雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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この国は、植民地への道をまっしぐらかも?      ――この国は植民地になりたがっている――
驚くべき情報が出ています。これは毎日新聞社のスクープというべきものですが、他社はだんまりを決め込んでいるようです。TPP推進論者がTPP反対論を批判して、「TPP参加についてはアメリカが要求しているのではない。それは逆だ、日本が参加させてくれと申し出ているのだ。したがってアメリカが要求しているという批判は当たらない。」と言っていました。どうやら、それは本当のようでした。日本政府がみずから早く植民地にしてくださいと、隷属根性まるだしで尻尾をふりながら火中に飛び込もうとしていることが、浮かび上がりました…。飛んで火に入る夏の虫、自分から罠にはまりにいくとは…、絶句です。

TPP:政府、文書に本音 11月表明 「米が最も評価」(毎日新聞社 2011年10月28日)

(一部を抜粋引用します。)
●政府のTPPに関する内部文書(要旨) 

【11月のAPECで交渉参加表明すべき理由】
・米国がAPECで政権浮揚につながる大きな成果を表明するのは難しい。日本が参加表明できれば、米国が最も評価するタイミング。これを逃すと米国が歓迎するタイミングがなくなる。

【選挙との関係】
・衆院解散がなければ13年夏まで国政選挙はない。大きな選挙がないタイミングで参加を表明できれば、交渉に参加しても劇的な影響は発生しない。交渉参加を延期すればするほど選挙が近づき、決断は下しにくくなる。     (引用終了)

●引用したくだりが最も問題であろうかと思います。アメリカへの属国精神丸出しです。APECでオバマ大統領に喜んでもらうために参加表明するようです。主人に忠実な猟犬が獲物をくわえてきて「よしよし」と主人に頭をなでてもらうみたいです。支持率が低迷し来年選挙があるオバマ大統領に、日本を植民地にしたぞと、手柄にさせるためにTPP参加をしようとしているのだと、批判が出ていました。まさにそれを裏付けるハナシです。この国の政府はアメリカのかいらい政府であることがハッキリしました。

日本国首相というのは、アメリカが東京に設置した “日本総督府” の3代目の総督のようです。初代総督は小泉純一郎、2代目総督は菅直人です。3代目が野田佳彦です。あるいは、アメリカ合衆国日本州の州知事であるのかもしれません。日本政府は日本の国益になるのかどうかという観点から、TPP参加を考えているのでは決してないということであります。ひたすら宗主国を怒らせないよう、気に入ってもらうようにという点のみを考えているのです。なんともまあ情けない愚かな政府です。それに比べると北朝鮮がとても立派に見えてきました。北朝鮮の凄いところは完全に独立国ということです。国力から言って北朝鮮は世界では最下位グループに属するのに、堂々とアメリカと渉りあっています。とても凄いなと思います。

●それから13年夏まで国政選挙がないから、今がTPPに参加するタイミングだ、というのもヒドイ話です。政治家が一番心配しているのは次の選挙で、議会に戻ってこられるかどうかということだけです。この国の国益など二の次、三の次のようです。まして国民の生命とか暮らしとかはどうでもいいんでしょうな…。暴露されたこの文書を作成したのは政治家ではなく、おそらく首相を取り巻いている官僚たちでしょうかねえ? 誰が書いたのかわかりませんが、次の選挙で頭が痛い政治家たちの足元を見ている文書です。露骨に属国・隷米政府(官僚)と、次の選挙しか考えない政治家とでは、やっぱりこの国は植民地にころげ落ちていくのは避けられそうもありません…。もう、どうにもなりませんな。

★病気になって病院にいっても、まずクレジットや預金通帳の残高を調べられます。残高がすくなければ治療を拒否される…、てなことになりそうです。たとえ治療してもらえても、出てくるのはアメリカ人の医師とベトナムの看護師さんです。農業も破壊されて庶民大衆はポストハーベスト農薬まみれの遺伝子組み換え食品を食べさせられます。放射能入り食品を食べさせられるかもわかりません。10倍・100倍の値段の安全食品は一部の金持ちしか食べられない…。金持ちは安全な物を食べ良質な医療で長生き、庶民は危険な食品と劣悪医療で短命です。街は、庶民大衆が住む貧民街エリアと、門番が見張るゲートシティーエリアとに画然と二分です。 そんな近未来絵図がみえてきました…。

お隣の韓国では、米韓FTAに反対・抗議するデモが起こっていますよ。よくまあ、これをNHKが取り上げて報道したものです。国営プロパガンダ放送局になったNHKにもまともな人が残っているのかもしれません。
【韓国】 国会批准を前に命がけでFTA反対デモ:【日本もTPP阻止しよう!】
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この国は、植民地への道をまっしぐらかも?      ――食糧は武器だということを忘れるな――
ヒトという種は自分さえ良ければという利己的な動物で、仲良く分け合うということもあるのですが、悪知恵を働かせて相手をだまし奪い取るということもしてきました。で、大昔からヒトは利益配分をめぐって戦争ばかりしてきましたが、話し合いがこじれていざ戦争となると、“兵量攻め” というのが古来から行われてきた基本的な戦法です。
敵を倒すのに武器などいらない! 相手国の食糧補給源を封鎖すればいいのです。敵が腹が減ってひもじくなればじきに白旗をあげよる、腹が減っては戦(いくさ)が出来ぬと言うではありませんか。犬みたいに尻尾を振って言うことを聞くようになる、のですよ……。

●論より証拠を挙げましょう。

外務省の文書 『わが外交の近況』 1981年版(第25号)
この外務省の文書は、1980年1月から1981年3月までのあいだの日本の外交の足跡を記録しています。
『わが外交の近況』 第3部 資料編 Ⅲ年表 2.日本編1 です。
この年表の1980年1月7日の所の記述を引用します。

【引用開始】
カーター大統領,全米向けテレビ放送を通じて,アフガニスタンに軍事介入したソ連に対する報復措置として,ソ連に対する穀物及び高度技術の輸出制限,パキスタンに対する軍事,経済援助再開などの手段をとる旨声明するとともに,軍事介入が続く場合の米国のモスクワ・オリンピック不参加を示唆。
【引用終了】

「ソ連に対する穀物及び高度技術の輸出制限」という文言が入っています。このように政府の正式な文書に、食糧が外交上の戦略的な切り札に使われたことが記録されています。アメリカ政府は、アフガニスタンに軍事侵攻したソ連に揺さぶりをかけるために、1700万トンの対ソ連穀物輸出を停止しました。1年4か月後に次の大統領のレーガン大統領がこの対ソ連の穀物輸出措置を解除しましたが、このように食糧というのは極めて戦略的物資であり、軍事的武器として使われるのです。これがアメリカが食糧を武器として使かった例です。

●また、たとえ軍事的対立がなくても、外交上の対立がなく友好関係であっても、食糧輸出国は自国民優先です。余剰物を輸出するにすぎません。ものが足りなくなれば輸出禁止に走ります。わたくしが高校生のころ、“大豆パニック” がありました。1973年6月にアメリカが大豆の輸出禁止をしたのです。そのころはまだ日本の食糧自給率はいまよりも高かったのですが大混乱です。豆腐がなくなるぞ! 味噌もなくなるぞ! 肉も卵も食べられなくなるぞ! と上を下への大騒ぎでした。いま政治家でTPP反対の先頭に立っている元農水大臣の山田正彦さんが、氏のブログで当時の大豆パニックについて少し触れています。
雑誌SAPIOで山田正彦、農家への1兆円所得補償政策を語る

●大豆パニックの背景とか、食糧は武器だという米国の戦略が、次のグーグル動画で良く分かります。1999年1月24日に、NHKで放映されたNHKスペシャル『世紀を超えて』の第1回目です。ここ数年、NHKはおかしくなっていますが、以前はこのような素晴らしいレポートを放送していました。3分割してアップされていますが全部で60分です。12年前のものですが、今でも、今こそ、一見の価値があるアーカイブ映像です。
地球 豊かさの限界 第一集 一頭の牛が食卓を変えた その1
地球 豊かさの限界 第一集 一頭の牛が食卓を変えた その2
地球 豊かさの限界 第一集 一頭の牛が食卓を変えた その3

●問題の個所は「その2」の終わりごろ17分50秒から「その3」の中頃あたりです。
1972年ソビエトは穀物自給国から突如輸入国に転落しました。71年から72年に旱魃で穀物生産が10%減少したためです。当時ソビエトとアメリカは冷戦状態でしたが、ソビエト政府はアメリカの穀物商社「カーギル社」に穀物購入の交渉をもちかけました。そしてアメリカ政府が事態を把握しないうちに、アメリカ産の穀物がソビエトに売却されました。で、穀物商社が今後もソビエトに穀物輸出をすることを認めるか否か、ニクソン大統領は決断を迫られました。ニクソン大統領の選択は穀物取引の継続でした。ニクソン大統領は穀物を外交交渉の切り札に使い、政治的に有利な立場に立つことを考えたのです。

アール・バッツ農務長官は次のように言っています。

【字幕スーパーの転記】1974年。
「我々は穀物を外交上の手段としてどう使うか学んでいます。アメリカの穀物は強力な武器なのです。神は私たちにコーンベルトを与えてくれたのです。」

【ナレーションの書き起こし】(こちらは後年に語ったと思われます)
「この取引によって、アメリカは経済的な利益だけでなく政治的な利益も得ました。ソビエトに対する発言力が強まったのです。それは鉄の共産主義を溶かす第一歩ともなりました。ソビエトは食欲を満たすためには、我々の一員になるしかありませんでした。私たちは本当に価値のある穀物という貨幣を持っていたのです。」

アール・バッツ農務長官はさらに言っています。
「食糧はアメリカが持つ外交上の強力な手段です。とりわけ食糧を自給できない日本には有効です。日本に脅威を与えたいのなら、穀物の輸出を止めればいいのです。もちろん、それはあってはならないことです。しかし何か事態が悪化して、そうせざるを得なくなったら、日本はひどいことになるでしょう。日本は自国の農業だけで国民を養うことなど出来ないのですから。」

●しかしソビエトへの穀物輸出のためアメリカの穀物在庫が激減、そこへ異常気象がおそいます。被害の大きかったのが家畜の飼料の大豆です。家畜の飼料供給の不足が肉の値段高騰をまねきます。そしてアメリカ政府に抗議が殺到…。「なぜアメリカ国民を犠牲にしてまで穀物の輸出をするのか!」
1973年6月27日、アメリカ政府は大豆の輸出禁止を発表しました。3ヶ月後に輸出禁止が解かれましたが、最も影響が大きかったのは日本で、先に申した「大豆パニック」の大混乱です。

★ま、こういうことですな。このハナシの時系列の細かな順序がちょっとわからないのですが、ソ連に穀物輸出をした途端に時間をそう置かずにパニックが来た、ということのようです…。

アメリカ政府高官がハッキリと食糧(穀物)は “強力な武器だ” と言っていますよ。交渉相手国に無理な要求を呑ますには、軍艦も爆撃機もいらない、ひもじい思いをしてもいいんですか? とちょっと脅かせばいいのです…。しかも名指しで日本を挙げていますよ。

それに、たとえ友好関係であってもアメリカも自国民優先です。旱魃・水害等でアメリカが凶作にみまわれたら、アメリカの選挙権も持たずアメリカに納税もしていない日本国民に食糧など融通してくれる筈はありません。アメリカ農業も、オガララ帯水層と呼ばれる第三紀の地質年代の時間をかけてため込んだ化石水の枯渇とか、ガリエロージョンと呼ばれる農地の土壌が雨で深く浸食される深刻な被害の拡大などが取りざたされています。かならずしも世界の穀倉として盤石なわけではありません…。

オガララ帯水層の水位は低下しています

どうやら松下政経塾の卒業生たちには、補助金を流し込んででも、消費者が高い食料品をあえて購入してでも、自国の食糧自給率を上げることが、独立国の基礎的な絶対条件であることが理解できないようです。松下幸之助はとんでもない学校を作ったものです……。
この国は、植民地への道をまっしぐらかも??
内閣官房・国家戦略室が政策項目「包括的経済連携」のなかで情報を出しているではないか! 『TPP協定交渉の分野別状況(平成23年10月)』

政府が最近こそこそと発表した資料です。『TPP協定交渉の分野別状況』 平成23年10月

なんと、内閣官房・内閣府・公正取引委員会・金融庁・総務省・法務省・外務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省、の連名で出しています。これだけ省庁名が並ぶと壮観ですな。なんともまあ、すごいものですね。自分はおかみのHPはよく閲覧していますが、こんなにたくさんの省庁が並列的にズラリとならんだ資料を見るのは初めてです。これを見ただけでもTPP協定がいかに農業だけの問題でないことが想像がつきます。にもかかわらず意図的に農業問題のみに矮小化する報道が目立ちます。

79ページあるので全部読むにはちょっと時間がかかります。TPP協定交渉では24の作業部会が設けられているということですが、この資料では内容を整理して21分野としています。農業だけではなく、多くの製造業や金融業、電力会社や電話会社にいたるまで広範囲の産業にまで影響しそうです。で、資料を読んで気づいたのですが、テレビ・新聞のマスゴミ業界はとりあえず安全地帯にいるのではないか? 

