雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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大収獲! 
●日が替わって、1月31日となりました。たった今、磯に行って帰ってきたところであります。本当は明日のほうがいいのですが、2月1日は午前中仕事が忙しいので1日繰り上げました。やはり、予想どうり海況が悪く寒土用の波がきていました。しかしながら、まあ、何とか。深夜11時半に自宅を出て、磯に着いたのが11時50分、カキ(牡蠣)を獲ったのがちょうど1時間で、帰宅が1時10分であります。2時間かかっていないのですけれども、これはひとえにどこに行けば何がいるのか知悉しているからこそであって、長年の観察と経験がモノをいいます。残念ながら、阪神間の都会の人が淡路島を訪問して、にわかにカキ獲りをしようとしても、こうはまいりません。また、残念なのは深夜で真っ暗なので、カキの生息地の生態写真が撮れないことであります。

なお、漁業法が規定している漁業権 には、その海域、漁協エリアでどういう漁業権が設定されているか調べて、くれぐれも注意がいります。漁業権漁場を保有する漁業共同組合から、漁業権侵害だあぁ、と告訴された場合20万円以下の罰金になることもあります。こともありますというのは、ならないこともあるということなんですが、漁業権侵害はそもそも親告罪です。漁業組合長と知り合いであったりしたら大目にみてくれたりということもありますし、その海面で漁師さんが漁業対象にしていない種類のものを獲るのならば、ほとんど問題化しないということもあります。ま、穴場を絶対に明かさないのは親告罪対策もあります。

【深夜の潮干狩りの収獲物】 どこで獲ってきたのか全く不明です。もしかしたら、鮮魚店で買ってきたものを、さも獲ってきたかのように言っているだけかもわかりませんね。釣り人が良くやる手ですよね。手ぶらでは帰れないから、魚屋で買って、さも自分が釣ってきたかのように言う…。

本日の収獲

●養殖カキと異なり、天然カキは殻が厚くずっしりと重いです。養殖カキは殻に占める身の比率が25~30%ありますが、天然カキは歩留まりが低く10~20%ほどです。でありますが、殻自体が大きいので身も大きいです。また、殻が厚いため身を取り出す作業が経験と要領が要ります。そう簡単ではありません。むかし洲本の人にどっさりと天然カキを差し上げたことがあるのですが、後で聞いたら、結局身を取り出すことが出来なかったと言っていました。で、しかたがなく七輪で焼きカキにして醤油をたらして食べたそうです。ま、焼きカキはそれはそれで美味いもので、良い食べ方です。九州有明海沿岸では焼きカキを食べさせる店が道路にずらりと並んでいるところがありますね。たしか、佐賀県でしたか。カキはいろいろな食べ方がありますが、何と言っても “てんぷら” ですね。フライではありません。どこのレストランでもカキフライ定食等があり、カキはフライにするものというイメージがありますが、それは単なる先入観です。天然カキはてんぷらのほうが遥かに美味いんですよ。

おたけさんのコメント
 いいですね、牡蠣。 生のままでレモンを絞って食べるのも良いですね (胃に問題ある人はダメですね) 我が家で食べる牡蠣は土鍋で寄せ鍋や水だきですね、具が出来上がって最後に牡蠣を入れて、1分もしないうちに食べちゃう (この食べ方も胃に問題ある方はやめましょう) うまいですね。家族の中で、牡蠣大好きは私だけ。後はフライにしないと食べないとか、お醤油を入れて甘辛しないと食べないとかで、もうほとんど独占ですね(^^)v
 3月ごろにはアサリをよく捕りに出かけてたのですが、イソモンなどは塩茹でで食べても美味しいですね。今年の淡路島沿岸には毒性プランクトンのアナウンスはまだ無いので大丈夫なのかな?


山のキノコの返信
カキ (牡蠣) のてんぷら
 カキ (牡蠣) のてんぷらです。牡蠣フライではありません。てんぷらが、とても美味いんですよ。カキは水分が多い食材なので、カキのてんぷらはパリッと揚げるのは難しいのですが、たとえ上手く揚がらなくても、熱いうちに食べると美味しいものです。熱い牡蠣のてんぷらがあれば、お酒のとっくりが何本あっても足りませんね。
 最近アサリがあまり獲れなくなりましたね。昔はバケツ一杯獲れて、アサリのむき身で佃煮をしました。美味かったですね。蛇の鰭 (じゃのひれ) は三原郡中から大勢アサリ掘りに行くので乱獲でしょうかねえ? いっそ、あそこを福良漁協が管理して、稚貝を放流して有料 (500円ぐらい) にすればいいのではないか? と思うんですがいかがでしょうか。有料にすれば、みんなケチ臭いから行く人が10分の1に減って、資源が回復です。私は人の3倍獲る自信があるから、有料でも十分に元がとれるつもりです。とにかく、今の状態ではアサリ掘りに行っても面白くないですよね…。


はさみさんのコメント その1
一度コメントを書かせていただいたきりですが、よく読ませていただいております。
キノコだけではなく、磯物も獲りに行かれるのですね!
僕も春になれば成ケ島で磯物を獲りに行きます。
一度自然観察にご同行させていただきたいものです(^O^)


山のキノコの返信
はさみさん、お久しぶりです。
成ケ島はいい所ですね。昔、渡し船で渉って、よく行きましたよ。大アサリが獲れました。身が大きくて立派ですが、ゴムみたいに堅くてもっぱらダシ取りに使いました。それから由良港周辺には、ヨーロッパからの帰化動物で環境省が目のカタキにしていますが、真っ黒いムール貝(ムラサキイガイ)があちこちにいます。で、獲って身を取り出し、魚の煮付けみたいに炊いたら美味かったですわ。それから生石鼻の磯で****をどっさり。漁業権侵害です。罰金20万円! 詳細はここには書けません!
5月の連休か連休明けころ、またシャクナゲの自然観察です。今年は別の尾根です。シャクナゲの花はたべられませんが、綺麗です。ぜひ、どうぞ!


はさみさんのコメント その2
返信ありがとうございます。
改めていろんな記事を読み、来年は舞茸、ヒラタケ採りにチャレンジしてみたいです。
ヒラタケは淡路では時期的にもう遅いのでしょうか?
ムール貝は西淡で群生しているところを見つけ、獲って食べたことがあります。
生石鼻、あれでしょうか、これでしょうか。思い当たるものがいくつかありますね(笑)
30代に入って数年、自然に目覚めたのでいろいろと学ばせていただきます!
個人的にはトリュフを探しているのですが、見つけたと思ったら松露……うーん。


山のキノコの返信 その2
はさみさん、お早うございます。
 残念ながら、ヒラタケはもうシーズンが終わってしまいました。今頃は、捜したら野生のエノキタケがあるかも分かりません。エノキタケは冬のキノコで、淡路島では10月下旬から3月まで見られます。エノキ・ムクノキ・ニワウルシ等の切り株を捜しましょう! エノキタケは “切り株キノコ” です。つまり、樹皮から出ることは決してなく、材がむき出しになった箇所から出ます。要するにシイタケと発生のしかたが逆なんです。 (シイタケは樹皮がなければ出ないです)
 松露と言えば慶野松原ですね。味噌汁に入れたらとても美味いですよね。もうすこし暖かくなったら出てきますね。熊手を持って採りに行きましょう! 慶野松原は秋にはシモコシ(黄色いキノコで慶野のおばちゃん連中は “きんたけ” と呼んで採って食べていますね)
 トリュフですか? 私は見たことも食べたことも捜したこともありません。日本でも結構採集記録はあるみたいですね。以前入会していた菌類観察会の会員が、20年ほど前だったか、京都の奥でトリュフ似のキノコを発見しました。会員の中に、山と渓谷社の 『日本のきのこ』 などの編纂にもかかわったキノコ分類学専攻の人たちが何人かいて、その発見物を鑑定、いちおうトリュフであると同定されましたが、日本のトリュフはヨーロッパのそれとは形質等に色々と違いがあり、トリュフの一種ではあるけれども、ヨーロッパのものとは別種 (変種とか亜種のレベルの) という結論になったようです。……というふうなハナシだったと記憶しているのですが、そのキノコ観察会を退会したので、最近の情報は入らなくなりました。トリュフが見つかるといいですね。見つかったならば新聞の淡路版を飾るビッグニュースです。トリュフの島ということで、島興しだあぁ!
 ヨーロッパじゃブタをしこんでトリュフ捜しをするそうですが、ブタは見つけたトリュフを食べてしまうとかで、イヌをしこんでいるそうですよね。としますと、もし、淡路島にトリュフが分布していても、淡路島にいっぱい居るイノシシやイノブタが先に食べてしまいそうですよね。(笑)

