雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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沼島での「石のお花見」観察会の、写真ギャラリー(後篇)
(本写真ギャラリーは、前篇からの続きです)

【威風堂々と聳立する上立神岩】
●712年に編纂された『古事記』によれば、イザナギとイザナミの二柱の神が、天も地もいまだ分化せずクラゲが漂うように混沌としていた世界を完成させるために、天浮橋(あめのうきはし)という雲の上の橋に立って、天沼矛(あめのぬぼこ)でこおろこおろと下界をかきまぜました。その天沼矛から落ちたしずくが固まって淤能碁呂島(おのごろじま)ができた…、と言っています。

●ま、そういうハナシであって、オノコロ島がどこか? 諸説あるのですが、一説ではそれは沼島だという説もあります。そして、この上立神岩が、天沼矛(あめのぬぼこ)だという説もあります。本当のところはタイムマシンで712年に行って、『古事記』を編纂し終えた 太 安万侶(おお の やすまろ)聞くのが一番いいでしょう。でも、聞かれた 太 安万侶 だって返事に窮して「わしもよう分からんのじゃ。ははは。なんせのう、このハナシはそうとう昔からの言い伝えやさかいな」てなぐらいのことは言いそうです…。

沼島の上立神岩のとても面白いところは、この海食尖塔の中ほどに、くっきりとハートの形が刻印されていることです。イザナギ、イザナミの恋成りて、天沼矛(あめのぬぼこ)にその験(しるし)顕われたり、ということなのか?? 良縁成就・夫婦円満の願いが叶うパワースポットとして、南あわじ市観光協会は売りだしたらいいでしょう…。

上立神岩
↑上立神岩の高さはどの程度でありましょうか? 国土地理院の「電子国土ポータル」で2500分の1の測量図まで閲覧できるので、それを見てみましたがこの海食尖塔は測量されていないようです。で、一つの方法として、この岩の塔を眺めて、その頂と水平線が重なって見える所がどこか調べると、その場所の海抜に自分の目の高さを加えた数値が、この上立神岩の海抜の高さであると近似できるハズです。この方法でやってみたのですが、36.6メートルよりも大分低いということは確実です。結局、その場所自体の海抜高度が正確には分からないのです…。説明看板には30メートルなどと書いてありますが、ちゃんと測量したのだろうか? 適当にサバを読んでいるかもしれません…。だいたいにおいて、観光地の説明看板など内容がいい加減で、適当に書かれている物が多いのです。 

説明の看板

●さて、「石のお花見」であります。観察ではありません。岩石名を正確に同定するには、偏光顕微鏡でその岩石の造岩鉱物の種類や存在比を調べたり、場合によっては化学組成まで調べないと同定は難しいとされます。この「石のお花見」ではその石を割って片理をながめたり、ルーペで見える範囲で鉱物の配列などを見たという程度でありまして、とても観察などとは言えません。サクラの花見と同じです。サクラの名所を花期に訪ねてみると、花見客は大勢来ていますが、雄蕊の数は何本あるのか?とか、がく片はどうなっているのか?などと、観察している人はほとんどいません。それと全く同じで「石のお花見」なのです。放言していることに信頼性はほとんどありません。悪しからず…。

岩石が累々と堆積する
↑海岸には破砕された大きな石が累々と堆積しています。この写真の中に見える大きな石は自動車ぐらいの大きさがあります。とても荒々しい岩石海岸で、浮石もあり、安定性のわるい石も多いから、この海岸には立ち入らないほうが無難です。絶対に遭難しない方法がたった1つだけあります。それは、危険な場所に立ち入らないことです。

筋状の構造が発達する
↑この沼島の三波川結晶片岩類は、片理がよく発達していて、薄い板状に剥がれやすいです。大きな岩は直方体の塊になっていますが、やがて平べったく割れて行き、波打ち際の小石はみな小判形の平らな石がほとんどです。筋状のほぼ一定方向の線が無数に走っているというふうな岩石ですが、それだけではなく、筋状方向に対して直角に割れ目(節理)も入っていることが多いです。この片理と節理が発達しているので、平たい直方体の石のブロックが自然にできています。そういう石が民家の塀に積まれているのが集落の中の路地を歩けば見られます。

鉱物が筋状配列になっているような感じ
↑岩の表面が筋状に見えるのは、この岩石を作っている鉱物が、おそらく一定方向に行儀よく並んでいるためなのでしょうけれども、その様子はルーペで見てもよく分かりません。やはり、岩石の観察は偏光顕微鏡で鉱物の観察をする必要がありそうです。ま、ルーペ観察でも白雲母はキラキラと輝いているのですが、石英はぜんぜん輝かないという程度のことは分かります。

太陽の光が当たるとキラキラと光る
↑写真ではとても分かりにくいのですが、沼島の結晶片岩類に太陽の光が当たると、石の中に微小な星が無数にあるかのように、キラキラと光ます。おそらく、造岩鉱物の白雲母の細粒なものであるところの 絹雲母(きぬうんも、sericite、セリサイト) が太陽の光を反射しているのであろうかと、思います。実際に沼島の結晶片岩類の小石を手に取って、太陽の光に当てて鑑賞すると、宝石みたいでとても綺麗なものであります。

石のなかで煌めく スターダスト。
星降る岩のなんと美しい…

キラキラと輝く

石英の脈が入っている
石英質の脈が入っている
↑泥質片岩の片理面にそってほぼ平行に、白っぽい半透明な、レンズ状の石英質の塊のようなものが混入しています。数は多くはないのですけれども、あっちの岩石、こっちの岩石というふうに点々と見られます。直感的に想像するのは、この岩石が地中深くにあったときに、何らかの要因で割れ目が生じて、ここに熱水が流れ込み長い時間をかけて石英を主とする鉱物が生成されたのではないのだろうか? ところで周囲を捜すと、半透明な白っぽい人の頭大ぐらいの転石もあちこちにみられます。これは石英質の脈の入っている岩石が破砕され風化して、その白っぽい石英質の部分が残ったのか、あるいは打ち寄せる波に洗い出されたのであろうか? これも大昔には地の底で変成作用を受けたのでしょうから、石英片岩と言うのでしょうかねえ?
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↑こちらの白い脈はレンズ状ではなくて、不定形状に入っていて、かならずしも片理面に平行になっていないようです。泥質片岩の中に、もこもこと白い雲が湧きたっているかのようで、とても面白い造形であります。 (これをもちまして、石のお花見はお開きです。)

●ついでに、植物の観察であります。
ヤツデです。
↑こちらはヤツデです。南風が強く吹き当たる風衡地であるので、伸びすくんで矮生化しているように見えます。根元を見ると幹は結構太いのですが、樹高が1メートルかせいぜいヒトの背丈ぐらいしかありません。葉もかなり小ぶりであるように見えます。この海岸崖地の植物には、トベラ・ダンチク・キキョウラン・アゼトウナ・ハマウドなど海岸植物が見られましたが、風あたりが強烈であるためか、扁形し、矮生化した物が多いようであります。

●5万分の1地質図を見ると、上立神岩付近の崖地には「蛇紋岩・じゃもんがん」が少し分布しているようです。そうであるならば、ぜひともその蛇紋岩の崖地に生育している植物を調べたいものです。超塩基性岩のカンラン石や蛇紋岩の山であるとか、それから石灰岩の山、さらに鉱山跡で重金属で汚染された山などでは、そこの植物相が特異なものになるということが良く知られています。そこの岩石(土壌)の化学組成が普通の山と大きく異なるので、そういう条件に適応した植物が生育するということであります。ので、上立神岩周辺の崖をよく調査すると何か変ったものが出てくるかもしれません。でも、遠目に眺めれば険しくて命がけかも…。

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「石のお花見」参加者からいただきもの、写真4葉
●「石のお花見」に参加くださった、おたけさん(50代男性)から写真を4葉いただきました。高価そうな機材を持ち、写真の構図や鮮明さはプロ級の腕前と思われるすばらしい写真ですので、本ギャラリーに展示したいと思います。惜しむらくは、このブログでは写真を縮小しているので素晴らしい写真もすこし精彩を欠いてしまっています。パソコン万年初心者のわたくしは何時までも向上せず、高精度の写真のアップのやり方が分からないので、しかたがありません。

沼島漁港にもやう漁船
↑沼島汽船を降りて、集落全体の北側あたり、入り江になっている所に漁船がたくさん係留されています。日曜日だったので、今日は漁を休んでいるのでしょうかねえ? ふつう漁師さんは朝4時とかまだ暗いうちに出漁しています。昼にもなれば仕事は終了です。これはまだ9時半頃でしたので、仕事を終えるには早いように思います。以前、灘の漁師さんに聞くと、市場が日曜日に休みなのでそれに合わせて前日の土曜日が休みだと言っておりましたが、日曜日もときどき休業するのでしょうかねえ? ま、海が荒れたら漁は休みでしょうけど…。岸壁にもやう漁船は伝馬船(てんません)かそれに毛が生えた程度なので、ちょっとマゼ(南風)が吹いたら転覆しそうな気もします…。

近畿自然歩道を行進する参加者たち
↑地図を見ながら近畿自然歩道に進入して歩きだしたのですが、あまりにも立派な遊歩道なのでビックリしました。舗装されているし、遊歩道の両側の草はよく刈り取られています。環境省から管理費用が地元にしっかりと配分されているのだろうな、と思ったのですが、しばらく行くとキャンプ場がありました。見事に整備され管理されていたのは、そのキャンプ場までです。それから先はあまり管理されているようではありませんでした。草ははえているし、ダンチクが覆いかぶさっているところもありました。遊歩道の両脇にヤブジラミというニンジンの葉ににた植物の枯れた物がいっぱいあって、ズボンに黒い果実がひっついて “わやい” でありました。

整備されている標識
↑道標だけはしっかりと整備してあります。これならば地形図を持たなくても道に迷ったりすることはなさそうです。けれども、各地の自然歩道みたいなものを歩くハイカーは少ないです。野山を歩いて自然に親しむのは結構なことではあるけれども、どこをどう歩いたらいいのか、おかみが(環境省が)歩く道までいちいち指定し、標識に従って歩きなさい、それも時計回りが正しい歩きかたなのですよ、と国民をまるで小学生扱いです。それには強い違和感を感じます。

環境省自然環境局総務課自然ふれあい推進室が進める自然歩道は、まだまだ整備が進行中で、完成した暁には総延長26000㎞でありますが、本当にそんなものが必要なのか? おおいに疑問のあるところです。本当に自然をこよなく愛するハイカーや登山者たちは官製ハイキングコースなど冷やかに見ています。お役人がコースを決めるのは全く意味がありません。ハイカーや登山者に人気のあるところが、大勢の人々が歩き、踏み固められることによって自然に道ができるのですよ。これが本当の近畿自然歩道なのです。土木業者や園芸業者に工事を請け負わせて作る近畿官製人工歩道など、まさに利権じゃねえのか? 経済産業省ほどではないにしても環境省も利権の巣窟だ。環境省傘下の財団法人・社団法人等の○○協会だとか、○○センターとか膨大な数があります。みな、環境省官僚の天下り先・渡り先だ! 廃止すべきじゃあ。

オイオイ、特別会計の見直し、縮減、廃止、一般会計への組み換え。特殊法人・公益法人の見直し。官僚たちの天下り・渡り禁止法案。企業団体の政治献金全面禁止法案。これらはどうなったんや? 野田民主党は詐欺政党じゃねえのか? 清き一票を返せ! 我々有権者は全権委譲したのでも白紙委任したのでもないで。間接民主主義の崩壊に手を染め、約束を守らない野田民主党は信義も大義もなく、恐らく、かつての社会党のように、やがて消えていくだろうと思います。6.26事件が終わりの始まり…。この週末には首相官邸前には抗議の数十万人のデモが起こるでしょう……。ひょっとすると、国民有権者の怒りの導火線に点火して、燎原の火と燃え広がって、この国は内乱状態に突入していくかもしれません。そんな胸騒ぎがいたします…。久しく絶えて無い暗殺もあるかも?