TPP貿易交渉では、日本のマスゴミ業界にまで規制緩和の要求をつきつけられるのではないかと思っていました。テレビ放送会社と新聞社の相互の株式持ち合い(クロスオーナーシップ)はアメリカでも世界の多くの国で禁じられています。テレビの放送電波のオークション制もアメリカや各国では導入しています。そういう面はアメリカ基準・世界基準から遅れているのが日本のマスゴミです。これこそ外圧を利用してでも改革すべき所で、日本のマスゴミの大きな問題点であります。

なぜマスゴミが政府の手下になって、TPP報道にかんして平成の開国だとか、バスに乗り遅れるなとか、世界の孤児になるぞなどの、噴飯ものの報道で煽るのか不思議に思っておりました。やがて自分たちにも火の粉が降りかかる可能性が極めて高いのになぜ愚かな報道をするのか、疑問であったのですが、どうやら自分たちは安全地帯にいる(たぶん)からではなかろうか? マスゴミの自由化・規制緩和にまで踏み込まないという裏取引みたいなものはありはしないか?

日本のマスゴミは腐敗していて、第4の権力として3権の暴走や民主主義の蹂躙がないかチェックするのではなく、3権の走狗手下になりさがっております。マスゴミこそTPPの圧力・アメリカのごり押しで規制緩和していただきたいものです…。偉そうに社説などで説教を垂れるマスゴミ業界こそが一番の国家の保護業界であり、既得権益集団なのです。ぜひとも少なくとも次のものを改革してほしいですな……。

【TPPで改革すべきマスゴミの悪しき既得権益】
●クロスオーナーシップの禁止。報道の寡占化・画一化を禁止。
●放送電波のオークション制の導入。不当な電波の廉価使用の禁止。
●新聞の再販売価格維持制度の廃止。(良い記事を書く新聞は値段が高くても売れるのですよ。つまり競争に生き残れるのです)
●記者クラブの解体・解放。情報の寡占化・官との癒着を禁止。
この国は、植民地への道をまっしぐら……
YouTubeにアップされた動画で、TPP参加反対論の急先鋒であり一番の論客であると思われる中野剛志氏(京都大学大学院助教)が命がけで語っています。動画の後半で少し投げ遣り的に笑っていますが、深刻な状況を分かりやすく解説くださっています。どうやらこの国は責任をとらない官僚と、愚かな野田政権と、売国奴マスゴミたちによって滅ぼされそうです。植民地に至る坂道を転げ落ちているようです……。また、幕末のように不平等条約を結ぼうとしているのがTPPの正体です。

全国民必見動画! マスゴミの報じないTPPの正体!

39分10秒と、少し長いのですが要拡散動画です。

YouTube動画 中野剛志氏が語る 米韓FTAよりひどいTPP交渉となるだろう

●内容を簡単に要約します

★TPPでアジアの成長を取り込むなどという主張は全くの誤りです。日本がTPPに参加しても、参加国のGDP比では日本が2割、アメリカが7割であり、実際は日米貿易協定です。そのアメリカは輸出倍増戦略をとっているから、日本の輸出が増えることはありません。

★そもそも、関税を撤廃して自由に行き来するとか、公平に競争しようとかの交渉がなされたのは1970年以前のことです。1970年代、80年代、90年代になると貿易交渉の中身が変化しているのです。非関税障壁にシフトし、相手の国の制度・ルール・法律を自国の企業に有利に変えさせる交渉に変わっています。そして、どっちの国の制度に合わせるかの交渉は政治の力学で決まるのです。アメリカは経済が落ちても、政治力・軍事力が圧倒的に強いので、日本がアメリカと交渉しても勝ち目はありません。

たとえば、1985年にプラザ合意で、通貨の交換ルールを変えさせられて円高にさせられ、円高不況が襲いかかり、日本企業の努力は水の泡となりました。『年次改革要望書』にもとづく小泉改革なるものもまさにアメリカの制度・ルール変えだったのです。日本は、企業は国際戦略がありますが、政府には国際戦略がありません。その国際戦略を持たない日本政府が交渉をするとアメリカに負けるのです。これがこの国の自由貿易協定・自由貿易交渉の実態なのです。

★TPP交渉の行く末は、隣の韓国の、米韓FTAをみると予想がつきます。韓国はアメリカにやられてしまいました。

韓国の前大統領秘書官は嘆いています。
「主要な争点において我が国が得たものは何もない。アメリカの要求は、ほとんど全て、一つ残らず譲歩してやった。官僚は責任をとらない。責任をとるのは大統領だ。」

一方アメリカは一般教書演説で凱歌をあげました。
「米韓FTAで7万人のアメリカ人の雇用を増やせた。」

韓国は沢山の要求をアメリカに突き付けられたのですが、アメリカの要求があまりにひどいので、昨年11月に交渉が決裂していました。すると何が起こったか? 北朝鮮からの砲撃です。するとアメリカとの関係を重視すべきだということで、無理な要求をのまざるをえなくなったのです。 (アメリカと北朝鮮が繋がっているのではないか? という疑いが根強くあります)

★米韓FTAで韓国が呑まされた要求の数々は、
① アメリカの関税の撤廃(自動車の2.5%の撤廃)の代償として、自動車の排ガス規制をアメリカと同じにさせられ、大型車のアメリカに有利になる税制に変えることを呑まされました。(米国車の販売増)
② 農協・漁協・各種協同組合が提供している保険サービス(共済)や、郵便局の日本で言う簡保に当たるものの米韓FTA発効後3年以内に解体することを呑まされました。(保険市場に米国が参入する狙い)
③ 米国の薬品メーカーは、自分の会社の医薬品の薬価が低く設定された場合は、韓国政府を訴えることができる第三者機関を設ける制度を呑まされました。
④ 韓国内において法律・会計・税務の事務所を、アメリカ人が開設できるようにさせられました。
⑤ テレビの放送法の外資規制が緩和させられました。
など、沢山あるのですが、恐ろしいのは次の2点です。

1、ラチェット規定。 (ラチェットとは爪のついた歯車。逆には回転しない)
多くの分野でこのラチェット規定をはめられました。いったん韓国が認めた自由化・市場開放はあとでヤバイと気づいても元に戻せないという規定です。たとえば牛肉の輸入自由化を認めたら、米国で狂牛病が発生しても牛肉の輸入禁止措置をとることが出来ない…。のです。

2、ISD条項。
「投資家と国の紛争解決手続き」という条項を呑まされました。アメリカの投資家(米企業)が、韓国内に参入して投資(事業)をして、韓国政府の政策によって損害を受けたと思ったならば、韓国内の裁判所ではなくて、世界銀行の傘下にある国際紛争解決センターに訴えることが出来るという条項です。
問題はこの国際紛争解決センターが、投資家への被害がいくらだったかということのみで審査され、非公開で、判例に拘束されない、上告できない1回切りなど、圧倒的に投資家に有利になっています。
訴訟をして踏んだくるのに使われていて、実際にカナダ政府もメキシコ政府も米企業に損害賠償金をふんだくられました。
アメリカは訴訟大国で、投資と訴訟の法律をいじくって因縁を付けるのに長けています。日本企業がアメリカ政府を訴えても負けるが、アメリカ企業が日本政府を訴えると勝つのです。アメリカは自分の有利な条件下で勝負しようと狙っているのです。

この「ラチェット規定」や「ISD条項」を呑まされるのは「治外法権」になるということです。自国の基準で、自国の国民の意思で、自分の国の環境・衛生・福祉・安全、そういったものを守れなくなるのです。国家主権・国民主権が制限される、言いかえれば民主主義を動かなくすると言うのがグローバル化(アメリカ基準化)なのです。

★韓国の失敗に学ばなければいけないのに、何の報道・情報開示もなされません。TPPではISD条項が議論されています。TPPの実態は日米貿易交渉で、アメリカの狙いは関税などではなく、日本の法律・制度・ルールをアメリカに有利に変えさせることを狙ったものです。その交渉は政治力できまるのであって、圧倒的な力で押し切られるか、契約者がバカである場合は不利な契約を呑まされるのですよ。

というような中野剛志氏の主張です。そして日本はすでに99%負けている、もう、どうにもならないですな、と言っています……。

●『TPP亡国論』を緊急出版された憂国の志士、中野剛志氏が書かれた記事がありました。(中野氏が執筆されたのか編集者が書いたのかは不明ですが…)
『米国丸儲けの米韓FTAからなぜ日本は学ばないのか 』 「TPP亡国論」著者が最後の警告!
実りの秋、食べられる野生果実(その6)  ムベは古代の人々の甘味源のひとつ

●アケビやミツバアケビに少し遅れて、アケビ科のムベが熟してきました。とても美味しそうな色になっています。子供のころ秋になると学校の帰り道で、ムベをおやつ代わりに採ったものです。どこか郷愁をさそう野生果実であります。南あわじ市灘地区ではムベを「ヌメ」と呼んでいます。発音はよく似ていますから、地方名というほどではなくて、ムベが少しばかり転訛しただけかもしれません。ちなみに、アケビは「アクビ」と呼んでいます。

ムベの果実 2個成り
↑ムベの果実ですが、1本の果梗に2個の果実が成っています。

ムベの果実 1個成り
↑こちらは1本の果梗に1個の果実です。どちらかと言うと1個成りが多いようですが、2個成りもかなりあります。しばしば3個成りも出現します。4個成りがあるのかどうか?は私はまだ見たことがありません。

ムベの葉
↑ムベの葉です。ムベは別名をトキワアケビ(常葉あけび・常葉はときわと読む)と言うぐらいですから、常緑のつる植物です。真冬でも青々としていて、葉の表面には光沢があります。葉は掌状複葉で、小葉は6枚~9枚ぐらいが多いですが写真の個体を観察したら圧倒的に7枚がほとんどでした。複数枚も奇数枚もどちらも出現しています。個体によって差があるかも分かりません。
果実の収穫
↑大収穫であります。ちょうど採り頃です。ムベはアケビ類と異なり、果実が熟しても裂開しません。いつまでも閉じたままですが鳥類の大好物ですので、鳥が来て果実をつつき中身を食べてしまいます。ムベもアケビ類とおなじく鳥類が種子散布をしています。

