雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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諭鶴羽山系の薬草(3) サンショウ
●サンショウというのは日本版ハーブであり、料理に香りを添える日本原産香辛料であります。その刺激性はかなり強烈です。その小さな果実を口に含み、噛んでつぶすと、舌がジンジンとしびれてきます。まるで舌に麻酔をかけられたように麻痺してしまい、1時間ぐらい舌の感覚がおかしくなります…。

●プロの料理とアマチュアの料理の違いはいろいろありましょうが、その一つに、プロはその料理に香りや色どりを添える脇役の一片を必ず添える、ということがありましょう。例えば、お吸い物には必ずユズの薄切り片を加えるとか、酢の物にはミョウガの千切りを少しあしらうとか、焼き物にはハジカミの甘酢漬を添えるとか…、であります。その添え物の一片があるかないかで料理の見た目ががらりとかわります。日本自生ハーブであるところのサンショウは料理の名脇役でありますから、薬草というよりも山菜として人々に認識されているでしょう。木の芽あえや、アサリの味噌汁に散らしたり、その実を佃煮にすると絶品です。秋に出来る黒い種子をすり鉢で潰して粉にすると、胡椒のような振りかける香辛料になりそう…。

●この山菜であり香辛料であると思っていたサンショウが、日本薬局方に収録されている生薬であったとは驚かされます。ふつうは芳香性健胃薬として知られ、整腸代謝を進める効能があり、果皮を粉にしたものを食後30分に服用すると、胃もたれの緩和に宜しいらしいです。サンショウの葉を潰してその汁をガーゼに含ませ、「できもの」に当てておくと膿を吸い出し症状の改善に効果があるとか…。
第十六回改正 日本薬局方 1510頁より

サンショウの木

サンショウの実
↑南あわじ市八木成相ダムにて。諭鶴羽山系ではどの谷にも自生する普通種です。ちょっと捜せばどこにでもあります。どちらかと言うと、湿った谷筋に多い傾向があるようです。乾燥する尾根には少ないです。それと、せいぜい2~3mの高さにしかならない低木であり、陽光が当たらないと育たない陽生植物ですので、森の中にはまずありません。森の林縁が自生場所です。必然的に谷筋に多くなる…。(つまり谷や川の中には樹木が生えませんから、谷に沿ったところが林縁になる)

それとサンショウという植物はパイオニア種としての性質を示しています。人為的にまた自然災害的に新しい裸地が生産されたら、真っ先に侵入してくるのがパイオニア種であります。たとえば新しく林道などが切り開かれたら、その道の法面にサンショウがすぐさま侵入してきます。そういうところを探すと宜しい。

サンショウの実の収穫
↑山菜として葉を採取するのであれば新芽の出る3月が採集時期ですが、実の佃煮であるとか薬用にするのであれば夏が採集時期であります。実が小さいので沢山採集するには根気が必要で、こんなものを採るのは男性には向かないでしょう。


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紛らわしい近縁種が2種あります。

●薬草として、あるいは山菜として、サンショウの葉や実を採集する場合には、次の2種がとても紛らわしく、間違える可能性があります。イヌザンショウは個体数も多く、サンショウと極めて紛らわしいです。しっかりと見分けないとサンショウ嫌いになるでしょう。フユザンショウは諭鶴羽山系では個体数が極めて少なく、なかなか目にすることができません。

常緑性のフユザンショウ
↑これはフユザンショウです。南あわじ市北阿万の奥の美女池という池からさらに奥に行った所、分水堰の手前300メートルです。車道の側ですので観察しやすいです。フユザンショウは雌雄異株ですが雌株しかなく、雄株は日本列島からまだ発見されていないとか…。

日本植物生理学会 質問コーナー 「フユザンショウの結実」
フユザンショウが雌花しかなく、したがって雄株の花粉が受粉しないのになぜ種子ができるのか?? 花粉なしに種子ができるメカニズムは専門家集団にも分からない…。もしかして雄株がどこかにあるのか? 雌株に雄花が混じって咲いているのか? テンナンショウ属植物みたいに性転換しているのか? まだ何も調査されず、何も分かっていない。自然界にはまだまだ謎がいっぱい…。ということで一読の価値のある問答です。

常緑で冬でも緑の葉がついているので「冬山椒」の意味であります。ただし、常緑といっても冬には夏よりも明らかに葉が減るようです。若干の落葉性を持っているのではないか?と思います。フユザンショウは、その葉の香りや刺激性はサンショウよりも若干弱いのですが、実のほうの性質はフユザンショウもサンショウも全く同等です。サンショウの代用品に立派になります。

香りの悪いイヌザンショウ
↑これはイヌザンショウです。犬山椒の意味でありますが、この「犬」という言葉は「本家ではないもの、紛い物」「役に立たないもの」という意味合いを含ませています。実際にイヌザンショウはその香りがはなはだ悪く、サンショウの代用品にはなりません。

【サンショウ類を見分けるポイント】
サンショウ類の見分けるポイント

★フィールドで実際的に見分けるのは、トゲの付きかたに注目です。トゲが互生ならばイヌザンショウです。それと葉が厚く小葉が2~3対ならばフユザンショウです。花など標本にしない限り野外で観察できるのは1~2週間のちょっとの間です。

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ミミガタテンナンショウは、鳥類が種子を散布するのか?
隔離分布で知られる ミミガタテンナンショウ というサトイモ科の植物があります。本日2012年7月28日に、成相谷にアベマキというクヌギの親戚の樹木の写真を撮りにいきました。その成相谷にアベマキがあるのですが、そこがミミガタテンナンショウの自生地でもあります。ちょうどミミガタテンナンショウの果実が赤熟する時期に当たっていたので、観察してみました。

2011.04.15 ミミガタテンナンショウ
↑2011年4月15日に、全日写連会員の写真家の里口寿信さんが撮影したものです。花期は3月下旬~4月上旬ぐらいですが、その年の冬から春の寒暖のぐあいで、1週間や2週間前後します。諭鶴羽山系で見られる他のテンナンショウ属のウラシマソウ・ナンゴクウラシマソウ・アオテンナンショウよりも、花期がほぼ1カ月近く早いです。

赤い実を鳥が食べたのか??
赤い実を鳥が食べたのか??
ここにはセンサーカメラが仕掛けられていました。昼過ぎに見たときはカメラが設置されていたのですが、2時間後に再び見たときは撤去されていました。わたくしが山の中腹を探索していた間に撤去されたようです。センサーカメラを仕掛けた方は、おそらくK先生か、あるいはK先生の協力者(島内在住I氏か?)だと思います。

ミミガタテンナンショウは鳥類が種子散布するのでは?と考えられているらしいです。それはミミガタテンナンショウが自分で種子を散布など絶対にできない “その自生地より上の崖” などに生育地を広げたりする例が知られていて、鳥類が種子を運んだと考えると合理的に説明ができるからです。ちょうどミミガタテンナンショウの果実が色づく7月には他の木の実等が少ない時期に当たり、鳥類は仕方がなくミミガタテンナンショウの実までついばむのではないか? と想像できるのですが、しかし実際にそのことが確認された事例がまだ無く、詳しいことはよく分かっていないのです。と、以前K先生から電話を頂戴したとき、そう仰っていました。

で、ミミガタテンナンショウの果実を鳥類が食べにくる決定的瞬間(生態学的証拠)を写真に撮ろうと、動くものが来ると作動するセンサーカメラを仕掛けていたのであろうかと思います。さて、その証拠写真は撮れたのでありましょうか?? 写真では赤い実は残り少なくなっています。鳥類が(あるいは他の動物かも?)食べた可能性は大です。周囲を観察すると食べカスみたいなものも認められました。もし鳥類が赤い実を食べて、その鳥類の消化管を通過した後に種子が散布されるのであれば、けっこう分布が広がる可能性があるのでは?? 留鳥ならばそれほどでもないでしょうが、渡り鳥ならば分布が大きく広がりそう。しかし今時分は渡り鳥は居ないのではないか? それとは別に、種子の発芽率が非常に低いとか、分布がそう簡単に広がらない要因もあるかも…。

トウモロコシみたいな肉穂果序
ミミガタテンナンショウの果実
↑まるで赤いトウモロコシみたいです。穂状果序? 穂状複合果? トウモロコシ型果実? こういう形状の果実は何と言うのでしょうかねえ? いろいろと書物をひっくり返してみましたが分かりませんでした。それと、いったい個々の果実は、何個あるのだろうか? 何回かぞえても分かりませんでした。おそらく、100個~120個の間だとは思うのですが、全く数えられません。この穂状複合果を傷つけずに正確に数えるのは不可能であります。なんとか数える方法がないか沈思黙考しましたが、知恵は浮かんできませんでした…。

★数えながら果実を1個づつ外していくとか、数えながらマジックペンで印をつけていくとか…、はダメです。その数え方では果実に傷をつけたり汚してしまいます。なお、この写真の物には、鳥類が食べた形跡が全くありません。

葉は枯れている
↑こちらは葉が枯れるか、枯れかかっています。こちらの物も鳥類が食べた形跡が全くありません。山の中腹をよく捜したのですが、赤く熟したトウモロコシのようなミミガタテンナンショウの複合果実が5個体ありました。鳥類などの動物が触っていると思われるのは1個体だけで、残りの4個体は全く動物が触っていないようで、果実が欠けておりません。さらに、未開花(未結実)株が、結実株の周辺にやたらと多いことから帰納的に考察するならば、たとえ鳥類がミミガタテンナンショウの果実を食べるということがあったとしても、積極的に好んで食べるのではなく、他に食べる餌がないなどの消極的理由から、仕方なくいやいや食べるのではなかろうか??