↓ 少し古い写真ですが、これが淡路島産 (南あわじ市灘産) の天然エノキタケです。ミカン農家の人が邪魔になるニワウルシという樹木を枯らそうとして、樹皮を環状剥皮して材がむき出しになった部分に発生しました。
淡路島産の天然エノキタケ


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冬の深夜の干潮は、潮干狩りのチャンスだぁ! 晩のおかずを獲りに行きましょう。 
●本日は、2014年1月30日であります。 海では大潮です。干潮時には年間で一番潮位が下がります。われわれ島嶼人ならば常識ですし、おそらく釣りをなさる方ならばご存じでありましょうが、冬の夜間の干潮はものすごく海水位がさがります。例えば、紀伊水道側の徳島県小松島では、今年1月3日01時04分に、潮位表基準面上の値で-28センチまで潮位がさがりました。この1月31日と2月1日にも-27センチまで潮位がさがります。ただし、深夜12時とか1時ですし、潮位表に乗っている数字はあくまでも計算上の天文潮位であります。実際に観測される潮位は気象条件でかなり数字がずれます20センチも30センチも違うことがしばしばあります。それから黒潮が大蛇行して、わが南海道地方の海岸に接岸するか離岸するかでも、大きな影響がありそうですわ…。

●淡路島南部の太平洋岸に関していえば、南風が吹くと海水の吹き寄せ効果が顕著で、風速しだいではありますが、外洋の太平洋に向かって南に開けた紀伊水道を通って吹き寄せられた海水が淡路島南岸にくるので、やや強い南風が吹くならばたちまち30センチぐらい潮位が上がってしまいます。気圧も大きな影響を及ぼします。低気圧が接近して気圧が下がれば、ストローで水を吸い上げるのと同じ原理で水位が上昇します。逆に優勢な高気圧に覆われ、それも高気圧の中心が近いようなときには海水が押し下げられます。なので、単純に潮位表だけをみて最適の潮干狩り日を決定できないのです。“潮位表に記載されている天文潮位 + 気圧 + 風況” で判断です。たとえば明日の方が潮位が10センチ下がるとしても気象状況が悪ければ、今日のほうが磯が良く引くということになるのです。ただし、気圧による潮位の影響は広大な外洋に面している開放性海域ではハッキリでますが、播磨灘のような閉鎖性海域ではそれほど顕著ではないという感じはします。でも、明石海峡 (さらに紀淡海峡) や鳴門海峡を通して太平洋と繋がっているので影響はあるハズです。 ということを踏まえて気象庁のHPに掲載されている潮位表を借用いたします。


↓ 徳島県小松島の潮位予測
気象庁サイト 潮位表 小松島(KOMATSUSHIMA)
気象庁HPから借用
↑今回の干満の潮位差は1.9メートルですね。(2月1日0時51分に-27センチ、07時25分に163センチなので) おおむね太平洋沿岸で2メートル、瀬戸内海東部で2メートル、瀬戸内海西部で3~4メートル、九州有明海で5メートル、日本海側で0.3メートル、というのが最大限の干満差ということで良く知られていますが、磯に行っていつも思うんですが、瀬戸内海西部や有明海みたいに干満差が非常に大きかったらいいのになあと思います。2メートルの干満差は不満ですが、こればかりはしかたがありません。

↓ 淡路島江井 (播磨灘側) の潮位予測
気象庁HP 潮位表 江井(EI)
気象庁HPから借用

●淡路島南部の太平洋岸の磯に行く場合は小松島の潮位表を、播磨灘側の磯に行く場合には江井の潮位表を見れば良いでしょう。釈迦に説法ですが、ここで注意すべきは淡路市江井 → 南あわじ市湊 → 南あわじ市丸山 → 南あわじ市伊毘と鳴門海峡に近づくほど干潮の時間が遅くなっていくことです。申すまでもなく鳴門海峡をはさんで、干潮と満潮が逆転します。つまり、太平洋側が干潮のとき播磨灘側は満潮、太平洋側が満潮のとき播磨灘側は干潮。であるからこそ、水位の差が生じて渦潮が発生する。地元の人は知らぬ人はいないのですが、都会から磯遊びに来る人は知らないようなので…。

●さて、磯に行くには31日 (つまり30日の深夜12時すぎ) がいいか? 2月1日 (つまり31日の深夜1時ごろ) がいいか? ですが両日とも小松島港の干潮潮位はともに-27センチです。気象条件を加味すれば断然2月1日のほうがいいですね。気象の予測では31日には紀伊水道は 「まぜ」 つまり南風の影響が残存するし、2月1日の方が気圧が10hPa程度上昇しますね。 さあ、深夜の潮干狩りにいきましょう! わたくしはカキ (牡蠣) を獲りにいくつもりです。残念ながら穴場は非公開です。


淡路島南部のカキ】 上は老成したカキ、下は若いカキ。老成した物は重さが500グラムを超え、だぼっと巨大な身が出てきます。ゆえに地元の一部の人々は 「ダボガキ」 などと称しています。てんぷらにすると絶品で、酒が進みますね。
老成したカキ

若いカキ

年明けの自然観察 センリョウの大群落
●本日は2014年1月29日であります。早いもので2014年も1か月が過ぎ去ろうとしています。去る正月明けに成相渓谷で自然観察会を行いましたが、その時に撮った写真を羅列してみます。たしか5日でしたか、ひょっとしたら記憶違いがあるかもしれません。正月明けなので積極的に参加者を募ったわけではなく、参加者はほとんどいませんでしたが、この観察会のメインのみどころは、正月のめでたい植物とされているセンリョウです。目を見張るような大群落があるのです。兵庫県版の絶滅危惧植物としてはCランクの貴重植物です。出典は → 兵庫県版レッドリスト2010 センリョウ(センリョウ科) 有名な植物であり園芸店で売られていますが、自生品はめったになく、兵庫県下99ブロック中、上郡町、赤穂市、西宮市、洲本市、三原町の5ブロックでしか見つかっていません。三原町とあるのは成相川の流域山間部で点々とあります。

●正月明けの観察会で訪ねた場所は、成相渓谷の本流ではなく支谷のさらに支谷というようなところで、めったに人など来ないような場所なんですが、林床をびっしりと覆い尽くすように大群落を形成していて、おそらく数千株のオーダーで群落を作っています。残念ながら詳細な場所は公開できません。センリョウは商品価値があり、年末にどこの園芸店でもホームセンターでも1鉢500円程度で売られています。数千株あれば時価200万や300万円相当で、業者によってあっという間に全部掘られてしまうでしょう。