●写真のものについて果実の長さと重量を測ってみました。採集地は南あわじ市大日ダム、採集日は本日10月26日です。2個体から適当に採取しました。

【1個成りのもの】    【2個成りのもの】
  長さ  重さ       長さ  重さ
① 7.3㎝  99g     ⑥ 6.7㎝  88g
② 7.0㎝ 104g     ⑦ 7.2㎝ 107g
③ 6.4㎝  98g     ⑧ 6.1㎝  86g
④ 6.5㎝  82g     ⑨ 6.5㎝ 114g
⑤ 7.2㎝ 139g

9個の平均は、果実の長さが6.77センチ、重さが101.9グラムでした。

ムベの果実の断面
↑ムベの果実を包丁で切ってみました。左側のものは果実を横切りにしたものです。右側のものは果実を縦切りにしたものです。果肉はごく薄い黄色っぽく種子がたくさんあります。果実を横切りにした感じはパッションフルーツ(果物時計草)になんとなく似ています。ムベの果肉はとても甘いものです。難点は種子が多いことです。

●甘みに飢えていた大昔の人々は、ムベ(アケビ類も)大歓迎したと思われます。砂糖の歴史は古く、奈良時代に日本に帰化した中国僧の鑑真(がんじん)が砂糖を日本に伝えました。しかし砂糖は長いあいだクスリであって庶民の口に入りませんでした。奈良・平安時代の甘味料は、「甘蔦煎・あまづらせん」で、ツタの蔓を切って出てくる汁を煮詰めたもので、古典文学にしばしば登場します。しかし、それとて極めて貴重品です。古代の人々が甘みを味わうには、天然のニホンミツバチの蜂蜜、米の加工品の飴や甘酒のようなもの、柿などの果物等しかなく、ムベが大歓迎されたことは想像に難くないです。

●しがない庶民がムベを大歓迎するだけでなく、高貴な人々も歓迎したらしく、平安中期に編纂された 『延喜式・えんぎしき』 という書物に、近江の国から、また諸国から宮中にムベを献上させたことが記載されています。

★ムベという野生果実には商品価値があるのかも??
本日10月27日朝に、南あわじ市灘から神代に帰る途中に立ち寄ったコンビニのファミリーマート北阿万店の店頭になんとムベを販売しているではありませんか! 店頭でムベを見たのははじめてです。プラスチックのパックに3個入れて100円でした。1個は33円。このコンビニ店には地元で獲れた野菜や果物をやたらと置いています。店主がコンビニというよりもスーパーマーケット的な営業政策を採っているようです。しばしば農家の人らしい人が来て商品の野菜を陳列していますが、店と契約している専属の農家の人が山で採ってきたムベを陳列したのではないか? 野趣があって面白いということなんでしょう。あいにくカメラを持っていなかったので写真が撮れなかった…。
カラスウリ属の果実が色づく
諭鶴羽山系にはウリ科カラスウリ属は3種自生しています。カラスウリ・オオカラスウリ・キカラスウリです。秋も深まりそれらの果実が見事に色づいたので観察しました。

カラスウリの果実
カラスウリの果実
↑この2枚の写真はカラスウリの果実です。K先生の『淡路島の植物誌』によれば、カラスウリは淡路島南部には沢山あるのですが、淡路島北部には全く見られないそうで、不思議な、興味深い分布を示しているそうです。

オオカラスウリ
↑これはオオカラスウリ(大烏瓜)で、カラスウリよりも果実が一回り大きいです。蔓も太くてたくましく、葉も大ぶりで深い切れ込みがあります。オオカラスウリの葉の表面はあまりざらざらしていません。
その根茎が生薬になる「オオカラスウリ」

●さて、カラスウリ類の果実の観察です。特に、果実の形状と重さに着目して調べてみました。
オオカラスウリと、キカラスウリ
↑ざるに盛ってあるもののうち左側の赤い3個はオオカラスウリです。右の黄色っぽい2個はキカラスウリです。キカラスウリの果実はしわが寄っていますが、これは9月の大雨で土砂崩れがあり、キカラスウリの蔓が切られたためです。切られた蔓上で果実が乾燥したのですが追熟的に黄色に色づきました。

カラスウリの果実
↑こちらのザル盛りは基本種のカラスウリです。写真ではザルの大きさを揃えスケールを同じにしました。見比べるとオオカラスウリやキカラスウリよりも、基本種のカラスウリのほうが果実が小さいことが分かります。

●カラスウリ類の果実の大きさ等を測ってみました。材料は全て南あわじ市灘で採取したものです。採取日は10月20日です。オオカラスウリは1個体のみ(果実3個)、キカラスウリも1個体のみ(果実2個)、カラスウリについては2個体から(果実15個)を採取しました。

果実の長さ(長径)・幅(短径)・重さ・幅を長さで除した数値(この数値が小さいほど果実の形状が長細く、1に近いと球状になります)を測りました。その結果は次の表の通りです。ただし、これはあくまでもザル盛りの写真のものを測定したものです。個体による差とか地域集団による差は当然あるものと思います。

カラスウリ類の果実の測定結果

★いちじるしい違いは、果実の形状と重量です。

【果実の短径/長径の平均値を見ると】
オオカラスウリ……0.8904 果実が丸くて球状にかなり近い。
カラスウリ…………0.7016 果実が全体的に長細いものが多い。
              個々の果実によりバラツキが大きい。
キカラスウリ………0.6649 果実が長細い。

【果実の重量の平均値をみると】
キカラスウリ………132.5g 果実がとても重い。
オオカラスウリ…… 96.0g 果実がまあまあ重い。
カラスウリ………… 32.8g 果実がとても軽い。

★なお、カラスウリの果実の平均の重さを算出するさい、異常値を示す16gを除外して計算しました。キカラスウリは皺がよるほど乾燥気味なので、生時にはさらに重量があると思われます。

TPP (環太平洋戦略的経済連携協定) の正体は何か?
TPPなるものの議論がかまびすしいですが、どこかおかしい…、という気がしています。で、調べてみました。

【ウィキペディア・フリー百科事典から引用】
環太平洋戦略的経済連携協定(かんたいへいようせんりゃくてきけいざいれんけいきょうてい、TPP、Trans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)は、加盟国の間で工業品、農業品を含む全品目の関税を撤廃し、政府調達(国や自治体による公共事業や物品・サービスの購入など)、知的財産権、労働規制、金融、医療サービスなどにおけるすべての非関税障壁を撤廃し自由化する協定。2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国が域外への経済的影響力を向上させることを戦略的な目的として発効し、運用している。環太平洋経済協定、環太平洋連携協定、環太平洋パートナーシップ協定ともいう。 現在、加盟国4カ国と加盟交渉国5カ国が、拡大交渉を行っている。
【引用終了】

●マスゴミ報道は、日本がTPPに参加しなければバスに乗り遅れるとか、世界から取り残されて孤児になるとか、これは平成の開国だいつまでも国を閉じているわけにはいかないのだ、と言わんばかりで、まるでいまだに鎖国でもしているかのような異常な論調をしています。
野田政権・官僚・政府側政治家・財界・マスゴミの圧倒的多数がTPP推進に回っています。慎重派・反対派は少数勢力ですが、調べてみると反対派の主張や批判に首肯できることが多く含まれています。

そもそも、これは形を変えた事実上のアメリカからの『年次改革要望書』であるのはほぼ間違いなさそうです。宗主国のアメリカが属国(ひらたく言えば植民地)の日本を支配し、日本の国益をさらにかすめ取ろうとするたくらみです。ただでさえ日本は、“絶対に返してくれないお金 = アメリカの国債” を官民で200兆円か?300兆円か?正確には誰もわからないほど買わされていると言われています。2006年に4か国で発足した “小国連合” に2010年になってアメリカが便乗する形で、あるいは主導権を奪い取る形で、日本を引きずり込んで何でもかんでも “アメリカの基準 = グローバルな世界の基準” を日本に押し付けて、巧妙に経済的収奪を画策しているものと考えられます。

●中野剛志氏が一番の論客のように思います。
中野剛志:TPPはトロイの木馬──関税自主権を失った日本は内側から滅びる
山田正彦(元農水大臣):TPPは農業だけの問題ではない! ── 日本は米国の51番目の州になる

●図表やグラフを作成してみました。
TPP参加国・参加交渉国のデータ
↑ウキィぺディアの各国の記述の中からGDPの数字を採り、表にしました。各国のGDPの数字はほとんどが2008年のものです。マレーシアとアメリカのMERレートのものが2007年です。日本は2010年のものです。

GDP(国内総生産)の各国比較といっても、それぞれ通貨が異なりますから本当の厳密な比較はできそうもありません。米ドルに換算して比較するにしても、換算方法が沢山あるようで、換算のしかたにより数値がかなり変わりそうです。
MERレート……為替市場で取引され決定される異種通貨の交換比率をもとにするもの。MERとは、Market Exchange Rate の略です。為替は刻一刻と動くのでやっかいです。
PPPレート……購買力平価をベースとする換算比率。PPPとは、Purchasing Power Parity Theory の略です。

ちなみに、日本のGDP(国内総生産)が、購買力平価ベースの計算では4兆3095億ドルなのに対して、為替市場ベースの計算では5兆4589億ドルと、26.7%大きく評価されています。これは円ドル相場で、投機的動きなどで日本経済が実態以上に円高にかつぎあげられていることを意味するのではないか?

TPP参加国・参加交渉国の比重グラフ
↑日本が引きずり込まれた暁には、なんのことはない、これはもうアメリカと日本の2国間協定ではないか! オーストラリアは若干の比重はありますが、小国8か国の比重はないも同然です。たとえるならば、池の中にシロナガスクジラが1頭いて、シャチが1頭、イルカも1頭、そしてサバかハマチぐらいの魚が8匹いる…、という感じであります。

中国も韓国もタイもインドネシアも参加しません。経済規模が1兆ドルを越えるカナダもメキシコも参加しません。ロシアも太平洋に面していますが参加などしません。太平洋をとりまく大国・中規模国が参加しないのだから、とても環太平洋などとは言えない代物だ! TPPに参加しないと世界から取り残されるだって? そんなアホな。世界はTPPなど相手にしていないのが実体じゃないか! この国の支配者たちは国賊や売国奴ばかりのようです。

淡路島は、今年は記録的多雨年になりそうです
本日は、2011年10月23日です。
昨日は、淡路島の代表的な気象観測施設である旧洲本測候所(特別地域気象観測所)で、本年の年降水量が1919年~2010年の92年の観測統計記録を塗り替えました。従来の記録は2004年の2323㎜でしたが、昨日10月22日の時点でそれを凌駕し、2356.0㎜となりました。
しかも、まだ2か月と1週間を残しています。例年、秋遅くから初冬には降水量は徐々に減少するものですが、可能性としてはまだ150㎜ぐらいの嵩上げはあると思います。最終的には洲本の年降水量は2500㎜ぐらいになるのではないか?