ナガバヤブマオの草叢
↑辺りはナガバヤブマオの草叢が生い茂っています。その生い茂る草叢の周辺にミミガタテンナンショウの赤熟果実が見られます。で、鳥類が果実を見つけにくいという理由もあるかもしれません。

鳥に発見されるように草を刈った
↑で、余計なことであるかも分かりませんが、鳥類が赤い実を見つけやすいようにと、覆いかぶさっていたナガバヤブマオの1株を剪定鋏で取り除きました…。
諭鶴羽山系の薬草(2) ハマボウフウ
●自然度の高い砂質海岸に生育しているハマボウフウは、上等な山菜 であり、栽培もされる高級食材であります。料理に香りと彩りを添える名わき役として、たとえば刺身のツマなどに利用されます。ハマボウフウを単品の食材として扱う場合は、他のセリ科の山菜と同様に甘酢との相性がすこぶる宜しいです。著名な料理ブログの 小太郎のまんぷく日記 様もハマボウフウ料理を種々試作されていますが、しっかりと「ハマボウフウの甘酢漬」という一品を作っておられます。 

●また、ハマボウフウは『第十六改正 日本薬局方』に収録されている生薬でもあります。解熱作用や沈痛作用があるとされます。風邪による発汗や、発熱、頭痛、関節痛などに効くとされます。

第十六改正日本薬局方 1570頁より

ハマボウフウの根茎の採集のしかた
結実したハマボウフウ
↑7月25日の状態です。果実が熟し終わり、複雑な散形果序が跡かたもなく崩れ、株元に散乱しています。この散乱した果実はやがて風に吹かれ、砂浜の小動物に蹴散らかされて更に拡散し、砂に埋もれていくことでしょう。
結実したハマボウフウ
↑こちらはまだ散乱していません。まだモコモコと茶色いカリフラワーみたいな状態で、複散形果序の秩序を保っていますが、エントロピー増大則に従ってやがて散乱していくでしょう。

●この上2枚の状態の物が採り頃です。採集時期は夏です。上のものは何年生かは不明ですが相当な古株であります。ハマボウフウは1回繁殖型の植物ではありません。1回繁殖型というのは、その植物が一生の間に1回だけ繁殖する(すなわち1回だけ種子を生産する)ことであります。ハマボウフウを観察すると、5月から7月にかけて開花し種子を生産したのち、盛夏になると枯れてしまいます。で、1回繁殖かと勘違いしそうですが、地下の根茎が生きていて、早春に再び葉を出してきます。複数回は繁殖(種子生産)しているようです。で、資源保護の観点からできるだけ古い物を採取する必要があります。これならば、どうせやがては枯れていくものですから、掘ったとしても自生地の大きな破壊にはなりません。1年生や2年生の若い個体を掘るのは厳として避けなければなりません。

これは未開花のまだ若い個体群
↑未開花株の若い個体群です。このようなものは採ってはいけません。若い個体は盛夏になっても枯れずに、秋遅くまで青々としています。淡路島南部の海岸では氷点下になることはほとんどないので、冬でも青々としていることもあります。(さすがに今年は厳冬だったので冬のハマボウフウはほとんど枯れていました)

掘り上げたハマボウフウの根茎
↑何回か既に繁殖したであろう古株を掘ってみました。根の先端がちぎれてしまいましたが50㎝前後の長さです。径2.5~2.8㎝程度です。水洗いして砂をおとしてから、4本まとめて重さを測ると495gでありました。で、丁寧に先端まで掘ればハマボウフウの根茎は長さ60~70㎝ぐらい、重さは100g余りであろうかと思います。ちょっと見た感じは小ぶりのジネンジョ(ヤマノイモ)そっくりであります。

★これを細かく刻んで半日で一挙に乾燥させればいいでしょう。平安時代から薬草として利用されてきたようでありますから、風邪をひいたときに煎じて服用すればいいでしょう。風邪をひかなくても周囲で風邪が流行りだしたら早めに服用すればいいかもしれません。

ところで、これはキンピラゴボウ(きんぴらはまぼうふう)が出来るのじゃねえか? ゴボウそっくりだ。

ハマボウフウの果実
↑これはハマボウフウの果実です。本種は海流散布の植物なので、この果実は水によく浮かびます。畑で栽培するために果実(種子)をすこし採取しました。ご希望の方にはおすそ分けいたします。ハマボウフウの種子は発芽率が悪いので多めに蒔くとよろしいです。また種子は翌年の早春まで休眠するので、早く蒔いても芽がでません。種子を吸水させ冷蔵庫で3カ月よく冷やして蒔くと、うまくすると秋遅くに発芽するようです。ビニールを掛けて保温すれば早く栽培できます。

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【ハマグルマが見頃を迎えています】
ハマグルマ(別名ネコノシタ)
↑これはハマグルマです。葉の表面がネコ(猫)の舌のようにザラザラなので別名がネコノシタです。開発の手が加わわっていない自然度の高い砂浜海岸の指標植物ですが、南方系の植物です。北方系のウンランと並んで良好な砂浜の植物として双璧をなしています。
諭鶴羽山系の薬草について
●諭鶴羽山系の海岸部から山頂まで沢山の植物が見られます。狭い地域ではありますが、岩石海岸から砂浜海岸、深く浸食された谷、なだらかな尾根、岩石累々の痩せ尾根、断崖絶壁、山系の北斜面の裾には扇状地などがあり、地形は複雑で、それぞれの環境に適応したさまざまな植物が生育しています。惜しむらくは海抜高度が僅か600mしかないので、顕著な垂直分布が見られないのは残念です。それでもこの山系に生育する植物は1100種ぐらいあるのではないか? と思います。

●その中には薬草としての有用植物も数多く含まれているハズです。そこで、諭鶴羽山系に自生する薬草を網羅するリストを作成してみました。薬草(生薬)といっても、「草根木皮」という表現もあるように木あり草あり、利用する部位も樹皮あり根あり葉ありで色々です。漢方薬として定評のあるものもあれば、民間療法的な薬草もありましょう。薬草のリストを作ると言っても、どういう基準でその植物を薬草とみなすか難しい面もありそうなので、『日本薬局方』に収録されているものという基準で抽出してみました。

諭鶴羽山系の薬草の全リスト
『第十六改正日本薬局方』に収録されている生薬の植物のなかで、諭鶴羽山系に自生が見られる植物を抽出しました。

厚生労働省「日本薬局方」ホームページ

厚生労働省『第十六改正 日本薬局方』

諭鶴羽山系の薬草

●リストには、本来の自生植物だけではなく、帰化植物(オニユリなど)も含めています。栽培品が逸出し、野生化したものが、ある程度定着しているもの(クコなど)も含めました。民間で薬草と重んじられていても日本薬局方に収録されていないもの(ヨモギなど)は一切入れていません。厚生労働省が生薬と認定したもののみです。

拙ブログは撮り溜めた写真があるわけではなく、その都度、写真を撮っているので次々にというわけにはまいりませんが、ぼちぼちと諭鶴羽山系の薬草の紹介記事を書きたいと存じます。

諭鶴羽山系の薬草(1) トチバニンジン 生薬名は竹節人参(チクセツニンジン)
トチバニンジンの赤い果実
トチバニンジン
↑シャクナゲ自生地の直前の湿った斜面にトチバニンジンがあり、早いものは果実が色づいていました。写真には3個体写っています。ただし3個体ではなく地下の根茎で繋がっている可能性が少しですが有り得ます。一番手前の物には葉が4枚あります。20枚ではありません。掌状複葉で1枚の葉は5個の小葉から構成されています。てのひら状の葉が トチノキ の葉に似ていて朝鮮ニンジンに近縁種であるからトチバニンジンという名前が与えられたらしい…。

●図鑑類など書物の写真や図をみても、またネットの Googleの画像検索「トチバニンジン」 を見ても、どうやら諭鶴羽山系に自生するトチバニンジンと他の地方のそれとは葉の形状がだいぶん異なるようです。諭鶴羽山系のものは小葉の幅が狭く細長く、すこし華奢というか弱弱しい感じがいたします。


トチバニンジンと朝鮮ニンジンは薬効が異なる
有名で高価な朝鮮ニンジン (オタネニンジン) と同じ仲間の植物でありますから、歴とした薬草であります。ただし、オタネニンジンとは薬効が全く異なるらしい。 イー薬草・ドットコム 薬用植物一覧表から トチバニンジン(チクセツニンジン) を参照。チクセツニンジンとはトチバニンジンの生薬名で、地下の根茎が竹の節のように見えることから言うのだそうです。引用すると、「竹節人参 (ちくせつにんじん) は、苦味が強く健胃(けんい)、去痰(きょたん)作用、解熱作用があるために、胃のつかえ、消化不良、食欲不振、気管支炎などに用います。1日量5~8グラムを、水0.5リットルで約半量まで煎じつめたものを1日3食間に服用します。」

【伊沢一男『薬草カラー図鑑②』89頁には次のように記されています】
<オタネニンジンとの薬効とは別> 地上部の形状はオタネニンジンとよく似ているが、地下の根茎は甚だ異なり、竹節人参と人参 (薬用人参、朝鮮人参) は同じように使用するものではない。竹節人参は苦味が強く、健胃・去痰作用がまさり、人参のように新陳代謝機能を盛んにする作用、強精・強壮、病後の回復などは期待できない。


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トチバニンジンは日本薬局方に収録されている
厚生労働省「日本薬局方・にほんやっきょくほう」 ホームページ
【引用】 「日本薬局方は、薬事法第41条により、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書です。日本薬局方の構成は通則、生薬総則、製剤総則、一般試験法及び医薬品各条からなり、収載医薬品については我が国で繁用されている医薬品が中心となっています。日本薬局方は100年有余の歴史があり、初版は明治19年6月に公布され、今日に至るまで医薬品の開発、試験技術の向上に伴って改訂が重ねられ、現在では、第十六改正日本薬局方が公示されています。」

厚生労働省 『第十六改正日本薬局方』
【第十六改正日本薬局方 1544ページから抜粋引用、画像に撮った】
第十六改正 『日本薬局方』 1544ページより抜粋

●要するに、諭鶴羽山系の谷の奥の湿った樹陰に生育しているトチバニンジンは、ただの雑草ではありません。厚生労働省のお墨付きの第一級の薬草であります。徳島県などでは生薬として栽培もされているようです。このトチバニンジンはシカの 「不嗜好植物」 なので、食害で減ることもなく、良く捜せば山系全体に点々と生えております。

キジョランの観察
●7月22日の午後に、洲本市千草の奥の猪鼻谷(猪鼻ダム奥の西側の谷)に行ってまいりました。昨年発見した濃色赤花のホンシャクナゲの接ぎ木用の「接ぎ穂」を採るのが目的でありました。その発見した赤花シャクナゲの樹は老成していて、枯れ上がった枝が多く、生育がかんばしくありません。そう遠くない日に枯死するであろうと思われます。それで、その枝を採集してその個体の遺伝子を保存しようということであります。6本の今年伸長した枝を採取して持ち帰り、台湾原産のアカボシシャクナゲ実生3年生に接ぎ木を行いました。アカボシシャクナゲは耐暑性が強く、シャクナゲの大敵の根腐れ病に強いので、シャクナゲの接ぎ木用の台木には普通これが使われます。

