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雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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セネカの崖 (Seneca cliff ) の恐ろしさ! (その1)
ものごとは崩壊過程のほうが早い!

●一般的に言って、物事というのは何であれ、成長・発展・上昇するときは比較的に緩慢であります。成長には、たいてい長い時間がかかります。ところが、物事というのは崩壊するのは早いですわ。場合によってはアッと言う間に崩壊しますわ。これは、ほとんど、この世の中を支配する公理というか法則みたいなものであります。自然現象でも社会現象でも経済現象でも、そういう事例は沢山あります。たとえば株式相場などが典型例です。世界中の株式相場の歴史のなかでも、空前絶後の暴騰と暴落を演じた光通信の株価チャートを見ると、まさにそういう感じですわね。

光通信の株価推移 (1998年12月~2000年7月)
ITバブル崩壊 (光通信)

●いわゆる 「ITバブル」 と 「バブル崩壊」 の顕著な事例であります。光通信の株価はITバブルの直前の1997年10月に2550円の大底を打っています。その後、日本一の売国奴の竹中平蔵氏などのヤカラが煽りまくったITバブルで狂乱相場が現出しました。、慾に目がくらんだ投資家どもの錯覚のなせるわざで2000年2月に241000円の大天井を打ちました。なんと94.5倍の大暴騰ですが、買うから上がる、上がるから買う、というフィードバックの連鎖で全く正気の沙汰でありませんでした。当時、光通信 は単に携帯電話を売っている会社にすぎなかったにもかかわらず、創業者の重田康光氏がIT革命の旗手などともてはやされ、大小の投資家 (投機家) の勘違いと錯覚でつけた値段が241000円です。しかしながら、月刊文芸春秋の批判記事がきっかけになって大暴落、20営業日連続ストップ安などという空前絶後の記録を樹立しました。50円額面の株価として241000円は最高記録ですし、ストップ安連続20日も破られることのない不滅の大記録です。で、2000年10月には1610円まで売られました。なんと150分の1の大暴落です。完全に いってこい (往って来い) です。元の黙阿弥です。結局、売った買ったの投資家どもの共同幻想であったわけです。

●ここで注目すべき点ですが、株価のグラフを観察したらじきに分かるのですが、いくら暴騰といっても株価が上がるのには比較的に時間がかかるのですが、崩壊するのはアッという間であることです。株価の上昇局面のトレンド勾配と比べると、下落局面の勾配はほとんどつるべ落としです。上昇局面では買い一辺倒ではなく売り物も出てくるので、その売り物を吸収しながら上昇していくには大変なエネルギーが要ります。ところが崩壊局面では売りのパニックで買い物が入りません。買い物が無い中を、高値買いの投げものの重みで落ちていくだけです。崩壊にはたいしてエネルギーは要らないのです。高値圏で醸成された位置エネルギーだけで落ちていきます。ようするに、ものごとは崩壊過程の方が早いという典型例です。

●このカラクリは地震とよく似ています。南海地震がいつ来るのか誰にもわかりませんが、歴史的には150年ぐらいの周期で来るわけですが、150年間隔で一定しているわけではなく間隔は伸び縮みしているわけで、前回は終戦直後でした。ぼちぼち危険ゾーンに入っていることは間違いないのでしょうけれども、フィリピンプレートの沈み込みで西日本の岩盤が引きずり込まれ歪が (地震を起こすエネルギーが) 溜まるには100年とか150年の長い時間が必要です。エネルギーが溜まるのには時間がかかるのに、エネルギーを開放して発震する (崩壊する) のは一瞬です。これが、ものごとが成長・発展・上昇するには長い時間がかかるのに、崩壊するのはアッという間である理由でしょうかね?



室戸岬では、永い沈降の後に、南海地震で一挙に隆起!
国土地理院サイト から借用。
室戸岬の水準点の経年変化

●室戸岬や足摺岬や潮岬は太平洋に突き出しています。フィリピンプレートの沈降点である南海トラフに近いために、数十年とか150年の永いあいだ地盤がゆっくりと沈降していきます。申すまでもなく沈み込んでいくフィリピンプレートに岩盤が下方に引きずられていくためでありますが、南海地震がきたら一挙に1mほど地盤が隆起ですわね。この国土地理院の水準点の変化グラフが地震のエネルギーの蓄積と、エネルギーの放出とをよく表わしています。エネルギーを溜めこむのはゆっくりと、エネルギーを放出するのはアッという間であります。なお、光通信の株価グラフと逆みたいに見えますが、地盤の歪 (ひずみ) がゆっくりと増大していき限界に達したら一挙に減少するということでありまして、結局は同じことです。

なお、室戸岬など南海トラフに近いところは何十年とゆっくりと沈降した後に南海地震で一挙に隆起ですが、南海トラフから距離が遠くなる高知市などは逆の動きです。何十年とゆっくりと隆起した後に南海地震で一挙に沈降です。これはシーソーの動きをモデルにして説明されます、ひと続きの岩盤の先端が下がれば反対側の先端は上がる、逆に先端が上がれば反対側の先端は下がる、というふうに説明されます。2011年の東北地方太平洋沖地震で宮城県の牡鹿半島 (女川原発のあるところ) は 派手に地盤沈下 しました。太平洋に突き出した岬なのに室戸岬と逆でなんで沈下なの? という疑問が出るところですが、シーソー理論で太平洋プレートの沈み込みトラフからの距離が大きかったということで上手く説明がつきますね。

●いちいち例示していたらキリがないのですけれども、このように、物事は自然現象であれ社会経済現象であれ、生物現象であれ (たとえば、ある生物種の個体群の膨張とピークに達した後の個体数激減など、淡路島南部のタヌキ棲息の消長など良い例) 、増加したり発展したり成長したりするのは時間がかかるのですが、減少や崩壊や破壊するのはアッという間なのです。これを、セネカの崖 (Seneca cliff ) と呼ぶそうです。この言葉はごく最近に日本に紹介された言葉で、新しい用語でありますがとても良い言葉です。セネカの崖 (せねかのがけ) という言葉を覚えておきましょう。

【拙稿は続く】






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