さて、簡単なグラフを2枚作りました。
年降水量の経年推移
↑洲本測候所の観測データから作成しました。一年間に降った降水の合計である「年降水量」の1919年~2011年の93年間分を棒グラフにしたものです。毎年バラツキが大きいです。93年間で最小値は1994年の805㎜です。最大値は今年2011年の2356㎜です。最大値は最小値の2.93倍あります。
このグラフをざあっと見て、とくに何らかの気候変動的な傾向があるようには見えません。降水量がどんどん増えるとか逆に減少しているとかはなさそうです。毎年の変動差はかなり大きいのですが、おおむね1000㎜~2000㎜の範囲に収まっています。が、ときどき下限1000㎜、上限2000㎜をはみ出しています。

ごく短い周期で(3~5年)で多雨と少雨を繰り返しているようにも見えますが、エルニーニョとラニーニャの繰り返しの遠い影響なのか?(全くの思いつきです)1000㎜の下限近くの年が頻出していますが、亜熱帯高気圧(太平洋高気圧)が強い年には、高気圧の中心軸が西日本にまで北上して6月~9月に日照りが続くことによるのではないか?(良く分かりませんが…)

100㎜幅の度数分布
↑93個の年降水量のデータを、100㎜幅で区切って、度数分布のグラフにしました。左右対称・釣鐘状のきれいな正規分布になるだろうと思ったのですが、そうでもなさそうです。データの個数が足りないのかもしれませんが、1000㎜台から1700㎜台にかけては均等に分布しているようにも見えます。
淡路島は兵庫県のため池の約半数がありますが、年間雨量が1100㎜台以下(17回あります)では渇水とか旱魃が発生しているような印象があります。2000㎜超が9回ありますが、おそらく降水日数が特別に増えたのではなく、200㎜とかの大雨があって数字がドンと嵩上げしているだけなのでは? という気が致します。

旧洲本測候所の「年降水量」の観測史上最大値を更新!
本日は10月22日です。つい1週間前にまとまった雨量がありましたが、またまた可なりの大雨です。今年は諭鶴羽山系は大雨の狙い撃ちです。
昨日の深夜からポツポツと降り出して早朝まで続き、夜が明けてからいったん止んでいましたが、昼過ぎから再び降り出し、夕方には土砂降りです。夕方5時前には南あわじ市灘地野で県道が通行止めになりました。今回の雨は諭鶴羽山周辺で猛烈に降りました。諭鶴羽ダムで14時から17時にかけての毎正時の雨量が、23㎜、67㎜、43㎜、37㎜、と4時間で170㎜の降雨でした。

●旧洲本測候所での今年の初めからの積算雨量は、なんと現在2355.5㎜に達しました。1919年~2010年の観測期間の年降水量の最大値2323㎜(2004年)を本日更新しています。

●10月21日21時から22日20時までの積算雨量(事実上の24時間雨量)は次の通りです。

仁  井    86㎜   成相ダム   欠測か?
郡家気象    84㎜   北富士ダム  欠測か?
都  志    68㎜   大日ダム   209㎜   
志  筑   116㎜   牛内ダム   186㎜   
洲  本   173㎜   分 水 堰   219㎜    
洲本気象   195㎜   諭鶴羽ダム  226㎜  
帰  守    83㎜   諭鶴羽山   215㎜  
由  良    55㎜   阿  万   112㎜   
相  川    48㎜   灘 土生   168㎜   
沼  島    79㎜

●降水量のデータを閲覧するのは次のサイトです。
国土交通省 『リアルタイム川の防災情報』 観測所選択 (兵庫県淡路島)
気象庁HP アメダス(表形式)淡路島には郡家・洲本・南淡の3か所のアメダス観測所があります。

3時間降水量の日最大値
↑気象庁HPから、3時間雨量の全国ランキングです。旧洲本測候所が1400か所のアメダスのなかで堂々の第1位になりました。非常に珍しいことです。

1時間降水量の日最大値
↑気象庁HPから、1時間雨量も堂々の1位に躍り出ています。なんとアメダス南淡(阿万青年の家前です)も6位に食い込んでいます。
地球温暖化を裏付ける「指標植物」はあるのだろうか?(その2)
下にリンクした新聞社の記事等では、ヤシ科の「シュロ」が温暖化の象徴だとしています。記事をよめば温暖化と表現している言葉は、明らかにグローバルな地球温暖化を指しています。つまりこの記事ではシュロという植物を地球温暖化の “指標植物” にしているのです。しかしあまり説得力のある記事ではありません。シュロはたんにヒートアイランド現象を指標しただけなのです。東京のシュロの繁茂は “局所的な都市温暖化” の指標にはなっても、グローバルな地球温暖化の指標にはなっていないのです。

47NEWS(よんななニュース)サイトから 『都会に茂る亜熱帯の木  シュロは温暖化の象徴』 (東京新聞) 

【引用開始】
シイ、マツ、コナラ、ケヤキ…。武蔵野の面影をしのばせる風景が続く。しばらく歩くと突然、南国ムードに変わる。シュロの群生だ。亜熱帯性の樹木が、大都市・東京の真ん中で大きく葉を茂らせている。
 「シュロは目に見える地球温暖化の象徴。ここには直径10センチ以上の木が12000本あるけど、そのうち1800本を占める。10年後は倍増するでしょう」。東京都港区の国立科学博物館付属自然教育園は、町中で自然散策が楽しめる人気スポット。園内の植生を研究する萩原信介植物生態学研究主幹は、1970年代を境に急増するシュロに注目してきた。
 ヤシ科の中では耐寒性の高いシュロは、東北地方でも栽培できる。だが、冬も休まず光合成をするため、茎の一部が凍り、土からの水が葉に来なくなると、成木は大丈夫でも茎が細い芽生えは容易に死んでしまう。だから、昔はシュロがあまり増えず、園内にも自生していなかった。
 それが、今なぜ。「このグラフを見て」。萩原主幹が指さすパソコンの画面には、東京、ニューヨーク、パリの1900―2000年の平均気温の変化が。100年間で世界の平均は0.8度近く上がったが、パリは1度、ニューヨークは1.6度、東京は3度も上昇した。「冬だけみれば東京はプラス6度。人口密度が高くて、車も冷暖房も多い。大都会は地球温暖化を先取りしている」
 環境異変を体現するシュロの急増だが、自然は大事な役割も与えた。冬の光合成能力による年間を通じた二酸化炭素の吸収だ。「今の大都市生態系を考えると、最強のピンチヒッターです」と萩原主幹は話す。(東京新聞、文・写真、栃尾敏)
【引用終了】 (なお、漢数字をアラビア数字に直しました)

変貌してきた白金の森(国立科学博物館・付属自然教育園)
↑ここが新聞記事の取材元だと思われます。

●なんともお粗末な記事であります。 “都市気候(ヒートアイランド現象)” と “地球温暖化” とを同一視し混同しています。おそらく読者をイメージ操作しようとして意図的に混同して報道しているのかもわかりません。いやしくも歴とした研究者が、ヒートアイランド現象による都市温暖化の影響を、「地球温暖化の象徴」だなどと、その因果を簡単に結びつけてしまうことに唖然とさせられます。典型的な「演繹主義」の行き過ぎです。地球温暖化が進行していてその影響が随所に出ているハズだ、という前提にとらわれているから、その影響を捜すと「あったぞ! それはシュロなのだ!」という主張です。素人が言うならばともかくも、自然科学の研究者が演繹主義をやったら研究者の値打ちがありません。

東京の冬の気温が上昇したから、耐寒性のとぼしいシュロの芽生えが枯れずに生き残り、それがやがて大きく育ったとする調査・研究は、ヒートアイランド現象による都市昇温化の影響評価としてはまことに結構な研究だと思います。しかし記事を見れば知りきった上でやっていますから、相当タチが悪いです。「世界は0.8度上がったが東京は3度も上がった」などと書いていますから分かってイメージ操作記事をやっています。「大都市は地球温暖化を先取りしている」というのはまさにイメージ操作そのものです。読者に対して、やがて世界は3度も6度も温暖化して灼熱地獄になるのですよと思わさせることを狙った記事なのです。

ほんとは、東京という大都会がなぜ世界よりも突出して気温が上がっているのか? それを取材してほしいものです。都会の気温上昇の実態とか、気温上昇の要因やメカニズム、気温上昇にたいして打つ手はあるのか、などを取材して記事にすればその新聞社の値打ちはあがります。政府・環境省・経済産業省の走狗になってイメージ記事や煽り記事ばかり書いていると新聞社は読者に見放されるでしょう。研究者たちも研究費の流れてくる源流の政治的意向に逆らえないという事情もありましょうが、情けないなと思います。

    ………………………………………………………………

●都会が著しい昇温化に見舞われているのは全くの事実であります。しかしながら、それはグローバルな地球温暖化とは発現機構が異なる現象です。次に示す資料や図表を先入観なしに真直ぐに見れば、よく理解できます。

高知県南国市のヒートアイランドと形成要因
↑この論文を読めば、都市の昇温化は大都市や中都市だけでなく人口数万人の田舎町にまで及んでいることがわかります。市街地と郊外の気温差であらわされる “ヒートアイランド強度” は冬に特に強くなることが報告されています。この調査ではヒートアイランド強度は最大4.0度にも達したそうです。都会の冬が暖かくなるということを裏付けています。しかし、それは局所的な現象で地球温暖化とは別の要因が働いています。

日本気象学会機関誌 『天気』所収の都市気候(ヒートアイランド)に関する論文群。
↑日本気象学会の機関誌『天気』はネットで直近の新しい号以外は無料閲覧できます。いかに政治的背景があろうとも、さすがに気象学の専門家たちは東京の3度もの(冬は6度もの)気温上昇を地球温暖化のせいだなどとは全く言っていないのです。また、そう言えないのです。素人でも読める範囲であれこれ読んでみたら、自動車や工場などから顕熱の排出の増加だとか、ビルの高層化による天空率の増加が放射冷却を弱めているとか、コンクリートやアスファルトの蓄熱作用であるとか、煤煙層が都市上空に出来て影響するとか、露地や植生が減って水分の蒸発量の減少が潜熱輸送(せんねつゆそう)を弱めるとか…、たくさんの理由や要因を挙げて論じています。

新聞記者やシュロの研究者は、このような論文やレポートを良く読んで、都市気候についてしっかりと学ぶ必要があります。(新聞社や研究者たちは、実はそんなことは知り切っているのです。しかし政治的な背景があるので、イメージ操作的な煽り主張をせざるを得ない気の毒な立場にあるのです)

●さて、次に示す3枚の気温のグラフは、東北大学名誉教授の近藤純正先生(気象学)のHPから引用させていただきました。
近藤純正氏ホームページ
図の引用元のページ 『都市化と放射冷却』

東京の「年最低気温」の経年変化
↑東京の「年最低気温」の経年変化のグラフです。東京の冬の気温上昇がいちじるしいです。明治や大正期には-8℃とか-9℃が出現していますが、1989年以降は氷点下にならない冬が4回もあります。1989年が0.9℃、1993年が0.7℃、2004年と2007年が0.2℃です。青い実線で示される5年平均では、この100年余りに-7℃から-1℃へと6度上昇しています。近年では氷点下にならない冬が出現するのだから、耐寒性のない亜熱帯の植物が越冬するのはしごく当たり前のことです。
(ちなみにこの20年は東京の年最低気温の上昇は止まっています)

石廊崎の「年最低気温」の経年変化
↑これは伊豆半島の先端の石廊崎です。ヒートアイランド現象など無縁の観測所です。ほとんど冬の気温上昇がないように思われます。東京のグラフと比べると、東京の冬の気温上昇が都市の大膨張によるものであることが、強く推認できます。

室戸岬の「年最低気温」の経年変化
↑これは高知県の室戸測候所のデータです。ここも室戸岬の先端近くの海抜180mほどの山中で、ヒートアイランド現象など無縁のところです。ヒートアイランド現象の影響を受けていない観測所では、このように冬の気温上昇はあまりありません。もしあったとしても気温上昇は緩慢です。こういうデータを比較すると東京がいかに異常な “都市温暖化” に見舞われているのかが分かります。

なお、注目すべきことは室戸測候所では観測史上の最低気温は、1981年の-6.6℃です。1940代~1970年代にかけて世界的な気温低下が観測されました。若い方はご存じないでしょうけれども、そのころ「氷河期が来るぞ!」と懸念されていました。日本では故根本順吉という気象学者が先頭に立って氷河期襲来説を唱えていました。その舌の根が乾かぬうちに地球温暖化説に豹変したのです。 (学者というものは豹変するのです)その世界的な気温低下の最後のダメ押しが1981年の冬で、西日本を中心に史上最低気温を観測する気象官署が続出しました。淡路島の洲本測候所でも観測史上の最低気温記録の-6.0℃は1981年です。

(拙稿は続きます)
地球温暖化を裏付ける「指標植物」はあるのだろうか?(その1)
●メキシコの乾燥地帯などが故郷のサボテン(おそらくウチワサボテンか?)が、淡路島の海岸などあちこちで野生化しています。観賞用として庭に植えられたものが逸出しているようです。淡路島は瀬戸内海気候で日本国内では比較的に少雨ではありますが、メキシコ等のサボテンの原産地と比べたらかなり湿潤多雨な気候のハズです…。

マスコミは、亜熱帯の植物が東京の戸外で越冬し繁茂したのを見つけて “地球温暖化を裏付ける証拠だ!” と数年前よく騒いでいました。では、乾燥地帯が原産地のサボテンが淡路島各地で野生化して良く育っているのを見て、マスコミは淡路島が大変だ! “地球乾燥化” で淡路砂漠になるぞ、と言うのであろうか? 

