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雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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「接地逆転層」から考える。PM2.5中国大気汚染報道は、報道すべきニュースを隠すための煙幕作戦だ!
●本日は2013年3月6日であります。

九州南海上の屋久島付近に中心を持つ移動性高気圧に西日本は広く覆われました。上空の寒気は既に日本列島の東海上に抜けてしまっているのですが、終夜、風がなく静穏状態でけっこう放射冷却がおこりました。わが淡路島南部の南あわじ市の平野部(三原平野)でも冷え込み、今朝は霜が降りていました。で、今朝、冬の風物詩の “接地逆転層の可視化” が観察できました。

●接地逆転層とは、秋から冬にかけて、快晴・無風・空気が乾燥・上空の寒気などの条件がそろったとき、夜間に地表の熱がどんどん逃げていく放射冷却が強く起こり、地表付近が非常に冷えて、上空よりも地表付近の方が気温が低くなることを言うようであります。接地逆転層が形成されているときには、たき火の煙が昇っていっても、ある程度の高さで頭を押さえられてしまい、それ以上は昇っていきません。垂直方向に昇れないから、水平方向に広がる(横にたなびく)しかありません。
接地逆転層が可視化した写真です。
接地逆転層によって煙が昇っていけない
↑本日、2013年3月6日午前6時半ごろの写真です。淡路島・南あわじ市賀集から南辺寺山(273メートル)を眺めました。淡路島南部の農家の人は勤勉で朝早くから田んぼに出て働いています。畑を掃除して不要な草木を野焼するのですが、放射冷却が強く発生した朝は、ご覧のとおり煙が昇っていきません。写真の平地は海抜20~30メートルで、山頂は273メートルですから、海抜差は250メートルです。そこから推定すると、煙は地表からせいぜい20~30メートルか、30~40メートルあたりのところで頭を押さえられているようです。

アメダス南淡と洲本とで、6.5度の気温差が生じた
気象庁ホームページ から近畿地方のアメダス気温分布を借用させていただきます。写真を撮ったのとほぼ同時刻の6日06時の図です。注目するべきは大阪湾を塞いでいる淡路島の気温です。

洲本特別地域気象観測所 気温6.3度    (立地は小高い山の上、海抜108メートル)
アメダス南淡         気温-0.2度  (立地は平野部の端、 海抜5メートル)


●平野部の田んぼの中にあるアメダス南淡と、山腹温暖帯に当たる洲本特別地域気象観測所との間で、なんと6.5度の気温差が生じています。平野部では氷点下にまで気温が下がっているにもかかわらず、小高い山の上では6.5度も気温が高くなっています。というよりも、小高い山の上では夜間に気温がほとんど下がらなかった半面、平野部では気温が急低下した、といえましょう。

●近畿地方あちこちで、平野部が冷え込んで、山の上の方が気温が高いという逆転現象が図から読みとれます。著しいのは、兵庫県北部です。平野部にある豊岡(海抜3メートル)では-1.5度です。近くの兎和野高原(ウワノコウゲン・海抜540メートル)では7.5度です。海抜500メートルの山の上の方が10度も暖かくなっています。
通常は、北からの寒気移流による気温低下は標高が上がるほど気温が低下するのですが、放射冷却の冷え込みでは平野部が気温が低く数百メートル上の山のほうが暖かいことはしばしば観察されるようです。そういう意味からすると、どこに住むか自由に選べるとしたら、平野部を避けて小高い山の中腹に住むのが宜しいかと思います。(ただし、放射冷却で冷え込むときには、平野部よりも比較的に暖かいというだけですが…。)

接地逆転層ができるときの、盆地の底と、山腹温暖帯との気温の推移の一例
豊岡(盆地の底)と、兎和野(山の中腹)の気温推移の違い
↑豊岡特別地域気象観測所は豊岡盆地にあります。一方、アメダス兎和野は近畿有数のスキー場のある鉢伏山の北東斜面にあります。強い放射冷却が起こる気象条件下では、盆地の底にある豊岡は夜間はグングンと冷える半面、日中は気温がかなり上がります。気温の日較差が大きくなります。山腹にある兎和野では夜間はあまり冷えず、日中も気温が上がりにくいです。気温の日較差が小さいです。このために、標高が高い山腹の方が盆地の底よりも明け方の気温が高くなるという逆転現象が生じます。いわゆる “山腹温暖帯” です。

地表面より、上空のほうが気温が高い
気象庁の高層気象観測データ を元にして私山のキノコが勝手にグラフ化してみました。関東平野の筑波山麓では接地逆転層の観測や研究がよく行われているところとして有名ですが、その近くの「つくば舘野」の高層気象観測データで、今年の1月13日9時のものですが、地上では気温1.5度なのに、179メートルの高さ(地上から153メートル上空)では7.0度と、5.5度も高くなっています。ただし、これは09時の話です。明け方には舘野では最低気温が-4.9度まで冷え込んでいます。なので、朝早くには上空との気温差が10度ぐらいになっていたでしょう…。

さて、関連する話題でありますが、最近、環境省やNHKが中国の大気汚染のことを執拗に取り上げています。特に、小粒子状物質「PM2.5」の大気中濃度を問題にしております。ところが、これには裏がありそうな印象がしています。そもそも、中国の大気汚染のひどさは今に始まったことではなく、かなり以前からです。規制が緩かったり、また無かったりで、規制が仮にあったとしてもお上に服従しない中国人民の気質から守らなかったりと、問題はあるでしょう。けれども、ひとつ間違えれば、内政干渉まがいと受け取られかねない強い批判や抗議を突然にしだしたのは、明白に裏がありそうです。

①、日本政府は、昨年12月にカタールのドーハで開催された国連気候変動会議(COP18)で、地球温暖化のハナシから事実上降りてしまいました。そういうふうな報道はありませんが、そう見えます。その証拠に、マスゴミたちが地球温暖化をほとんど言わなくなりました。で、地球温暖化から足を洗うと、環境省の仕事が減ります。官僚たちの天下り場所も減ります。そこで、「PM2.5」問題を地球温暖化の替わりに取り組むべきテーマにしようとしているのではないか?

②、原発再稼働問題やフクイチ廃炉への深刻さ、一斉に顕在化してきた晩発性放射線障害であるとか、真相が知られたら騒動になりそうなTPP問題、これらの報道をできるだけ減らして国民の目を別の「おとり」に向けさせるのを狙っています。中国大気汚染問題はそのための煙幕作戦でありましょう…。


●そもそも、かなり以前から存在する中国の大気汚染問題を、突然にクローズアップしてきたのが胡散臭いです。中国の大気汚染が問題ないなどと言っているのではありません。そういうニュースを持ち出すタイミングがおかしいのです。非常に恣意的というか情報操作的なんです。

今の時期は、北京など、中国大陸では強い放射冷却が起こっています。で、拙記事で示した写真のように、汚染排気ガスが地表付近で溜まり、あまり拡散しないのです。で、汚染濃度が非常に高くなるのですけれども、これは季節的な要因が大きいです。したがいまして、春から夏に向かって放射冷却が起こりにくくなると、汚染物質も鉛直方向に拡散して濃度が下がってくるハズです。そのころにはNHKや環境省もおとなしくなるでしょう…。とにかく、NHKはじめマスゴミの連中が政府の広報係になって宣伝するニュースは、眉にツバをつけて見る必要があります…。信用しちゃダメなんですよ…。

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