジュースになると申して、店に売っていないのでなかなか手に入りません。ネーブルならば市販されてはいますが、国産ネーブルは法外な値段! が付けられています。で、自分で栽培する必要があります。アパートとかマンション住まいならば困難ですが、一戸建てに庭がついていたらしめたもの。何の腹の足しにもならない庭木など早く伐って、これらの柑橘類の苗を植えましょう! 栽培は意外に簡単です。

亜熱帯柑橘のネーブルは特に寒さに弱く、スイートスプリングも寒さに強くありません。強烈な寒波が襲来したならば、ひどい寒害にやられますし、あまり気温が低いと樹が枯らされます。文献等では耐寒限界が-2度としている文献が多いですが、瞬間的な低温ではギリギリの限界が-5度か-6度あたりです。その低温が何日も連続したら非常に厳しいですが、寒冷紗かコモを樹に巻き、樹冠の下に厚い敷きわらをするなど防寒対策をしっかりとすれば、一晩くらいならば何とか持ちこたえます。


↓ 気象庁の観測データから、栽培可能な地点をプロット
-6度以下にならない地点

↑ 上掲の地点分布図は、気温的に栽培可能な地点を示しています。アメダスの運用は1974年から始まりましたが、多くのアメダス観測所の観測統計は1977年からのものが多いです。統計期間は39年目に入っています。図には気象台や旧測候所のいわゆる 「気象官署」 も加えていますが、気象官署は観測の歴史が100年超のものが多く、アメダス観測統計と同質ではありませんから、1976年以前のデータは除外しました。

●たとえば東京での最低気温の最も低い記録は-9.2度ですが、100年前には-8度以下の低温が頻発しています。この低温に見舞われると耐寒性の低いカンキツは一発でやられます。ところが、都市膨張につれて冬の気温上昇がめだちます。1977年以降に限ると最低気温は-3.8度まで上がります。なんと5.4度も上昇です。特にここ20~30年は-1度か-2度までしか下がりません。なんと東京は鹿児島県指宿か枕崎と同等の冬の暖かさです。このために東京はスイートスプリングやネーブル栽培可能地点となりました。ただ、高度な土地利用をする東京の中心に果樹を栽培できる土の場所があるのか? ということですが、江戸城跡の森の中の広大な屋敷に住まわれる天皇陛下は植物学者であられ (とくに昭和天皇は。『那須の植物誌』というご著書があります) 園芸をお好みらしいです。で、皇居に植えているかも?? 観測統計期間のながい気象官署では古い記録では強烈に冷え込んでいるのに、近年は都市温暖化で亜熱帯カンキツ栽培可能地点がいくつかあります。(愛媛県松山など) 丹念に調べていくと地球温暖化の実態は明らかに 「都市温暖化」 と 「冬の気温上昇」 です。夏の最高気温はそれほど上がっていないのです。なぜならば、気象官署の古い記録や、昔の区内観測所のデータに40度超の観測事例が多数あるからです。虚心に気象観測データを見れば、温暖化は憂うべきことなどでは決してなく、むしろ歓迎すべき好ましいことであります。ま、申せば、温暖化が危機だとするのは、そうした方が利権をむさぼれるからなのです。


実際の庭先栽培では、徹底的な寒風害対策を!
●上の図は実際の温州ミカンの栽培分布とほぼ一致しています。で、温州ミカンよりも耐寒性が劣るスイートスプリングやネーブルの庭先栽培にあたって一番気をつけることは冬の寒さ対策です。植えるのは家屋の東側あるいは南側です。冬の北西季節風を避けなければなりません。あるいは屋敷に塀や生け垣を巡らせて風を防ぎます。これが先ず第一に重要で、整枝や剪定、施肥や病虫害防除などの栽培技術よりも重要です。なぜならば寒風害で樹を枯らされたらおしまいだからです。