そもそも植物の生育状況とか、分布の変化が、本当に気候変動の “指標=ものさし” に成り得るであろうか? 確かに「指標生物」とか「指標植物」とかいう用語はあります。たとえば、本州の川に棲む渓流魚のイワナは水温の低い源流域~上流域に分布し、ヤマメはイワナの分布域よりも水温の高くなる少し下流側に生息して、見事に棲み分けています。(安易な放流が分布を撹乱している面がありますが)で、川のその場所に生息しているのがイワナかヤマメか調べれば、そこが川の上流なのか中流なのか水温はどの程度かおおよその見当がつきます。つまり “指標=ものさし” になるのです。

もう一例挙げますと、登山のさいに高度計などなくても植生の変化(とくに樹木)を観察すれば現在地の海抜がほぼ見当がつきます。淡路島から日帰り圏の山の、四国東部の剣山系を登ったとします。シイの木が見えなくなったら600mです。ブナが見え出すと800m、ウラジロモミが出てくると1000m。特定の場所ですが、ダケカンバの変種のアカカンバが出現すると1300mほど、コメツガが出たら1500m、シラビソ見え出したら1700m越え…、などです。ただし登るルートで若干異なるのと、山の南斜面か北斜面かでも変わります。が、登る道すがら樹木の種類の変化がおおよその海抜高度の指標になるのです。

●水質汚濁とか、大気汚染の指標生物はたくさんあります。そういう方面の研究分野では膨大なレポートや論文が存在しています。本エントリーではそんな指標生物(生物指標)という考え方や調査手法・解析方法などを否定しようというのでは決してございません。マスコミが地球温暖化の証拠だと報道する内容に、あまり説得力が感じられないのです。そこで、地球温暖化の指標植物であるための条件について考察したいと思います。(あくまで素人考察であります)

フリー百科事典 Wikipedia 「指標生物」

サボテンの野生化
↑これは洲本市上灘海岸の中津川で写真を撮りました。海岸県道の擁壁の上にありました。多分ウチワサボテンか? このサボテンは根元はかなり太くなっています。しかし道路沿いなので何回も刈られているにちがいありません。刈られては芽を出し、芽を出しては刈られということを繰り返していると思われます。それで根元が円柱状で太いのに草丈が低いです。付近には人家がなく、このサボテンがどういう経緯でここに来たのかは不明ですが、とにかく野生化して良く生育しています。
野生化したサボテン
↑こちらは南あわじ市阿万吹上です。道路沿いのネザサの藪のなかでサボテンがよく育っています。これもどこから来たのか分かりませんが、相当前からあります。野生化してどんどん殖えているように見えます。種子が出来るのか?観察していませんが、付近には10㎝ぐらいの小さな個体が沢山あります。

岡山理科大学 植物生態研究室(波田研)のHPから 「ウチワサボテン」

●このように淡路島の随所で、ウチワサボテンと思われるものが野生化して繁茂しています。では、このサボテンが野生化しているから、淡路島がメキシコあたりの原産地の気候へと気候変動しつつあるのだろうか? 徐々に乾燥化するとか…、雨季と乾季にくっきりと分かれるとか…、そんなことはありえません。
念のためサボテンの原産地の気候を調べてみました。ほとんどがスッテップ気候かサバナ気候の所です。要するに、乾燥がいちじるしくて、雨季と乾季があります。雨季には多少は雨が降ります。乾燥地帯といっても砂漠でありません。淡路島とはかなり異質な気候のようです。
異質な気候のところの植物が野生化したからといっても、別に気候変動したわけではありません。ウチワサボテンについて言えば、乾燥地帯出身の植物でありますが、雨の多い気候の場所でも生育が可能な特性を持つにすぎないのであります。

(本稿は続きます)


最も利用価値の高い身近な野草 「クズ」
クズは身近でありふれた蔓植物です。諭鶴羽山系の山中でも人家近くでも、どこにでもあります。山林の林縁にも谷川の土手にも耕作放棄した田畑にも、至る所にあります。いにしえより万葉集など和歌にも詠われ秋の七草の一つです。とても知名度の高い蔓草ですから、田舎ではクズを見たことがないという人は多分いないでしょう。

クズの花
↑クズの花です。フジの花のようにふさふさとなっています。フジ(藤)の花序は上から下に垂れ下がるのですが、クズの花序は逆に下から上へと立ち上がります。写真は10月の初めごろのものでほぼ最終の花です。諭鶴羽山系でのクズの花期は8月上旬~10月上旬ぐらいです。

若い豆果
↑10月の初めごろになると8月に咲いた早い花はすでに果実(豆果)になっています。ご覧の通り「さや」には粗い毛が沢山あります。さやには種子が10個ぐらい入っています。9月下旬~10月上旬ごろには既に果実ができている半面、遅い花はまだ残っていますから両方が観察できます。

クズがマント状になって繁茂する
↑クズは他樹に巻きついて這い上り、樹冠を覆うように枝葉を展開します。そのため覆い尽くされた樹木等は日光をさえぎられて時には枯らされます。諭鶴羽山系のあちこちで観察すると、樹高20mの木の上にまでクズが這い上っています。森林が生長すると林床に日光が射さずに耐陰性の弱い草本類は消えていきますが、クズは林冠の上まで這い上ることにより、生き残ろうとしています。しかし、クズの老成した個体はあっても足元に後継の若い個体はありません。したがいまして今後森林がさらに生長するにつれて、クズも減っていくと思われます。

クズの根元は木質化する
↑クズは多年生草本に分類されるつる草ですが、老成したものは茎が木質化して木のようになります。こちらのものは、地面から1mの部分で茎の周囲が39㎝ありました。このクズは耕作放棄したミカン園跡に生じたものです。ここのミカン園は放棄されて30年近くになります。よって、このクズの樹齢(草齢というべきか?)は30年かそれに近いのでは? と思うのですが正確には分かりません。木質化した蔓草の茎でもフジならば年輪ができますが、クズはどうなんでしょうか? クズの茎に年輪があるかどうか調べてみます…。

茎の周囲が45㎝ある
↑こちらのものは、生え際から1mの部分で茎の周囲がご覧の通り45㎝です。山中で30個体ほど調べた中では最大でしたが、茎の周囲が35㎝~40㎝程度のものはざらにあります。よく捜せば50㎝超などという太いものもあるのかもしれませんが、多分45㎝あたりが生長の限界で、限界に達したものはその個体の寿命を終え枯れるのではないか? と直感しています。

   ………………………………………………………………

●さて、クズという植物はとても利用価値の高い植物です。今でこそクズは単なる雑草、それどころか場合によっては害草扱いですが、クズの価値を列挙してみましょう。クズの価値を再認識したいものです。

1、クズは食糧の足しになります。江戸時代には太陽活動の低下が起こり(マウンダー極小期)、小氷期と呼ばれる気温低下が起こりました。そして波状的に発生する飢饉(天明・天保・宝暦の3大飢饉)に人々は苦しめられました。人々はクズの根から採った澱粉で「葛切り」や「葛餅」などの主食代用食品を作り命をつなぎました。
吉野・大峰フィールドノート様の 『吉野葛をつくる』
奈良吉野山、中井春風堂様の 『葛切りの作り方』(YouTube動画)

2、クズから布が作れます。クズの蔓から葛苧(くずお)という白い綺麗な繊維を採取して、布を織ることができます。昔は葛布(くずふ・かっぷ)で武士の衣装等が作られました。またその繊維でロープも作ることができます。それからクズの蔓で籠も編めます。
掛川手織葛布(かけがわておりくずふ)組合様のHP 『葛布になるまで…、クズの繊維の採り方』
大井川葛布様の公式HP 『葛布タオル・小物・お召し物の葛布製品の数々』

3、クズは生薬になります。クズの根を掘り採って乾燥させたものが「葛根・かっこん」という生薬です。漢方薬の「葛根湯・かっこんとう」に配合する主薬です。
イー薬草・ドット・コム様の 『クズ(マメ科クズ属)』

4、クズは緑化に使えます。かつて鳥取大学名誉教授の遠山正瑛氏が黄河流域の砂漠地帯の緑化に挑戦して、クズの種子をまいたのは有名な話です。しかし芽を出して育ちかけたクズが放牧のヒツジに食べられて全滅…。一方、ヒィリピンのピナトゥボ火山の噴火被害地ではクズ緑化が成功しました。クズはマメ科なので空中窒素固定菌と共生し、肥料分の少ない痩せ地でも良く育ちます。
NPO法人 GFNP様のHP 『クズが地球を緑にする!』(リンク先のページの第2章、IKGSを支えたボランティアの記録1993年~1997年、です)
★ただし、家畜の飼料用として、またルーズベルト大統領のニューディール政策で乾燥地の緑化用として、クズが導入されたアメリカでは、その後クズが繁茂しすぎて害草化し社会問題となったようです。

5、クズの葉は家畜にとって栄養価が高くかつては上等な飼料でした。
社団法人岡山県畜産協会様のHP 『復刻版・岡山畜産便り 第3号記事 家畜飼料用クズの栽培』 

6、クズは秋の七草の一つであり、万葉集にクズを詠んだ歌が21首もあります。古典文学には随所に顔を出す植物です。(ちなみに、わたくし山のキノコは文学部国文学科の卒業生で古典文学を学びました)クズの裏風、クズの裏葉、クズの下風、クズの葉の恨み、など古人独特の風流な表現がたくさんあります。クズの花は葉の蔭で咲くことが多く、その葉は乾燥がいちじるしいとネムノキの葉のように閉じる性質があります。恥じらうかのように葉をたたんで白い裏側を見せるのですが、そんなところが奥ゆかしさを重んじる我が国民の美意識にマッチした植物です。クズと言う植物がわれわれ日本人の感性や抒情性を涵養するのにたいへん貢献しています。
ジェヴォンズ経済学で “破局“ を回避できるかも?
ジェヴォンズというのは19世紀のイギリスの経済学者です。
Wikipediaフリー百科事典より 『ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ』
彼は1865年に著わした『石炭問題』(The Coal Question、邦訳なし)の中で、英国の石炭供給が徐々に枯渇しつつあることに対して警鐘を鳴らしました。そして、“石炭の燃焼効率の改善などの技術革新” により問題が解決されるわけではなく、逆に、技術革新が石炭消費を促進し枯渇を早めてしまうと主張ししました。つまり、予想とは全く逆のパラドックス(逆説)が起こるというのです…。