●ところが、採取した接ぎ穂自体が貧相で、通常ならばとても接ぎ穂にするのは無理な状態のものでした。また、その樹自体が樹齢数十年の老木であろうと思われますから、接ぎ穂もそれだけの年数を経た老化枝であります。われわれヒトを始め動植物の多細胞真核生物では、体細胞が分裂できる “分裂回数の絶対的な回数” があらかじめDNAにプログラムされているらしいことはよく知られています。たとえば、全てクローンからなる桜の品種のソメイヨシノは、細胞分裂寿命が迫っていて、その系統保存に危険信号が点灯していると言われています。要するに細胞分裂寿命が迫りつつあるかもしれない接ぎ穂を用いて、接ぎ木が上手くいくのだろうか? もっと若木であればいいのですが、濃色赤花のホンシャクナゲを見つけたといっても、老木すぎてその遺伝子を保存するのは難しそうな気がします。接ぎ木はおそらく失敗するであろうかと予想しています…。 

●さて、猪鼻西谷は植物の宝庫で、ウドカズラ(Aランク)、ナベワリ・カギカズラ(Bランク)など兵庫県レッドデータ種もたくさんあるわけですが、シャクナゲの接ぎ穂を採取した帰りに、ガガイモ科のキジョランを観察しました。兵庫県ではキジョランはレッドデータ種ではありませんが、淡路島では珍品に属すると思います。わたくしもキジョランは猪鼻谷・灘山本・灘惣川の3地点でしか見たことがありません。 キジョランをレッドデータ種扱いとする県もいくつかあります。 キジョランのとても面白いところは、その青黒い革質の葉や、独特な形状の果実などであり、異国情緒を漂わせていて観葉植物にできるのでは?と思えることであります。実際に、ときには園芸店の店頭で鉢植えのキジョランが陳列販売されることもあります。

キジョランの蔓が覆う
↑キジョランは、羽の水色が美しい大型のチョウの アサギマダラ の幼虫の食草としてあまりにも有名です。
【Wikipediaから引用】幼虫の食草となるガガイモ科植物はどれも毒性の強いピロリジジンアルカロイド(PA)を含む。また、成虫がよく吸蜜するヒヨドリバナやフジバカマも、蜜にアルカロイドを含む。アサギマダラはこれらのアルカロイドを取りこむことで毒化し、敵から身を守っている。アサギマダラは幼虫・蛹・成虫とどれも鮮やかな体色をしているが、これは毒を持っていることを敵に知らせる警戒色と考えられている。【引用終了】

葉と花
↑キジョランは蔓草です。大きさは3~4mの樹高の木を覆う程度の大きさであります。あまり大きく10mとかそれ以上とかまで伸長するわけではありません。葉は青黒いぐらいの感じで深い緑色で、革質の厚い葉です。極端に大きくならないので観葉植物に利用できそうです。写真の花はまだ蕾のものが多く、まことに小さくて地味な散形花序で、観葉植物とするならば葉と果実を鑑賞するものであろうかと思います。

花(散形花序)のアップ
↑花には観賞価値はなさそう…。

キジョランの果実
↑このキジョランの果実の形は、熱帯果物のマンゴーに酷似しています。が食べられません。シカの不嗜好植物です。ガガイモ科の植物は、諭鶴羽山系にはガガイモ・シタキソウ・イヨカズラ・コイケマ等がよく見られるのですが、シカ(鹿)はこれらを絶対に食べません。これらは、いずれも茎を切ると白い乳液みたいなものを出して気持ち悪いし、有毒なアルカロイドを含んでいることが知られています。キジョランは自らの体に毒を盛ってシカの食害から身を守っているのです…。

鈴なりの果実
↑蔓や葉の表側(陽光の当たる側)からは果実があまり見えないのですが、ツルをめくって裏側をのぞくと果実が鈴なりに沢山あります。

ザルに盛ったキジョランの果実
↑何十個もなっていたので、5個採集して観察しました。ザルに盛った5個の果実を、長さ・幅・重さを計測してみました。

① 長さ11.8㎝ 幅6.0㎝ 重さ52g
② 長さ11.5㎝ 幅5.7㎝ 重さ49g
③ 長さ10.9㎝ 幅5.9㎝ 重さ50g
④ 長さ11.3㎝ 幅5.7㎝ 重さ55g
⑤ 長さ11.4㎝ 幅5.3㎝ 重さ52g

果実を解剖した
↑果実はとても軽く、押えるとやわらかくて弾力があります。ゴム毬を押さえるような感じであります。キジョランの果実は、子房が1枚の心皮からできている 袋果(たいか) で晩秋に熟すると縫合線からパカッと裂開します。その縫合線にそって無理やりに割って中身を覗いてみました。ヘチマの果実の繊維みたいなものがあります。果実の中は、中心にやがて種子ができるところの固い部分がありますが、その周囲は柔らかい繊維状の物が取り巻いていてスカスカの構造になっています。

水に浮かべるとよく浮かびます。果実の3分の1程度が水中に没するだけで、3分の2程度は空中にでています。この果実の比重はおそらく0.3~0.4ぐらいではないか?と思います。海流によって種子を散布する植物の種子や果実は、水によく浮かぶような構造や軽さになっていますが、キジョランは海流(川の水流も)で種子散布するわけでは全くちがいます。秋遅くから初冬にかけて風で種子を飛ばしています。種子が風散布の植物なのです。種子に種髪(しゅはつ)というものが付いていて風でよく飛びます。種子(果実)が水の流れで散布するのではないのに、果実がこんなにも軽い理由はなんのためでありましょうか??
果実は水によく浮かぶ
↑若い果実はプカプカと水によく浮かびます。夏の水遊びの際の子供のおもちゃに宜しそうです。秋遅くに果実が熟しても水によく浮かぶのかどうか不明です。

ひょっとすると、食糧パニックが起こるかも?           
日が変わり、本日は2012年7月22日午前1時過ぎです。

●やっぱり、冷夏の傾向が強い夏ですね。関東地方以北は、特に太平洋側は、肌寒いぐらいの気温になっております。これでは、原発推進者どもも地球温暖化利権者どもも苦虫をつぶしていることでありましょう。蛇足ながら、なぜ原発マフィアや温暖化マフィアどもが苦虫をつぶしているかと申せば、奴らは猛暑を望んでいるからです。この点は、世間では勘違いしている人が沢山おるのには本当に驚かされます。

●地球温暖化マフィアは、色々な形で利権・メシの種に「地球温暖化」を利用しています。「地球温暖化」や「エコ」というのは打ち出の小づちであります。それを振れば、補助金をかすめ盗ることができます。お人よしの客に温暖化対策商品を売り付けることができます。色々な業種の人々が地球温暖化に群がっていますが、銀行や証券会社にいたるまで、「排出権取引」であるとか「エコファンド」などで商売にしています。温暖化商売では、夏は猛暑になればなるほど、冬も暖冬であればあるほど、「大変だあぁぁぁ!」と問題化して騒ぎ立てることが出来ます。つまり商売ができるのです。ハッキリ言って奴らは地球温暖化を恐れているのではありません。全く逆であります。温暖化(暑い夏)を望んでいるのです。それは、そのハナシで金銭的な利益を誰が得ているのか?という視点からみれば簡単に見抜けます…。

とくに、「大変だあぁ!」と叫んでいる人(個人でも団体でも)そのものが、「利益を得る人」である場合はほとんど例外なく、利益を得たいがために「大変だあぁ!」と叫んでいるだけです。本当に大変かどうかは大いに疑問符がつきます。もちろん世の中には本当に大変だという事象は確かにあります。この場合には、その大変な事象に対策する事業で利益を得る業者は、だまって事業をしています。声高に「大変だあぁ!」なんて言わないものです。そのあたりが微妙に違うのです。

●原子力マフィアどもも、またぞろ地球温暖化を口にしています。「やっぱり地球温暖化の対策のためには原発再稼働するしかない」というタワゴトを言っています。往生際の悪い原子力マフィアどもは利権を死守しようと必死でありますが、それで金儲けをしている連中の言うことなど信用してはならないのです。原発利権者どもも猛暑の夏を望んでいます。猛暑ならば電力需要が高まるので原発の必要性が主張できますし、その主張に地球温暖化をからめることができます。

【オホーツク海高気圧から涼風が吹いております】
2012年7月21日14時 全国気温分布図
気象庁サイトから引用しました。2012年7月12日14時の全国の気温分布図であります。通常その日の最高気温が出現するのは午後1~3時頃が圧倒的に多いのですけれども、午後2時に、20℃以下の緑色のエリアが関東地方・東北地方太平洋側に出現しています。本日7月21日の夜の時点で、北海道北部~オホーツク海沿岸地方・青森県・秋田県・岩手県・宮城県・福島県に「低温注意報」が出ております。ひょっとすると、冷害が発生するかも?という懸念がわいてきます…。

★図を見ると、オホーツク海気団からの涼風の恩恵は西日本には及ばないのですけれども、30度超の赤色のエリアが分布するのは、瀬戸内海沿岸地方だけです。西日本でも25℃~30℃の橙色がひろがっていて、とても涼しいです。西日本で今の時期に30℃に満たないというのは、とても涼しく、イネの生育には宜しくありません。今年のイネの作況指数はかなり悪いかも?

2012年7月21日14時 関東地方気温分布図
↑昨日7月21日14時の関東地方の気温分布図であります。東京の昨日の最高気温は21.9℃の涼しさで、とても夏とは思えません…。明日の23日から大暑(たいしょ)とは思えないほどの涼しさです。17日には群馬県館林で39.2℃を観測して原発利権者どもが喜んだのもつかの間、昨日21日の最高気温は僅か21.6℃でした。今の時期に昼下がりこの気温では、寒いぐらいです…。夏風邪をひく人が大勢でて、医者や薬局が賑わうかも…。

★さて、先のことは分かりません。気象庁の長期予報など外れることが多いです。予想は逆に読めば、「うそよ・嘘よ」であります。むかし、「気象台と唱えて食べれば腐ったタコでも当たらない」などと揶揄されましたが、気象庁の短期予報はよく当たるのですが、中期予報、長期予報と先の予報になるほど当てになりません。気休めです。そうなるかもしれないし、ならないかもしれない、という程度であります。で、先のことは先になってみないと分からないのですが、いまのところ太平洋高気圧が例年より弱弱しいので、冷夏の可能性を念頭に置いておく方がよろしそうです。というのは「冷夏 = 米の不作」であるからです。

★アメリカ・シカゴのマーカンタイル取引所の穀物相場の騰勢が止まりません…。じりじりと穀物の値段が上昇しています。まもなく日本に影響が出始めると思います。食料品価格が一斉に上昇し始めたところに、米の凶作が追い打ちをかける懸念が出てきました。わたくし山のキノコは、既にぼちぼちと手をうっています。2~3年ぐらいの長期保存が利く食品類を購入して貯蔵しています…。家庭での食糧備蓄をお勧めいたします。