これには苦い経験があって、10年ほど前のことですが、南あわじ市賀集牛内の奥の山の背に、アセビの群落があって庭木にちょうどいいのがあると、ある園芸店店主に話したところ、1か月後に花の写真を撮ろうと見に行ったら、ごっそりと掘られていました。おそらくその園芸店店主の犯行でありましょう。なんというマナーの悪さ、商魂のたくましさ、これがあるから貴重植物の自生地情報は公開できないのですね。自生地情報を得たら、それを破壊や盗掘から護るというふうに動くナチュラリストはごく少数派です。園芸店店主のみならず一般の人々も、そんな珍しい物があるのならば、他人に盗られないうちに自分が採りにいかなくちゃ、という人が大部分です。どうしても欲しいのであれば種子を少し頂けばいいのです。種を蒔いて育てた方が山採り苗よりも丈夫に育ち、しかも大量に増殖できます。(難点は時間がかかることですが) 種子は大量に生産され、しかも種子散布後の発芽率や生存率は自然状態では極めて低いものです。大部分の種子は無駄になるだけです。であるからこそ、種子を少し頂くのは宜しい。

なお、アセビは淡路島では珍品中の珍品です。ほとんど自生していません。周辺対岸の六甲山地(兵庫県本土側)や、和泉山地(大阪府・和歌山県県境)、阿讃山地(徳島県・香川県県境)では、ごくありふれた普通種です。沢山あります。なぜ淡路島の山にアセビがほとんど無いのか? 地史的な背景でもあるのか、不思議です。


【↓ センリョウの自生品】 旧三原町成相にて。二次林の林床にありますが、林床にあるものは光環境が悪く実付きがあまり良くない。林縁部であるとかギャップのところのセンリョウは実付きがすこぶる良い。ガレ場など太陽が当たり過ぎる所には見られません。という観察から半日蔭を好む植物のようです。なお、センリョウは葉も実もシカの不嗜好植物のようであります。
センリョウ

センリョウの実

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●冬は多くの植物たちは果実をつけていて、果実の観察に好適な季節でもあります。で、下に掲げる写真ですが、赤い実の2葉の写真はカナメモチ、ブドウの実のようなものはヒメユズリハです。諭鶴羽山系はもとより、淡路島全島、兵庫県下には本家のユズリハは自然分布していません。三田市にある 「人と自然の博物館」 の研究紀要に発表された 『兵庫県産維管束植物目録』 によれば、兵庫県下に自生しているユズリハ科植物は、ヒメユズリハと日本海側多雪山地に適応したエゾユズリハの2種のみです。あって欲しい気持ちは分かるが、無いものは無いのだから、諭鶴羽山系にユズリハが自生しているなどと言ってはいけません。

いま、「無いものは無い」 と表現しましたが、これって、二重否定で、有るという意味に解釈されそうです。そうではなくて、「無いんだ、無いんだ」 という畳語表現 (繰り返して強調する) であります。(筆者傍白)

カナメモチ

カナメモチの実

ヒメユズリハの実

自生地付近からの眺望】 霞にかすんだ遥かな島影は、瀬戸内海第二の面積を誇る小豆島 (しょうどしま、あずきしまではない) です。写真を撮った地点から、小豆島の最高地点、星ヶ城山(海抜817m)まで約52キロです。高架になった線状のものは神戸淡路鳴門自動車道であります。
小豆島が見える

自生地付近からの眺望】 遥かに続く山並みは四国の山です。徳島県と香川県の県境の阿讃山地です。煙紫色にかすむ中央の山は大麻山(538m)、その右側、遥か遠くの山は大山(691m)や、大滝山(946m) ここから見ると、山並みの間に鳴門海峡があるなどとても思えない景色です。眼下の平野部は盆地状にも見え、これが意外に冷え込んで毎朝氷点下が続く要因なのか?
四国の阿讃山地が見える

 
食糧有事には、サツマイモが主食となる。
●本日は、2014年1月28日であります。今朝は南あわじ市の平野部は強い放射冷却で冷え込みました。今朝早く田んぼのなかである行事をしたのですが、レタス畑のビニールトンネルには大霜で凍てついておりました。アメダス南淡で未明の03時23分に-3.7度を観測しました。このあいだの20日に観測した最低気温の記録-4.3度にあと一歩のところまで迫りました。いよいよ間もなく2月ですが、全国各地の観測所で最低気温の記録がでているのは圧倒的に2月です。アメダス南淡で再度記録を更新するとしたならば来月である可能性が高いわけです。もしかしたら、淡路島3観測所での最低気温記録-6.1度が破られるかも? 記録は破られる為にあります。

●さて、中央官庁の位の高いお役人たちは、天下り場所の確保のためにその優秀な頭脳を使うわけですが、国民の健康や生命や財産それから権利を守ることは全く考えないわけです。彼らにとっては、そんなことはどうでもいいわけです。それが証拠に、一斉に晩発性放射線障害に起因すると強く疑われる疾患が表面化してきているのに、何事もなかったかのように原発再稼働をもくろんでいるわけです。高レベル放射性廃棄物の解決しようがない問題があるのに、また原発=核開発技術そのものであるのに、また被曝を余儀なくされる原発労働者の人権蹂躙問題があり、なによりも燃料溶融デブリがどこへ落ちているのかも分からずフクイチ原発の根本的解決が全くできていないのに、原発でメシを食う企業群の政治献金の買収によって、政治が国民有権者の望まない方向へ捻じ曲げられ、位の高いお役人はその企業群の役員ポストに天下ることしか考えないわけです。

食糧有事には、サツマイモが主食となる
●そんな中にあって、比較的に国民有権者のためを考えてくれているのが農水省のお役人たちです。農水省のお役人は、なにか事が起こって、我が国への食糧輸入が止まるような事態が発生した場合、1億2000万人余りの国民から、一人の餓死者を出さないようにするにはどうしたらいいのか? しっかりとシミュレーションしています。万一の場合でも国民がひもじい思いをしないようにと、子供に食べ物を与える慈悲深い母親のように、考えてくださっています。そのエッセンスが次に掲げる図に集約されています。出典は → 農林水産省 「国内生産のみで2,020kcal供給する場合の1日のメニュー例」


有事の際には、イモ中心の食事

●農水省は何も突飛なことをいっているのではありません。この国は飽食をむさぼっていますが、食卓にならぶ食糧(食料)の大部分は外国からの輸入に依存しています。輸入が途絶えるという事態も色々と想定できます。東アジアで大戦争が勃発して海上封鎖とか、宗主国と政治的対立が生じて経済封鎖・食糧封鎖とか、これには、かつてアール・バッツ農務長官がハッキリと「食料は武器だ」と言っています。古代から兵糧攻めというのは有力な戦法です。食糧輸出国が干ばつなど気象災害で輸出するモノがないとか、モノはあっても日本の国力低下で食糧を海外から買う外貨が稼げないとか、色々な有事が考えられます。経済学者は国際分業論を振りかざして、農業国と工業国とがご互いに分業して、生産物を交易する方が双方にとって利益になるのだ、などと言いますが農産物が工業製品のように計画的に生産できないことを知らないようです。農産物は土と水と太陽からの贈り物で、一発の気象災害で収穫は壊滅です。工場で製品を作るようにはいきません。

で、万一、食糧の輸入がゼロになったならば、1億2000万人もの人を飢えさせないためには、イモを主食にせざるを得ないです。その理由は、イモとくにサツマイモは単位面積当たりのカロリー生産量がコメやムギの何倍にもなるからです。いわゆる人口支持率が最大の作物がサツマイモなのです。でも、ご安心あれ。農水省の試算を見れば、朝に昼に晩にイモを食べさせられますが、ご飯が食べられなくなるわけではありません。朝と晩に茶碗1杯づつご飯を食べさせてくれますね。とはいっても主食はイモです。庶民はもちろん、総理大臣も天皇陛下も大資産家もイモを召し上がっていただきます。