付記、日本海側のカンキツ限界栽培】  なお、栽培適地は図の通りで関東南部以西の太平洋沿岸です。あくまでも沿海地です。無理して内陸部で栽培しようとしても寒害との戦いになりますわ。海岸から20~30キロも内陸に入ると四国や九州でも最低気温が-8度とか、-10度とかになります。例えば 鹿児島県アメダス大口 では-10.2度。高知県アメダス中村 では-10.4度。 さしあたって栽培出来たとしても数年とか数十年に一度の強い寒波や、強烈な放射冷却でやられますわ。

上掲の図では、驚くべきことに日本海側で観測統計上-6度以下にならなかった地点が3箇所あります。 京都府アメダス間人(タイザ) の-5.9度、福井県アメダス越廼(コシノ) の-4.7度、新潟県アメダス糸魚川(イトイガワ) の-5.3度です。 それらアメダス観測所の立地環境を地形図で調べたら、アメダス間人は港町集落のはずれで小高い山のすそ、アメダス越廼は海岸集落にあり背後は屏風のような山、アメダス糸魚川は糸魚川市の市街の外れで背後は丘陵地帯のようであります。以上から考察すると、

①、海岸のすぐそばにある (海洋の影響で冷えづらい)
②、冬に日本海から風が吹き付けるところ (海を渡る風は極端な低温にならない)
③、市街や集落の中にある、(わずかでもヒートアイランド現象が起こる) 
④、背後に山がある (内陸部で冷えて海岸に流れ出す冷気をブロックする)

このような条件がうまく重なるところでは、日本海側でもスイートスプリングやネーブルが栽培できそうな地点が点々とありそうな気がします。もちろん厳重な防寒対策は必要です。そういえば、温州ミカンですが若狭湾沿岸で僅かですが栽培 (自家消費と地元消費ですが) されています。隠岐島の西の島でかつて温州ミカンがつくられていました。隠岐の島では現在地域おこしの一環でミカンの復活を目指しているみたいです。それから、佐渡島南部でも温州ミカンが僅かですが作られ佐渡島が温州ミカンの栽培北限です。温州は瞬間的には-7~8度までならギリギリいけます。糸魚川市にはかつて 上刈ミカン(うえかりミカン) が存在していたのは知る人は知るハナシです。



スイートスプリングは、ジュースにすれば極上の美味さ!
●柑橘類は市場に出回る種類はきわめて限られています。数えるほどの種類しか市場では売られていません。果樹試験場で交配で沢山の新品種が育成され、また民間育種家の手によっても新品種が産み出されました。ところが、せっかく開発された新品種なのに、果実の見栄えが悪いとか、規格に合った果実の粒がそろわないなどのツマラナイ理由で市場性がなく、消えていった素晴らしい果樹品種が沢山あります。そんな消えていった柑橘品種の一つに 「スイートスプリング」 という品種があります。

スイートスプリングの着果風景
↑ 吾輩が自給自足用に栽培しているスイートスプリングです。樹齢は27年です。これは大豊産性の品種です。ハッサクに似た葉がびっしりと着き、葉の陰で分かりにくいですが、葉の後ろに実が鈴なりになっています。

果樹の新品種育成には、長い年月がかかる。
(独) 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 「育成品種紹介 スイートスプリング」 によると、上田温州 (うえだうんしゅう) とハッサクの交配種であります。交配が行われたのは終戦直後の1947年で、静岡市にある旧 果樹試験場 興津支場で育成された品種ですが、交配して成らした実から種子を採取し、たくさんの苗木を育てて、成木になって実が着くには10年~20年とかかり、育てた多くの成熟樹に着いた果実の中から、品質の良いものを選抜するのは気の遠くなるような年数がかかりますわな。で、品種登録されたのが1982年です。35年かかっていますね。そのような膨大な手間と、長い年数をかけて行われるのが果樹の新品種育成です。1年で種子ができる1年生あるいは越年生野菜の品種改良と異なり、果樹の品種改良というのは数十年先を見て行うもので、時には、人の1代で完結しない長時間の中での営為なのであります。