沼島黒崎より淡路島遠望
↑沼島と淡路島の最短距離は、黒崎から灘城方の波止場まで3050メートルぐらいです。土生漁港は派手に埋め立てられて沖合に突出したので、黒崎から波止場灯台まで2900メートルぐらいです。黒崎から沼島汽船乗船口までは2960メートルです。沼島汽船土生乗船口から沼島の乗船口までの直線距離は3730メートルであります。淡路島と沼島の距離と言っても、沼島自体が南北間が2600メートルの幅があります。したがって、沼島のどの地点までを言うのか指定しないと、沼島ー淡路島の距離は3キロになったり、4キロであったり、5キロになったり、いろいろです。実際に観光案内のパンフレットなどには色々な数値が書かれています。

沼島の地形図
↑国土地理院の25000分の1地形図です。ただし、販売されている紙版の地形図のように地図上で4㎝が実際の1キロではありません。縮尺はおかしくなっています。

今回「石のお花見」で歩いたのは、沼島汽船発着場から、集落の北側にある入り江をぐるりと巻いて、点線で示される環境省の官製人工歩道をすすんで、山の稜線をたどって灯台まで行き、更に37メートルの標高点を通過、海岸近くまで降りて行きました。帰りは池のよこの小中学校のところを通過して、港まで帰ってきました。全長8.5キロの行程でありました。所要時間は4時間ほど。なお、点線がすべて環境省の自然歩道ではなく、既存の山道が沢山あるうち、周遊出来る尾根伝いのコースを自然歩道として整備しています。
沼島での「石のお花見」観察会の、写真ギャラリー(前篇)
●自己批判すると、「石のお花見」は自然観察という意味では大失敗でありましたが、物見遊山のイベントという意味では失敗などではなく、むしろ、大成功でありました。その理由は参加者から不満の声が一切なく、珍しい物がみられた、いい所に案内してくれた、という声がいただけたからであります。今後もこういう企画をしてくれというリクエストも頂戴しましたが、そう、次から次へと “企画の材料” がないわな。さて、今回のイベントの写真ギャラリーに下手な解説をつけてみました。間違った説明も混じっているかもしれませんが、ご指摘くださったならば幸いです。

沼島漁港から、諭鶴羽山地を仰視する
↑64人定員の連絡船で海上約10分、灘土生から沼島に渡って、沼島漁港から淡路島をながめました。沼島から仰ぎ見る諭鶴羽山地は、実際以上に高くそびえる大山地に見えます。目の錯覚かもしれませんが、まるで1500mぐらいの峰々が続いているかのように見えます。なにしろ、その頂が雲の中に隠れているのです。こうして、沼島から諭鶴羽山地を遠望すると、この山塊が中央構造線という断層群の活動によって、高くせり上げられた地塁山地であることがよく分かります。

沼島漁港に隣接するメインストリート
↑沼島の形状は地図を見ると、よく勾玉(まがたま)のようだなどと言われます。しかし、そのような上等なものではなく、わたくしには膝を抱える胎児のような形に見えるのですが、あるいは、しわの寄ったひからびたソラマメの種子のようにも見えます。いずれの形にしても、太平洋側が外にむかって膨らみ、淡路島に対峙した側がくぼんでおります。沼島の集落はそのくぼんだ部分のごく狭い範囲に密集しています。昔は海上交通の要衝であって、江戸後期には「沼島千軒金の島」とたたえられ最盛期には人口4千人と繁栄したのですけども、今は衰退しています。戦前は対岸の灘地区では、女性が沼島にお嫁にいくことが、あこがれの玉の輿とみなされました。

写真は沼島漁港に沿ったメインストリートでありますが、復員4~5メートルもある立派なものです。沼島には自動車がほとんどありません。それは自動車など持ち込んでも、乗り回す道路がないためであります。いたるところ自動車があふれかえり、違法駐車だらけの現代の目からすると、自動車が普及する前夜の昭和30年にタイムスリップしたかのような錯覚がする島であります。

参加者は総勢19人
↑今回の観察会の発案者は、わたくし山のキノコではなく同級生のM君であります。“灯台もと暗しと” は良くいったもので、古典的照明器具の灯台は直近の手元は暗いものです。淡路島本島の住民にとっては、従属島の沼島はまさに「灯台もと暗し」で、良く知らない遥か絶海の孤島とおなじです。なにしろ、毎日、沼島を眺めて暮らしている旧南淡町灘地区の住民でさえ、沼島にいったことがない人が大勢います。

で、近くて遠い、知られざる沼島を探訪しようということだったのですが、歴史的人文系名所を訪ねるのではなく、自然史的名所の探訪に力点を置いたのでありますが、この参加者の姿は “お遍路さん” という感じであります。菅笠をかぶっていたらまさにお遍路さんであります。岩石観察や化石採集の地学ファンであれば、手にハンマー・ルーペ・クリノメーターの三種の神器を持つハズですが、誰ももっていません。わたしはリュックにそれらを持っていましたが、たとえばクリノメーターを出して地層の走向や傾斜をしらべたりしたら、間違いなく浮き上がったでしょう。(結局そんな道具類はリュックから出さなかったです)ま、どのような方が集まるかは想定していましたので、企画のタイトルを「石のお花見」としました。観察ではなく、物見遊山の見物だという意味であります。それはそれで良かったと思います。観察という趣旨からは不首尾ではあっても、イベント的な見物という意味では、大いに賑わったのですから大成功でありました。

参加者は19人でありましたが、内訳は次の通りでした。
性 別 成人男性7人、成人女性11人、小人男子1人
年代別 子供1人、30代ぐらいが2人、残りはほとんど50代と60代
居住地 南あわじ市12人、淡路市4人、神戸市2人、尼崎市1人

沼島北端の山から淡路島を望む
↑沼島の北部にある標高113.6メートルの山の山頂直下を巻く遊歩道から、最短距離3000メートルの海を隔てて淡路島を眺めた光景です。海抜80メートル地点からの眺めです。雲を戴く諭鶴羽山地は地塁山地の特徴として、ほぼ同じ高さのピークが東西に連山として並んでいます。ぬきんでて突出する秀麗なピークはありません。諭鶴羽山が608メートル、柏原山が569メートル、両者の中間に586メートルの無名の山があります。東西20キロに500メートル超のピークが無数にならんでいます。沼島から眺めたら、巨大な軍艦が横たわっているようにもみえるし、また、巨大なエイが伏せているようにも見えます。

沼島の裏海岸
↑沼島の裏側です。集落のある側からみた裏側という意味ですが、太平洋側です。外洋からの荒波やうねりが押し寄せてくるので、瀬戸内海とは思えない男性的な海食崖(かいしょくがい)が発達しています。(なお、法律・政令により法的には紀伊水道は瀬戸内海の一部と規定されていますが、実際的には外洋に近いです)海食崖の高さは20~30メートルぐらいかとおもうのですが、波の破壊力により破砕された巨岩が累々と堆積しているのも観察できます。写真の中央にカエルが伏せているような面白い形の岩がありますが、高さが20メートルぐらいありそうな巨大な岩です。

沼島の裏海岸を遠目に観察して気づくのは、海食崖の下、つまり海面直下にはテラス状の地形がありません。ふつう波浪による浸食は水面直下(低潮線より上)にまでしか及びませんので、テラス状の平坦な「海食台」が形成されることが多いものです。しかし、それが見当たりません。海がストンと深くなっています。紀伊水道北部の海底下深くには、やはり、東西に延々とつづく三波川変成帯の地層があるのでしょうけれども、沼島だけが浸食から免れたという状況になっています。沼島の四囲が全て浸食されていることが、海食台(ベンチ)がないのと大いに関係しているような気がしますが、沼島が浸食(海食)から免れた要因は、いったい何なのでしょうかねえ??

海岸へ降りる遊歩道
海岸へ降りる遊歩道、下から見上げる
↑この2枚は裏海岸に降りていく遊歩道です。上からと、下からと両方から見ました。遊歩道といっても軽自動車ならば十分に通行できそうなほど立派なものです。海岸そのものにはたどりつけません。海岸の上、すなわち平均水面の上15メートルぐらいで行き止まりです。仮に、波打際まで遊歩道が続いていたとしても、台風の巨大な波で破壊されるのにちがいありません。そのために、海岸の大分手前で遊歩道が終わっているのでしょう。遊歩道の終点から下は巨大な岩石が累々とあって、危険です。ロッククライミングの技術を持つような人以外は、この荒々しい海岸にはみだりに立ち入らないほうが宜しい。

上立神岩
↑あまりにも有名な上立神岩(かみたてがみいわ)であります。沼島観光の大黒柱であり、沼島のシンボルであります。遊歩道の上の方から眺めました。岩頂とほぼ同じ高さから眺めた姿です。まるで、碧海中に観音様が立っておられるような神々しさがあります。無機質な岩石の塔であるにもかかわらず、見る人の心に敬虔な気持ちを振るい起こして、思わず合掌、再拝してしまいます。人はだれでもその頭のなかは希望と欲望でいっぱいです。その目は邪念と俗念とで曇りがちです。そのような煩悩を滅却して、静かで穏やかな心でながめれば、この泥質片岩の海食尖塔が、慈悲深い観音様に見えてくるでありましょう…。

(本写真ギャラリーは後編もございます)
「石のお花見」を総括すると、その企画の意図からは、致命的な大失敗だった。
●一昨日、6月24日に催行した自然観察会「石のお花見」を総括しておきます。ソーカツなどというなつかしい言葉を使うと、かつての連合赤軍か、左翼団体みたいな言い方になってしまいますが、わたくしは左翼団体ではありません。逆です。右翼です。明らかに右翼団体の下部組織の会員になっております。(もっとも泡沫会員ですが…)しかしながら、左翼活動をしている人たちのいう「総括」という概念はとても優れた考え方であります。

ひらたく申せば、やったことが成功だったのか失敗だったのかどうか、できるだけ客観的に自己評価し、成功であれ失敗であれ、その成否の要因をきちんと分析し、もし良かった部分があったならば更にそれを強化し、ダメだった部分は改善をはかり、次なる活動向上に資する反省材料にするということでありましょう。そういう意味においては、このたびの「石のお花見」を総括しまして、どうだったかと申せば、まったく致命的な大失敗でありました と惨敗以外には言いようがありません…。これ以上はないという究極の失敗でありました。

ここに敗北の反省文をさらしたいと存じます。

致命的大失敗であったと自己批判する理由は、「石のお花見」の一番の眼目とした「さや状褶曲」が見られなかったことにあります。大黒柱として筆頭に掲げた項目が実現できなかったのでありますから、これは抗弁しようがなく、どうしようもありません。100%完敗であります。たとえば、もし営利目的の旅行代理店の発売した○○見学ツアーで、その○○が見学できなかったならば、お客さんは怒るでしょう。ハナシが違うではないか! これは詐欺だ! カネを返せ! と訴えられるかもしれません。この自然観察は営利が目的の営業行為ではありませんが、旅行代理店の詐欺ツアーに匹敵するほどの失敗だったということであります。ま、たとえるならばサクラ(桜)のお花見に行っても、サクラの樹がなかったということであります。では、この「石のお花見」の失敗の要因は何だったのか? 総括して考察するならば、ひとえに下見を怠ったというところに最大要因があります。下見を怠り、現地の状況が不明であるにもかかわらず、○○だろうと勝手な思い込みでことを進めたのが誤りであったのです。

●今回は、沼島の最北部の標高113.6メートルの山の中腹を巻く遊歩道を行進したのでありますが、海岸へ降りていく踏み分け道に草がかなり繁茂していて、藪漕ぎという強行軍が強いられ状況でありました。この状況に対応するには、参加者には長靴・長袖の重装の服装が不可欠で、手にはナタを持ち、場合によっては藪を伐り分けながら進むということも有り得たのです。と言うよりも根本的に「石のお花見」を催行する季節を間違えています。さや状褶曲を陸上コースから行くのは、寒候季あるいは春先に行くべきであります。寒い時期には草が冬枯れるから、藪漕ぎの労力は、一挙に、数分の一に軽減されます。

最良の策は、春まだ浅いころ草木が茂る前に催行し、時間は、大潮の干潮の昼過ぎに現地にたどり着けるように時間配分を組み、参加者には登山靴もしくは長靴などの足元であって、軽いハイキングもしくはトレッキングではないことを周知させてから、催行すべきでありました。それは事前調査を怠らなければすぐに気付いたことであります。このたびは、19人参加を賜わったとはいえ、素足を丸出しの軽装の方もおられ、とても強行軍できる状況ではありませんでした。

更に、致命的な大きな読み違えは、参加者たちには「さや状褶曲」などつまらないもので、誰も関心がなかったということもあります。これは全く意外でありました。もし参加者が「さや状褶曲」に関心があり、地学ファン的な興味から参加していたのであるのならば、「さや状褶曲」はないのか? とお叱りを頂戴したハズです。誰一人として文句も言わなかったし、それどころか、参加者の口から「さや状褶曲」の言葉が発せられることもありませんでした。つまり、参加者はみな地学興味からの参加ではなかったのであります。“なんか、その行事の趣旨はよう分からんが、沼島に渡ってあちこち散策するらしい、じゃあ、ワシもハイキングがてら行ってみようか、沼島はまだ行ったことがないしなあ” ということであったのです。

行事そのものは、沼島の裏海岸へも足をのばし、外洋からの荒波に浸食された男性的な海食崖の見事な光景に、参加者それぞれは魅入っていて、異口同音に感銘の片言を口にし、解散後は記念の集合写真まで撮ったから、みな納得して帰宅の途につきました。「こんな、つまらない観察会に来るんじゃなかった」と不満を吐露する人はいなかったから、行事としては悪くはなかったと思います。けれども、企画発案し連絡人としてあちこちに呼びかけた者の、意図した観察会趣旨からは全くの失敗であったのは、否めません。

ということで、今回の観察会は大失敗でありました。

ランクルさんのサイトの、6月25日付、№93の記事
このたびの「石のお花見」の観察会で、ランクルさんに、参加者募集に絶大なるご尽力をたまわりました。ランクルさんには深甚なる御礼を申し上げます。ありがとうございました。さらに、今回の観察会を好意的に評価たまわりました。しかしながら、失敗は失敗であります…。
「さや状褶曲」とは、流体としてふるまう岩石の流れの中に発生した 「渦巻き」なのではないか?
●あさって6月24日(日曜日)に淡路島の南部に浮かぶ沼島で「石のお花見」をいたします。梅雨の間隙の晴れ間で、天気は良さそうです。海象も台風があったけれども大丈夫そうです。

この「石のお花見」は、沼島に産する三波川結晶片岩類を観察するのと、できればさや状褶曲も観察(見物)するのが眼目でありますが、それだけに限るものではありません。沼島灯台から雄大な紀伊水道の眺望をながめたり、『古事記』神話にちなんだ名所の上立神岩を拝んだり、観察会解散後は沼島に残留して波止場での釣りもできるなど盛りだくさんであります。ただし、連絡船の最終便は18時30分です。万一、これに乗り遅れたならば、きゅうきょ沼島にただ一軒だけある木村屋旅館に泊ることになります。

6月22日夕方の時点で、参加者はわたくしを含めて17人であります。ほとんど50代と60代のオッサンとオバチャンばかりです。わたくし山のキノコも56歳のオッサンであります。まだ、連絡船が沈没する積載重量に余裕がありますから、参加されたい方はお気軽にどうぞ。詳細は2つ前のエントリーです。