●日本は稲作文化の国だと考えられていますが、たしかに99%はそうですが、僅かにカラ芋食文化を背負っている人々が1%おります。南西諸島のサンゴ礁隆起の島、九州南部のシラス台地、瀬戸内海の島嶼群、これらの地域では水利が無く土壌も排水性が良すぎて稲作ができませんでした。しかしながらサツマイモ栽培には適地です。で、必然的にサツマイモが常食・主食となりました。現在は流通が発達しているので、これらの地域でもそうイモばかり食べているわけではありませんが、カラ芋(サツマイモのこと)食文化を背負っている人々が100万人ほどおります。わたくし山のキノコもカラ芋食文化圏の住民の末裔の一人で、もしイモが主食の座に復権したならばとても嬉しく思います。80代以上の高齢者から、戦後の食糧危機の時うんざりするぐらいイモを食べさせられたから、そんなハナシは止めてくれと叱られそうですが、万一の有事に備えてイモを食べる練習をしておきましょう…。 

なお、考えたのですが、中央高地の山間部とか、開拓時代の北海道とか、稲作困難だった地域は他にもありそうですね。意外に、雑穀食文化やジャガイモ食文化を背負っている人々が国の人口の数パーセント居るかもわかりません。


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サツマイモの窓際苗作りは順調。】 だいぶん大きくなってきました。すでに畑に定植できなくもない大きさになっています。でも、まあ、今朝の最低気温がアメダス南淡で-3.7度です。この気温で熱帯植物のサツマイモの苗を定植などしたら、一発の霜で全滅です。定植は、最低気温が10度以上になって透明マルチを張って地温を上げてからです。できれば、3月下旬にビニールトンネルを掛けて、温度を上げる為に畝に吸熱材の木炭の粉をまいて、早植えしたいと思います。7月末までに一回目の収獲です。昨年に8月1日植えの11月下旬収穫が可能であることを証明しましたが、7月末までに1回目の収獲可能性を証明する必要があります。淡路島でサツマイモの二期作可能を立証する栽培試験の続編です。それはさておき、軽々と二期作できるために、もっと温暖化して淡路島が奄美大島になってほしいところです。
順調に育つサツマイモの苗

出来た苗を採穂し、挿して、再育苗します。】 これが家庭菜園で1個の種イモから100本、200本という大量の苗を作る究極の方法です。たとえ買った苗でもこの再育苗をします。つまり苗が種苗店に出たら直ちに買って、畑にビニールトンネルを作って保温して植えて、苗の先端を摘んで枝を出させて、育てた枝を定植します。これで苗を数倍に殖やせます。苗代をグーンと安くできます。1本数10円の苗を買うのはアホらしい。
出来た苗を挿して、さらに再育苗

コメに混ぜて炊けばお赤飯になる 「八彩米」
●前エントリーで姫路市在住の橋本光政先生から、ご著書の 『兵庫県 花の歴史探訪』 という兵庫県のフロラ解明の調査史を詳述した素晴らしい書物を、直接に手渡すということで頒布をいただいたのですが、その際に、めずらしい 「八彩米」 というものを頂戴しました。で、その 「八彩米」 の観察をして、実際に炊飯して試食をしたいと思います。

八彩米
やさいまい」 と読むのか? あるいは 「はっさいまい」 と読むのか? 読み方は不明です。世界の珍品のイネ8種をブレンドした 「健康特製胚芽米」 らしいのですが、ネットで検索してみてもほとんど出てきません。ということは、橋本先生が考案されたオリジナルなもので、まだ世の中に広く普及していないのかもわかりません。あるいは普及させるに十分な生産量がないのかも? 日本植物分類学会 の ニュースレター の43号 (2011年11月) の2ページ目に、北海道札幌市郊外の八剣山 (498m) で屋外研修会がおこなわれ、北方の珍しい植物の観察がおこなわれたが、宿舎での夕食会で “橋本光政さんが世界の珍稲8種で作った 「八彩米」 をスライドショーで説明くださり…” という記述が見えます。ネット検索で 「八彩米」 がヒットするのは、このくだりだけでした。世の中に普及するのはこれからのようであります。

【↓ 頂いた八彩米
八彩米 2013年バージョン

【↓ 袋から中身を出してみた
中身を出してみた

●袋から出してみると、色とりどりのコメ粒が出てきましたが、一見すると五色浜 (旧五色町) の海岸の石にそっくりです。五色浜は地質的には領家変成帯に属するのですが、大昔に南の三波川変成帯起源の結晶片岩類が流れ込み、淡路島南部の和泉砂岩層の堆積岩も流れ込み、基盤に存在する片麻岩、更に領家変成帯のエリアではマグマの貫入による花崗岩も形成され、それら多様な岩石が五色浜に流れ込んだと考えられ、さまざまな色彩の石からなる礫海岸ですが、八彩米は五色浜の石そっくりですね。

選り分けてみた

●八彩米をルーペで観察してみました。コメ粒の形状と色で分類してみましたが、6種ぐらいにしか分類できません。目立つのは黒いコメでありますが、ブレンド比率が高いことはブレンドの仕方によるものと思われます。黒いコメには明らかに長粒米と短粒米とが識別できます。色の濃いコメ粒は玄米状態のようです。白いコメ粒は精白しているようです。白いコメ粒は良く見ると、コメ粒 (つまり胚乳、はいにゅう)が白濁したものとやや透明なものとがあり、色も微妙にことなります。恐らく何種類もあるのでしょうがルーペによる肉眼観察ではこれ以上の識別は無理そうです。 正確に8種に選り分けるにはDNA解析でしょうか?

添付されている説明書に8種のコメの品種名がありますが、判読不明箇所 (*) もあります。 ①、赤ノ*白餅米稲  ②、背高赤籾米稲  ③、紫極小米稲  ④、むらさきの舞 (紫黒米)  ⑤、古代赤米系  ⑥、化粧米 (籾黒白米)  ⑦、雲南黒餅米  ⑧、早稲黒餅米 の8種らしいです。


【↓ 炊くとお赤飯そっくり
八彩米を炊いてみた

●さて、観察が終わると試食です。説明書には、「炊飯時に研いだお米1合に小さじ1杯程度の八彩米を混ぜて炊いて下さい。炊きあがり後小1時間良くふかし肌の温度まで下げてから食べるか、お弁当やおにぎりにすると絶妙! 混ぜる割合で味と色合いも、他の料理にも楽しみ下さい。」 とあります。

で、説明書きに準拠して炊いてみました。試食でありますが、なにか香りがあるのかと想像しましたが特段の香りはないようであります。普通のうるち米を炊いたのに餅米を炊いたみたいな食感です。1合のうるち米に小さじ1杯の八彩米で摩訶不思議な現象です。見た目もお赤飯そっくりです。お味ですが、なかなか宜しい。キノコやエビを入れて炊きこみご飯にすると更に宜しいのではないか?