これは “ジェヴォンズのパラドックス” という言葉でよく知られています。

100年以上も前に、日本では明治維新(1867年)のころに、そんな主張をした経済学者がいたとは驚きです。全く現代の状況を予言するような卓見です。残念ながら『石炭問題』は邦訳がありません。アマゾンで原書を手に入れて読むのはちょっとしんどいので、次の論文で概略を知ることができます。
上宮智之 2001 「W. S. ジェヴォンズ『石炭問題』における経済理論」
↑上宮智之先生は経済学史を専攻する若い研究者(30代前半か?)のようです。この論文は博士課程前期の頃に執筆されたと推定できます。とても為になる論文です。『石炭問題』の概略について紹介しています。

●当時、英国では石炭枯渇が大きな問題となっていました。石炭使用にかんして、蒸気機関など機械を改良して効率化・節約化をすれば、この石炭枯渇問題を解決できるという見方がありました。しかしジェボンズは、2つの点からこれを否定しました。

1、技術改良は、改善の余地が徐々になくなる。やがて全くなくなる。

2、もし効率的・節約的に機械が改良されたならば → 生産費が減少
 して利潤が増える → 新規参入者が増える → 産業が肥大化する
  → あらゆる産業は関連している。ある1つの産業の拡大は全ての
 産業の拡大を招く → その結果、石炭消費量が増加するであろう。

●現代の状況について例をあげて考えてみましょう。ジェボンズの言っていることが良く理解できます。

旧式エアコンが電力を沢山食って電気代が高くて困る…。電力消費量を減らすために性能の良いエアコンができないものか? で、技術者たちが研究に研究を重ねて性能のいいエアコンを開発した…。電力消費量が半分の新型エアコンが完成! さて、これで社会全体の電力消費量は減らせるか? ですが、全く逆になります。

まず、性能のいい新型エアコンは電気代が僅か半分です。しかも電器メーカーが熾烈な競争をするから価格も安くなりました。すると各家庭では2台目を買おうとなります。3台目も欲しいな、やがて各部屋には全部新型エアコンをつけることになります。電気代も安いからついエアコンを付けっ放しにしてしまいます…。結局、家庭でも社会全体でも電力消費量は増加します。新型エアコンの需要もふえますから、新規の電器メーカーが参入して生産量が増えます。エアコン製造業界の肥大化です。

つまり性能の悪くて値段も高い旧式エアコンのほうが、電力消費量が少なかったのです。電力消費量を減らそうとして技術改良を行いましたが、その技術改良が逆に電力消費量を増やすという “パラドックス” が起こるのです…。

●トヨタ自動車の看板車 “プリウス” がいくら増えても社会全体のガソリン消費量は減らせない…。のです。たしかにプリウスの燃費は素晴らしいです。けれども燃料消費量が少なくて済むというのは、ガソリン代が気にならないということであり、つい用もないのに走り回る…。走行距離は増えてしまう、結局ガソリン消費の絶対量は減らせません。それと、たとえガソリン消費というランニングコストが低くても、プリウスの製造段階でのエネルギー投入というイニシャルコストが高いという問題もあります。

せっかくプリウスを購入しても日曜ドライバーであまり乗らなければ、エネルギー削減効果(ハイブリッド効果とでも言おうか?)はありません。プリウスと同クラスの非ハイブリッド車を比較して、プリウスの方がエネルギー消費が少ないと言えるのは、私の試算したところ走行距離が3万キロを越えてからです。それはプリウスは構造が複雑だったり電気モーターやバッテリーとか余計な物を沢山搭載しなければならないから、部品製造や組み立て段階で沢山のエネルギーが投入されるからです。

結局、プリウスが同クラスの非ハイブリッドカーと比べて、総合的な(つまりライフ・サイクル・アセスメントの手法による評価で)エネルギー消費が少なくエコであると言うためには、どんどんと走り回らなければならないという “パラドックス” が生じてしまいます。どんどん走り回った上でという条件下では、非ハイブリッド車と比べるとエコであるというだけです。(本当のエコは、車を買わない使わない、です。できるだけ公共交通機関を利用するとか、自転車で行く、歩く、であることは論を待ちません)

日本のエネルギー消費の推移
↑の図の出典は、経済産業省・資源エネルギー庁HP 「日本のエネルギー事情」から

大企業の走狗の経済産業省のHPはなにも隠していない…。
ちょっと見にくい図なので、資源エネルギー庁のHPを直接見る方がいいです。赤の実線は国内総生産(GDP)の伸びです。青・黄・赤の網掛け部分は、部門別のエネルギー消費の推移です。この図から2つの重要なことが読み取れます。

1、1973年の第一次オイルショックから1990年まで国内総生産が約2倍に成長しています。ところが、エネルギー消費は目分量で読み取って2~3割の増加しかありません。このことは産業部門を中心にして強力な省エネが推進されたことを雄弁に物語っています。

2、しかしながら、1990年以降はエネルギー消費と国内総生産とは全く平行で連動しています。完全に一致しています。これは省エネ技術での、改善余地がほとんどなくなったことを物語っています。また、いくらエコ家電だ、エコカーだ、と官民あげて取り組んでもエネルギー消費を減らせないことを示唆しています。エコだ環境だと騒ぎだして20年ぐらいか? その間日本のエネルギー消費を減らせたであろうか? この図の意味するところを謙虚に読み取る必要があります。

●本当にエネルギー消費を削減し、ゴミをへらし、色々な環境負荷を減らそうと思うのならば世の中を不況にするしかありません。贅沢を慎みほどほどに暮し、質素倹約につとめるしかないのです。環境技術を磨きエコ商品を普及させると環境にもいいし経済成長できるんだ、などと蒙説を言う主流派経済学者たちは間違っていると思います。そもそも「環境」と「経済成長」は相反するものなのです。税金や補助金を流し込んで公共投資など無理やりに需要を創出するケインズ経済学はもう時代遅れです。歴史の波間に消えていった19世紀のジェヴォンズ経済学を再評価する時期が来ているのです……。
また大雨です。旧洲本測候所の年降水量の記録更新なるか?
●10月15日午前0時過ぎです。淡路島は結構まとまった雨になっています。ついこの間、志筑などで甚大な被害がありましたが、洪水にならないようにお祈りしています。
次の数字の羅列は、10月14日09時 ~ 10月14日24時の積算雨量です。まだ降り続いていますので、雨が止んだ時点で()内に最終的な降水量を記入いたします。単位は㎜です。
最終的には15日24時に降り止みました。

●旧洲本測候所での今年の初めからの積算雨量は、現在2158㎜に達しています。1919年~2010年の観測期間の年降水量の最大値2323㎜(2004年)を更新する可能性が出てまいりました。あと165㎜です。残余期間は2か月半…。(ちなみに平年値は10月下旬が26㎜、11月が92㎜、12月が58㎜、計176㎜です)

仁  井  132(140)    成相ダム    94(111)
郡家気象   84( 92)    北富士ダム  129(150)
都  志   95(104)     大日ダム   104(121)
志  筑   83( 94)    牛内ダム   100(120)
洲  本  113(130)    分 水 堰    118(143)
洲本気象  130(155)    諭鶴羽ダム  120(141)
帰  守   98(108)    諭鶴羽山   127(155)
由  良   71(108)    阿  万   99(115)
相  川   73(106)    灘 土生   80(106)
沼  島   81(108)

●降水量のデータを閲覧するのは次のサイトです。
国土交通省 『リアルタイム川の防災情報』 観測所選択 (兵庫県淡路島)
気象庁HP アメダス(表形式)淡路島には郡家・洲本・南淡の3か所のアメダス観測所があります。
今年も、天然マイタケが大発生
以下3葉の写真は10月12日に撮りました。これが照葉樹林帯のマイタケです。北の地方では普通深山のミズナラに発生するマイタケですが、南の地方ではシイの木に発生します。淡路島の諭鶴羽山系は500m~600mのピークが10座ほどが東西15㎞に連なる浅い山塊です。あまり深山と言えるほどの山ではありません。山系全体にシイの木はありますから、点々とマイタケが発生するのですが、意外に人家の近くでも出てきます。
諭鶴羽山系ではマイタケはシイの他にも、サクラとアカガシに発生しています。他地方でよく出るとされるミズナラの木は山の標高が足らないので当地には分布していません。クリにも出るとされますがクリの大木自体がありません。

マイタケ
↑マイタケの菌糸はシイの木の材の部分に蔓延しているのであろうと思いますが、子実体(きのこ)はシイの木の根際から出てきます。シイの木そのものではなく地面から出てくるように見えます。

マイタケ
↑たけのこみたいにボコボコと沢山出ました。この木には大きいものや小さいもの合わせて20個近く出ました。大きなものは2㎏ぐらいです。今年はこの木はマイタケがよく発生したので、来年はほとんど出ないか、出ても少しでしょう。毎年、大量に出るわけではないのです。出ない年もあります。したがいまして、毎年秋に天然マイタケの収穫を得ようとするならば、マイタケの発生する木を何本か見つけておく必要があります。

マイタケ
↑これは小さな子実体です。小さなものは採らずに置いておきます。胞子を散布させると別の木がマイタケ菌に感染する可能性があります。
実りの秋、食べられる野生果実(その5)        ――クリは縄文時代の人々の主食のひとつ――
野生クリ
↑諭鶴羽山系のあちらこちらで野生のクリが稔っています。山系の南斜面にもありますが、どちらかと言うと北斜面の方が沢山自生しています。クリの栽培は古く、青森県の縄文前期~中期の三内丸山遺跡ではクリが栽培されていたことは良く知られています。大昔からヒトは野生クリを採集し、野生クリから形質のいいものを選抜して栽培しましたが、そんなクリの栽培化の歴史に思いを馳せながら、籠をもってクリを拾いに行きましょう。
クリを「野生果実」という範疇に入れるのは少し違和感があるのですが、果実であろうと堅果という種子そのものであろうと、自然の恵みには相違はありません。野生クリ(シバグリ)の中にも大きな実の系統の木がありますからそのようなものを捜しましょう。

野生クリは大小不揃い
↑野生のクリはその堅果の大きさが極端に不揃いです。その木により、個体により、クヌギのどんぐり程度の小さいものもあれば、栽培種に遜色がないほど立派な大きなものもあります。遺伝的な多様性に富むため、粒ぞろいという訳にはいきませんが、庶民が食べるには粒ぞろいである必要はありません。クリは皮むきが大変です。その方法は色々ありますが、特別な道具なしで出来る推奨法は次です。
 
1.鬼皮クリを熱湯で2分加熱すると鬼皮が軟らかくなります。
2.クリの鬼皮を出刃庖丁で剥きます。根気よく心を込めて鬼皮を剥
  き、渋皮クリにします。
3.渋皮クリを多めの油を引いたフライパンで炒めます。この時、
  渋皮には切れ目を入れておきます。炒める時間は渋皮の色が変
  わる程度です。
4.そうすると、渋皮がパリッとしてすぐに剥けます。
5.鬼皮・渋皮がめでたく剥けたら、あとはクリご飯にでも炊けばよ
  ろしい。
6.クリの分量等で要領は変わります。各自、試行錯誤です。失敗を
  積むほどに上手くなります。

クリの皮剥きの裏ワザ特集
↑かなり参考になるサイトではあります。しかし弱点は、「~そうです」「~という」と伝聞推定ばかり。なにごとも追観察、追試験、追実験、追考証、の検証作業は必要であろうかと思います…。つまり、うのみにしてはいけません。疑ってかかるのです。たとえ、どんなに偉い先生が言ったことであっても、ウソがないか?と疑うのは絶対に必要な姿勢なのです。

●野生クリは粒の不揃いだけでなく、その堅果の熟する時期も1か月も2か月も早晩があります。自然状態で早生も晩生もあるのです。良く観察いたしますと、8月下旬にすでに「いが」が割れて栗色の堅果が顔を出していたものもあります。逆に10月中旬に入っても「いが」が青く堅くて割れる気配の全くない木もあります。