●さて、あさって「さや状褶曲」が見られるかどうかは分かりませんが、とても有名な南あわじ市の “自然遺産” であります。残念ながらユネスコには未登録ですし、登録される可能性はないでしょうが、地学の教科書にはちゃんと載っておりますので、お目にかけましょう。
【地学ファン必読・必携の教科書】
地学の基礎を学ぶのに良い教科書
↑地学団体研究会編 「新版地学教育講座」 ④ 『岩石と地下資源』東海大学出版会 1995年、これは全16巻のシリーズで、地学の基礎を学ぶにはとても良い教科書ですから、ぜひ買っていただきたい。ただ、発行から17年がたって若干内容が古くなってきたという感じはします。そろそろ三代目の新新版が出るのではないかと予想しています。
【地学の教科書の巻頭を飾るさや状褶曲の写真】
沼島の鞘状褶曲の写真が載っている
↑第4巻の『岩石と地下資源』の巻頭に、なんと、沼島の「さや褶曲の断面」の写真が麗々しく載っています。「眼球状褶曲」という言葉が使われています。奥付によると本書の発行は1995年3月27日です。沼島でさや状褶曲が発見されたのは1994年でしたので、地質学に関するホットな話題ということで、巻頭を飾る写真に急遽とりいれられたのではないか?と想像しています。

●さて、沼島のさや状褶曲が発見された後に、話題が沸騰、数かぎりなく新聞記事等になったのですが、そのさいに「地球のしわ」だという説明がよくされます。 地球のしわに古代のロマン 沼島で鞘状褶曲見学会 という7年前の神戸新聞の記事でも「地球のしわ」だと喩えています。そういうふうに分かりやすく喩えているのでしょうけれども、喩えとしては不適切じゃあないのか?という気がします。

わたくし山のキノコは、「地球のしわ」などではないと思います。「しわ」というのは、内部組織を覆っている表面組織が、内部組織よりも弛緩した状態のものです。また、表面組織が、その広がる方向に対して水平に力が加わり圧縮された状態で出来るものです。鞘状褶曲は成因がかなり異なるように思います。

「地質年代的時間スケールのなかで、流体としてふるまう岩石の流れの中に発生した渦巻(うずまき)、渦列(うずれつ)」ではないかと勝手な想像をしています。
動かざること巌(いわお)の如し、などという表現があるぐらいですから、常識的には山とか巨石とかいうものは微動だにしません。しかし、それは人間の一生とかいう程度の時間スケールの話にすぎません。気の遠くなるような万年、億年という地質年代的時間スケールのなかでは、足元にある岩盤もそびえる山々も空気や水の流れと同じで、流体としての振る舞いをしています。

火にかけた鍋の水が温まってくると対流が起こるように、地球のマントルの中で大規模な対流が起こっていることを説明する プルームテクトニクス理論 は極めて高温ではあっても固体であるマントルが流体としてふるまっていると説明しています。固い岩石も地質年代的な時間のなかでは、さらさらと流れる水とおなじように、流動的であり、動き、流れていきます。
沼島を作っている三波川変成帯の結晶片岩類も、その原岩は遥か南方から来た付加体だという説が有力なようですが、一旦フィリピンプレートの沈み込みに引きづられて地殻の深く30キロの地底にあって、その後低温高圧の変成作用を受けて結晶片岩に変身し、年数ミリの速度で動き上昇してきたらしい、のであります。さすれば、かたい岩石も地質年代的時間の流れに依存して、流れ、動き、位置を変え、移動していく、つまり流体そのものであります。

●さて、固い岩石も長年月の中では流体そのものであるという前提において、では流体の中で渦巻きが発生する条件はいかなるものかを考えてみると、流体力学の教科書はいくつかのケースを挙げております。とくに次のようなケースでは渦巻きの列ができます。鳴門海峡の渦巻きを観察すると直感的に良く理解できます。

1、流れの中に障害物がある場合。
2、方向の異なる2つの流れが収束する場合。
3、静止している流体に流れが接している場合。

沼島のさや状褶曲は1つだけではなく、発見地付近に沢山みられるということですから、これはもう渦巻きが並んだもの(渦列・うずれつ)そのものでありますね。元の原岩はいろいろでしょうから、固さの違いとか、比重の違いとかがあり、岩石が大きな圧力を受けて流動体として流れていくときに、例えば特別に固い岩石が流れに竿する障害物の役割をはたしたり、あるいは、地底で方向の異なる岩石の流れがぶつかり合ったなどのことから、岩石中に渦列ができたのではないのか? 渦巻きにまでならなかったものが単なる普通の褶曲であり、渦巻きにまでなったものが鞘状褶曲でなかろうか? と、想像してみましたが、間違っていたらゴメンなさい。

【流体の中に発生する渦巻きの例】
済州島の下流に生じた「カルマン渦」
↑冬季、西高東低のよく冷える日には、韓国・済州島の下流に見事な カルマン渦(カルマンうず) が気象衛星画像でみられます。これはシベリア気団の吹き出しによる北西季節風の流れの中に済州島という “障害物” が存在するために発生する現象だとされています。

日本海寒帯気団収束帯に生じた「渦」
↑こちらは、流れる方向の異なる2つの気流が収束したところに発生する渦巻きです。日本海寒帯気団収束帯 と呼ばれているものですが、少し専門的な天気図でJCPZと記入されます。朝鮮半島の付け根部分に白頭山という大きな山塊があります。北西季節風はこの山塊で一旦2分されて、日本海に入って再合流します。写真をよく見ると北北東の気流と、西北西の気流が収束してシアーライン(収束帯)を形成しそのライン上に渦巻き(低気圧の卵)が発生しています。
本当の世論は、“原発再稼働反対” の人が90パーセントだろう。
●原発の再稼働・原発の温存によって膨大な権益を得る連中はたくさんいます。日立・東芝・三菱等の原子炉メーカーたち。沖縄電力をのぞく国内9電力会社。原子力工学科を擁する大学の御用学者たち。原子力政策を進める経済産業省や政府に出向する官僚たち。日本の核武装を主張する軍事オタク政治家、また原子力関連会社の労働組合から票をもらうひも付きの族議員たち。そして何よりも、自分の言葉で語るのではなく、現 財務事務次官・勝栄二郎なのか?現 在日アメリカ大使 ジョン・ルースなのか? は想像するしかないが、明らかに誰かに操られている傀儡政権の豚型ロボット首相の野田佳彦…。こういった連中が強固な官民連携原発コングロマリットを築きあげ、おぞましい「原子力村」を形成していることは今さらしつこく言うまでもありません。

●また、時事通信社・共同通信社はもちろんのこと、電通など広告代理店も、大手5大新聞・テレビのマスメディアや、一部の出版社、インターネットの大手ポータルサイトも、およそこの国の言論機関は全てといっていいほど、「原子力村」の下部構造として、言論統制・言論弾圧・世論操作・マインドコントロールの実働機関に組み込まれています。この国には、もはや報道機関独自の自主的な取材にもとづいた自由な報道など全く存在しません。そこにあるのは報道機関が政府や原子力村の意向を忖度し迎合したキャンペーンでしかありません。早い話が報道機関はもはや政府や原子力村の「広報機関」だということであります。

●しかしながら、原子力村がいかにキャンペーンを張ろうとも、安全神話の復活をもくろんでも、原発の必要性を訴求しようとも、また電力不足を演出して停電の危機で脅迫しようとも、もはや国民・有権者は原子力村のやつらが言うことなど全く信用しないのです。マスゴミ自体が行う世論調査には、まったく信頼性がありません。政府の手下であるマスゴミには中立・公正・政治的不偏性がないので、信頼性がないのです。ここでもし全く不偏中立の立場の組織が世論調査をやったならば、原発再稼働反対の人が90パーセントの比率になるでしょう…。

原発が安いって? アホなことを言うな。電気代に直接反映させないけれども陰から税金等を流し込んでいる費用負担があるじゃあないか。諸々のバックエンドの費用には十分な手当ての積めていないものがあるじゃないか。何万年もの管理が必要な高レベル放射性廃棄物の処理にかかる費用などは、いったいいくら要るのかその費用見積もりもできないじゃあないか。そもそも、原発はすさまじい利権の巣窟じゃろが! だいいち、安全性の議論以前の深刻な人権問題として、原発稼働には被曝を余儀なくされる原発労働者の存在があります。原発労働者は使い捨てにされているだけでなく、その人集めが暴力団フロント会社のビジネスとなっていることはよく知られています。原発にはあまりにもダーティな暗黒部分が多すぎます…。が、それは広く知られてきました。もはや、マスゴミを通して行われる原子力村のゴミのようなキャンペーンなど信用する国民はいないのです…。

●政府や原子力村の言うことなど、もはや、国民は信用していないので、大勢の国民が首相官邸に押し掛けて抗議のシュプレヒコールを上げています。大規模な抗議デモが起こっているというのに、マスゴミはほとんど報道しません。偏向・政府広報の大新聞や、低俗ゴミ番組ばかり放送するテレビは、一体どっちの味方なのだろうか?

YouTubeには原発再稼働反対の動画であふれかえっています。

2012.6.15 首相官邸前 原発再稼働反対デモ 参加者数11000人

大飯原発再稼動ダメっ20120615官邸前.MOV

3 首相官邸前 揺れ動く大飯原発再稼動に抗議
自然観察第2弾 「石のお花見」 をいたします。どなたでもお気軽に、ご参加どうぞ。
珍しい「石のお花見」はいかが?
近くて遠い、神話とロマンの島 ――沼島――

神話と結晶片岩の島、沼島(ぬしま)

【石のお花見?】
灘海岸にそって海岸の少し海側を(一部は陸地に上がっているようですが)東西に中央構造線という大断層(断層群)が走っているのですが、その中央構造線の北側と南側では石の種類ががらりと異なります
沼島の石は「結晶片岩・けっしょうへんがん」といわれる種類の岩石です。大むかし、地下30キロとかの深いところで、高い圧力と熱で岩石を作っている鉱物や組織が、溶解せずに固体のまま再結晶化して、別の岩石になったものとされています。太陽の光があたると、細かなガラス片が石に混じっているのではないかと思うほど、キラキラと輝く宝石みたいな岩石です。その宝石のような綺麗な沼島の結晶片岩類を観察に行こうという企画です。いわば「石のお花見」です。

沼島が属している「三波川変成帯・さんばがわへんせいたい」について Wikipediaの解説。

結晶片岩についてのWikipediaの説明。

【鞘状褶曲(さやじょうしゅうきょく)の見学】
とくに、今回は沼島最北端の黒崎というところで15年ぐらい前だったか、発見された「鞘状褶曲・さやじょうしゅうきょく」というものを見学(見物)に行こうと思います。世界でも数か所ほどでしか発見されていない珍しいものらしいです。沼島の山(一番高いところで125m)をぐるりと一周する環境省の遊歩道があるらしいのですが、それを行きます。そして、さや状褶曲の現場には遊歩道を外れて海岸に降りて行くみたいです。

沼島のさや褶曲(しゅうきょく)―動く大地の痕跡―

地質学雑誌Vlo.107(2001)No.3「兵庫県南端部, 沼島に分布する三波川変成岩類から発見されたさや状褶曲」 

【見どころの数々】
結晶片岩の観察・鞘状褶曲の見学・灯台からの眺望・立神岩の拝観など
ゆっくりと散策し、およそ4時間コースです。
朝、土生港9:00発の沼島汽船で9:10に沼島到着。遊歩道を行って、さや状褶曲を見学。沼島灯台で雄大な景色を見ながら弁当を食べます。そして有名な立神岩を見に行って、港に戻ってきます。沼島発14:40の渡し船で帰還です。

近畿自然歩道 「岩礁の島 沼島をめぐるみち」基愛の箱庭(きよしのいんなわーるど)

【解散後、釣りもできます】
釣りの好きな方は沼島に残って、波止場で大物を狙うのもいいのではないでしょうか? 聞いた話では、沼島の周囲は遠浅ではなく、ストンと深くなっています。水深があるので、釣り船で沖に行かないと釣れないような魚が、波止場で釣れるらしいです。淡路本島の波止場では小さな豆アジですが、沼島では波止場でも刺身が出来るような大アジが釣れるらしいですよ…。ただし、これには問題が一つあって、渡し船の最終便が18:30です。万が一、それに乗り遅れたら木村屋旅館で泊まることになります。

【催行日時等】
6月24日(日曜日)8時45分集合
土生港9:00発の沼島汽船にまにあうように、兵庫県南あわじ市灘土生、沼島汽船の待合所集合です。
沼島汽船の時刻表および料金表

【その他】
★この企画は、参加者自身の自力による自然観察となります。解説してくれる地質・岩石の専門家の随伴はありません。
★参加費は全く無料ですが、沼島汽船の運賃および駐車料金は自己負担です。なお、参加は自己責任でお願いします。
★弁当、水筒等お忘れなく。また、沼島の近畿自然歩道を歩くので軽快な服装と足元がおよろしいです。
★万一、雨天の場合あるいは海が荒れ沼島汽船の欠航が予想される場合は、延期といたします。
★申し込みは、お気軽にメールフォームにてご連絡ください。

【地質図を見るのはこちら】
淡路島南部の地質図
↑淡路島南部の地質図。出典は次のサイトです。
独立行政法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター「統合地質図データーベース」 
このサイトで地質図の閲覧が無料でできます。淡路島の属している20万分の1地質図「徳島」の解説は次です。
地質ニュース498号 1996年2月 30-32頁 20万分の1地質図幅「徳島」(第2版)

【地形図を閲覧するサイト】
●地形図は国土地理院のサイトで閲覧できます。プリントもできます。
国土地理院 25000分の1地形図
示したリンクは25000分の1図葉の「諭鶴羽山」です。適当に画面をスクロールさせると沼島が出てきます。沼島灯台のところの三角点は、117.2mと表示されていますが、三角点の所在地 = 最高地点とは限りません。ずれがあることも多いです。で、沼島の海抜最高所は117.2mではなく、125.2mです。同じく国土地理院の 電子国土ポータル のほうで、測量図まで拡大して見れば分かります。
諭鶴羽山系の山菜(その14) 夏の青菜の重宝な代用品「ツルナ」
【ツルナは海流により種子散布を行う汎世界種】
●ツルナの濃緑の蔓や葉が広がっております。春先から蔓が伸びておるのですが、梅雨のころが採り頃であります。今時分がいちばん柔らかくてみずみずしいのです。ですが、秋までずうーっと収穫できます。青菜の欠乏する夏にはその代用品として大変重宝します。ふつう砂質海岸に自生する海浜植物で、その種子は海水によく浮かび、しかも耐塩性があり、海流に乗って種子散布がなされます。新しく形成された砂浜には2、3年すると必ずといっていいほどツルナが侵入してきます。海流に乗って種子が広く拡散されるので、太平洋やインド洋の熱帯から亜熱帯、温帯にかけて広範囲に分布しているようで、コスモポリタン(汎世界種、世界的公布種)と言えそうです。