なお、これは橋本先生からの頂き物です。説明書きに 「趣味の米作り農園主 橋本光政」 提供とあります。一般に頒布してもらえるのかどうかは不明です。


おたけさんから頂いた情報
>御食国で販売されている紫黒米(古代米、洲本産)
 洲本市で栽培されている農家がありますが、これ精米したら真っ白な餅米ですね(^^) 玄米のまま炊くので色が出るみたいです。このお米他の米に花粉が飛んで変な交配を起こすみたいで、近くで栽培している農家が選別できないので困っている話を聞いたことがありました。これを選り分けるには、色彩選別機が必要なので大きな投資が必要になります。
 気温の影響なのかわからないのですが、キヌヒカリなどのお米に透き通ったお米じゃなくて白くなってしまったお米が沢山できてしまいます、これも対策が難しく違う品種を作らないと等級が上がらなくなってきています、白いお米は精米すると壊れてしまうので出来上がりの歩留まりが悪いようです。


山のキノコの返信
洲本で栽培している農家があり、御食国で紫黒米(古代米)を販売しているのですね。洲本に行ったときに御食国を覗いてみます。情報ありがとうございました。


新刊紹介 橋本光政著 『兵庫県 花の歴史探訪』
●本日は、2014年1月27日月曜日であります。今朝も、アメダス南淡で最低気温が-0.5度 (*) と、氷点下であります。寒いですわねえ。アメダス南淡の最低気温は、今月27日間で、17日が氷点下であります。しばしば、淡路島は瀬戸内海の温暖で気候が良い島などと紹介されるのですが、どこが温暖なのだ! 寒いじゃねえか! もちろん、本州での最低気温の記録を持つ長野県アメダス菅平 (すがだいら) では、27日間で7日が-20度以下というふうな寒冷地と比較すれば、温暖ではありましょう。ですけれども、連日最低気温が氷点を割り込み、結氷し大霜が降りるのでは温暖とはいえないでしょう。やはり、もっともっと温暖化が進んで、淡路島が奄美大島ぐらいに温暖になるのが望まれますね。
(*) その後、晩になってから、23時17分に-2.7度が観測されました。

ところで、その温暖化ですが、気象 (気候) 研究者たちが一斉に二酸化炭素温暖化説、ならびに温暖化危機説から足を洗い始めたようですね。国家政策による紐付き研究予算に頭を押さえれれていたという事情はあるにしても、敵前逃亡するつもりであろうか? 足を洗うのは学問の自由があるから一応は合法的ではあるが、研究利権に群がって、原資が税金であるカネをかすめ盗ったからには、真摯な総括が要るのではないか? 学問的変節、主義主張の改宗をするのであれば、前説の厳しい自己批判や懺悔が必要だと思います。そういう意味では、分野は全く異なるが経済学者の中谷巌氏が、小泉ー竹中ラインの応援団をしていましたが、規制のない自由主義を標榜するフリードマン経済学信奉から180度改宗されたときに、厳しい自己批判をされました。とても立派な学者だと思います。総括もできない研究者 (学者) の言うことなど信用できるのか?

●前置きはさておき、25日 (土曜日) に久しぶりに南光先生宅を訪ねたのですが、お元気そうでありました。南光先生は淡路島のフロラ解明に大きな貢献をされた方であるのは淡路島島民では良く知られていますが、南光先生と同僚だったという別の先生の方から聞いた話ですが、教員時代には子供たちに理科ばかりを教えていたそうです。国語とか社会はそっちのけで、理科教育に情熱を燃やされ、特に、福音館書店が発行している雑誌 『子供の科学』 の植物関係の常連執筆者として健筆をふるわれました。『子供の科学』 は建前は子供向けの教育雑誌ですが、読者は大人の方が多く、わたくし山のキノコも昔愛読しておりました。で、南光先生の記事も読んでいますが、高度な内容を小学生にも分からせるように平易に書く才には秀逸なものがあります。ということでありますが、子供たちに理科ばかりを教えて、国語や社会をなおざりにするのは、いかがなものでしょうか?

●南光先生宅を久しぶりに訪問したのは、24日に、姫路市在住の橋本光政先生から 「明日淡路島に行きます」 と電話を頂戴して話をしているうちに、橋本先生は先ず南光先生宅へ行くということなので、「じゃあ、わたくしも南光先生宅へ参ります」 と返事したためです。用件は、橋本先生が本を出版されたのですが購読者に直接会って手渡したいという意向でありました。つまり、南光先生を訪ねたのではなく、南光先生宅を購読した本の受け渡し場所としたのであります。じゃあ、南光先生を利用しただけで失礼ではないか? というふうに解釈されそうですがそうではなく、ちゃんと南光先生に挨拶をして、むかしお世話になった礼も述べましたから、それはそれでいいわけです。南光先生に久しぶりにお目にかかると、米寿に近いご高齢にもかかわらず、植物調査熱は決して冷めやらず意欲的であられる様子でしたが、「調査にいく足の便がないわな」 とお嘆きです。で、わたくしが 「E先生と一緒に調査されていたと思うんですが、E先生はどうされているんですか?」 と聞くと、「E先生は父親の介護で忙しいんや」 とのご返事。E先生というのは沼島の 「さや状褶曲」 の発見者です。両先生はまるで親子のように一緒に植物調査をされていた姿を何回も拝見していましたので、親の介護で忙しいというのは果たしてそうなのだろうか? それと弟子入り (?) した法律関係の若い主さんはどうしたのでしょうか?


橋本光政著 『兵庫県 花の歴史探訪』
●素晴らしい本です。まだ、全部を読んでいませんが、パラパラと全ページを斜め読みし、興味深い所を一部目を通しただけですので、感想を述べるというのは時期尚早であります。その本の読後感想や批評を述べるのは、丹念に読み込んでからであるべきですが、ひと目見て素晴らしい本ですので、先走って絶賛したいと思います。

【 ↓ 『兵庫県 花の歴史探訪』 表紙
橋本光政著 『兵庫県 花の歴史探訪』 表紙

【 ↓ 『兵庫県 花の歴史探訪』 裏表紙
橋本光政 『兵庫県 花の歴史探訪』 裏表紙

●表紙や裏表紙には、兵庫県の貴重植物の美しい写真がちりばめられています。中身にも200ページにも及ぶカラーアルバム編に、数え切れないほど多数の貴重な写真が掲載され、貴重植物に関する発見の経緯や裏話など色々な情報が満載、目を見張るような素晴らしさです。写真をみるだけでも楽しい一冊です。植物好きや自然愛好者、兵庫県の植物たちを学びたい人には、大歓迎される書物であろうかと思います。

【 ↓ 『兵庫県 花の歴史探訪』 中身ちら見
『兵庫県 花の歴史探訪』 中身一見
↑ アルバム編2-3ページから。江戸時代に日本に西洋医学をもたらしたシーボルトやケンペルは、医者であるとともに博物学者であり植物学者でもあり、江戸参府の道中で植物を採集し観察し標本を作成し、貴重な記録を残しています。兵庫県下の山陽道も歩いていて、兵庫県のフロラ解明の先鞭者といえましょう。歴史的価値のある古い写真や絵図を発掘して、先人たちの偉業を顕彰しています。その跡を受け継いだ日本人植物学者たち、牧野富太郎博士をはじめ現代につづく大勢の人々の手によって、兵庫県の植物が調べ上げられてフロラが解明されていった歴史を述べるのが本書のテーマであろうかと思います。300ページ以上に及ぶ「解説等・読本の部」で兵庫県の植物調査の歴史が詳述されています。読み物としても楽しめます。

読者対象はいちおう兵庫県下の植物関係の研究者を始め、県下の植物関係の調査会や同好会の会員あたりを想定している書物とあろうかと思われます。しかしながら、それだけに限定するものではなく、一般の山好きやハイキング好きで少しでも野山の植物たちに関心がある方ならば本書の読者対象でありましょう。専門知識などなくても十分に読める本です。かなり大部で高価な書物ですが、強く推奨したいと思います。