穀物の価格上昇が止まらないトウモロコシの相場 (日足)
CME Group のホームページで、リアルタイムの株式相場や商品相場のチャート(グラフ)が見られます。引用した図は 農産物の頁 からで、ここでトウモロコシ・大豆・小麦ほかさまざまな農産物の値段が分かります。日本の食卓に並ぶ食事の材料は、あまりにもアメリカに依存しています。英語のサイトは肩が凝るのですが、われわれ一般の日本人も、このサイトから目が離せない状況に陥りつつありますよ…。
冬に生育・夏に休眠するライフサイクルの「イワタイゲキ」  ど根性イワタイゲキ いわちゃん
岩の間に生えるイワタイゲキ
イワタイゲキ という岩石海岸に生育するとても美しい植物があります。十分な写真が撮れなかったので、岡山理科大学の植物生態研究室(波田先生)のホームページの解説をご覧ください。波田先生のホームページの説明では、「画像は香川県小豆島の海岸で撮影した。風化の激しい花崗岩の露岩地で、岩の割れ目に食い込むように生育していた」ということでありますが、淡路島でもイワタイゲキの生育する場所は、たいてい海岸の岩角地の岩の割れ目です。門岬の付け根の崖、灘仁頃、立川スイセン郷の海岸、成が島、沼島にも…、淡路島南部に何か所か自生地があるようですけれども、個体数はわずかしかありません。礫が多い砂浜にも生育することがありますが、大部分は岩の割れ目に根をのばして生えております。

●イワタイゲキは、コンクリートの護岸で固められたり、醜悪な姿の消波ブロックが並べられた人工海岸にはありません。開発の魔の手から免れた自然のままの海岸に自生する植物です。海岸の自然度の高さを窺える指標植物であるとされています。けれども、その海岸が開発が加わらず自然度が高いかどうかはちょっと見れば分かることであって、いちいち指標植物の生育を確認しなければ分からないというものではないハズです。で、へそ曲がりを申せば、イワタイゲキを海岸の自然度を測る物差しにする必要が本当にあるのだろうか? という疑問もあります。

●イワタイゲキは晩秋から冬に栄養生長して青々と茂ります。そして、4月に花が咲き5月に果実ができます。夏には美しく紅葉したのち、地上部は枯れて地下茎の状態で休眠しています。花壇に植えるスイセンやチューリップと同じように、冬に生育して夏に休眠するライフサイクルの植物であります。下のわたくしの撮った写真ではまだ紅葉していません。5月の終わりごろでしたが、もしかしたら紅葉が始まっていないかと思ったのですが、まだまだ早すぎました…。7月にもう一度仕切り直しでありますが、そう簡単に行けるところではありません…。

岩の割れ目に根を下ろすイワタイゲキ
↑これは5月の終わりごろの写真であります。南あわじ市灘仁頃の岩石海岸であります。大波が来るとバサアと波しぶきをかぶるような所にあります。土壌はなし、したがって保水性もなし、強乾燥、強日照、強潮風、塩害…、とよくまあこんな劣悪な環境で生育するものだと感心させられます。しかしながら、イワタイゲキにとっては、このような劣悪環境が安住の地なのでしょう…。このような環境で生きられるように進化してきたのにちがいありません。

他の植物はなし
↑ご覧のように他の直物が全く生えておりません。イワタイゲキは他の植物ではとても生存できないような過酷な所に生育するのであります。

【時には砂地に生える場合もある】
淡路島と和歌山県の間の紀淡海峡にある友ヶ島は、イワタイゲキの良い自生地であります。いなさの情報ブログ様のサイトで、その友ヶ島のイワタイゲキの自生地風景の写真が見られます。なんと、友ヶ島のイワタイゲキは砂浜に生育しているではありませんか! これではイワ(岩)タイゲキではなく、スナ(砂)タイゲキと言うべきでありましょう。イワタイゲキはたいてい岩の割れ目に生えるといっても、必ず例外というものは有るのです…。

ど根性イワタイゲキ いわちゃん
●むかし、ど根性大根だいちゃん などという馬鹿な騒ぎがありました。ここにもあった、あそこにもあった、と低俗趣味のマスゴミが煽りに煽りました。そのような話題から申せば、イワタイゲキのほうが遥かに根性があります。超ど根性イワタイゲキいわちゃんであります。いわちゃんの方が、だいちゃんよりも根性があります。なぜならば、この岩石の割れ目では大根は育たないからです。じっさいに、海岸にはハマダイコンは普通にたくさん分布していますが、こんな岩石累々の所には全くありません。ハマダイコンはこんな岩の割れ目まで分布を広げられません。(ハマダイコンは、栽培種のダイコンが逸出野生化したものという説があります。逆にハマダイコンを改良した物が栽培種のダイコンだという見方もあります。つまり植物の種としては、栽培種のダイコンと野生のハマダイコンとを同等とみなしてもいい)


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【さて、自生地を明かすことの罪について、少し考えてみます】
●淡路島南部のイワタイゲキの自生地を明かしてしまいましたが、いちおう兵庫県レッドデータブックではBランクの絶滅危惧植物の扱いになっております。採ってはいけません。個体数もすくないので、見るだけにとどめておきましょう。
日本のレッドデータ検索システムでは13県が絶滅危惧植物に指定
お前は、「採るな」というのであでば、自生地を明かすなという批判もあるでしょうけれども、採ることと、自生地を明かすこととは、どちらが悪質でありましょうか? つぎの例を考えるとハッキリしています。採る(盗る)ほうがはるかに悪いのは明らかです。

A氏……道路に1万円を落とした。うっかり落としたのではなく、
    わざと落とした。
B氏……道路に落ちていた1万円をひろい、警察に届けずに自分の
    財布に入れた。ネコババした。

A氏がうっかり1万円を落とした場合は逮捕されることはありません。かりに、わざと落としたとしても逮捕されることはないでしょう。場合によっては、たとえばA氏があちこちにたくさん1万円札をばら撒いて落とした場合には、警察署から人騒がせな行為をするなと説教されるかもしれませんが、逮捕されることはないでしょう。

B氏は明らかに犯罪にあたります。刑法第254条の規定する遺失物横領罪に抵触する可能性が高く、逮捕されるかもしれません。その落ちていた1万円札が、うっかり落とされたものであろうと、わざと落とされたものであろうと、「占有を離れた他人の物」であることには違いがないでしょうから、遺失物横領罪が成立しそうです.

★本議論で考察していることは、レッドデータ種扱いされている植物の自生地をあかすことは、悪質かどうなのか?であります。自生地を明かすということは、上の1万円の例でいうならば、“○○に1万円が落ちていますよと人に知らしめること” にほぼ同等だと考えられます。1万円が落ちていると「言う」ことは別に問題でもなんでもなく、1万円を拾ってネコババするほうが、はるかに悪質なのは明白であります。

★1万円などという極めて価値の高い通貨と、レッドデータ種といってもただの雑草とを同一視して議論するのはおかしいのでは?という考え方も出てきましょうが、山野草マニアの間ではただの雑草が1鉢、数千円とか、数万円とかで取引されることも多いようです。レッドデータ種に指定することがただの雑草を “金のなる草” に変えている例がたくさんあります。レッドデータ錬金術です。

★ひょっとすると、一番悪質なのは環境省なのかも?? その可能性は大いにあります。ここで、環境省の政策について、ごく簡単にですがその功罪を少し考えてみます。環境省が絶滅危惧生物にかんする行政をしなければ、国版および県版のレッドデータブックが作成されることもなく、そうすると山野草愛好マニアがレッドデータ種の乱獲をすることも少なかったのでは? という可能性があります。いかに希少植物であったとしても、綺麗な花が咲くもの以外はただの雑草であって、山野草マニアの食指が動きません。ところがレッドデータ種に指定することがただの雑草にお墨付きを与えて光らせています。で、山野草マニアが乱獲しています。(私の身近なところにもそういうことがあります)

●かつて環境省は「環境庁」でありました。環境庁は大阪万博の翌年の1971年に発足しました。戦後25年焼け野が原から日本が復興し、重化学工業がさかんになり、日本の国力も回復して、万国博覧会が開催できるほどになりました。けれどもその弊害として大気汚染や水質汚染などの公害がひどくなりまして、何とかしなければということで、公害国会(第64回国会) が開かれましたが、それを受けて設置されたのが環境庁であります。

●そもそも公害問題に取り組むために設置された行政組織が環境庁だったのであろうかと思いますが、その後、厳しい規制が敷かれた結果、公害問題はかなり解決しました。たとえば四日市ぜんそくという健康被害まででた大気汚染は改善し、光化学スモッグという言葉も久しく聞かなくなりました。ドブ川みたいだった大阪湾の水質もかなりましになりました。公害問題がかなり軽減されてくると、環境庁の仕事が減ってしまいました。これでは困ると出てきた新しい問題が、「地球温暖化」であります。もちろんこれらは国内から出てきた問題ではなく、国連の組織から出てきましたが、「生物多様性」問題もほぼ同じくしてクローズアップされました。環境庁は仕事が増えて予算も増え外郭団体もたくさん出来て大喜びです。2001年には「環境庁」から「環境省」へと位が上がりました。環境庁時代の1991年に環境省版のレッドデータブックが作成され、改訂版もでたし、各県毎のそれも編纂されていますが、山野草マニアの盗掘のための貴重な資料として活用されています。○○の植物はレッドデータブックに載っているから値打ちがあるんだ、ということなのであります。○○はレッドデータ種で値打があるのだが、たくさんあれば希少価値が薄まるから抜いてしまえ! 間引いて減らして希少価値を高めようということも聞いたことがあります。 

★ある意味、一番タチが悪いのは環境省であります。原発利権の伏魔殿の経済産業省や、財政破綻教という脅迫で首相でも手玉に取る財務省ほどではありませんが、環境省もけっこう天下りや渡りのための関連組織や外郭団体がたくさんあるようです。もちろん税金が流れて行っているハズです…。しなくてもいいような事業や、なんの付加価値も産み出さない “税金の穀つぶし事業” がいっぱいあるようです。

「国民の生活が一番」が大躍進して、「官僚の天下りが一番」や、「利権業者の利益が一番」というふうな、既得権益組織や構造を木っ端みじんに打ち壊してほしいものであります。
涼しい日が多いですね。どちらかと言えば冷夏だあぁ!
●マスゴミたちはあまり報道しなかったけれども、今年の冬はかなり寒く日本各地で、また東アジアで、冬の最低気温更新が続出いたしました。その傾向はだいぶん解消したとはいえ、春になっても続き、夏になった今でも続いております。日々の寒暖の変化はかなり大きく、うだるような暑い日もあるわけですが、どちらかと言うと涼しい日が多くなっております。

●その要因として偏西風の大蛇行がどうたらこうたらとか、エルニーニョがどうたらこうたらとか気象庁が講釈を垂れていますが、講釈の当たり外れはともかくも、現実として涼しい日が多いということを認めて受け入れざるを得ないのです。原子力村の利権者どもは、すさまじい猛暑になって日本中のエアコンが1台残らずフル稼働し、停電になれ!とハラのなかでは願っているハズでしょうが、そうは問屋がおろしません…。原発利権者どもにしても、気象庁にしてもマスゴミにしても御用気象学者にしても、涼しい日が多いのは気に入らないようです。こんなおかしなハナシはありません。涼しい日が多いのを喜ばなければいけないのに、なぜ気に入らないのか??