ツルナ
↑今年の春早くに発芽したツルナの個体ですが、急激に大きくなってきました。これぐらいのときが一番柔らかくて採集適期でありましょう。葉腋(ようえき)にまだほとんど花が出来ておりません。花が出てくるとその株はしだいに老化してきて、葉が固くなり食べるのには2等品となります。

ツルナの大群落
↑畳2枚ぶんぐらいもある大株であります。ここの砂浜は最近出来たものですが、砂地に水分や肥料分があるのかどうか不明ですが、この砂浜に生じたツルナは素晴らしい生育ぶりです。

ツルナの花

ツルナの花
↑ツルナの花です。花期というのは無いというか、非常に長いというか、春から秋遅くまで何時でも花が観察できます。伸びていく茎の先の方に何時でも花があります。茎の下の方にはたいてい果実があります。果実は熟してくると黒っぽくなります。秋に黒く熟した果実を採集して畑に蒔き栽培するのもいいでしょう。

【ツルナの栄養価値はホウレンソウに遜色がない】
文部科学省 資源調査分科会報告「日本食品標準成分表2010」について 『日本食品標準成分表2010 6 野菜類』 から抜粋作表しますと、ツルナの栄養成分価値はホウレンソウと比べるとそれほど見劣りするものではありません。したがって、ホウレンソウの欠乏する夏にはその代用品には立派になり得ます。てゆうか、『日本食品標準成分表』に掲載されているということは、ツルナという海浜植物が “立派に野菜である” と文部科学省がお墨付きを与えているわけであります。100グラムあたりの成分は次の通りです。
ツルナの栄養成分

【ツルナは世界各地で野菜として栽培されている】
WorldCrops「New Zealand Spinach Tetragonia tetragoniodes」 というサイトを見ると、中央アメリカのコスタリカで畑でツルナが栽培されている写真が見られます。また、ブラジルのサンパウロで市場で売られているツルナの写真が見られます。ツルナはこのように世界各地で畑で栽培されていて、間違いなく野菜であるといえましょう。海岸の砂浜に行って大いに採取して食べていただきたい。なお、New Zealand Spinach(ニュージーランドのホウレンソウの意味)というのはツルナのことです。

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【ツルナの料理の一例】
ツルナの収穫
↑海岸の砂浜でツルナを採取する場合は、ふわふわと生育が良い株の茎の先を摘みとります。葉が数枚着いた状態の茎の先です。出来れば花とか果実の付いていないものの方がいいでしょう。花がまだついていない若い茎は柔らかくて、アクとかエグ味がほとんどありません。しかし老成した堅い茎のものはエグ味が強くなります。

ツルナの白あえ
↑ツルナの白合えであります。これはわたくし山のキノコの作品です。作り方を伝授しましょう…。

【ツルナの白合えの作り方】
1、海岸に行って、ツルナを採取する。砂浜海岸には、捜せばどこにでもあります。砂浜でなくてもあります。

2、材料は、豆腐半丁・調味料(砂糖大さじ2、味噌大さじ2、塩小さじ1、炒りごま) 豆腐は重しを乗せて脱水する。すり鉢で炒りごまを摺りつぶす。次に豆腐と調味料を投入して、よく摺り合わせる。

3、ツルナ200グラムを茹でて、水に10分さらす。さらすのはアクとエグ味を抜くためです。そしてよく絞り上げる。そして3センチの長さに切る。

4、他の具材、ニンジンの千切り、シイタケの千切り、糸こんにゃくを3センチに切ったものを、ごく少量の油でいためる。他には、竹輪とか油揚げを線切りにしたものを用意する。

5、2で擦り合わせたものにツルナと具材を放り込んでよく攪拌し、混ぜ合わせる。

材料の分量は適宜でありますが、味付けは濃い目のほうがいいかもしれません。というのはツルナはややエグ味のある野菜ですので、濃い味にするとそのエグ味が減殺されます。ごま(ピーナッツとかアーモンドとかクルミなどのナッツ類もよろしい)を使うのも、ゴマの油分と香りでツルナのエグ味を減殺するためです。
ビワには、日本自生種があるのか? ないのか?
●果樹のビワが色づいてきました。淡路島最南端の南あわじ市灘地区では、ぼちぼちとビワの収穫・出荷が始まったようです。今年の冬は寒くて、わたくし山のキノコが管理している自給用の果樹園のビワ(田中ビワという品種)では、冬の寒波によるごく軽度の ビワの凍害 を確認しています。が、収穫にはほとんど影響はないようで、ビワ農家の人からも寒波でやられたという話は聞いておりません。しかし日本の主要産地の長崎県では大変な寒害があった模様です。

●さて、掲上した2葉の写真は栽培ビワのものではありません。野生化したものです。野生化したものの中にも色々な形質のものがあって、果実のやや大きいものや、栽培品と遜色のない大きさのものもあります。しかしながら果実の極端に小さなものがあって、それにも2つの系統が認められます。すなわち、果実(果皮、果肉)が黄橙色のものと、黄白色のものとがあります。果実の小さなものは葉も小さいことが観察出来ます。 

野生ビワ
↑県道道端で野生化しているもので、果実が小さくて黄橙色の系統です。
野生ビワの果実
↑果房のアップですが、果実が小さい系統だと言ってもこれはまだ大きい部類に入ります。とり急ぎ身近なところのものを写真に撮っただけで、山中を捜したら更に果実の小さな個体があるのです。本当に小さな果実のものになると、果房は円錐形の果房になり、1果房に20個かそれ以上の果実がつきます。果実の径も2㎝か2.5㎝程度になります。マメビワ(豆琵琶)とか小ビワ(こびわ)などと呼ばれています。葉も小さく薄くなります。

【マメビワの果実の長さ・重さを測ってみました】
写真の木から、2個の果房を採集しA・Bとし、その全ての果実の長さと重量を測り、列挙して書くと次の通りであります。

A 31㎜・20g  29㎜・17g  27㎜・14g  24㎜・10g
  30㎜・18g  29㎜・17g  26㎜・14g
  30㎜・18g  28㎜・17g  26㎜・13g  
  30㎜・18g  28㎜・16g  24㎜・10g

                  (以上13個)

B 32㎜・20g  27㎜・14g  26㎜・11g  24㎜・11g
  28㎜・15g  26㎜・12g  25㎜・12g  24㎜・10g
  28㎜・14g  26㎜・12g  25㎜・11g  24㎜・10g
  27㎜・14g  26㎜・11g  25㎜・10g  23㎜・9g

                  (以上16個)

●全29個の果実を調べてみたところ、果実の形状はほぼ球形であります。果実の長さ(径)は23㎜~32㎜の範囲にあります。果実の重さは9g~20gの範囲にあります。中央値とか最頻値を考えてみると、小ビワは果長が26㎜程度であり、その果重は13g程度であろうかと思われます。栽培種と比べると二回りぐらい小さいということが言えそうです。言えることは、栽培種の種子を蒔いて育てても、ここまで果実が小さくならないことであります。で、野生ビワの中には、栽培品が逸出して野生化したものの他に、日本在来の自生種があるのではないかという疑念が生じるのであります。これには、あるという説と、ないという説とがあります。さて、どちらなのか?

●北村四郎・村田源『原色日本植物図鑑 木本編 Ⅱ』昭和54年、には次のように言っています。日本自生説にかなり否定的な見解であります。

引用開始】和名は中国の枇杷の音である。葉の形が楽器の琵琶に似ているのでいう。果実を生食する。中国では中南部に広く栽培し、日本へはよい品種が度々伝来した。西南日本の石灰岩の山地に野生状にあるものは、果皮がうすくて食えない。これを天然の野生と考える人が多い。これほど種子が大きく、たくさんあるが、洪積世や鮮新世からは種子の遺体はまだ知られていない。それで中国から古代に伝来したものが、果実を食う大きな鳥(カラスなど)によって野生化したことが考えられる。台湾にはEriobotrya deflexa(Hemsley)Nakaiが野生化するが、葉は両面無毛、葉柄は長い。花柱は3、果実は径1.5-2.5㎝【引用終了

★とは言っても、ビワの日本自生説には根強いものがあるのは事実です。たとえ洪積世・鮮新世からビワの種子や葉の化石が見つかっていないとしても、それはまだ見つかっていないだけという可能性もあり得るので、否定の決め手にもならないです。というのは、栽培ビワの種子を蒔いて育てても、マメビワほどには果実が小さくならないので、栽培種とは別の種が日本に存在するのではないか?という可能性もありそうです。果実の大きさや色・果序の形状・葉の形質などの点で、栽培ビワと明らかに異なる性質のものが各地に野生しています。

『原色日本植物図鑑』で、北村・村田らが言うのは、石灰岩地帯で野生状にあるビワは、栽培品が逸出したものであって、それはカラスなどの鳥類がビワの種子をまき散らしたのだ、という意味であります。わたくしもこの見方に疑問を持っていますが、それは栽培品が野生化してもマメビワほど果実が小さくならないという理由からです。

★いろいろと可能性を考察するならば、そのマメビワ自体も中国からの伝来の可能性があり得そうです。が、しかし更に考えると、マメビワは果肉がほとんどなく食用に供されないから、わざわざ中国から持って来るだろうか?という疑問も湧いてきます。洪積世(約260万年前ー1万年前)には日本にはビワがなかったが、縄文時代ぐらいにビワの果実を食べた渡り鳥が日本に持ち込んだのでは?という想像もできます。ビワ畑を観察していると、ビワの種子散布は、カラスなどの鳥類が担っているのは、これは疑いようのないことです。だとしますと、鳥類がビワを中国から運んできたというのは有り得るでしょう。つまり、果実の大きいビワは古代にヒトが中国から日本に持ち込んだが、果実の小さいマメビワは鳥類が中国から運んできたという仮説です。

なお、仮にDNA解析によって、野生ビワに栽培品起源のものと全く別のものがあると分かったとしても、ただちに、そのことがビワの日本自生説を裏付けるものではないでしょう。というのは、その栽培品にしても、別のものにしても、それらがヒトにより伝来したものなのかどうかは確定できないのと、それが何時からあるのか不明だからです。

★洪積世は氷河期と間氷期を繰り返していますが、どちらかと言うと寒冷な氷期の方が圧倒的に長いので、仮に日本列島に鳥類がビワを頻繁に持ち込んだとしても、幼果が寒波に弱いビワは繁殖出来なかった…。これがビワの種子の化石が見つからない理由の可能性があります。
ちなみに、栽培種のビワは、幼果は-3℃の寒さに数時間さらされると寒害を受けて腐ってしまいます。蕾はもうすこし耐凍性が高くて-6℃~-7℃まではなんとか持ちこたえられます。氷河期には現在より6℃~9℃も気温が低下したと考えられていますから、西日本でもビワは繁殖が無理だったであろうと思われます。

しかし、後氷期の完新世(1万年前~現在)になると、特に縄文温暖期になると現在より2℃~3℃も気温が上昇したとされていますから、ビワが日本列島南西部で越冬繁殖できるようになったのではないか? もし鳥が種子散布にかかわって日本列島にビワを持ち込んだのであれば、完新世になってビワの分布が日本にまで広がり、自生することになったと言えましょう。人為的要因ではなく分布を広げたのであれば、自生と考えて何ら差し支えないでしょう。……と、いろいろ考えられますが、本当のところは誰にも分かりません…。
神戸市在住で、シャクナゲ市井の育種家・研究家のH.H.さんから頂戴した、日本シャクナゲ10鉢。
●ちょうど1か月前の5月13日(日曜日)に、淡路島自生のシャクナゲ観察会 を催行しましたところ、10名もの方々の参加をたまわり、盛会裡に執り終えることができました。参加者の中に、日本ツツジ・シャクナゲ協会 の会員で、シャクナゲの交配育種を手掛けられている市井のシャクナゲ研究家の神戸市在住のH.H.様のご参加をたまわりました。

●そのH.H.さんから、膨大なシャクナゲ銘花コレクションのなかから、10鉢も分譲をたまわりました。Hさんの話では、次々に接ぎ木をしたり、交配実生を育成すると、鉢の数が次第に増えるそうです。ご自宅の庭やご所有の畑がシャクナゲであふれ、ときどき、手塩にかけて育てた娘を嫁に出すように、シャクナゲの鉢を希望者に分譲されるそうです。で、大小さまざまな日本シャクナゲを10鉢も、しかも無償で、いただきました。

6月8日に、ちょうどこちらの方に見える用事があったそうで、わざわざ拙宅にまで届けてくださいました。乗用車のトランクと後部座席に積めるだけ10鉢も頂戴した次第です。感謝再拝、恐縮の至りで、ありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。

★いただいた日本シャクナゲ10鉢は、わたくし山のキノコが代表役員として管理させていただいている民関系の公益法人の敷地に植えるということになりました。具体的に書くと身元が割れるのでボカして書くのですけども、その民関系公益法人の敷地は約6000平方メートルあり植木も多いから、シャクナゲを植えるのにはうってつけで、しかも来訪者も多いので、折角いただいたシャクナゲ銘花を自宅庭に植えて一人占めするよりも、その公益法人敷地に植栽して一般公開とする方が意義があると思われます。やがては日本在来シャクナゲの花の名所となればなあ、と思います。