「こくもんじ」 の種子散布の様式は、動物被食型の典型的な例。
●本日は2014年1月23日であります。 拙ブログで 「こくもんじ」 というマタタビ科の蔓植物の観察をしたり、果実を採取して食用としたり、その果実で不老不死の仙薬の醸造を試みてまいりましたが、すこし趣向を変えて、生態学的な観点からその種子の散布ということを観察しましょう。

●子孫繁栄、一族郎党の勢力拡大を望むのは植物も全く同じで、植物は大量の種子を生産して自分の周りに撒きちらします。出来るだけ沢山撒き散らすほど、また自分の近くだけでなく遠くまで撒き散らせば撒き散らすほど、その植物の分布が広がり勢力拡大になりましょう。そもそも植物の種子は自然界では発芽率が低いことが多く、発芽しても生存率がそう高いわけではなさそうです。その植物が好む環境は限定されていて、どこでも生育できるというものではありません。その植物にとって発芽し生育するのに適地というのは限られていましょうから、出来るだけ沢山の種子を、できるだけあちこち広く撒き散らせば、種子が発芽生育適地にたどり着く可能性が高くなりましょう。

●植物たちは一定の場所に一生涯のあいだ固着して生きています。その一か所に縛られて動けない植物たちが移動できるチャンスは2回あると言われています。一つは、花粉を風や昆虫等によって運ばれるときですが、この花粉が運ばれるのはゲノム一組の移動であるうえに同種の株がいるところにしか移動できません。そう言う意味では不完全な移動か? もう一つは種子の散布されるときですが、種子はゲノム二組の移動であり同種の株が全くいない処女地にも移動できます。そういう意味では完全な移動か?という感じはします。この動けない植物たちは種子を出来るだけ遠くに、できるだけあちこち広範囲に撒き散らすために様々な工夫や戦略をたてていますね。

テイカカズラの種子は、風で散布する
↑ 風散布の一例。2013年12月22日南あわじ市灘払川にて、写真家おたけさん撮影。テイカカズラです。種子の頭に毛が沢山ふさふさと付いて、落下傘みたいになっています。無風状態であるならば、落下傘のように静かに落ちるだけですが、風があると、うまく風にのれば、遠方まで何キロでも飛んで行きますね。種子を遠くまで散布させる見事な適応・戦略ですね。

●観察を始める前に、まず福岡達人先生の学外にネットで公開されている 植物形態学講座 を受講して 「8.種子散布」 の頁をよく熟読しましょう。いちおう福岡先生の説に準拠しながらも、若干納得できない部分もあるので、ごく簡単に、独自に、種子散布の様式の概略を下表にしてみました。


淡路島分布植物から見る種子散布の様式
淡路島分布植物から見る種子散布の様式

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さて、こくもんじ (シマサルナシ) の種子散布の様式は?
2014年1月15日の “こくもんじ” の姿
2014年1月14日 南あわじ市灘地区にて
↑ 南あわじ市灘地区の海岸近くの谷筋にて。年が明けると完全に落葉しています。網の目のように伸びる樹の蔓が目立ちます。野生状態では剪定してくれる人がいませんから、蔓が繁茂しすぎで、日の当らない枝ができるためでしょうか? 枯れ枝も目立ちます。年が明けると果実は樹上で熟して柔らかくなっています。キウイのように追熟しなくても採ってすぐに食べられます。さわやかな酸味の中に、ほんのりと甘みがあり、山歩きや谷川の遡行での疲れをいやしてくれます。年明けの今頃はこくもんじの果実が完熟していますので、採ってすぐに不老長寿の仙薬の 「こくもんじ酒」 が作れます。まずは袋に一杯収穫しましょう。

特筆すべきは、こくもんじの果実は樹上で完熟しても落下しないです。長年自生地での観察をしていますが、こくもんじの果実は基本的には落果しないです。自重でポロリと堕ちることはまずありません。なぜかというと、鳥類が来て果実を食べてくれるのを待っているからなんです。落果したならば鳥類が食べてくれません。それが落果しない理由でしょう。(じつは、恐らく、完熟後に落果しないうちに全ての果実が鳥類に食べられてしまう、ということが真相の可能性が大です。)


こくもんじの果実が鳥類に食べられた跡
鳥類は中身を食べて、皮を残す
↑ はたしてありました。鳥が来て果実を食べた跡です。上手に中身だけをくりぬいて食べます。たいていは皮を残します。こくもんじの種子は、鳥類による被食散布の植物なのです。年中そこに住みついている留鳥も、冬の渡り鳥も共にこくもんじの実を食べますが、とりわけ、早ければ1月中旬~下旬に渡ってくるヒヨドリの大群には自生地の実は半日で全部食べられてしまいます。鳥類は様々な種が食べにきますが、哺乳類ではサル(猿)とヒト(人=山のキノコなど)が “こくもんじの実” を求めて食べに来ますね。ちなみに、ヒトがこくもんじの実を食べたならば、野糞をしなければなりません。こくもんじが分布していない谷筋で野糞をする必要があります。それは、もちろん、こくもんじが動物たちに果実を食べさせるのは、あちこちで糞をさせて分布を広げさせるのを狙っているからであります…。つまり、動物はこくもんじから食物の提供を受ける、こくもんじは動物たちから繁殖・分布拡大を助けてもらう、という相利共生

旧洲本測候所の気温データは、淡路島島民の生活実感から受ける気候の印象から乖離している。
●本日は2014年1月21日であります。毎日寒いわけですが、人と会ったときの挨拶が 「寒いですなあ」 であります。昨日20日にはアメダス南淡で最低気温の記録更新が樹立されました。観測統計期間が10年と短いわけですが、-4.3度が示顕し、用水路には結構ぶ厚い氷が張り大きな霜で淡路島南部特産のタマネギの苗が縮かみました。白菜もキャベツも外葉が塩もみしたかのように萎れていました。今冬は暖冬ではなく厳冬だというのが生活実感です。それは正月明けから連日結氷するわ霜が降りるわで、冬の風物詩が頻繁に観察されるからです。20日には北海道の中頓別で-31.6度が観測され南極みたいな低温ですが、それと比較すれば-4.3度など暖かいものではないか、零度を少し割ったぐらいでガタガタと騒ぐな、と北日本の方から笑われそうです。しかしながら寒冷地と比較して寒いと言っているのではなく、以前と比べてどうなのかという話です。南あわじ市では近年冬が大変寒いという印象がします。おそらく他地方の方々も似た印象を持っている人が多いと思います。あれほど大騒ぎした地球温暖化ですが、1998年をピークに気温上昇は停止しています。それどころか、気候変化をモニターする各指標は一斉に寒冷化が始まっているんじゃないかということを示しています。私がいうのではなくて専門家たちが言い始めていますよね。

●ところがです、淡路島南部にある気象庁の観測所は洲本特別地域気象観測所(旧洲本測候所)と、アメダス南淡です。テレビの近畿地方版の天気予報や、新聞の天気コーナーで紹介されるのは、旧洲本測候所の気温データです。前から思っていたのですが、この旧洲本測候所の気温データーが実感と全然合わないのです。連日、氷が張り大きな霜が降りているのに気温データがプラス圏で、あれぇ? 変だぁ? てな感じです。天気予報で紹介される旧洲本測候所の気温は、淡路島地方の気温を代表していないと言えそうで、この問題を検証してみます。


アメダス南淡と、洲本特別地域気象観測所 (旧洲本測候所) とでは、気温の表れ方に、顕著な相違点が見られる。
気象庁観測データから作表

●気象庁の観測データから、旧洲本測候所とアメダス南淡の2014年1月1日~1月20日のデーターセットを抽出して作表してみました。一目瞭然です。こんなに差があるとは私も認識不足で、改めてビックリしています。南淡と洲本の違いを箇条書きに列挙してみます。