味はいいのに、全く売れなかった新品種!
●スイートスプリングは、品種登録後は大変話題になった品種です。本品種の長所は “抜群の糖度の高さ” です。山の斜面など水はけが良くて乾燥気味の園で栽培したものは、とても柑橘類と思えないほど甘みが強い品種です。平野部で圃場の土壌水分が多いところで栽培すると、糖度が下がるのはしかたがないのですけれども、それでも他の柑橘類の追随を許さない甘さがあります。もう一つの長所は “果汁の多さ” です。果汁が多く大変みずみずしい柑橘です。抜群の高糖度と果汁の多さ、それから穏やかな良い香りがあり、素晴らしい新品種が出来たと柑橘栽培の関係者の間で評判でありました。ところが、まったく売れなかったんですわ。市場に出しても消費者が手に取ってくれませんでした。

●売れなかった理由ですが、次のリンクの野口果樹農園様が語っています。野口果樹農園 みかん直売所 「見た目が悪く、栽培が増えなかったため、現在も生産量が少なく、市場には殆んど出まわっていない珍しいみかんです」 見た目が悪すぎますわね。果皮がデコボコ、ざらざらで、中身は完熟しているのに果皮にまだ緑色が残って熟していないみたいに見えます。果皮も厚く固く手では剥けませんわ。包丁で果皮に切れ目を入れて無理やりに剥くって感じです。強引に剥いて中身を出して、いざ食べようとしたら果汁が多いので汁がこぼれ落ち、食卓も手もべたべたに汚れますわ。味は極めていいのに、とにかく食べにくいんです。で、市場では売れませんでした。て言うか、消費者が手にとってくれませんでした。食べてからこんなのダメだというのではなく、食べる以前に、見ただけで 「こりゃあ、アカンわな。美味ないやろ」 ということでありました。都会に住む消費者は残念ながら “表面のつくろい” を重んじます。見かけが良くないと売れないのです。

果実の拡大

果皮の目は粗い
↑ 写真では分かりにくいのですが、果皮の目が粗く、シワも見られます。本日2月5日に撮った写真ですが、2月には完熟しているのですが果実の色に緑色が残っています。ゴルフボールほどの固さはないにしても、果実がかなり固いです。果実がふっくらと柔らかくないので食べようという意欲が湧かない品種です。

●で、生産が拡大普及することはありませんでした。最近ではほとんど栽培されなくなっています。スイートスプリングの生産量は全国で年600トン程度しかありません。温州ミカンの生産量は近年ジリ貧ですが、それでも平成24年には846,300トンもあります。スイートスプリングの生産量は温州ミカンのそれのわずか千分の一以下です。ミカン農家の庭先に自給用として樹が残っている程度です。これでは消えていった新品種と言っても過言ではないでしょう。


●吾輩も栽培しながら、味は美味いけれども食べにくいので、とても食べる気が起こらなかったので、今までは鈴なりになってもほとんど収獲せずに放っていました。で、樹上で乾燥して干からびるか、強風で落果するにまかせていました。皮が固すぎてヒヨドリもカラスも手を出しません。しかしながら、利用せずに捨てるのはモッタイナイから何とか利用方法がないか? ということで収獲したところ、それほど大きな樹じゃないのに収穫籠に6杯も (100キロほどか) あったのにはビックリです。

カゴに入れて収獲

あれこれ食べ方を模索したら、ジュースにすると絶品!
であることが判明。とても甘くて美味いジュースなのですが、甘すぎるというきらいもあります。で、寒風害で落果したネーブルの果汁をまぜたら極上品になることが分かりました。スイートスプリング3個に対して落果ネーブル1個の比率でジュースに搾ると良いようです。やや大きめの果実ならば4個でワイングラス2杯のジュースが搾れます。スイートスプリングの抜群の糖度の高さと、ネーブルの爽やかな酸味や香気がベストマッチして、とても素晴らしいジュースになります。
スイートスプリング3、落果ネーブル1の比率でジュースにしてみた

【拙稿は続く】


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