H.H.さんから頂戴した日本シャクナゲ10鉢です。 拙宅の庭に並べて、脚立の上から写真を撮りました。みな日本在来種のシャクナゲです。西洋シャクナゲと違って、栽培はやや難しい面があるのですが、葉の裏が赤褐色の毛が密生しているものが多くて、葉が非常に美しいのが日本シャクナゲの特徴であります。いただいたシャクナゲは濃色赤花もあるようですが、白花品が多いのはその民関系公益法人の活動の趣旨から考えて、白花品がふさわしいのではないかという考えからです。それと、西洋シャクナゲはややケバケバしい感じが否めないので、豪華ではあるけれども清楚な印象のある日本在来種の方が良いだろうという考えからであります。
いただいた日本シャクナゲ10鉢

いただいた日本シャクナゲ10鉢の目録

H.H.さんコレクションの淡路島系統のシャクナゲ
↑こちらはHさんからいただいた写真です。神戸市のご自宅でのHさんコレクションのうちの一鉢です。なんと、淡路島系統の起源のものだそうです。Hさんご自身は淡路島のシャクナゲ自生地を探査されたことがあるそうですが、見つけられなかったとのことです。が、淡路の山から採取したものを育てている人から、10年ほど前に一枝分譲してもらって接ぎ木で系統保存されているそうです。

★写真のものは、ほとんど白花に近く、1つの花序に20個ほども個花がついていて見事な咲きっぷりです。シャクナゲの花は、特に日本在来種は、咲き始めは濃色で赤っぽいですが、満開後は褪色して次第に白っぽくなるという性質があります。この写真のものは完全な白花品ではなくて、もともと花色の薄いものが褪色して白くなったように思われます。

★わたくし山のキノコはここ10年あまりは毎年淡路島の自生シャクナゲを観察に入山しているのですが、濃色の赤いホンシャクナゲ個体と、ほぼ白花品を見つけています。また、葉が細身・枝が密・枝の伸長が直立性、のホンシャクナゲとは別物に見えるような個体も見つけています。捜せばまだまだ変ったもの(例えば八重咲きとか)が出てきそうな予感がしています…。できたら、これらの系統保存を図って苗木を増殖し、淡路島内に広く頒布して淡路島をシャクナゲの島にできたらいいなあと思います。兵庫県淡路県民局とか、兵庫県立淡路景観園芸学校などが淡路島を花で埋め尽くせと運動をやっておりますが、あまり魅力的な運動に見えないのです。シャクナゲは花木の女王と言われ、花の好きな人が色々と栽培して最後に行きつくものがシャクナゲです。それが淡路島の山に自生していて、しかも極めて海抜の低いところにありますから、淡路シャクナゲは平地の環境でも栽培は容易であると思われます。これを普及すれば魅力的な花いっぱい運動となるハズです。その時期がくれば行政に提言しようと思います。

H.H.さんが栽培されているシャクナゲ
↑こちらの写真もHさんから戴きました。Hさんの奥様の実家の裏庭だそうです。おそらく西洋シャクナゲのものだろうと思いますが、見事な、豪華な咲きっぷりです。綺麗ですねえ。そのご実家のお母様が、なんで裏庭ではなく表庭に植えなかったのかと、嘆いておられるそうです…。こんなのが何本か庭にあったならば、近所の人が大勢お花見に来てくれるでしょう…。
政治家の言葉は、みな空手形。言いっ放しの鉄砲、責任など絶対に持たない…。 政治家の言葉 = 詐欺師の言葉。
●政治家は言葉が命だとよくいわれます。確かにそうでしょう。有権者にむかって、政策についての理念や信念を熱く語る “その言葉” により、有権者の心を射抜くことができます。有権者の支持を得ることができます。政治家に必要な3要素は、地盤・看板・かばん、だとは人口に膾炙するハナシでありますが、もう一つくわえるならば「言葉」でありましょう。そういう意味では、政治家に必要なものは、地盤・看板・かばん・言葉、でありましょう。

●しかしながら、われわれ庶民でもそうでありますが、言葉というものはかなり厄介なしろものです。一言少なくても真意が伝わらなかったり、一言多くても誤解を招くこともあります。そんなつもりで言ったのでなくても言葉のアヤのちょっとした使い方ひとつで、相手がカンカンに怒りだしたりもします。われわれ庶民のちょっとした不用意な言葉でさえそうですから、政治家の不用意な言葉ひとつで有権者はカンカンに怒ります。不信感を持ちます。

●むかし中選挙区だった頃、わが淡路島から原健三郎という代議士がおりました。労働大臣を2回したり、衆議院議長も務めるなど有力な議員でありました。国会議員を50年以上つとめたので、国会議事堂のまえに銅像がたっております。その原健三郎は「はらけん」という愛称で有権者に親しまれてはいましたが、しばしば大風呂敷をひろげるので「ほらけん」だともいわれました。失言もよくし、昭和47年1月に洲本で成人式にあいさつをして、「感謝の気持ちがない者は、年を取ったら養老院に行くことになる」という意味のことを言って大問題になり、労働大臣を引きずり降ろされました。

昭和47年1月25日 「第068回国会 社会労働委員会」 原健三郎が釈明する議事録。

【労働大臣 原健三郎の見苦しい釈明】
「去る一月十五日、成人の日に、淡路島の成人式で行ないました老人施設についての私の発言は、私の本意ではなく、全く失言でございます。それゆえ全面的に取り消させていただきます。これは全く私の不徳のいたすところであり、まことに申しわけなく、心から陳謝申し上げます。特に老人施設の皆さまにたいへん失礼な言辞を述べ、御迷惑をおかけしましたことについては、まことに申しわけなく、私の発言を全面的に取り消すとともに、つつしんでおわび申し上げる次第であります。今後は私自身、自粛自戒、心を新たにして老人福祉や社会福祉につきいままで以上に尽力し、全力を傾ける決意であります。何とぞよろしく御了承賜わりますようお願い申し上げます」(国会議事録から引用)

●さて、政治家の言葉というのは、一般人のそれよりも重いものだとされています。言い放った言葉の責任というのが厳しく問われます。であるからこそ、労働大臣の役職にあった原健三郎は失言(というよりも暴言に近い)で労働大臣を引きづり降ろされました。それにしても、現野田政権の野田佳彦にしても、岡田克也にしても、彼らの言葉の軽さには驚愕させられます。彼らは出まかせを言っているのであろうか? 岡田にいたっては盗人猛々しい開き直りをしております。本日の 植草一秀先生のブログ『植草一秀の知られざる真実』2012年6月7日記事 で植草先生が驚愕の問題動画を推奨されています。国民1億人1人残らず見るべき動画だと思いますので、わたくしも微力ながら推奨します。

岡田幹事長「私達の魂がこもったマニュフェスト」

●書き起こししました。これでも、次の選挙で三重県の人たちは岡田に投票するのでしょうかねえ? これはもう、岡田克也の実家、選挙のときの軍資金源、岡田屋商店(=ジャスコ、イオンと次々に改名)に対する不買運動がおこる水準の暴言ですよ。

【昔の岡田克也】 幹事長の岡田克也です。宜しくお願いします。
ここで政権交代しようじゃありませんか。みなさん。この私たちのマニュフェストを読んでください。このマニュフェストは、民主党結党以来、10数年、松崎さんももちろんその一人ですが、みんなで朝早くから、だいたい民主党の朝は8時とか8時半に始まります。国会が始まるのは10時です。その1時間半、あるいは2時間の時間を使って、それぞれの問題について、毎日議論をして、議院同士が議論して、そして現場で現実に苦労しているみなさんの話を聞きながら、練り上げてきた政策の、その束が、集大成がこのマニュフェストなんです。役人が作ったものは一つもありませんよ。わたしたちの魂がこもったマニュフェストなんです。ですから、是非、読んでください。

【今の岡田克也】 
誰が見てもできないことを、いつまでも、できるできると言うのは、まさしく私は国民に対する不正直だと思います!!

(マニュフェスト守れ! という怒号が飛ぶ)

【今の菅直人】えーっ、この26,000円ということを聞いたときに、一瞬、ちょっと、ビックリしたことを覚えております。

(へえーっ、と疑問の声があがる)

【昔の岡田克也】財源がないという批判もある。わたしたちは208兆円ある一般会計・特別会計、この中で、約9兆円のお金を作り出すと言っている。与党はそんなことできっこないと言っている。出来っこないのは、与党なんです。彼らは自分たちが出来ないからできないと言っている。わたしたちはそれをやるんです。1から制度を見直せば出来るんです。みなさん!!

【今の岡田克也】
誰が見てもできないことを、いつまでも、できるできると言うのは、まさしく私は国民に対する不正直だと思います!!

(マニュフェスト守れ! という怒号が飛ぶ)

【今の菅直人】えーっ、この26,000円ということを聞いたときに、一瞬、ちょっと、ビックリしたことを覚えております。

(へえーっ、と疑問の声があがる)
ランクルさんからいただいた、珍しい海藻の 「モズク」
「もくず」ではありません。「もずく」であります。発音がよく似ているので、何回も唱えていると、こんがらがってきて、どちらが本当か分からなくなってしまいます。週刊朝日の連載コラムの弘兼憲史の「パパは牛乳屋」みたいです。「パパは牛乳屋」と「パプアニューギニア」が発音が近似しているけれども、意味が全く異なるという「言葉のお遊戯」のコラムです。

モズクの語源
モズクの意味は何か? ですが、語源説がいろいろあるようです。一番あり得そうなのが、「藻付」あるいは「藻着」の意味で、海中の石に付着する藻だと解する説です。名語記(みょうごき)説。 モは藻の意味であり、ツは休字(やすめじ)で特に意味がなく、クは雲を意味しているのであると解する説。つまり、水中でヒゲの塊のようになって水流で揺らめいているモズクが、もこもことした雲に見えるというのです。なるほど、確かにそう見えます。つまり “藻津雲”=藻の雲の意味。和句解(わくげ)説。他にも語源説は色々とあるのですが、他の説はどうも牽強付会のこじつけっぽいです。

淡路島のモズクについて
モズクは淡路島では春から初夏にかけて、磯で獲れるとても珍しい海藻です。長さは5㎝~10㎝ぐらいで、最大限20㎝程度でしょうか。色は茶褐色~黒褐色という感じであります。葉状体の形は根元付近から多数の枝が出ていて、ふさふさとしています。仙人のひげみたいですが、色は白くありません。磯でモズクの垂直分布を観察すると、潮間帯最下部~漸深帯あたりに分布しているように思います。それで、大潮の干潮のときにしか獲ることができません。よく磯が引く大潮は月に1回しかありませんし、その大潮のときに海が荒れるかもしれません。しかも年中あるわけではなく季節限定です。したがって、地元の磯好きの人間でも、なかなか食することのできない貴重品なのであります。

(モズクは塩漬けで保存できますが、店に売っている沖縄産の塩蔵品は美味くありません。なんといっても、瀬戸内海の天然生品が一番であります。)

淡路島の南あわじ市では、外洋に面した波の荒い磯よりも、湾とか内海の波の静かなところの方が多いようです。生育する基質は岩石で、石に付着して生えています。したがって砂地の磯にはありません。モズクはぬめりのある海藻でしかも小さいので、指でつかみにくいです。モズクを採集しようと思ったら、しばらく指の爪を伸ばします。磯が引いたら膝ぐらいまで海水に入って、水中の石に付着しているモズクをつまんで採集しますが、このときに、親指と人差し指の伸ばした爪を立ててモズクの根元をつまんで切ります。これがコツです。小さな海藻なので沢山獲るには根気が要ります。そのため男性よりも女性の方が獲るのが上手です。昔10年まえ、わたくし山のキノコも福良湾の入り口付近の磯とか、灘大川の磯でモズクを獲ったことがあります。が、もっぱらタコを獲るほうが面白いです。やはり、モズク獲りは女性向きです。

さて、この貴重なモズクをランクルさんから頂戴しました。夫婦で磯に行って奥様が獲ったらしいです。ご主人のランクルさんは磯でアブラメ(アイナメとも言う)釣りです。釣果は?聞いておりません。

みはり番・淡路島 こちらがランクルさんの運営されているサイトです。正義感の人一倍強いランクルさんは、孤軍奮闘して、地域社会にはびこる不条理や欺瞞、それから行政の誤りと闘っておられます。

モズク
↑ランクルさんから頂いたモズクです。沢山いただきました。10人前ぐらいもあります。

モズク
↑いただいたモズクを、お皿に水を張り泳がしてみました。ご覧のような形状です。根元というか基部があって短い茎があります。しかし、主幹のようなものがあるようでハッキリせずに、沢山の枝が密生して出ています。で、ひげの塊のような形状になっています。モズクはヌメリが強い海藻で、ヌルヌルしています。もし大量に獲れたら塩漬けにして保存します。

モズクは古代の歴史史料にも記載されている
★「もずく」は漢字では「水雲」とか「海蘊」と書き、異名や地方名もいろいろあります。「もぞこ」「もうぞこ」「もぞく」「もくず」「もじゅぐ」など…。正倉院文書(しょうそういんもんじょ) の 造仏所作物帳(ぞうぶつしょさくもつちょう) という文書に「母豆久・もづく」という記載があります。この史料により、奈良時代のむかしからモズクが食されていたことがわかります。東京大学史料編纂所 の奈良時代古文書フルテキストデーターベースで検索して出てきたそのくだりが、次の画像です。

『造仏所作物帳』天平6年5月1日のくだりから
↑『造仏所作物帳』というのは、奈良時代の天平5年(733)から6年にかけて、建立された 興福寺(こうふくじ)西金堂の造営と造仏に関する報告書であります。工事・造仏で作った物と、その材料、その費用、大工や仏師に給した賃金などを、こと細かくずらずらと羅列しています。写真のページとその前のページに海藻を数種書きならべていますが、たしかに「母豆久六斗・もずくろくと」とあります

★おそらく、古文書(歴史史料)をあさり調べれば、モズクの記載があちこちにあると思います。要するに、昔から日本人は海藻のモズクを食べていたし、奈良時代も現在もそのモズクという名称が変わっていないのであります。

こちらはヒジキ
ヒジキ
↑こちらは乾燥ヒジキです。これもランクルさんからの頂き物です。ヒジキは南あわじ市の海岸にはどこにでも自生して資源量も豊富な海藻ですが、いかんせん、その加工が大変です。磯で採取したヒジキを、大釜で7時間から8時間も煮る必要があります。そして、天日で干し上げるのですが、この加工がものすごく大変なので、磯に沢山あっても一般の者はだれも獲りません。