アメダス南淡
・朝は冷え込む。期間の20日のうち13日が最低気温が氷点下。
・日中は暖かい。最高気温は10度前後まで上昇。冷込んだ日ほど日中は暖かい。
・日較差が平均で10.2度で非常に大きい。一日の寒暖の差が非常に大きい。

旧洲本測候所
・朝の気温が氷点下になりにくく、最低気温平均が南淡よりも2.5度も高い。
・日中も気温が上がりにくい。最高気温平均が南淡より1.6度も低い。
・日較差平均がわずか5.9度しかなく、南淡のそれの10.2度とは大きな差がある。

さらに良く見ると、寒いといっても2種類の寒さがあります。シベリアから地を這うようにして襲来する寒気移流による寒さと、晴天の無風の夜間にしんしんと冷え込む放射冷却の寒さとがあります。寒気移流による寒さでは、南淡も旧洲本測候所も気温差がほとんどなく、100mの標高差からくる気温減率程度、洲本の方が気温が僅かに低いです。いっぽう放射冷却による寒さの場合には、南淡の方が3度~5度、時には6~7度も低くなります。

●つまり、日々の暮らしから受ける淡路島南部の気象(気候)の印象としては、冬の朝はけっこう寒いのですが、放射冷却で非常に冷え込んだ日の日中は意外な暖かさとなります。ところが氷がバリバリに張り大霜で真っ白になっているのに、淡路島の気温として報道される旧洲本測候所の最低気温は+2度とか+3度などということが頻繁にあり、違和感が生じるわけです。この要因は、両者の観測所の立地条件の違いからくるものと思われます。

アメダス南淡 ……… 平野部に立地している。
旧洲本測候所 ……… 小高い山の上に立地している。

淡路島南部に住む住民 (約9万人) は98~99%が平野部に住んでいます。したがって、淡路島の気温として報道される旧洲本測候所の気温は、生活実感から感じる南淡路地方の気候の印象から合わないものとなるのでしょう。


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その気象観測所の立地場所の地形等により、気温の顕われ方が大きく左右される! 国土地理院の電子地形図 から、アメダス南淡と旧洲本測候所との立地条件を見てみます。

↓ アメダス南淡の所在地 (赤丸の所)
アメダス南淡の所在地
↑ アメダス南淡は淡路島南西部にあり鳴門海峡に面する沿海地です。全くの平地で海抜5m、青年の家入り口駐車場の横にあります。付近の環境は水田地帯です。平地であるため冬の晴天無風の夜には意外に強い放射冷却が発生しています。ただし、西側500mに鳴門海峡 (紀伊水道) の海域があるために、西風が吹いてくると気温はあまり下がりません。夜間に放射冷却で順調に気温が下がっていても、西風がちょっとでも吹きだすと急に気温が上がります。
それから、夏に南東の弱い風が吹くと、隣接するアスファルトの駐車場で熱せられた空気が移流してくるためか、急に気温が跳ね上がる現象が観察できます。


↓ 旧洲本測候所の所在地 (赤丸の所)
洲本特別気象観測所の所在地
↑ 旧洲本測候所は淡路島東南部の洲本市にありますが、三熊山という山の上にあります。観測所の海抜は108m。冬に放射冷却が起こって地表付近の空気が冷えても、山の頂き (尾根筋) にあるために冷気がたまりません。下方に流れ落ちるだけです。したがって平地に比べると放射冷却による低温は緩和されるようですね。
それと、周囲が鬱蒼とした原生林になっているために夏の気温が極めて上がりにくい観測所になっています。夏の最高気温の極値が近畿のみならず西日本でも顕著に低く抑えられていますね。



わが淡路島のアメダス南淡で、最低気温の記録更新!
●本日は、2014年1月20日であります。 今朝は、わが近畿地方では昨日来の寒気移流の余韻が残っていたところに強い放射冷却が作用して、今冬一番の冷え込みとなりました。本日20日午前5時までの 気象庁の観測データ によると、和歌山県アメダス高野山で午前5時00分に-10.6度と、近畿地方では今冬初の-10度以下を観測しました。わが淡路島でも冷え込みが強く、アメダス南淡 (国立淡路青年の家の入り口付近にあります) では03時56分に-3.9度を観測しました。このアメダス南淡の-3.9度は、アメダス南淡における最低気温の記録更新となりました。地球温暖化の盲信を打破する反証の事例がまた一つ積み上がったわけで、まことに喜ばしいことであります。

(注)なお、本稿は未明に書いているので、まだ最低気温の観測値が確定していません。で、-3.9度を更に下回る可能性が残されています。
(注)その後、06時41分に、アメダス南淡で-4.3度が観測されました。

ちなみに、アメダス南淡は元は福良の街はずれにありましたが、10年前の2004年1月に、阿万塩屋の現在地に移転しました。したがって観測統計の連続性が断たれて、わずか10年の観測統計期間しかないのが残念なところです。いろいろと移転せざるを得ない事情があるとは聞いておりますが、気象庁はアメダス観測所の移転を安易にやりすぎですね。観測所の移転をやったら観測統計データの利用価値が激減ですよね。

●大分県在住で、槌田敦博士とタッグを組んで地球温暖化利権者どもと戦っておられる近藤邦明さんが、氏のサイト 環境問題を考える の 「日々の雑感」 2014年1月9日の記事で書いていらっしゃいますが、二酸化炭素地球温暖化説を主導してきた組織の一つの JAMSTEC (独立行政法人海洋研究開発機構) の研究者たちのとんでもない変節を指摘しています。その研究者がテレビに出演して次のように述べたそうです。

「地球の気温は70~80年周期で変動しており」、「今の気温は極大で、今後は寒冷化する」また、「地球の気候に影響を与える要素は複雑で、分からないことだらけであり、数値シミュレーションで長期的な予測を行うことは不可能だ」

地球が温暖化しているのは間違いがなく、今後更なる温暖化が進行し、その温暖化は二酸化炭素が主たる要因であるとしてきた舌の根が乾かないうちに、そう述べたのはハッキリ言って自然科学研究史上の大スキャンダルに繋がるハナシですが、真実を探求する研究者たちでさえ、研究費という国家からのヒモつきのお金の奴隷になっているわけで、そういうことを追求するジャーナリストがほとんどいないのは、税負担でていよくカネを盗られる (地球温暖化国家予算は2~3兆円) 我々国民にとっては不幸なことです。


近畿地方は軒並み氷点下、高野山で-10.6度
2014年1月20日05時の近畿地方の気温分布

今冬も、ぼちぼち最低気温更新観測所の出現ラッシュが始まった
その観測所での最低気温更新は、普通は2月に出ることが多いです。意外に2月下旬でも結構出現します。いよいよこれからですね。出典は→ 観測史上1位の値 更新状況

気象庁ホームページから借用

白菜に顕著な降霜が見られた
白菜に降霜が見られた
↑ 2014年1月20日07時30分、南あわじ市神代の白菜畑にて。放射冷却の強さが窺える大きな霜です。よく観察すると、霜に当たった白菜の外葉が傷んでいるものが散見されました。傷んだものがあると言っても、白菜やキャベツや大根などの冬野菜は霜にあたったほうが甘みを増して美味くなります。正月明けから何回も強い霜がありましたから、淡路島南部の冬野菜たちは格別に美味くなっているハズです。

人類を食糧危機から救う “サツマイモ” を作りましょう!
本日は、2014年1月19日 (日曜日) であります。

●新年が明けて早3週間近くが過ぎましたが、明るい展望は何も見えてきません。それどころか、時を刻む歯車はなんと逆回転しているようであります。時間というのは過去から現在へ現在から未来へと進んで行き、その流れは不可逆的なものであると思っていましたが、政治の世界では、とりわけ統治機構のありようでは逆の流れもあるようです。戦前の治安維持法の復活か? というふうな悪法が矢継ぎ早に作られ、しだいに物が言えない時代の再来です。