●愛国心あふれる20万人もの真摯な抗議の声を無視して、大飯原発が再稼働されてしまいましたが、原子力村の利権者どもは愛国心が不足しているようです。野田首相にも愛国心が足りません。放射能に汚染されない美しく清浄な国土こそ、護るべき生存の基礎であります。保守的な立場の人ほど、右翼的な考え方の人ほど(たとえば石原慎太郎など)愛国心を声高に叫んでいます。ところが、愛国心を叫ぶ人ほど原発推進者であり、山紫水明の美しい日本の国土を放射能という汚物で汚しています。愛国心を持て!日の丸を揚げよ!君が代を歌え! と叫ぶ連中(たとえば橋下徹も)ほど愛国心がありません。橋下徹にも愛国心が不足しています。美しい国土をこよなく愛するハズの愛国者が、なぜ放射性汚物まみれの国土を望み、涼しい日を嫌うのだろうか?? とても不思議であります。

首相官邸前に集まった無名の20万人の庶民の方が、よほど愛国心があるのは間違いないでしょう…。

特別地域気象観測所「洲本」の今年6月1日~7月16日の気温変化のグラフです。最高気温と最低気温と、それぞれの平年値の推移であります。
特別地域気象観測所「洲本」の6月7月の気温推移

★この気温のグラフで目立つのは、最高気温が平年値よりも低い日が、かなり多いということであります。これは、電力需要が膨らむ日中の昼下がりの気温が、比較的低いことを示しています。電力需要が低く抑えられることを意味しています。とても喜ばしいことなのに、何が気に入らないのか?? ことしの太平洋高気圧の張り出しがとても弱くて、日本南部は雲の多い夏になりそうな気配がしています。たいへん喜ばしいことであります。

★本日7月17日13時14分に、特別地域気象観測所「洲本」で、32.4℃を観測しました。洲本で今年初めての真夏日であります。群馬県館林で本日7月17日14時22分に、39.2℃を観測して、原子力村の利権者どもは喜んでいます。しかし、これは一時的な現象で、明日18日には4~5℃も下がると気象台は予想しています。しかも、ごく局所的な現象でありまして、関東の内陸部の群馬県・埼玉県・栃木県の3県が隣接する狭い範囲が、うまく高温になる条件が重なり、ほてっているだけであります。(原子力村の利権者どもが喜ぶのはまだ早いのです)


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【原発の代替案】
日本のエネルギーは原発依存ではないのは明らかであります。日本の経済・社会に入力される総1次エネルギーに占める原発の比率はわずか約11%でしかありませんでした。電力というのは2次エネルギーです。その電力に関しては、原発の実際の発電電力量の比率は約30%、総発電容量(発電能力)にたいする原発比率は20%でありました。(発電能力としては20%なのに、実際の発電電力量では30%になるのは、原発の施設稼働率が高い反面、火力発電の稼働率が低いため)

マスゴミや原子力村の利権者どもがいうエネルギーの議論の間違っているのは、電力という2次エネルギーについてのみの議論に矮小化して誤魔化していることです。日本国は運輸などではほとんど化石燃料オンリーで賄っています。運輸部門などで化石燃料を使っているのを問題にしていないのに、電力に関しては化石燃料はダメで原発しかないなどという議論は、国民をミスリードする手前勝手な屁理屈であります。

そもそも、地球温暖化が問題などという虚妄説は、原発業界が気象学者にカネを掴ませて仕掛けたものじゃねえか。それまでは、現在より気温が2~4℃も高かった完新世の温暖期を 気候最適期” などと好ましいものというニュアンスで言っていたではないか。研究者も評論家もジャーナリストも、カネをもらって変節するヤカラが多すぎます。温暖化も二酸化炭素も何の問題もなく、化石燃料は悪ではありません。それが証拠に、原子力村の利権者どもが発電に対して化石燃料を焚くのを問題視していますが、自動車など運輸面などで発電以上にはるかに大量に化石燃料を使うのを、全く問題にしていないことの意味をよく考えると分かります。

で、あえて申せば、原発の代替案は「天然ガス」であります。不安定電源の太陽光は代替にはなりません。なぜ、ドイツの失敗を学ばないのだろうか? 原子力村の利権者どもは往生際が悪いのでありますが、コスト的にも「天然ガス」が一番有力な代替案です。その意味では、伏魔殿の外務省と敵対して、冤罪をかぶせられた鈴木宗雄氏の復活が望まれます。天然ガスの宝庫のロシアと太い人脈を持つ鈴木宗雄氏は、日本に無くてはならない貴重な政治家であると私は思います。
宗主国アメリカの穀物生産に、危険信号が点灯している!!  属国植民地の日本の食糧は大丈夫なのか??
●日本は明らかにアメリカの属国であり植民地であります。それは70年近く前の太平洋戦争に敗戦して、連合国軍最高司令官のマッカーサー元帥に7年間支配されたことに淵源をもちます。表面上は政治も行政も経済も日本人みずから統治しているように見えます。しかし、それはそう見えるだけにすぎず、実質的には戦後永らく進駐軍の支配下にあったわけで、それは現在まで続いているのであります。占領軍(アメリカ軍)はいまだに日本列島に紛れもなく駐留しております。とくに首都圏の上空は完全にアメリカ軍により制空権を握られています。日本の航空機は自国の領空を自由に飛ぶことさえ許されておりません。日本の領土・領空・領海のかなり広い部分がいまだに占領軍に浸潤され続けています。これでは誰が何と言おうとも、日本はとても独立国とは言えない状況でありましょう。

マッカーサー元帥は駐留した7年の間に、米国が日本を実質的に恒久的に支配し続けるための様々な仕掛けを作りました。たとえば「隠匿退蔵物資事件捜査部」が前身であるところの「地検特捜部」などはまさにそれでありましょう。東京・大阪・名古屋の3つの地検にある特捜部は、アメリカから独立を企てた憂国の政治家を冤罪をでっちあげて粛清する組織であることが判明しましたが、戦後の現代史的視点から考えると、反乱分子粛清を狙ってマッカーサー元帥が作った組織であったことは、ほぼ100%間違いなさそうであります…。

このように日本はアメリカの植民地であり、多くの点で宗主国のアメリカに隷属依存しておるのですが、今、そのアメリカの米びつ、穀物生産に大きな危険信号が点灯しました。日本の食糧自給率で大丈夫なのか?? 不用意にTPPなどに引きずり込まれて大丈夫なのか?? よく考えておかなければならないのは、日本がアメリカの51番目の州だと揶揄されたり自嘲的に言ったりしても、われわれ日本人はアメリカに連邦個人(法人)所得税を納めているわけでもないし、アメリカ大統領選挙の選挙権を持つわけでもありません。属国植民地のまあ早くいえば奴隷みたいなものです。けっして対等ではありません。アメリカの穀倉地帯が大干ばつでやられ食糧・飼料が不足するときには、アメリカ自国民優先は当然のハナシであって、植民地の奴隷に回す食糧など無いということであります。われわれ日本人はゆめゆめ忘れてはいけないのであります。1973年のアメリカの大豆輸出禁止による日本の大パニックという前例がちゃんとありますよ。2011.10.30拙記事参照。この国は、植民地への道をまっしぐらかも? ――食糧は武器だということを忘れるな――

穀物相場の急騰が始まっています。 非常に危険な兆候が出始めています。いまのところは、ただちに食糧パニックにつながるという状況じゃありませんが、アメリカで深刻な旱魃が発生しているようです。穀物の開花時期という重要な時期を旱魃が直撃している模様で、被害の拡大が懸念されます。

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↑下記にリンクしたサイトから引用しました。海外サイトのため英語なので肩がこるのですが、これはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の商品先物相場です。トウモロコシの期近の日足のチャート(価格推移のグラフ)です。1か月前の6月の中頃から、鎌首を持ち上げるように穀物相場の上昇が始まっています。

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↑こちらは大豆相場です。トウモロコシと同じように相場の上昇が始まっております。

【リアルタイムのチャートが無料で見られるサイト】
シカゴの穀物先物相場のリアルタイムのチャートが、このサイトで見られます。
大豆・トウモロコシ・小麦などの農産物の相場のページ

今のところは、商品相場としてのニュースという傾向ですが、1か月、2か月先には経済や暮らしを揺さぶる一般ニュースとして大騒ぎになるかも…。

大豆、トウモロコシが24年ぶりの大凶作! (ダイヤモンドONLINE 2012.7.13)
【ニュースの冒頭部分を引用】米国に熱波が襲来していて、トウモロコシや大豆の生産に甚大な被害が出ています。畑は干上がり、1988年以来24年ぶりの大凶作になる見込みとか。商品市場の価格はここ数週間で急騰しています。これは地球の裏側の遠い話ではなく、日本の経済にも、そして私たちの生活にも甚大な影響を及ぼします。

焦点:忍び寄る食糧危機の足音、穀物急騰で「我慢比べ」(ロイター 2012.7.14)
【ニュースの冒頭部分を引用】米国の穀物主産地が25年ぶりの干ばつに見舞われているのを受け、世界の商品市場では大豆やトウモロコシなど穀物相場が高騰。数年前に世界の貧困国を苦しめた食糧危機が再来すると懸念が強まっている。

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●さて、このアメリカの穀倉地帯を襲った大干ばつを直接的原因とするところの、穀物の需給ひっ迫・先高期待からの穀物相場の急騰でありますが、野田政権を大きく揺さぶる材料になりそうな予感がしております。ある意味では、政権公約をいとも簡単に反故にしてしまった “背徳の民主党” を揺さぶるとても好ましいニュースであります。

穀物相場の更なる急騰 → 食料品価格も上昇 → 消費増税+食料品高騰のダブルパンチ → 庶民の生活苦懸念 → 野田政権に対する不満の爆発 → 選挙で背徳民主党の壊滅(国民の生活が一番の大量得票)