遺伝的な多様性を持つことは自然界でその種を存続させるためには、不可欠なことのようです。かつてマツクイムシ(マツノザイセンチュウ)が猛威をふるってマツが絶滅するのでは?と思われるほどでした。しかしマツノザイセンチュウに抵抗性のある系統が見つかっていることから分かるように、遺伝的多様性があれば生き残る個体が必ずあるようです。クリも一時クリタマバチが猛威をふるい、クリが絶滅するのではないかと危惧されましたが、別にどうと言うことはありませんでした。

   ……………………………………………………………………

●ところで話題が少し発展しますが、近年、林野庁やマスコミがマツ枯れに似た現象の「ナラ枯れ」をよく問題にしています。ナラ枯れはカシノナガキクイムシが媒介するナラ菌が原因ですが、被害木はほとんど樹齢が50年以上の中径木や大径木ばかりです。幼齢木はあまりやられません。ということは、ナラ枯れが広がる背景には、昭和30年代の燃料革命以降50年間薪炭用に山の木をあまり切らなくなったことが厳然としてあるハズです。マスゴミの報道のタチの悪さは、なんでもかんでも地球温暖化の影響だなどと短絡的に報道することです。
そもそもカシノナガキクイムシは全国一様に分布するのではなく、生息しない県も沢山あります。(淡路島ではナラ枯れは報告されていないので分布していないと思われます)ナラ枯れの分布を見ると地球温暖化など関係ないのは明白です。最近の報道の劣化は目にあまります。

↓の図は独立行政法人・森林総合研究所のHPからです。ナラ枯れの発生市町村の分布図です。とても不思議な分布図です。ナラ枯れ発生は、日本海側に集中しています。太平洋側は少ないです。太平洋側に無いわけではなく、紀伊半島南部と九州南部には発生しています。また四国南西部にも昔の発生記録があります。どう見たって地球温暖化には関係なさそうです。地球温暖化が原因ならば、南の地方にあったものが北の地方に広がったという分布にならなければなりません。
(南の地方のナラ類にはナラ枯れに耐性があって被害が顕在化しなかった、しかし温暖化で北に分布を広げて耐性のない日本海側のナラ類がやられた、という説明も可能ですが、ちょっと無理があります。それでは紀伊半島南部と九州南部の被害が説明つかない…)
ナラ枯れ市町村の分布図
ナラ枯れの被害をどう減らすか ――里山林を守るために――

燃料革命後の樹木生長で大径木が増えたから、と言う説明も説明し切れていないです。燃料革命は日本全国でおこったわけで、南の地方でもナラ類の大径木は増えているからです。
樹種の分布と関係あるのかも?と考えてみました。ナラ枯れはコナラ・ミズナラ・クヌギ・アラカシ・シラカシ・シイ・マテバジイなど、ブナとイヌブナを除くすべてのドングリの成る樹種で発生が報告されています。しかし被害が著しいのはミズナラです。次はコナラです。ミズナラは南の地方では1000m以上の標高でなければ見られません。そもそもミズナラがほとんど分布していないのでナラ枯れがないのだ、という説明もありうるのですが、これも紀伊半島南部等の被害を説明しきれません。

ということで、なぜ近年ナラ枯れが増えたのか?その要因について、雨後のタケノコのような諸説が林立しそうな不思議な分布図であります。まだ、十分には分かっていない…、というのが正しいのかもしれません。すくなくともマスゴミのように単純に条件反射的に「それは地球温暖化のせいだ」などと主張しないほうがよろしい。

●マツ枯れもクリタマバチ被害も別にどうもありませんでした。ナラ枯れもそんなに大騒ぎする必要はなさそうです。ほうっておけばいいのです。生き残るナラの木は必ずありましょうし、ナラが多く枯れても別の樹種がすぐさま侵入してきて森はすぐに鬱蒼と茂るものです。遷移が進んでやがて極相林になるだけです。それで困ることは何もありません。昔は里山の薪炭が必要だったから管理していたのです。必要もないのに管理することなどありません。林野庁や林野庁官僚が天下る森林総合研究所は里山を “公園のように” 管理しないと気が済まないようです。どうやらこの国には、“里山利権乞食” や、補助金をかすめ盗ろうとする “補助金乞食” がとても多いようです……。

ツイッターやブログの監視!  ものが言えない、言わさない時代の到来。
われわれ国民大衆は今や常に監視されています。誰に監視されていると言うのだ?、という反論もあるかもしれませんが、確かに監視されています。それは、もちろん権力を手中に握る者たちにです。われわれ国民がツイッターでなんとなくつぶやいたこととか、多くの人々がやっているブログで書いた記事等はすべて監視の対象です。コンピューター監視法もすでに成立しています。今のところまだ言論統制にまでには行き着いていませんが、うっかりものも言えない時代がすぐそこにきているのです。この国の民主主義は死にかけていますし、三権分立などもはや機能していません。世論など強大なマスゴミの誘導によっていかようにも操作できますし、国民をコントロールすることは権力者たちにとっては朝飯まえです。この国の言論の自由が危うくなりかけているのです…。

●経済産業省の中の資源エネルギー庁は、しょっちゅう色々な入札公告を出していますが、少し旧聞に属するハナシかもしれませんが、平成23年6月24日付けで入札公告を発表したものには寒気がしてきます。その入札公告の事業の「仕様書」が次です。
平成23年度原子力安全規制情報公聴・広報事業(不正確情報対応)仕様書
これは分かりやすく言うと、“ツイッターやブログで原子力に関して経済産業省の意にそぐわない風評が流されている。監視をする必要があるから、その経済産業省の手下になって監視業務をおこなう仕事を公募したい” ということなのです。

●「仕様書」から引用します。目的を次のように言っています。
「ツイッター、ブログなどインターネット上に掲載される原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報を常時モニタリングし、それに対して速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くことで、原子力発電所の事故等に対する風評被害を防止する。」 (引用終了)

そして具体的な事業内容を箇条書きに要約すると次のようです。
 1、ツイッターやブログを監視する。
 2、不正確・不適切な書き込みを見つける。
 3、正確な情報を記載したQ&A集を作成する。
 4、そのQ&A集を、資源エネルギー庁HPとツイッターに書き込む。
 5、そのためには原子力専門家のアドバイスを受ける。
 6、受注した者は、100問以上のQ&A集をこしらえる。

……………………………………………………………………

なんとも、いやはや資源エネルギー庁はこんな文書を堂々と表に出しているのは驚きです。ある意味ではまだ可愛らしいです。今のところは手の内をさらけ出していますからそれほど怖くありません。しかし、本当に恐ろしいのは隠れてこそこそ陰湿にやり出した時でしょう。あるいは監視が昂じて弾圧に転じたときでしょう。それはこの国の暗黒時代の始まりです…。
その言論弾圧・言論統制の兆しはすでに見え隠れしています。ネットに関して申せば、政府に歯向かう意見をいうサイトに対して、ヤフーやグーグルに圧力を既にかけているようです。検索してもその反体制サイトが検索の網にかからないようにしています。(証言が出ている)また、体制側工作員がその反体制サイトのコメント欄等に大量の反論を書き込むなどのいやがらせも横行しているようです。

さて、この競争入札を誰が受注したのか? 資源エネルギー庁のHPではまだ発表されていませんが、7月28日付けの東京新聞および毎日新聞が報道したところによると、大手の広告代理店のアサツーディーケーです。7000万円で落札したようです。

●東京弁護士会がすぐさま懸念を表明しました。
ITmediaニュース7月28日 Twitter・ブログの原発情報監視事業に東京弁護士会が懸念表明 「弊害の方が大きい」

●次のように批判しています。(引用)
東京弁護士会の声明は竹之内明会長名で公表。「何をもって『正確』『適切』かは一義的に明らかといえない」「政府自身が情報の『正確』『適切』性を判断して情報コントロールをすることを意図するものであると解さざるをえない」と批判し、強い懸念を表明した。

★政府(経済産業省)の発する情報・プロパガンダのほうが、正確・適切と言えるであろうか?? わたくしは政府の垂れ流す大本営発表のほうがよほど風評・風説であると思います。海外メディアの伝える情報のほうがよっぽど真実を伝えていると感じています。
You Tube ドイツZDFテレビ「福島原発労働者の実態」
実りの秋、食べられる野生果実(その4) ミツバアケビ
アケビに少し遅れてミツバアケビの果実が赤っぽく熟れてきました。諭鶴羽山系のあちこちに沢山自生していますので、かごを持って採りにいきましょう。

ミツバアケビ
↑ミツバアケビは果梗(かこう、果実の着く柄のことです)の先にたいてい1個づづ着くことが多いです。ときには2個とか3個着くこともありますが、大部分は1個づつです。果実の色は赤っぽい色で、紫と赤の中間ぐらいです。桃色っぽいこともあります。葉は3出複葉で、小葉の縁には波状の疎らな鋸歯があります。

●近縁種のアケビは、果実が果梗の先に沢山つくことが多いです。1個のこともあるのですが、時には5個も6個も着くことがあり賑やかです。果実の色は紫、水色系統の色で赤味は入りません。果皮に “さび” が出て茶色に変色し、しかも果実の手触りがざらざらしていることも多いです。葉は5出複葉で、小葉の縁に鋸歯はありません。

ミツバアケビの収穫
↑本日の収穫です。ミツバアケビの果実はアケビよりも幅広でぽっちゃりというか、ぼてっとしています。赤紫色で鳴門金時のサツマイモみたいに見えます。ミツバアケビも果皮にさびが出て茶色くなるものもあります。茶色くなったものは手触りがざらざらしています。

写真の5個の果実の長さを測ってみると、7.3㎝、9.3㎝、10.4㎝、11.3㎝、12.0㎝、です。また果実の重さは、59g、78g、107g、146g、169g、です。ミツバアケビのほうがアケビよりも果実が大きいなどと記述する文献が多いようですが、本当にそうなのでしょうか? そういう印象は確かにありますが、正確なところは数百個の果実を収集して調べてみないと分かりません…。

●ミツバアケビも果皮を料理して食べます。果肉は種子がたくさん混じったバナナみたいな格好をしていて、甘くておいしいものです。種子は呑み込んでもどうということはないのですが、気になる人はプッと吹き飛ばしましょう。何人かで種子をどれだけの距離を飛ばせるか競うのも面白いでしょう。
中身を食べ終わった果皮を捨てるのはもったいない…。油とよくなじむ食材なのでナスに準じる扱いで料理をしてたべましょう。ほろ苦い味はアケビと同じです。ビールが苦味がなければ価値がなくなるのと同じで、ほろ苦味が身上の食材かもしれません。食べなれると病みつきになるかもしれません。人生の辛酸をなめつくした大人の味であります。
料理法等は、先に書いた記事を参照ください。実りの秋、食べられる野生果実(その2)アケビ

   …………………………………………………………………

●アケビよりもミツバアケビの方が果実が大きい理由
ミツバアケビは1本の果梗に1個の果実がつく傾向が強い…。
ミツバアケビ
ミツバアケビ
↑サクラの木にアケビの蔓が登っています。2枚に分けて写真を撮りました。上の写真に果実が12個、下の写真に8個が写っています。(葉影で分かりにくいものもあります)1果梗に2個果実が着くものがひとつありますが、残り18個はみな単独で1個づつついています。

4個成り
↑これは1果梗に4個成りです。このようなものも出現するのですが、傾向としては1果梗1個成りが多いのです。

●一方、アケビの方は着果数が多くて、1果梗に時には10個つくことさえあります。1果梗に1個だけ成るものは比較的に少ないです。アケビは着果数が多いので子だくさんでは1個あたりの養分が不足して、果実が小さくなるのではないか? また、ミツバアケビはもともと1個成りが多いので養分を一人占めして大きな果実になるものが出現するのでは?
ということが考えられますが、しかしよく観察するとミツバアケビにも小さな果実がけっこう見られます。どうやら果実の大きさの範囲が両種で異なるようです。