モズクは酢と相性のいい食材
モズク料理
↑モズクの料理です。これはわたくし山のキノコの作品です。モズクをサッと水洗いして、熱湯をくぐらせると色がやや緑色に変わります。これをざるでよく水を切ります。次に好みの合わせ酢で味をつけます。私は酢2砂糖1の比率でダシやしょうゆは無しでありますが、これは好みが十人十色でしょう。以上で出来上がりです。あしらいに添えてある葉はサンショウです。もしあれば、ミョウガとか生姜を添えるほうが合うでしょう。モズクは酒の肴に大変よろしいです。家の神棚にお祀りしてあったお神酒を下げてきて、モズクを肴にしていただきました。
小沢一郎さんが正論を語る(その5) NHK「ニュースウオッチ9小沢一郎」より、 放送法を順守しないテレビ業界
(その4から続く)

●日本は法治国家のハズであります。何人も法の規定には従がわなければならないし、また、法を順守して法に縛られることにより、世の中の秩序も安寧も正義も、実現し保たれているハズであります。したがって、ひとたび法の規定にそむくならば、その者は社会の秩序や正義を乱だす者だとして、厳しく罰金をとられたり身体の自由も制限されるのは当然でありましょう。

●ところが現実問題としては、法治国家というのが単なるお題目、机上の空虚な理念にすぎない面も多々あり、建前上と実際とは大きく乖離しております。社会のあちらこちらで法が守られず、不正義がまかり通っております。さらに、その事象が正義なのか、はたまた不正義なのか、それを調べる警察や検察にもヤミ金問題など不正義がたくさんあることが判明しました。正義か否かを最終的に判断するのは裁判所でありますが、それすらも、かなりおかしくなっております。法と証拠に基づいて独立的に判断すべき地裁の裁判官が、法と証拠に基づかず、推認で判決を下すなどという衝撃的な判決文に驚愕させられました。“推定無罪の原則” はもはや崩れ去り、裁判官の「あいつは怪しいぞ」という胸先三寸の心象だけで有罪になるというおぞましさです。これでは中世の暗黒の魔女裁判と大してかわらないでしょう…。

●わが日本国憲法は、第76条第3項の規定で、「すべての裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。」と高らかに謳っております。裁判官を拘束し縛っているのは法のみであるハズです。全ての裁判官は、法の規定に則して、自己の良心に従い、誰からも干渉や圧力を受けずに、独立して、判決文を書くものでなければいけません。ところが、そんなの単なる空虚なお題目です。

すべての裁判官は、最高裁事務総局が昇任であるとか転勤であるとか人事権を握っているそうです。裁判官には序列があり、上に上がるには最高裁の方を上目づかいで見る “ヒラメ裁判官” を演じざるをえない。任地による差別もあるらしい。だから裁判官は最高裁の意向にはさからえない。おかしいと思いながらも自白調書にもとづいて冤罪判決に手をそめる…。ハッキリと不正な裏金がある…。元裁判官で香川県在住の生田弁護士が、そんな裁判の恐るべき実態や、最高裁のおぞましい腐敗を赤裸々に語っています。

1 生田暉雄さん講演 3.28「検察・司法・マスコミを改革せよ!」
2 生田暉雄さん講演 3.28「検察・司法・マスコミを改革せよ!」
3 生田暉雄さん講演 3.28「検察・司法・マスコミを改革せよ!」
4 生田暉雄さん講演 3.28「検察・司法・マスコミを改革せよ!」
5 生田暉雄さん講演 3.28「検察・司法・マスコミを改革せよ!」

最高裁事務総局の顔色を上目使いで窺いながら判決文を書くなどという実態を知るにつけ、この国にはもはや正義などありません。政治的な事案の裁判では、担当の裁判官に対して、最高裁事務総局から政治的圧力がかけられている疑惑も浮上しています。この国には不正義と不公平と無秩序がはびこり、糺すべきことに決して手がつけられることがない “放置国家” となってしまいました…。そういうこともあり、マスゴミは不法の限りをやっています。その不法をただす司法が不法を働いているから、どうしようもありません。

●さて、NHKには、もはやその報道に客観性も中立性も公平性もありません。それは他のテレビ放送もまったく同様であります。新聞もテレビもNHKも誰かに操られている、誰かに頭を押さえられプロパガンダ機関でしかしない、というおぞましい状況であります。すでに、財務省の TPR=「タックスのPR」という難攻不落の強固な言論統制システムにより、この国のマスメディアは完璧に囲い込まれております。

●「放送法」は次のようにハッキリと放送の 不偏性・不党性・中立性・事実立脚性・多様意見の尊重 を規定しております。電子政府の総合窓口 e-Gov(イーガブ)法令データ提供システム から検索して 放送法 の条文を見てみますと、NHKのみならずテレビ業界全体が とんでもない違法業界 であることが分かります。彼らは順法精神などみじんもなく、テレビ会社自体がまるで権力者になったかのように振る舞っていて、専横な、ならずもの犯罪業界 であるといっても、けっして言い過ぎではありません…。下記に示す放送法の条文など、完全に空文化しています。

【放送法の規定】
第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。

一  公安及び善良な風俗を害しないこと。

二  政治的に公平であること。

三  報道は事実をまげないですること。

四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

2  放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送等の放送番組の編集に当たっては、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組及び音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならない。


★2については、目や耳の不自由な視聴者に配慮をしなさい、と規定しているだけです。問題は二、三、四、であります。テレビ業界にはヤラセがつきものですが、二の事実を曲げないを守っていません。NHKも民放も、国民の8割が消費税増税反対だという、民意を無視した強引な消費税増税に突き進む野田政権に加担する報道ばかりしていますが、これは明白に四を守っておりません。あるいは二の規定に違反しています。

★50年前、大宅壮一は低俗で頽廃的なテレビを指して、1億総白痴化すると危惧しました。確かにそういう面はあります。テレビの番組は、愚劣で頽廃的なものが多く、非常に低俗なものであります。テレビばかり見ていると、じっくりとものを考える思考力が低下する可能性があるし、なによりも、繰り返して張られるキャンペーンによって洗脳される可能性があります。いまや、テレビという代物は、放送法1条3号が言うように、放送が健全な民主主義の発達に資する ものなどではありません。逆です。民主主義の発達に害毒のあるものです。今やテレビというものは、多様な意見を排斥し、権力を握る者の一方的な意見だけを垂れ流すプロパガンダ装置であります。それに加えて民放は、資本の金儲けの目的に使われる宣伝装置でしかありません。もはや、テレビの存在価値はほとんどなく、テレビ業界が滅亡してくれたほうが民主主義の発展になるといって言い過ぎではありません…。

(本稿は以上で終わり)
小沢一郎さんが正論を語る(その4) NHK「ニュースウオッチ9小沢一郎」より、小沢さんの主張の骨子
(その3から続く)

小沢一郎さんの主張の骨子 
大越健介はこの国の真の支配者たちの走狗として、噛ませ犬の役柄を演じて、小沢さんを執拗に問い詰め、まるで誘導尋問のような失礼な反問を次々にぶつけたのですが、ある意味では、大越健介は噛ませ犬を見事に演じきりました。結果的に、小沢一郎さんの本音というか考えを、十分に引き出すことが出来たのは幸いです。小沢さんを挑発して小沢さんの本音を存分に引き出したのは、功績と言ってあげてもいいでしょう…。以下、小沢さんの主張のエッセンスを書き並べてみましょう。

   *************************

革命的な大改革を訴えて政権をいただいた。政権交代のときに党として国民の皆さんに訴えたことがある筈だ。国の仕組みや、行政の仕組み、官僚支配の構造、このこと自体の抜本的な改革を目指す。そして中央集権から地域主権へという社会の実現を図る。そのような大改革の中で、ムダを徹底的に省いて新政策の財源に充てていく。新しい税負担についてはその後の話だ!

日本はまだ欧米諸国のような破綻財政ではない。日本の財政全般をトータルで見れば、欧米諸国とはかなり違う。まだ猶予はある。このまま10年、20年続けていいと言うわけではないが、我々が国民の皆様に約束したことを取り組む余裕はまだある。

しかし経済は大変だ。不況時の増税はすべきではない。 もしかしたら危機を迎えるかもしれない。もし破綻すると、それは世界的な金融恐慌から世界不況みたいなことになりかねない。その不況のときに増税するというのは、経済の原理から見ても納得できない。いまは増税ではなく、そういうことを乗り越えていけるための、経済的・政治的なしっかりした安定した基盤を作ることが先決だ。

幸いに、猶予はまだ少しある、増税は改革の後だ。 増税には、財政規律についていい加減だと市場が判断していれば国債はもっと下がっている。円だって上がるわけがない。だけども日本の実際の国富から言うと、日本はヨーロッパとは状況がかなり違っている。それを市場がよく分かっているからこそ、円も買われるし、国債も下がらないで値を維持している。だからこの状況の中で、本当に将来に向かってしっかりとした政治的・行政的・経済的な基盤を作ることに、まだ時間はある。消費税を上げるのはまだ早い。

選挙公約が何よりも一番重い。 選挙のときに国民の皆さんと公約したことも、党で決めたことだ。国民の皆さんにそれを約束して政権をいただいた。それを消費税だけは党で決めたことだと言うのはおかしい。議論している最中に一方的に質疑を打ち切って決めたという事実もある。これは民主的なやり方だとは思えない。何よりも、党で決めて総選挙を通じて国民の皆さんと約束した事実のほうがはるかに重い。

野田は消費税増税を党で決めたというが、決め方に根本的な問題がある。 選挙のときの公約は党で決めたことだ。質疑を打ち切って決めたんじゃあない。何回も何回も議論して、そりゃあ不満や批判もあったかもしれないが、党として国民にこう訴えようということで決めた。野田総理もそのときには、そういう演説をしたではないか! それで、みんなで国民の皆さんに訴えた結果、政権をいただいたわけだ。それを忘れて消費税だけは、「決めた、決めた、従え」というのは、国民の大多数は認めない。(公約詐欺だ! 詐欺により清き票が奪い盗られた)

希代のペテン師、野田佳彦が2009年8月30日の衆議院議員選挙の活動でおこなった街頭演説。 現在の野田佳彦の姿と3年前の姿とでは、その落差はすさまじいの一言です。権力を握った人間というのは、当初の、高い理念も決意も志もかなぐり捨てて、掌を返したように、ここまで豹変できるのか…、ということを見せつけられると絶句です。なぜ、これほどまでに豹変できるのだろうか? いったい何なのだろうか? 歴史の検証による真実の解明が、絶対に必要です…。

国債金利動向や為替相場を見ると、日本は財政破綻国家ではない ということは、経済に明るい小沢一郎さんの言う通りで、市場は冷静に見ています。財務省やタチの悪い金融評論家が、「財政破綻するぞ、するぞ」と脅迫するのは、本音の狙いは消費税を上げるための脅かしであって、市場参加者はそれぞれそれなりの経済や財政の知識を持って取引に参入していますから、財務省の脅かしには簡単には踊らされないようであります。

国債金利の動き
↑国債の金利の推移です。国債はしっかりと買われていて売り物が市場で消化されています。国債が売られない = 金利が上がらない、という情勢が落ち着いています。2003年から2006年にかけて若干金利が上昇していますが、これは財政破綻懸念などではなく、景気が少し回復したためでありましょう。

●下記にいくつかの為替相場のチャートを掲げてみました。とにかく、世界各国の通貨に対して円は強くトレンドとしては一貫して買われています。日本が財政規律がムチャクチャで破綻に向かっているともし市場が見ているならば、これらのグラフのトレンドは逆に向かうハズです。たとえば対米ドル相場では、1ドル=150円、1ドル=200円、さらに1ドル=300円、400円…、と円は急落(暴落)していくハズですが、全くそうなっていません。市場の見方は逆です。世界でもっとも安全な通貨は何か? それは日本の「円」だ、と市場が見ているのが円高トレンドの背景です。それも世界各国の通貨に対して円が買われていますから、これは投機的な思惑によるという説明では、説明しきれません。

↓米ドル対円相場。2002年6月~1012年5月までの10年間のチャートです。グラフで下方に行けば円高、上方に行けば円安です。2008年のリーマンショックの際には円が急騰しました。世界恐慌の懸念が広がるなか、世界の資金が安全地帯を求めて日本の「円」に “避難” してきたのは、記憶にまだ新しいところです。財務省が脅迫し、国民がこの国は財政破綻すると思わされているのとは裏腹に、市場の見方はほとんど逆であるというのは認識しておくほうが良さそうです。
米ドル/円相場
↓ユーロ対円相場。
ユーロ/円相場
↓香港ドル対円相場。
香港ドル/円相場
↓インドネシア ルピア対円相場。
インドネシア ルピア/円相場
↓イギリス ポンド対円相場。
イギリス ポンド/円相場
↓韓国ウォン対円相場。
韓国 ウォン/円相場

(その5へ続く)
小沢一郎さんが正論を語る(その3) NHK「ニュースウオッチ9小沢一郎」の文字起こし
(その2から続く)

●5月30日午後9時から放映されたNHKの「ニュースウオッチ9」に小沢一郎さんが登場しました。大越健介が小沢一郎さんにインタビューするという形式の番組であります。下記のデイリーモーション動画で再視聴することができますが、ネット言論空間で小沢さんこそ総理大臣であるべき政治家だと大評判になっています。動画は1~3に分割されてアップされています。

NHKで放送されたそのニュースウオッチ9を視聴した国民は、一体何人ぐらいであっただろうか? もし調べたならば、視聴率は多分わかるでありましょう。しかしながら視聴者数を、テレビ普及台数 × 視聴率で推定するのはあまり正確な数字ではなかろう。そのテレビを一家5人で見ているという場合もあるでしょうし、なんとなくテレビを付けっ放しにしているだけで、実際には全然見ていないということも考えられます。が、オーダーとしては、数100万人~2000万人ぐらいか? 国民1億人1人残らず見る映像と言うべき素晴らしいものでしたが、リンク先のアクセス数があまりにも少なすぎます。素晴らしいビデオなので、インターネット界あげて浸透・拡散しましょう!