●風が吹いて桶屋がもうかるように?穀物相場急騰のニュースは、船出したばかりの「国民の生活が一番」の帆船の帆に、追い風として作用するでしょう…。順風満帆の国民生活一番丸は大躍進の可能性が見えてきました…。一方、国民の清き1票を不正義・不誠実に略奪した海賊泥船・野田佳彦丸には激しい向かい風として作用し、沈没必定でありましょう。本来は、食料品暴騰というのは庶民の台所を直撃し深刻な問題でありますが、誤解を恐れずに申せば、「官僚の天下りが一番」あるいは「原子力村の利権が一番」の野田政権を倒す神風になる可能性が浮上しているのです。歴史を見ても、一揆や打ちこわしは庶民の生活苦が発端となっています。毎週金曜日の首相官邸前での原発再稼働反対の抗議のデモは20万人の規模に膨張していますが、穀物相場急騰は反対運動の火に油をそそぐことになり、野田政権をじわじわと締めあげる材料になるでしょう。

穀物相場急騰から、この先、極めて高い蓋然性で起こると思われる食糧品価格高騰でありますが、前もっての食糧備蓄などの対策でなんとか凌ぎ、アンシャンレジーム(旧体制)を打破して新秩序を産み出すための “産みの苦しみ” と前向きに受け止めましょう…。
橋下徹氏には、確固たる主義主張がない…。だから右往左往…。
●橋下徹氏がまた豹変しました。再豹変です。こうなれば再再豹変、再再再豹変…、猫の目のようにコロコロ変りましょう。何乗目の豹変なのか、5乗目なのか8乗目なのか?「再」の文字が何個ならぶか指数関数で表現しなければならないようであります…。もはや救いようがありません。橋下氏は暴力団の父親ゆずりで舌の運動神経が発達しておるのでありますが、舌そのものが奇形で生来的に “2枚舌” であると言われていました。ところが、そんなものではなく、3枚舌、4枚舌…、一体何枚あるのかわかりません。橋下徹氏という男はどうしようもない男だ。

橋下大阪市長ウォッチ 「野田首相絶賛」を釈明 「政策論ではなく、価値中立な政治行政論で考えた」J-CASTニュース 7月11日(水)18時59分


【引用開始】(橋下氏のツイートを赤色で着色した)
 大阪市の橋下徹市長が、野田佳彦首相について「すごいですよ」「確実に『決める政治』をされてると思う」などと絶賛し、「態度を一変させた」と指摘されていることを受け、橋下市長は2012年7月11日朝、ツイッターの連続ツイートで真意を説明した。
 橋下市長によると、「僕は政策論と政治行政論を分けている」といい、個別の政策レベルでは民主党政権と考えが異なる点があるとしながらも、「ただし政治行政論は価値中立。政治は、一定の価値観を明確に示して、その方向性で物事を決め、実行していくこと」などと説いた。その上で、「政策論ではなく、価値中立な政治行政論で考えたとき、野田首相は動き出したと見えました」と、野田首相を評価した理由を説明した。
 この直後の囲み取材でも、橋下市長は、 「個別の政策については見解の相違があるが、政治というのは論点をきちんと明示して、色々な反対論があっても、それをきちんと手続きを踏んで決めていくのが、政治の一番重要なところ」と、同様の説明をした。
【引用終了】


●全く言いわけにもなっていないし、詭弁にもなっていません。要するに橋下徹氏の言っていることは、たとえば、増税をするかしないかとか、TPP参加か否かなどの、具体的な政策については価値判断の対称であって、賛否両論が生じるのである。しかし、一方で、行政の在り方とか進め方などの方法論では、価値判断の対象にはならない。先に言ったのは、政治行政論に関して言ったのであって、個々の政策について述べたのではない、というふうなことであろうかと思います。

●橋下徹氏は致命的ないくつかの失敗をおかしています。

★まづ、具体的な個々の政策も、内閣による執政(政治)も、公務員による執行(教義の行政)も、これらはみな表裏一体のものであり、車の両輪(4輪)そのものです。画然と区別できるものではないのに、橋下徹氏はパカッと2元分断して、“政治行政論では価値中立だ” などと勝手なことを言っています。たとえば、行政論にしても当然価値判断の対象です。お役所の統廃合するとか、人員配置を改革するとか、中央集権か?地方分権か?など、行政のあるべき姿を考える行政論にしても意見百出するでありましょうし、とうぜん価値判断の対象であります。それに “政治行政論的に” などと政治論と行政論をいっしょくたにしているのを見ても、政策・政治・行政が渾然一体のものであることを認めています。

★橋下徹氏のいう “政治行政論では価値中立だ” というのを認めてあげたとしても、致命的な矛盾が生じます。前言で橋下徹氏は、税金をあげることや、TPPに参加することなど、具体的な政策を肯定的に述べています。前後の文脈からそれらを是としているのは明白であります。“政治行政論では価値中立だ” と言い張るための必要条件は具体的政策について絶対に口にしないことです。具体的政策に関して橋下自身が価値判断を示めしておきながら、“政治行政論では価値中立だ” などと強弁しても言いわけにもなりません。

★百歩譲って橋下徹氏の主張を全面的に認めてあげたら、どうしようもない矛盾が生じてしまいます。今までの発言は何だったのか? 記者会見で述べたことや、ツイッターでつぶやいたことが、個々の政策について述べたことなのか、それとも価値中立の行政論的に述べたことなのか、再確認しなければならない発言が沢山生じます。この矛盾は政治家としては致命的なものです。橋下徹氏という政治家の発言が、その発する言葉の額面通りには受け止められないということになってしまうのです。いちいち、今の発言は行政論的価値中立発言ですか? それとも具体的政策発言ですか? などと確認する必要が発生するのです。政治家は、国民・市民・有権者にむかって、分かりやすく誤解なきよう信ずるところを語らなければいけませんが、橋下徹氏の舌はまったく逆のことをやっています。政治家としては最低のレベルです。

それと、橋下氏は、「僕は…」という言い方をしますが、これは改めたほうが宜しい。「僕」というのは学生用語です。社会人は普通この言葉をつかいません。私(わたし、わたくし)と言わなければなりません。僕と言う言葉が社会で使えるのは、よほど高い立場にある人が、目下の人々に向かって言う場合だけです。小沢一郎さんは「僕は…」と言いますが、それは小沢さんは傑出した政治家であるから全く違和感がありません。チンピラの若造政治家にすぎない橋下氏が「僕は…」などと言うと、かなり違和感があります。

要するに、橋下徹氏は、一斉に起こった世の中の批判にうろたえて、しどろもどろの言いわけを口走っているのであります。言うことがコロコロ変わるというのは、一糸乱れぬ確固たる主義主張がないからであり、そして誰かに操られているから、そうなるのであります。

★橋下徹氏の政治生命はこれでもう終わりです。もうだれも橋下徹氏の言うことなんか信用しないでしょう…。これでも、まだ橋下徹氏にだまされる人は、大変失礼ながら、おつむの少し弱い人でありましょう。ま、既得権益にぶらさがっている連中はまだまだ橋下徹氏を担ごうとするかもしれませんが…。でも、それだって、“こいつはもう利用価値なしだな” と烙印を押されたらポイ捨てでありましょう…。

そもそも、橋下徹氏は全国に2000近くもある一地方自治体の首長であるに過ぎません。国会議員の経験はありません。大阪維新の会などといっても、1人の国会議員が居るわけでもなく政党ですらありません。(法的には政党と名乗るためには5人以上の国会議員が必要)たんなる一地方都市の地方政治家集団でしかありません。それをマスゴミが神輿のように担いで、突出して報道することに胡散臭さがあります。本来ならば話題にもならないハズです。仮に橋下氏に人気があるといっても、それはマスゴミが担ぎあげた “意図的に作られた人気” であります。やはり特定の政治勢力が意図的に橋下徹氏を担いでいるのであろうと考えるべきです。
小沢一郎さんと橋下徹氏との双方の主張は、全く異質だ!   橋下の化けの皮が剥がれたぞ!
橋下徹氏という男は、言うことがコロコロと変わり過ぎであります! 中国の古典の『易経』から “君子は豹変す” という故事成語が出来たのをみても分かるように、頂点にいる人物というのは言うことがコロコロと変わる傾向があります。『易経』の本来の意味では、もし誤りがあればただちに改めるということであって、支配者といえども誤謬はしばしば犯すものですし、犯した誤謬をそのつど改めるということであれば、その結果、言うことがコロコロと変わることになりがちです。そういう『易経』の意味であり、必ずしも悪い意味ではありません。しかしながら、橋下徹氏の場合は、主義主張に全く一貫性がなく、その時々の情勢に合わせて言うことがあまりにもコロコロ変わります。思うに、主義主張がなく、さしたる政治的理念もないのではないか? であるからこそ、その時々の社会の趨勢であるとか、世論の動向、マスゴミの報道、などの変化を横眼でにらみながら適当に発言しているだけではないのか? という疑念が払拭することができません…。

批判姿勢から一転…橋下市長が首相を高評価 日本テレビ系(NNN)

【引用開始】
 大阪市・橋下市長は10日、これまで批判してきた野田首相の政権運営について高く評価した。
 橋下市長「やっぱり野田首相はすごいですよ。集団的自衛権についてもこれから議論されて、TPP(=環太平洋経済連携協定)についても参加表明するとか、当初言っていたことを着実に進めている。大阪都構想も5党と協議して決めたでしょ。税も上げられて、これから社会保障の議論もしていく。もう自民党と民主党の中で再編が起こるんじゃないですか」
 橋下市長はこれまで、消費税増税などについて「前回の総選挙の時に言っていたことと違う」などと野田政権を激しく批判してきた。従来の対決姿勢から一転した形の今回の発言については、政界再編と、民主党や自民党の一部との連携をにらんだものとの指摘もある。

【引用終了】

●野田首相を痛烈に批判しているかと思えば、こんどは醜悪なチョーチン持ちをするなど一貫性がありません。橋下徹氏に一貫性があるといえるのは、“露骨に対米隷属姿勢である” ということでありましょうか。橋下徹氏の背後に、公明党がいるとか、みんなの党が画策しているとか、ということが取りざたされていますが、橋下氏は多分に新自由主義経済の信奉者であり、その点は橋下氏の正体は、“小泉―竹中ラインの延長線” の上に政策依存し、ぶら下がっているように思われます。集団的自衛権などという露骨に隷米の言葉を口にするようでは、日米安保体制容認であろうし、欺瞞だらけのTPPに賛成するようでは、経済的にも政治的にも米国の日本支配を是と考えているようであります。というよりも、橋下徹氏が自らの考えでそのように主張するのでは決してなく、橋下徹氏を遠隔操作している者たちから、そう言うようにさせられているのであろうかと思われます。橋下徹氏は誰かに操られているから、ときどき一貫性の無さという馬脚を顕すのであります。