●すでに 情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律 (コンピューター監視法) は施行されています。 著作権の非親告罪化 も狙われています。まだ施行はされていませんが 特定秘密保護法 も圧倒的多数の国民の反対を押し切って強行可決されました。ろくに議論も尽くさずに、たとえば 自由法曹団の反対声明 など大きな疑問があるにもかかわらず、国家安全保障会議 (日本版NSC) 設置法も性急に可決されました。なにかに急かされるように悪法が次々に国会に上程され可決させられていくさまには悪寒がしてきます。狙っているのは、思想統一であり、思想弾圧であり、言論統制であり、国家権力の決定や方針に異議を唱える者たちの粛清であるのは明らかです。 これら一連の悪法制定の動きは、おそらく 「アメリカ愛国者法」 に準拠したものでありましょう。 日本を隠然と支配する強欲な米国資本家たちが、植民地プランテーションの日本から利益を収奪しやすくするために、日本国民の言論統制を狙っているのであって、安倍首相といえどいもその傀儡のパシリであると思うのですけれども、具体的な証拠事例を列挙しながら敷衍する必要のあるところで、それは稿を改めて議論したいと思います。

●とにかく、年が変わっても明るい話題など何一つなく、時代は暗い方へとなだれ落ちているようであります。ひたひたと押し寄せる言論統制への動きに反逆するのは庶民のレベルでは難しく、市井の個々人は流れに翻弄されるだけの一枚の木の葉のごとき存在で、どうしようもありません。で、しょうもないブログでああだこうだとボヤいても仕方がなく、もうブログを止めようと思ったのですが、そういえば特定秘密保護法はまだ施行されていません。まだしばらくは大丈夫そうです。施行された暁には、アメリカ愛国者法の事例のごとく、数万のオーダーで国家に文句をいうブログが強制的に閉鎖させられるのは目に見えています。影響力の大きい有名ブログ (たとえば植草一秀先生のブログ) などは、閉鎖どころか見せしめに逮捕もあり得るでしょう。市井の一般無名人のブログは、命を取られるとか、逮捕されるとか、そういうことはないにしろ強制閉鎖は十分に考えられます。恐い時代になったものです…。 ブログを続けるのであれば、当たり障りのない話題に執筆の材を求めたほうが宜しそうで……。


人類を食糧危機から救う “サツマイモ” を作りましょう!
●で、当たり障りのない話題として、サツマイモ栽培の話題であります。サツマイモは単位面積あたりの収獲量がカロリー換算でコメの何倍にもなります。具体的には、10アールあたりのコメの収獲量は大雑把に言って約500キロ (0.5トン) です。一方、農水省の統計を見ると、各県ごとのサツマイモの収獲量は10アールあたり2~2.5トンの数字が多いです。じゃあ4~5倍じゃないかと思われそうですが、コメは乾燥させているのに対してサツマイモは水分が多いです。で、カロリーに換算する必要があるのです。そうするとほぼ2倍ということになります。ただし、サツマイモは極端な多収栽培が可能です。2~2.5トンというのは青果用のサツマイモ栽培であって、市場で野菜として高く売るための栽培です。あまり大きなイモでは味が悪くなり値段も二束三文になります。やや小振りで長細いイモに高い値段が付きます。つまり、あえて2トンとか2.5トンにとどめているのです。多収品種の苗を直立挿しで密植して、春から秋遅くまで栽培期間を長く取れば、簡単に10アール当たり5トンや7トンの収獲は可能なんです。多収栽培の記録では10アール当たり19トン超の記録すらあります。つまり、コメやムギでは考えられないような単位面積あたりのカロリー生産が高いのです。これがサツマイモという作物の特筆すべき点で、救荒作物たるゆえんです。やがて深刻な食糧危機が予想されますが、人類を食糧危機から救う切り札がサツマイモなんですよ。

サツマイモの苗は、発泡スチロールのトロ箱利用の窓際育苗
発泡スチロールのトロ箱利用の窓際育苗
↑ サツマイモの苗作りには色々な方法がありますが、家庭菜園での100本程度の苗を植えるのであれば発泡スチロールのトロ箱での育苗がお奨めです。発泡スチロールの中で種イモを伏せ込み、ペットボトル湯たんぽで保温を図り、窓際に置いて苗を育てます。これが素人の家庭菜園愛好家でも簡単に出来る、それこそ厳冬期でも苗作りができる方法です。

あの手この手で保温を図る
↑ プラスチックの容器に湿った砂を入れ、種イモを伏せ込みます。種イモは砂に完全に埋まっていなくてもいいです。タオルを入れてあるのは保温のためですが、タオルの下にペットボトル湯たんぽが仕掛けてあります。耐熱性のあるペットボトルに熱湯を入れたものがペットボトル湯たんぽです。朝と晩に熱湯を入れ替えます。この発泡スチロールの育苗箱を窓際に置き、カーテンを閉じて、窓ガラスとカーテンの間が温室になるようにします。すなわち二重温室にします。このようにして保温を図ります。

これで、外気温が5度でも20~30度が確保できます。太陽が当たると40度にも達します。その場合には覆ってあるビニールを外します。その日の外気温や太陽のあるなしなどに応じて、ビニールを外したり、カーテンを開けたり閉じたり調節をして、昼間25度、夜間15度になるようにしています。この温度はサツマイモの苗作りにはやや低めですが、徒長させてヒョロ苗にしないためです。やや低めの温度帯で育苗するほうがガッチリ苗になるのは間違いなさそうです。(ヒョロ苗は定植後の植え傷みが激しいです)

●種イモは自家採取のイモですが、このイモの起源は鳴門市産で、品種は高系14号の選抜種です。ブランド名を言えば鳴門金時です。関西地方の青果市場では鳴門金時が完全制覇していて、関西ではサツマイモといえば鳴門金時であって、他品種が割り込む余地はありません。関東地方でもてはやされるベニアズマやベニコマチなどの品種は関西では評価されません。わたくしも他の品種をあれこれと取り寄せて栽培してみましたが、やっぱり鳴門金時が一番美味いですね。納豆の例をみても分かるように関西人と関東人とでは味覚に差異がありそうです。

●しかしながら、関西人が好む鳴門金時 (高系14号選抜種) は苗作りに、他の品種よりも高温が必要で、難しいとされています。が素人の (非農家の) わたくし山のキノコでも毎年自家育苗して栽培していますから、出来ないわけではありません。馴れれば簡単ですから、家庭菜園愛好家はこぞって苗作りをしましょう! 苗作りにお金はかかりません。(手間はすごくかかりますが…) そもそも、高温多湿の温室で徒長したヒョロヒョロ苗1本が数十円というのを買うのは、アホらしいです。売っているのも特定の時期だけですし…。自分で育苗すれば植えたい時期に節間の詰まったガッチリ苗を作れます。


順調に育つサツマイモの苗
↑ 12月20日に種イモを伏せ込んで約1カ月後の1月17日の状態です。いくらなんでも、苗作りが早すぎないか? という疑問がプロ栽培家から飛んできそうです。確かに、早すぎます。4月20日定植ならば3月1日に種イモの伏せ込みでいいでしょう。それはそうですが、実は、透明マルチを張りビニールトンネルをかけて4月1日に定植しようという腹づもりがあるのと、出来た苗を更に再育苗して、1個の種イモから100本でも200本でも採苗してやろうと企てているからです。

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