●何が素晴らしいのかと申すと、明らかに大越健介は “かませ犬” の役を演じていました。小沢さんに噛みついて、ぎゃふんといわせてやろう、ぐうの音もでないほど、完膚なきまでにやり込めてやろうという意気込みが、空回りするだけで、見ていたら小沢さんに小学生が諭されているようであったことです。大越健介がNHKを代表して、否、日本の利権集団すなわち政・官・業・マスゴミを代表して、小沢さんに噛みつき糾弾しようとしても逆に小学生のように諭されてしまい、大越が哀れなピエロ役のように見えてきたことです。それがとても素晴らしかったのであります。

NHKはもはや不偏中立などではなく、ベッタリと汚れた色がついております。もし、アンシャン・レジームの打破が叶って、この国の仕組みや構造が抜本的に改革されるときがくるならば、NHKの改革、すなわち「NHKの解体」もしくは「NHKの民営化」が断行されるでしょう。また、絶対にそれが必要であります。

5.30ニュースウオッチ9「小沢一郎」-3

大越健介 あのう、小沢さんはたしかに自民党の幹事長のときに、自公民、公明党・民社党とまあ、いわゆる部分的にその連携をして意見を通しました。ただ、あのとき自民党の政党を持ったとして、良し悪しは別ですよ、やっぱり一回決めれば党として決めることには、やっぱり、そこはまとまって従う基盤がハッキリしっかりしていたと……、だから公明党・民社党もそこに協力できたということがありました。いま、そのときにもねじれかもしれません。だけど野党が言うのは、民主党と話をしても党内まとまんないから話にならないんだ、て言うんです。それは小沢さんの責任じゃないと仰るかもしれませんが。

小沢一郎 だって、ぼく、そういう立場じゃないから。はい。ですから党できめたちゅうこと、決め方にも問題があることをちょっと指摘しましたが、くりかえしますけれど、選挙のときの公約は党で決めたことなんです。あの、質疑打ち切って決めたんじゃないですよ。ずっーと何回も何回もやって、そりゃあ、あの、不満や批判もあったかもしれないけども、党として国民にこう訴えましょうということで決めて、えーっ、たぶん野田総理もそのときには、そういう演説をして、それで、みんなで、国民の皆さんに訴えた結果、政権をいただいたわけですから。ですから、そのう、それを全く忘れちゃって消費税だけは、決めた、決めた、従え、というのは多分国民の大多数の人からは、理解されないと私は思います。

大越健介 ま、ちょっと、そこまで踏み込む時間はありませんが、TPPの問題なんかもあります。党内の意見、割れているものがありますよね。そうすると、民主党はですね、正直みてて、決められない政党になりつつあるんではないか。正論は正論としてぶつかわせる、けれども、でもやっぱりそこはどっかで決める、その反対論は残しても決める、きちんとその団結する政党文化みたいなものでね…、

小沢一郎 もちろん自民党が、あの。完璧にそうだったというわけじゃないですよ。それを、みんなの意見を、いろんなことがあるのを、まとめられるかどうかちゅう話であって、えー、ですから今回は何度も言うけれども、あなたの今の議論も、消費税は決たんだ、決めたんだと言うけれども、その決め方も一方的に質疑を打ち切ってやったことは事実ですし、じゃあ、選挙のときに決めてしゃべったことは、決めたことじゃないんですか?ちゅうことなんです。みんなで決めたことですよ。そして、国民とさらに約束して、国民の皆さんの支持をえて政権いただいたんだから、これほど重いものはないと私は思っています。

大越健介 あのう、小沢さんのそういうお考え、今の民主党の執行部、政治経歴から言えば、彼らは小沢さんからすれば、ひよこみたいなもんでしょ。

小沢一郎 そんなことないですよ。偉い人たちですよ。

大越健介 もっと、日頃ふだんから、そういう話を、ほんと、普段からコミュニケーションを、垣根を、小沢さん自身の垣根を低くして、話ができていれば今ここまで深刻に溝が広がることは、なかったんではないかと…

小沢一郎 じゃあ、僕はもう、1年生の人だろうが、誰だろうが、会いたい、話し合おうという人とは、誰ともやっていますよ。だけど、ま、たとえば総理はお忙しいからだけども、お話し合ったのは今回だけですし、別に他の人からも、お前と話したいって言われているわけじゃありませんし、なんでも、いくらでも、あのう、話したいと言えばいくらでも話ます。

大越健介 あのう、今回、いま、結果平行線ということでしたけど、あの、ま、国民のやっぱり期待というのは、政権与党である民主党、国民の約束を出来るだけ守りながら、やっぱり、結束をして事に当たってほしいというふうに願っていると思います。そこはやはり小沢さん一兵卒とはおっしゃいますけども、党内きっての実力者としてのその役割も…、

小沢一郎 私が、あの、ある意味で先頭だって政権交代の、ついての、あのう、仕事もしてきましたから、だれよりも私は民主党があのときの国民の支持をもう一度獲得するような政党にしたいと、なってほしいと、そりゃ誰よりも私自身が願ってます。

大越健介 小沢さん、今日はどうもありがとうございました。

小沢一郎 はい。

 (以上、文字起こしは終了です)
小沢一郎さんが正論を語る(その2) NHK「ニュースウオッチ9小沢一郎」の文字起こし
(その1から続く)

●5月30日午後9時から放映されたNHKの「ニュースウオッチ9」に小沢一郎さんが登場しました。大越健介が小沢一郎さんにインタビューするという形式の番組であります。下記のデイリーモーション動画で再視聴することができますが、ネット言論空間で小沢さんこそ総理大臣であるべき政治家だと大評判になっています。動画は1~3に分割されてアップされています。

●いまNHKは、「日本放送協会」のローマ字表記のイニシャル短縮表記ではなく、「日本偏向協会」の略称といっても過言ではないほど、政治的に恣意的な傾向をもっています。NHKの根本問題は、その運営資金は広く国民視聴者から徴収しているのに、国民に顔を向けていないことです。NHKの予算は国会審議事項であり電波行政は総務省の管轄でありますから、NHKは政府・総務省のほうに顔を向けております。NHKは権力者たちの広報機関に成り下がっております。国民視聴者に知らせるべきことを全く報道せずに、世論誘導の目的のために、報道する必要もないことを報道しています。北朝鮮の国営テレビとそう変わりません。

政府(野田政権、野田をあやつるハンドラーズたち)に都合の悪いことは、無視しきれずに仮にそれをNHKが少しだけ報道しても、またそのNHK映像をYouTubeに誰かがコピー投稿しても、“著作権侵害だ!” とすぐさま圧力をかけて消去させています。おかしいのはNHKにとって不都合でなければ、たとえNHK映像がコピペYouTube投稿されても全く容認していて消去されないという現実が厳としてあるのです…。

(実際に、YouTubeにコピペ投稿されていた本映像も、わずか数時間で消去されてしまいました…。小沢さんが語る内容はNHKにとって不都合だということであります)

で、デイリーモーション動画も早晩にNHKの政治的圧力により消去されるものと思われます。小沢さんがNHKに登場して語ったことの意味はとても大きく、NHK側が小沢さんに何を質問したのか、そして小沢さんが何を語ったのか、片言に至るまで可能な限り正確に文字起こしをして、ここに記録をしておきます。

5.30ニュースウオッチ9「小沢一郎」-2

大越健介 小沢さんの仰る国民との約束をしっかりと守る、そして守る、まあ、いっぺんには無理でも守る姿勢をきちんと示し続けるということについて、あのう、それは否定される方は誰もいない。ただ、一方で現実の壁に若い民主党政権はぶつかりながら大いに悩み苦しんで、ま、現在に至っているという現実もあると思うんです。
その、小沢さんの永い政治経歴の中からですね、要するに、その原理・原則を守ることと、だけど一方すべてひっくり返すわけには、なかなかいかないとなると、その折れ会う部分とですね、やはり、そこはやっぱりあって、今の消費税という話は、そこは折れ合う、そこは境界線ということでしょうか。消費税を今のまま上げるということになると、もう決定的な国民との約束違反になるということで、ここまで反対されているということでしょうか。理解としては。

小沢一郎 うん、だから消費税は上げる前に、やることがあるんじゃないですか、ということの国民の皆さんのほとんど多くの人の、僕は、感じ・持っている気持ちだと思いますよ。

大越健介 小沢さん、先ほど、ま、そのもう一つの柱がありました。いわゆるデフレの中でのその増税というのは、やるべきではない、ということ、さっきヨーロッパの信用不安などの地域に比べれば、日本はまだまだ余裕がありますという話がありました。これについてはですね、しかし日本だっていつ市場から狙い打ちされるか分かりませんよということで、消費税が引き上げが必要だという方がいらっしゃいます。これについての反論は小沢さん、どうですか。

小沢一郎 ですから、あのう、日本が欧米の今とくにユーロ圏で色々問題になっております、そういう国々とはちがって、まだ全国(ぜんくに)の資産から言えば、国民の資産から言えば余裕があるということは事実で、ですから円高にもなり、国債は下げはしないわけです。ただ、その、このままで何もしないで10年も20年もいていいというわけではないんで、それは色んな形で国民の皆さんの負担をお願いすることは来るだろうということは分かりますけれども、今の時点で、えーっ、もう待ったなしだと野田さんは言うんですけけども、わたくしは、まだ我々が国民の皆さんに訴えた、あるいは約束したものを実行していくと、それが、すべてが100%実行できるのは先であったとしても、その余裕はまだあるという、私は判断をしているちゅうことですね。

大越健介 あのう、ただ、この経済のことはですね、なかなか我々もそうですが、一般の視聴者の方も、なかなかその分かりにくくて、えーっ、やっぱりその欧州の信用不安のような事態ていうのは、ひとごとでないと、これ、菅さんも野田さんも言いますよね。だけど、余裕はあるんだという議論と、両方が今ぶつかりあってますよね。これ、どっちが正しいんだろう、という両方とも決定的な説明に欠けている……。

小沢一郎 経済そのものは大変ですよ。私はずっと前から言っているわけで、と言うのは、このままでは収まらないと、もしかすると破綻の危機を迎えるかもしれない。ま、現実に今そういう要素は出てきているわけですね。これは本当に破綻してしまいますと、それはもう金融恐慌、世界的な金融恐慌から世界不況みたいなことになりかねない。ですから、その不景気のときに、不況のときに、増税するというのは、経済の原理から見ても、それはあのう、納得できないと。やはり、その意味でも経済政策的な意味でも、いま増税というよりも、そのような不況が来るかもしれない、あるいは政治的な混乱も生じるかもしれない、そのとき、そういうことを乗り越えていけるための、経済的あるいは政治的なしっかりした安定した基盤を作るということが、先決じゃないかというふうに、わたくしは思います。

大越健介 あのう、リスクというのは、そのいずれの場合もあると思うですけども、やはりデフレ下で増税する場合のリスク、小沢さんは非常に大きいと仰いましたし、ただ一方で、財政規律というものに緩慢な国だというふうに、市場が判断したばあいに、どんなに、リスクを背負うことになるか、なかなか分からない、そのリスクの比較の問題ではないんですか? これは。

小沢一郎 増税には、財政規律についていい加減だという市場が判断していれば国債はもっと下がってますし、円だって上がるわけわけないんですよ。だけども日本の実際の国の国富と言いますか、それはあのう、ちがうと、あのう、ヨーロッパでは問題になっている、もっともっと、ということを市場が分かっているから、ですから、円も買われるし国債も下がらないで値を維持しているということであって、わたくしは、ですからこの状況の中で、いま何度も言うように、本当に将来に向かってしっかりできる基盤を、政治的、行政的、そして経済的なそれを作ることにまだ時間があるという、ま、議論なんです。

大越健介 時間は、しかし、まあ、待ったなしということで、今日は野田さんは待ったなしと言って、そこはかみ合わなかったということですね。

小沢一郎 その認識はね、違ってました。

大越健介 ただ本当に野田さんはそれについてですね、このかみ合わない中で、野田さんは待ったなしだということで、その消費税率引き上げ法案を今国会に提出しました。そして政治生命を賭けてというふうに仰いますよね、で、まあ小沢さんほどの政治家になれば、総理がやはりその政治生命を賭けると言ったことは非常に重いと思うんです。で、そこにまあ異議を唱えられた小沢さんも、相当の覚悟をお持ちではないかと思うんですが、いかがですか。

小沢一郎 うん、お互い政治家ですからね。ええ、古い言葉で“綸言汗の如し”(註)という言葉もあります。ですから、一度発した言葉は後戻りはできないよという昔の人のあれですけども、お互いに総理もそしてわたくしは一議員ですけども、議員として、政治家として、自分の言動には責任を持つということは当然だと思います。
 (註)綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)Wikipediaを参照ください。

大越健介 ま、その言葉をうけて、なんですけども、なかなか仮定の話というのは話にくいかもしれませんが、現状で今その溝がなかなか埋まらないということになりますと、一方、その政府はこの法案を今国会で上げたいんだというふうに言っている。いつか採決の場面も、自民党が審議に一生懸命協力してますよね。採決の場面が来ます。このとき賛成はできませんというふうに今日仰いました。これは反対ないしは欠席ということは、ありうるということですか?