●自分自身の確固たる主義主張・政策から、橋下徹氏が言っているのであれば、いうことがコロコロ変るハズがありません。もし、いうことが変わったとしても、「前言ではこう言ったが、情勢に変化があったので、ワシは考えをこのように変えました」というふうな説明があるハズです。ま、この “言うことを説明ぬきで変える” ということでは、野田首相も全く同類でありますが、野田氏にしても誰かから言わさせられているからこそ、主張したことが説明抜きで豹変するのです。多分、野田氏は財務省の現・事務次官の勝栄二郎氏に首根っこを押えられて、“消費税増税しなきゃあ財政破綻だぞ” と脅迫されて、言わさせられているのであろうかと思います。

●その点、マスゴミがどんなにボロクソに叩いても、噛ませ犬の地検特捜部が政治的抹殺をくわだてても、世間の人々にどんなに誤解されようとも、小沢一郎さんの主張には全くブレも動揺もありません。主張していることは首尾一貫していて微動だにしないのは見事であります。小沢さんはその主義主張の根幹に通低している考えのひとつに、この国はいくらなんでも、もうアメリカから真の独立をせにゃならん、ということがあるように思います。

●そう遠くない将来に、衆議院選挙が行われる可能性が大きく膨らんできました。次の選挙では、争点は明白です。争点は大きく4つあると思いますが、戦後の70年近くを現代史的に大まかにみれば、そういう歴史的視点から申せば、我が国が従来通りアメリカ追随・隷属主義でいくのか? ここらで思いきってアメリカ支配からの脱却・独立を目指すのか? の国論を二分するような大きな選択であります。まさに、歴史的な分かれ道にさしかかっています…。

【来る衆議院選挙での4大争点】
原発を続けて、政官業癒着の利権構造を温存するのか? 
 原発を止めて、政官業癒着の利権構造を打破するのか?

消費税を増税して、財政再建の小泉ー竹中路線なのか? 
 反・消費税増税で財政出動し、マクロ経済学合理路線に転換? 

TPP大賛成で、対米隷属・植民地容認なのか? 
 TPP大反対で、自主独立・属国からの脱却なのか? 

特別会計を現状のまま容認して、官僚支配構造温存なのか? 
 特別会計を縮減・廃止して、官僚支配構造打破なのか? 

★その双方の主張によく耳を傾けると、小沢一郎さんは明らかにアメリカからの独立を目指していると思われます。だからこそ、アメリカから直接にまた間接に支配されている検察特捜部やマスゴミにやられるのであろうかと思われます。一方、橋下徹氏はアメリカ追従主義であります。だからこそ、どちらかと言えばマスゴミが橋下氏を持ち上げる傾向があるのでしょう。小沢さんと橋下氏はその主張はかなり異質であります。たぶん連携することはないでしょう…。もし、選挙であえて連携したとしても、恐らくロクなことはないと思います…。

来るべき衆議院選挙で、小沢さんという “真の改革勢力” に雪崩を打って大量に流れ込む票を、エセ改革者の橋下氏が票を奪って真の改革を阻止する役回りを請け負っているのであろうかと、私は見ております。

(あくまでも山のキノコの個人的見解です)
反原発のスゴイ本が、過激に出版! マッド・アマノ著 『原発のカラクリ』
●それにしても、何ともはや凄い本が出たものであります。凝縮して簡潔なる文章、意表を突く風刺画…、読んでなるほどと瞠目させられ、絵をみて楽しめる…、まことに素晴らしい本であります。難解な本ではないから、中学生からお年寄りまで読めます。1家に1冊、原発のまやかしを知るために、国民1人残らず必読の本だとわたくし山のキノコは思います。少し論評をして、強く推奨をしてみたいと存じます。

『原発のカラクリ ――原子力で儲けるウラン・マフィアの正体――』マッド・アマノ著
  鹿砦社発行 2012.6.20刊 定価1600円+税

マッド・アマノ著『原発のカラクリ』

●わたくしは、アマゾンに6月25日に注文したのですけれども、7月2日になって、アマゾンから次のメールが来ました。

「誠に申し訳ありませんが、以下の注文商品の入荷に時間がかかっており、お届け予定日がまだ確定しておりません。(注文日:2012-06-25 )(注文番号:250-3467274-8740651) マッドアマノ "原発のカラクリ?原子力で儲けるウラン・マフィアの正体" ご注文商品のお届け予定日が現時点で確定していないことをお詫びいたします。現在、お客様に商品のお届け予定日をお知らせできるよう、調整を続けております。誠に申し訳ありませんが、調整のうえ、仕入先から入荷の見込みがないことが判明した場合、またはご注文数が入荷数を上回った場合、やむを得ずご注文をキャンセルさせていただくこともありますので、ご了承ください。商品のお届け予定日が確定しだい、Eメールでお知らせいたします」 (下線はわたくしが引いた)

●ふむふむ、過激に原発批判のマッド・アマノ氏の著書は、前著では、新聞社が広告掲載拒否をしたり、東販や日販など取次会社が配本拒否をするなど、原子力村の露骨な圧力が掛けられたそうであります。それで、また原子力村の利権者どもが反原発本が出回らないように阿漕な圧力をかけているのか? と心配したのですが、昨日6日夜8時に本が届きました。ネット書店で11日もかかるのでは、ネット販売の値打ちはありません。原発村の圧力が原因で商品が調達しにくいのか? あるいは、お客さんの注文殺到で応じきれないのか? 真相を知りたいところです。もし後者の理由であるならば、まことに喜ばしい限りであります。もし前者の理由であったとしても、それはそれで、この本に真実が散りばめられている証明であることを意味しますから、喜ばしいです。どっちであっても喜ばしいというのは、名著・名作の必要条件を満たしているわけです…。

●届いた『原発のからくり』は期待した通りの、否、期待を遥かに超える素晴らしい書物で、一気呵成に徹夜で読んだのでありますが、重ねて、強く推奨したいと思います。転ばぬ先の杖、原発村の悪党どもにもう騙されないための、また誤魔化しと隠蔽で高い電気代をかすめ盗られないための、一家に1冊常備して、国民一人残らず読むべき本です。1頁づつ独立した項目で順を追って通読してもよし、パラパラと興味のあるところを拾い読みしてもよし、簡潔な文章で原発のまやかし、原発の真っ黒な暗部を知ることができます…。

『原発のカラクリ』のすごいのは、もちろん文章もそうですけれども、そのイラストであります。当代随一の反骨パロディ・イラストレーターの天野氏の面目躍如たる凄い風刺画・風刺モンタージュ写真が、1ページに1点づつ掲載されています。風刺画というのはその作品を作る動機に、権力への反逆、既成価値への疑問、旺盛な批判精神がなければ、どんなに上手く描いても意味がありません。その点、マッド・アマノ氏は誰よりも過激に権力に楯つく批判精神にあふれ、原発村糾弾の風刺画が各ページにズラリと並ぶのは壮観であります。それぞれの風刺画に籠められた深い意味に、思わずうなづいたり考えさせられてしまいます。含蓄のある風刺イラストが98枚も勢ぞろい、一見すると絵本かムック誌のようですけれども、文章から立ち上る熱い怒り、火山の噴火のような義憤には全く共鳴するところがほとんどで、第一級の原発批判の書であると言えましょう。

【1点だけ風刺イラストを引用転載させていただきます】
マッド・アマノ作「原発バブルの塔」
↑40ページから、PARODY No.33、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」に踊らされて 「原発バブルの塔」です。

★すごい合成写真・風刺イラストでありますね。バベルの塔の頂上に君臨するのは、崩れかかった福島第一原発であります。このモンタージュの原作は、16世紀のベルギーの画家 ピーテル・ブリューゲル の有名な代表作 『バベルの塔』 であろうかと思われます。

★神々が住む天上界にいたる塔を建設しようとした人間たちの、不遜な挑戦は神々の逆鱗に触れました。そこで、神々は人間どもの話す言語を異なるものとしました。人間どもは言葉が通じず混乱し塔の完成は達成されませんでした。やがて塔は崩れてしまいましたが、そのバベルの塔というのは、また、資本主義経済の黒いあだ花 “バブル” と同等でもあります。膨らみが臨界点に達したらパチンとはじけ、崩壊してゆきます。原発もしかり、それは誤魔化しと隠蔽とで不正義に税金や電気代を略奪する黒いバブルそのものであります。4つのプレートがひしめきあい、列島の近くに 三重点 が2か所もある世界でもっとも地殻変動の活発で危険な日本列島に、54基もの原発をつくったのは、バブル以外のなにものでもありません。科学技術を過信し傲慢になった人類は、原子核反応という “天上の御神火” に手を染めてしまいましたが、神の領域に挑戦して悪童の火遊びに興じてみたけれども、結局それは人類の手に負えませんでした。メルトダウンを防げなかったし、高レベル放射性廃棄物の問題など解決の方法が全くありません。言い古された言葉ですが、トイレなきマンションです。万物の存在の根源を司どる神の逆鱗にふれて、“原発バブルの塔” が崩れ去るのはそう遠くはないでしょう…。

原発バブルの塔の黒い利権構造をあばき立てる『原発のカラクリ』が、原発反対のバイブルとして広く読まれ、100万部のベストセラーになることを念願したいと思います。
マッド・アマノ氏のサイト「権力に楯突くパロディー新聞 THE PARODY TIMES」
「ハンゲショウ」の観察(その2) 白化葉が全く見られないハンゲショウの集団があるのだろうか?
●以下の写真は、洲本市由良にあるハンゲショウの群生地であります。昨日、2012年7月6日に観察しました。南あわじ市に在住する有名な写真家のSさんに、「ハンゲショウの写真を撮りに行きませんか?」と誘いましたところ、「よし、行こう」ということになりました。なんと、朝5時から出かけました。今時分は日の出が非常に早く、朝5時半にもなれば十分に明るいのです。Sさんの本業はキャットウォーク服飾デザイナーの仕事をされていて、朝9時にアトリエを開店されます。わたくし山のキノコも一応まだ現役世代です。遊んでいるわけじゃあ、ありません。要するにその日の業務を始める前に写真を撮ってこようという作戦であります。

●ところが、ハンゲショウの自生地にたどり着いたら、天がビックリ仰天して落ちてきて、地面が東北沖地震で動くほどの、大異変であります。驚愕して腰がぬけてしまいそうです。白化葉が全くないのであります。一体これはどうしたことなでありましょうか?? 

白化葉が全く無いではないか!
花はあるが白化葉がない
↑元水田であろうか?と思われる湿地に、薪雑把(たきぎざっぽう)の如く隙間なくハンゲショウが生育しています。とても奇妙なことには、今の時期(花期)にあるハズの “白くなった葉” がまったく見られません。この写真のハンゲショウは花穂が立ち上がり気味なので、開花は終盤という状況であります。サクラでいえば満開を通り過ぎて散り始めと言ったところでありましょう。ハンゲショウは、花のない茎に着く葉は緑一色というのが普通なんですけれども、花がある茎に着く葉がここまで白化葉がないというのは、わたくしは初めて見ました。

本当に白化葉がない
↑この一面にひろがるハンゲショウの群落が、白化葉で埋め尽くされていたら実に壮観でありますが、これでは写真になりません。新聞社に投稿しても採用は望めないでしょう。これでは、「ただの雑草じゃあねえか」と言われるのがオチです。あきらめて、南あわじ市に戻り、南あわじ市賀集の淳仁天皇陵の掘りのハンゲショウの白化葉の写真を撮って、Sさんは新聞社に投稿されたようであります。

白化葉がなぜ無いのだろうか?

●まず、写真のものは日本在来種のハンゲショウです。アメリカハンゲショウではありません。園芸種として導入されて、ごく僅かのようですが販売されているアメリカ原産のハンゲショウは葉が白化しません。アメリカハンゲショウは雄蕊の花糸が長く、花穂が シライトソウ(諭鶴羽山系に普通にある) みたいな風に見えて、簡単に見分けがつきます。で、まず、ここのハンゲショウは在来種であり、栽培品のアメリカハンゲショウの逸出したものということは全くありません。

●ハンゲショウは、若くて成熟せずに花がまだない未成熟株の場合は白化葉が見られないものですが、ここのものはそんなことはありません。たくさんの花が見られます。花盛りであります。花があるのに白化葉が全くないという現象を示しています。

●どんな種でも、その産地により多少は変異があるのは普通だから、ここのものは白化葉を生じない系統なのだろうか?? そういうことがひょっとするとあるのか?? あるいは、遺伝的なDNA塩基配列や染色体の数などに何ら変化はないのだけれども、たとえば日照など気象条件であるとか、土壌のPHであるとか、自生地の沼や湿地の水質汚染だとか、なんらかの環境要因により白化しない場合があるということでしょうかねえ?? 分かる方にはご教示賜りますればありがたいです。

★なお、ハンゲショウの白化葉はあまりにもよく目立つので、ちょっと見た感じでは沢山あるように感じるのですが、葉の数を数えて出来るだけ定量的に観察するならば、意外に少ないものです。地面から生える1本の茎ごとに観察すると、白化葉をつけない茎のほうが多いです。未成熟な茎はもちろん、花をつける成熟した茎でも白化葉をつけない場合がありませす。で、たとえば10本の茎があっても白化葉をつける茎は1本か2本、そんな程度です。しかも1本の茎には10枚~20枚の葉がつき、そのうち白化する葉は1~2枚です。したがって、その群落で葉群全体に占める白化葉の比率はせいぜい1%程度か、1%よりも更に少ないかもしれません。たとえ白化した葉が一面にあるように見える群落であっても、白化葉が沢山あるかのように見えるのは “目の錯覚” であります。ヒトの目というものは、少ない物を多く見て、多い物を少なく見て、物事をありのままに見ない傾向があるように、わたくしは思います…。ようするにヒトの目は節穴なのです…。
「ハンゲショウ」の観察(その1)
梅雨末期ごろの珍しい植物「ハンゲショウ」の花の観察をいたします。そうたびたび観察会を行うのは大変ですので、わたくし山のキノコが1人で観察しましたが、観察結果を少し書いてみましょう。観察日は2012年7月4日、観察場所は兵庫県南あわじ市賀集、観察会参加者は山のキノコ1人だけ。

ハンゲショウ
↑ドクダミ科のハンゲショウです。じめじめした湿地であるとか、水辺などに生育しています。草丈は70~80㎝か1mぐらいです。とても美しい植物で、観賞価値があります。庭園のあるお屋敷に住んでいる方は、その庭園の池の辺にハンゲショウを植えるといいでしょう。わしとこには池などないわ、という方は普通の庭(水辺でなくても)でも、鉢植えでも栽培は可能です。自生地をあまり荒すのはよろしくありませんが、1枝を採取するのであればいいでしょう。挿し木で簡単に殖やせます。コップに水を入れハンゲショウの1枝を入れておけば1か月ほどたてば、節から根がたくさん出てきます。

●本ブログを覗いてくださる奇特な方に、特別にこの写真を撮った自生地を公開いたしましょう。南あわじ市賀集にある、第47代 淳仁天皇淡路陵(じゅんにんてんのう あわじのみささぎ) です。御陵の西側に掘があります。その掘にハンゲショウが自生しております。ただし、あまりたいした自生地ではありません。淡路島南部で最大の群生地は洲本市由良にあります。なお、淡路島外の方はわざわざ見に来るほどの自生地ではないので、お住まいの地方の群生地を探すほうがおよろしいと思います…。ただし、多くの県でレッドデータ種扱いになっているため、自生地情報はあまり公開されていないようですが…。

日本のレッドデータ検索システムでは、「ハンゲショウ」は25県がレッドデータ種扱い ハンゲショウは植物自体は挿し木で簡単に殖やせるほど、丈夫な植物であるにもかかわらず、なぜ多くの県でレッドデータ種扱いなのか? 恐らく、湿地とか池・沼のほとりという環境に自生する植物なので、その環境が埋め立てとか水質悪化等の理由で大きな破壊圧にさらされているためではないでしょうか? それと鑑賞用採取もありそうな気がいたします。

白化した葉
ハンゲショウの葉は花期に白化しますが、花穂と向き合っている葉が白化するのであって、茎の下部・中部の花穂が出ていない葉が白化することはありません。したがいまして白化する葉は茎の上部にある葉が2~3枚か、多くても3~4枚までです。葉が白化するといっても、1枚の葉が全体すべてが白化することはまずなく、葉の下半分か3分の2程度で、先端部分は緑色が残っています。少ない場合は、3分の1とか、ほんのちょっぴりということもあります。

●面白いのは、葉が白化しているのは葉の表側であって、裏側は緑のままです。顕微鏡で観察すると、葉の葉肉を形成しているところの柵状組織のうち、葉の表側に近い部分の葉緑体が抜け落ちて白くなっていますが、葉の裏側に近い部分は緑色のままであります。

●ハンゲショウの花は、花弁、花冠(かかん、英 corolla) のない花です。いわゆる花びらがありません。花らしくない花、地味な花であります。それで花粉を運んでもらう訪花昆虫に、ここで咲いていますよとサインを送るために、葉を白くしているのだと考えられています。葉の白化はすなわち華やかな花弁の替わりであるというのです。花期が終わると、白化していた葉はしだいに緑色に回帰していきます。しかし、完全に緑に戻ることは無く、若干、色は薄いというかくすんでおります。

キツネの尻尾みたいな花穂
↑キツネの尻尾か、アキノエノコログサの花穂みたいに、おじぎをしています。尊大さがなく謙虚におじぎをしていますが、これは最初のうちです。1本の穂には小さな個花が数十個か100~200個ぐらいあるのでしょうか? 花穂(かすい)の根元から先端に向かって開花が進んでいきます。開花が進むにつれて花穂は立ちあがってきます。

●写真のものでは、綺麗な放物線状にお辞儀をしていますけれども、その放物線の頂点付近がちょうど開花しています。先端部分はまだつぼみであります。根元の部分は雄蕊(おずい・おしべのこと)の葯(やく・花粉の袋)が茶色く変色して、開花は終わっております。開花が進むにつれ花穂が立ち上がり、放物線の頂点付近がつねに開花最盛になるように開花がすすむのですが、これは頂点付近は花が上向きになって訪花昆虫が止まりやすいという配慮をしているのだと解釈されています。重要な花粉の運び手となるハナアブ類が、好んでハンゲショウの花粉を食べにくるのですが、ハナアブが止まりやすいようにサービスをしているのだと考えられています。訪花昆虫の形態・行動と、ハンゲショウの花の開花状況とが、ベストマッチするように双方がうまく進化したのでしょうかねえ??

ハンゲショウの花は、ルーペで観察しましたところ、写真のものでは雄蕊(おしべ)が5個、6個、7個と一定ではないようですけれども、6個の出現頻度が高いようです。子房の心皮を観察しますと、1個の個花には1個の雌蕊があり、その雌蕊は圧倒的に4心皮からなるものが多く、(若干3心皮、5心皮のものもあった)心皮の先端は合生せずに離生しています。福原先生の植物形態学講座「雌しべと心皮」 を参考にしてください。

群生するハンゲショウ
↑ハンゲショウはたいてい群生しています。ドクダミと同じように、白っぽい地下茎が縦横に走っているので、1本1本の茎が1個体であるということは無く、地下でみなつながっています。けれども、その群生しているものが全て地下でつながっている1個体ということもないでしょうから、一体この群生地には何個体のハンゲショウが生育しているのでしょうかねえ?? 全くわかりません…。

【ハンゲショウの語源説】
●24節季72候の、花鳥風月、歳時記的な季節区分け法によるところの、夏至の末候の半夏生の頃に花が咲くからハンゲショウという…、説があります。けれども、ハンゲショウが開花するころを「半夏生」と言うようになったのか? 「半夏生」という時季になると開花するのでハンゲショウと言うようになったのか? 両方の可能性があり得そう…、です。

要するに、季節名が先なのか? 植物名が先なのか? であります。「半夏生」という字句を見れば、「半夏・ハンゲ」という植物があって、そのハンゲが生えて花が咲くころを「半夏生」と言うようになったのではないか? ハンゲは一説によるとカラスビシャクか? ハンゲとハンゲショウは別物であって、ハンゲが咲くころにハンゲショウも咲くから、もとはハンゲの咲く頃の意味だった時節名を、ドクダミ科のハンゲショウに流用したのではないのか?? でないと、ハンゲショウの咲く頃という意味で時節名にしたのであれば、「半夏生生」としないと矛盾が生じます。

24節季72候のごく一部

二十四節気(にじゅうしせっき)

七十二候(しちじゅうにこう)

●ハンゲショウは「半化粧」だとする説もあります。葉の半分か、3分の2程度が白くなるので、全面的な化粧じゃあなくて半分の化粧だというのです。たしかに、おしろいを塗りたくって化粧しているように見えます。別名のカタシログサは葉の片面(表側)だけが白いという意味であるのはほぼ間違いないでしょう。
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