小沢一郎 ですから、それは、あのう、今この場で賛否イエス・ノーを問われれば、現時点で賛成するわけにはいきません、というのがわたくしの態度です。考えです。というふうに申し上げました。それは事実です。

大越健介 この現状のまま、もうかなり、国会日程をかなり急いでいる感じがあります。で、現実にはこの対立が埋まらないままですね、採決に行ってしまう可能性も、これは考えなければいけないとなりますと、野田さんはこれは党議決定したことなんだと、つまり党として決めたことにたいして、それに従えないというのは党議に反する異になるんですよ、ということを仰っていますが、それもまた覚悟の上ということですか。

小沢一郎 その、みんなそう言うんですけどもね、野田さん、はじめマスコミの人たちも、私たちが選挙のときに国民の皆さんに申し上げたことも、党で決めたことですよ。国民の皆さんにそれを約束して、それで政権いただいたことですよ。それをみんな、どっかいっちゃって、消費税だけは党で決めたことだというのは、ちょっといかがかと思いますね。で、我々の仲間のうちで、これについて色んな議論問題をやって、議論している最中に一方的に質疑を打ち切って、えーっ、決めたという事実もありまして、これはとても民主的なやり方だとは思えない。というふうに考えている人もいます。何よりも、いま言った党で決めて総選挙を通じて、国民の皆さんと約束した事実というのは、まさに、これ以上に重いんじゃないですか? ということですね。

大越健介 今後の対応として、この前、小沢さん、4月にですね、あるインターネットの番組の中で、こんなことをおっしゃっていました。その国民の生活が第一と訴えたその政権交代の初心や志、まさに今仰ったことですよね。それを持つ人を代表に選んで、次の衆議院選挙に臨むべきだということを仰っていました。あの、これ普通に理解をすれば、もし野田さんがそのまま素直に考えますと、今の野田さんは小沢さんが仰るように、野田政権はこの野田執行部は初心にきちんと立ち返っていないということであればですね。

小沢一郎 現時点ではね。ですから僕はもう野田さんが是非イカンて言っているわけじゃないですよ、野田さん自身もぜひ初心を思い起こして、そして国民の皆さんも、まあ、これならと納得できるような政治をしていただければ、我々も、納得するんじゃないですかと、ですから、そういう意味で野田さんがぜひ思い起こして努力してもらうことを、私としては望んでいます。

大越健介 しかし、今日の感じで言うと、まあ現実問題、溝は深かった、ということなんですね。あの、小沢さんご自身、そのさっき自分なりの覚悟を持って発言しているというふうに仰っていましたし、やっぱり、野田さんに変わるその代表を選ぶということを視野に入っていらっしゃる。

小沢一郎 いえ、現時点でそんなこと考えていません。今日は、ですから、総理も仰っているように、総理との、あのう、会話をね、こういう席でいちいち申し上げることは、あのう、どうかと思いますが、お互いにざっくばらんに、あのう、意見交換が出来たということは事実ですので、あとは総理自身もそれを踏まえてどのように、じゃあ、すべきかと、いうことはご自身でお考えになるんじゃないですか。

大越健介 今ですね、野田さん、さっきからまあ自民党との距離が近まっているんじゃないかということを、私申し上げているんですが、その自民党の谷垣さんがですね、せん、この日曜日ですか、やや刺激的なことを言っているんで、ちょっと聞いてみて下さい。

(VTR画像が切り替わって)
自民党・谷垣総裁 野田さんの選択肢は2つでございます。1つは、民主党の団結を重んじて、問題解決を先送りにして、回答が出せないままにずるずるといくか、党の分裂も辞さずという覚悟をもって、小沢・野田会談を取り仕切ってこられるのか、それによって、わたくし達の回答は大きく異なります。

大越健介 ま、エッセンスを編集してありますが、今の発言どういうふうにお聞きになりましたか?

小沢一郎 うーっ、(首を大きくかしげて)ちょっと変だとおもいますね。(笑)えーっ、まあ、他の党のことですしね。えーっ、それを党内のどうのこうのちゅうのは変ですし、またそのこうしなければ、小沢と手を切らなければ、賛成しないとか、するとか、政策問題をそういうレベルで論ずるちゅうのは、ちょっと自民党総裁としては、どうかなと思いますね。

大越健介 なるほど。あのう、いま、異論はもちろんあるでしょうけど、今の発言の中で、なかなか決められずにズルズルいくというくだりがあったんですけど、日本の政治を決められない政治になってきた、とよく言われます。で、ま、大変申し訳ないんですけども、その、小沢さんの原理原則を大事にされるということは、それだけ妥協の余地が少なくなるということにつながりますよね。確かに民主党としては国民との約束を守るため、妥協をなるべくしないで、一生懸命頑張るんだということは、支持者にとっては、誠かもしれないけれども、ただ現実の政治、ねじれ国会もあります。やっぱり妥協と言うものを、一切それを拒否することになっていくと、決められない政治につながるジレンマがあると思うんです。

小沢一郎 いや、そんなことないですよ。ぼくは妥協を拒否しているわけじゃないし、ぼくは自民党幹事長のときは “ねじれ” でしたよ。やっぱり、でしたねえ、結果的にPKOもあがりましたし、いろんなことやりましたよ。ですから、今は、ねじれ・ねじれ・ねじれ、だからどうだとか議論することはもう、ぼくはちょっとどうかと思いますし、ただ今回のことは半世紀ぶりに政権交代して、民主党政権になったわけでしょ。そして、そのときに我々は自民党政権のやり方ではダメだと、その仕組みでは国民のためにはならない、ということを主張して政権をいただいたわけですから、ま、これを、難しいことではあるけれども、これを忘れちゃったということになると、それはやはり、政党政治・議会政治・民主主義のわたくしは、根本に、国民の皆さんが不信いだくことになりかねない、ということで、その点は非常に、あの、心配をしているところですね。

大越健介 あのう、小沢さんはたしかに自民党の幹事長のときに、自公民、公明党・民社党とまあ、いわゆる部分的にその連携をして意見を通しました。ただ、あのとき自民党の政党を持ったとして、良し悪しは別ですよ、やっぱり一回決めれば党として決めることには、やっぱり、そこはまとまって従う基盤がハッキリしっかりしていたと……、

(その3に続く)
小沢一郎さんが正論を語る(その1)NHK「ニュースウオッチ9小沢一郎」の文字起こし 
●5月30日午後9時から放映されたNHKの「ニュースウオッチ9」に小沢一郎さんが登場したようです。大越健介が小沢一郎さんにインタビューするという形式であったようです。デイリーモーション動画で見ることができますが、今、ネット言論空間で小沢さんこそ総理大臣であるべき政治家だと大評判になっています。動画は1~3に分割されてアップされていますが、その1について文字起こしをしてみました。

dailymotion動画 5.30ニュースウオッチ9「小沢一郎」-1

大越健介 スタジオには、まさにその会談の当事者、民主党元代表の小沢一郎さんが来ていただいております。小沢さん今日は宜しくお願い致します。
 あの、いま、たった今、その野田総理大臣のインタビューの中ですね、要するにもう一回会うかどうかについて、今日の結果をよく反芻して考えたいということを仰っていました。まあ、私、今日なかなか折り合うのは難しいだろうけれども、これで2度3度とも会談を重ねられるかなあと思っていたんですけれども、再開前に直接確約をされなかったので、ちょっと意外に感じたんですけれども、それほど溝はこう深かったということなんでしょうか。

小沢一郎 いや、その再会談については、あの今VTRでもありましたように私は一党員として、代表が、ま、総理が、話をしたいということであれば、それはもういつでも応ずると当然のことですけども、ですから後は、あの、総理が今日のことを踏まえてどう判断するかということだろうと思います。

大越健介 野田総理しだいということですね。いまもう一つ確認だけしたいんですが、総理が小沢さんは「消費税引き上げ自体は反対ではなかったんだ」と、「ただ時間軸の問題が違うんだ」ということを仰っていました。そこについては確認をされますか。

小沢一郎 ですから、その部分だけ取り上げて話すると、なんですけども、総理は最初に日本の財政の事情、あるいは国際関係等々から、もはやこの時点で消費増税は待ったなしで、やんなくちゃならないというお考えを表明されました。わたくしは、そもそも政権交代のときに党としてあるいはそれぞれ総理自身も私どもも国民の皆さんに訴えたことはある筈で、それはとにかく、国の仕組みや、行政の仕組み、このこと自体を抜本的に改革して、中央集権から地域主権へという社会を実現するというその大改革の中で、ムダを徹底的に省いて、そして先ず当面の新政策の財源に充てていくんだと。で、新しい税負担についてはその後の話だ、ということを言ってきたわけですが…。

大越健介 今日の御主張の中で、そこが一番肝要な点だと思いました。あの、3つほど今日挙げられていましたので、ちょっと視聴者の方に分かり易いように3つに簡単にここにまとめてみました。で、詳しく聞いていきたいと思います。今仰った先ずやることがあるだろう、地方主権型の社会に変えていって徹底的な行財政改革をやるんだと、そちらが先ではないかというご議論ですね。これはですね、今、野田さんも現在進行形でやっています。というふうなことを小沢さんにはおっしゃったかと思うんですけども、今はまだ落第点ですか、まだ。

小沢一郎 いや、そうではなくて、それぞれ3人の総理が努力してこられた、という事を否定しているんじゃなくて、その旧来の制度、国の仕組み、それを前提とした中での色々な意味での前進はあったと思いますけれども、我々が主張したのは、この旧来の中央集権、それは官僚支配につづるんですけど、この仕組みそのものを変えるということを言ったわけで、旧来の仕組みを前提にしてやったんでは、自民党政権と何も変わりない…。

大越健介 改善にしかならない?

小沢一郎 たとえ前進したとしてもね、我々の主張はある意味でその革命的な主張ではあるんだけども、しかし旧来の自民党政治ではダメだと、その一つの大きな要点は、そういった国のしくみ、国のありかた、行政のあり方、そのことに起因している部分が大きい。だからこれを変えるんだ、そして、その中から財をムダを省いて見つけるんだという主張をしてきたわけですから、その本質に、根本に、やっぱり切り込んだ改革をしていかないといけないんじゃないか、ちゅうことですね。

大越健介 努力はしてるというけれども、進行形とはいうけれども、本質的なところに触れていない以上は、これは手がついていないのと一緒だという…。

小沢一郎 それは国民の皆さんが、多分、そう感じているんじゃないですか。

大越健介 うん、うん。

小沢一郎 ですから、あの、いま残念ながら国民の信頼が民主党から離れているという現実があるわけで、本当にうまく進んでいるということであれば、国民の支持が離れる筈がないんですね。

大越健介 ま、国民と仰ったですけども、ただ一方で事業仕訳等の取り組みをされてですね、ま、いくばくかのお金を削るだけではなくて、それによって予算の執行の仕組みというか、今までの習わしを変えていこうとするそれなりの努力はされてきたのかなあというふうにも思いますし、一方、それはなかなかそうといっても、時間もかかるし、難しいもんじゃないかということも、これまでの経験則で我々もそれをみてきた感じがあるんですね。そこに小沢さん、どうでしょうか、現実的に難しさという面で野田さんが、今そうは言っても頑張っているので、そこは猶予をくれというのは、やはりそれは受け入れられない、ということですか?

小沢一郎 現実は、あの、難しいことは間違いがないんです。あの、私たちが主張したことは。だけど、その難しいことを分かっていて、我々は主張し、それに期待して国民は政権を我々に預けたわけですから。ですから、難しいからと言ってそこに手をつけないということでは、国民の皆さんの期待に応えることにはならないということが、わたくし共の主張で、それで野田総理は、現時点がもう、まったなしの限界だ、増税だというふうに、仰るけれどもま、わたくしは、日本の財政全般をトータルで見れば、欧米諸国とは違うと、まだ猶予はあると、このまま10年、20年続けていいと言っているわけじゃないけれども、先ず我々が国民の皆様に約束したことは取り組む。余裕はまだあるということを申し上げて、そこは認識の差でしたけども、いずれにせよ国民の皆さんの感情を一言でいえば、大きな税負担を国民に強いる前に、あなたがた、やることがあるんじゃないですか、やることをやってから言って下さいよということが、大多数の国民の皆さんの意見だと、そう思います。

大越健介 その小沢さんがおっしゃっている「我々のやっている改革がなかなか難しいんだ」ということの一つが、この社会保障の改革ですね。今日、小沢さん、これに触れておられました。で、政権交替で訴えた、例えば、年金制度の改革、なんの努力をしないまま、これを、その、つまり税金を上げるにはその表裏の関係となっている、社会保険改革、しっかり、それを打ち立てる努力がまだ見えないじゃないかという主旨かと思いましたけど、いかがですか、そこは。

小沢一郎 いや、それぞれが何もサボってやっていないと言っているんじゃないですよ。だけど、我々が選挙のときに年金についても、後期高齢者医療等々についても、国民のみなさんにお話しをして、それを実現します、ということを約束したわけですから。そのことが、今、一体改革と言いながら全く社会保障の、特に我々が主張したその考え方ちゅうのは、見えなくなってしまっていると。そして、増税のみが走っているという姿に国民の皆さんが、それは違うんじゃないですかという疑問を抱いているちゅうのが現状じゃないかということです。

大越健介 これについては、今、野田政権はですね、自民党との距離を狭めていると言う感じがします。というのは野田さんもよく仰っていたんですけども、新幹線で北の方へ向かって大宮ぐらいまでいっしょの方向なんだと自民党も自民党も、そういう意味で言うと、安定財源を得るという最低限度の合意はやはり消費税を引き上げるということの中に反映されていいんじゃないか、という言い方もされていました。それは小沢さん、ま、自民党も国民会議をやって、じゃあ一緒にやろうじゃないか、議論しようじゃないかというところまで来ていますよね。それは、今、現状ではそこに踏み込むのは宜しくないということですか。

小沢一郎 いや、そういうことじゃなくてね、あなたがたもマスコミはね、何もかもですが、全て今までのやり方、今までの制度を前提とした議論ばかりしているんですよ。我々はそれを変えると言って選挙をやったわけです。そこを旧来の自民時代と同じ仕組み、同じ制度を前提として議論してたんでは、我々は何のために政権交代したのかということになるんで、いっぺんには難しいことですから、パッと掌を返すようなことはできないですけれども、その根本に、あの、踏み込んだ改革の決意と実行を示すということが我々にとっては大事なことであって、そこにこそ国民の期待感があったんじゃないかと、僕は思います。

(その2に続く)
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