アケビ……………1個の果実の重さが、50g ~ 150g に分布。
ミツバアケビ……1個の果実の重さが、50g ~ 200g に分布。

のような感じで、ミツバアケビは果実重量の上限が大きいのではないか? で、ミツバアケビは巨大な果実が混じっているので、全体的に果実が大きいように錯覚する…。 のか?
(これは厳密な統計的調査に基づくものではなく、単なる印象です。誤っている可能性もありますので、信用しないでいただきたい)

暖帯照葉樹林帯の 「マイタケ」  南の地方ではマイタケは、サクラ・アカガシ・シイの木に出る。
本日は10月7日です。秋色鮮明になってきました。ひと雨ごとに気温が階段を降りるように下がってきました。諭鶴羽山系の人跡も希なる奥で、今年もマイタケの走りがでてまいりました。で、本日の昼に仕事の合間の時間をなんとか作って、きのこ狩りを致しました。

マイタケ
↑ヤマザクラ(山桜)の根際に生じたマイタケです。このサクラは胸高周囲208㎝(幹の径66㎝)で、それほど大木ではありません。この木には毎年マイタケが発生しています。写真のマイタケの傘全体の長径は21㎝、短径は18㎝ほどです。重量は505gです。走りのものですし、シイ以外の木なので小さいです。

マイタケ
↑こちらは胸高周囲161㎝(幹の径51㎝)のアカガシの根際に生じたものです。マイタケの傘全体の長径・短径ともに16㎝で、重さは245gです。この木は昨年はビックリするような巨大なものが出たので、今年はまことに小さいです。

アカガシの木の幹に生えたマイタケ
↑たいていは根際に発生するのですが、幹の途中に出ることもあります。

本日の収穫物
↑本日の収穫は小さなものが4個で、全体の重量は1.2㎏ほどです。走りのきのこは小さいことが多いのです。

マイタケ料理
↑本日の収穫物はさっそく料理して有難くいただきました。秋の訪れを讃える天然マイタケのすき焼きです。材料は豆腐・牛肉・糸こんにゃく・白菜・ネギです。外出から戻るのが遅くて、いいところを家族に食べられた後なので、残り物を小皿に盛りました…。

●さて、諭鶴羽山系の由良から阿万まで歩きつくして調査しましたところ、この暖帯照葉樹林の山系でもマイタケが点々と発生しています。マイタケの発生する木を8本見つけています。発生する樹木の種類は、アカガシ・ヤマザクラ・シイです。特にシイの大木には大きなマイタケがでます。
マイタケは東北地方など北日本でマッタケ以上に珍重するきのこですが、北の地方では普通ミズナラの大木に出ます。南の地方では普通シイの木にでます。ただし南の地方では、西日本の太平洋側にもマイタケが分布していること自体が、一般にはほとんど知られていません。

珍木の「バクチノキ」は、サクラの親戚
珍木のバラ科サクラ属の「バクチノキ」が今を盛りと咲き誇っています。諭鶴羽山系での花期は9月下旬~10月上旬です。山系のあちこちに点々と自生していますが、南あわじ市灘倉川、来川、洲本市上灘畑田組あたりにはとくに多いです。尾根ではなく谷筋の湿ったところにあります。大きなものでは樹高15mぐらいの大木になります。この樹木がよく話題になるのは、樹皮が剥離して赤く禿げていくことがとても珍しいからです。

『日本のレッドデータ検索システム』ではバクチノキを9府県が絶滅危惧植物に指定しています。

『兵庫県レッドデータブック2010』ではバクチノキをBランクの貴重植物としています。

『イー・薬草ドットコム』から、セイヨウバクチノキ
伊澤一男 平成7年『薬草カラー図鑑4』主婦の友社によれば、セイヨウバクチノキの葉を細切りにして、水蒸気蒸留で「ラウロセラズス水」を作るが、素人には無理です。ラウロセラズス水を1回20~40㏄服用して、鎮咳にもちいるらしいです。

●書物・ネット情報に、バクチノキ(セイヨウバクチノキ)の葉を蒸留して「バクチ水」を採り、それは生薬として『日本薬局方』に記載・規定されているなどとあるのですが、そうとう昔の話なのではないのか?? 
●『日本薬局方』は、薬事法にもとづいて、医薬品の品質等の適正を図るために定められた医薬品(生薬も含む)の規格基準書であろうかと思いますが、第14改正版(平成13年)、第15改正版(平成18年)、第16改正版(平成23年)の最新・直近3版をチェックしたところ、バクチ水とかラウロセラズス葉(生薬名)は記載されていませんでした。日本薬局方の初版は明治19年ということなので、昔はバクチノキの葉を生薬に用いられたが、最近ではそんなものはクスリではないということでしょうか?
(日本薬局方から除外された事情はわかりません。薬効成分がないことが判明したとか…、政治的な背景から除外されたとか…、いろいろと可能性が考えられる…。)
「日本薬局方」ホームページ

バクチノキの幹
↑8月15日、洲本市上灘畑田組の鎮守の神社にて。 若い木は幹の色が灰褐色なのですが、樹皮が剥がれるにつれて赤銅色~黄褐色になります。個体によりまた樹齢により幹の色に違いがあるようですが、山中ではひときわ目立つ樹木です。薄暗い森の中でバクチノキがでてきたら少しびっくりします。

この標準和名の由来は、バクチノキが成長するにつれて樹皮が次々に剥離して赤っぽく禿げていく様子が、ばくち打ちが賭博に熱中するあまり体が熱くなり着衣を脱いでいる様になぞらえたものだ、とされます。あるいは、ばくち打ちが勝負に負けて身ぐるみ剥がされていく姿に似ているからだという説もあるようです。
沢山ある別名も、ハダカノキ、アカラギ、バカノキ等とばくち打ちを連想したり特徴をうまくとらえています。

バクチノキの花
↑この写真から下の4枚は、10月4日、南あわじ市灘山本の鎮守の神社にて。
バクチノキの花
↑総状花序がたくさん付いていて、とても賑やかです。写真の枝を調べたところ、花序は葉の付け根のところから出ています。花序が葉腋からたいてい3本出ていて長短あり不揃いです。ただし生育の悪い細い枝では花序が葉腋から1本づつ出ています。 葉はやや革質で厚く、テカテカと光沢があります。葉の周囲には粗い鋸歯があります。

花のアップ
↑1本の花序に何個の花がついているか観察すると、その花序の長さに依るのですが、最大限26個ついていました。短い花序は10個とか数個です。写真では細かいところは分かりませんが、実物の花を高倍率のルーペで観察しましたところ、花弁は5枚、がく片も5枚ありサクラと同じ形式です。雄しべは20本ぐらいあって花弁よりながいので、毛がたくさん出ているように見えます。なお、花は変な匂いがしています。悪臭というほどではありませんが、あまり良い匂いではないです。

(あまり花に近づかないほうがいいです。わたくし山のキノコは、バクチノキの強い花の芳香の毒気に中って半日めまいが致しました。むかし生薬にしていたというぐらいだから、変な揮発成分を放っているのかもしれません)

葉柄に花外蜜腺がある
↑葉身の少し下、葉柄の基部から7~8合目あたりに、丸いコブみたいなものが2個左右対称についています。バクチノキはサクラとは似ても似つかないように見えますが、バラ科サクラ属ということで、あちことにサクラと共通項が見出すことができます。この2個のコブみたいなものはサクラの葉にもあり、花外蜜腺と呼ばれるものです。この花外蜜腺から蜜をだしてアリ(蟻)を引き寄せています。アリは強力な肉食昆虫で葉につく蛾の幼虫などをついでに退治してもらうためではないか? などと言われています。

なお、葉柄の基部のところ(葉腋)に丸いものが3個ありますが、花序を3本かき取った跡です。花序が邪魔をして花外蜜腺が見えなかったからです。

移植されたハマアザミが大繁殖しています。
洲本市由良生石の砂嘴状の地形の砂礫海岸で、キク科のハマアザミが咲いています。9月初め頃から咲いていますが、間もなく満開になると思われます。10月末か11月初めごろになると冠毛のついた痩果を風散布し、地上部は枯れていきます。しかしながら、すぐさま枯れた茎の腋から新芽を出してきて、根生葉を展開して冬を越します。

『日本のレッドデータ検索システム』では5県がハマアザミを絶滅危惧植物に指定しています。
『兵庫県レッドデータブック2010』ではハマアザミをAランクの貴重植物に指定しています。

●「兵庫の植物 第10号」2000.4『洲本市平安浦に自生したハマアザミの移植と新たに確認された自生地』などの文献によると、ハマアザミは1990年か91年ごろ平安浦で杉田氏らが見つけました。しかし国道28号線の拡幅工事に伴い自生地が破壊される危機に直面しました。その自生地を保全することは不可能な情勢で、そこで緊急避難として建設省近畿地方建設局の手により、自生地のハマアザミの個体群が1996年5月に苗床に仮移植されました。2年あまり仮移植で養生させ、1999年2~3月に6地点の移植地に本移植されました。また、その間の1998年に広瀬氏によって平安浦と洲本市街地の中間で新しい自生地が発見されました。

●したがいまして、現在、淡路島におけるハマアザミの真の自生地は1か所だけであり、他のところは平安浦の個体群の移植されたものが起源だということになります。そのハマアザミの遺伝子は淡路島自生のものの系統であるのは間違いないのですが、移植地はあくまでも移植地であり、真の自生地ではないということになります。たしか2007年の7月だったか?神戸新聞淡路版にハマアザミの記事が報じられました。“ある島の自然を護る会の人らが由良生石で貴重植物の自生地を見つけていたのに、洲本市がブルドーザーで踏みつけてしまい、けしからんと怒っている” という内容だったと思います。つまり移植地であるのに自生地であると誤った報道がなされたのです。

そこで、移植にかかわった島外の専門家らがその自然保護会の人らに、移植の経緯を伝えたようです。その後、移植地のモニタリングの必要性から、2008年から毎年秋遅くに専門家ら数人で由良生石のハマアザミの移植後の個体群追跡調査が行われています。↓の報文がそれですが、オープンアクセスではないので本文は残念ながら読めません。
洲本市由良町に移植されたハマアザミの生育状況の推移

ハマアザミの大株
↑9月29日、洲本市由良生石にて。この生育地は真の自生ではありません。1999年の春先に10株移植されたものから繁殖したものです。大きな株では直径1mの円形に広がっています。多数の茎を出して数十個の花をつけると思われます。頭花は紫味の入った桃色で美しいものです。

蕾が多数ある

花のアップ
↑葉が肉厚で腫れぼったい感じがします。いかにも海岸植物という印象であります。茎や葉裏の毛が著しく、また全草鋭いトゲが多数ありうっかり触るとひどい目に合います。

●紀伊半島南部では比較的多くのハマアザミが自生しているようです。熊野地方ではハマゴボウと称し、山菜として食べることもあるようです。まっすぐに50㎝ほど伸びる直根は径1~2㎝で野菜のゴボウそっくりで、きんぴらごぼうや天麩羅にするらしいです。美味しいらしいです。10月末か11月初めぐらいに種子を少し頂戴して畑で栽培するといいでしょう。2年あれば根を収穫できます。(3年も畑で養育すると立派なゴボウになります)

ただし、この由良生石で生育しているものは、たとえ真の自生ではないといっても根を掘り採ってはいけません。神戸や明石の専門家たちが毎年の生育状況をモニタリング(継続調査)しています。まあ、頭花1個分ていどの種子を戴くのならばいいでしょう。

●さて以前に、台風マーゴン(T1106)の影響で7月19日に紀伊水道は大しけに見舞われました。そのために5~6mものうねりが淡路島南部の海岸を洗いました。それで大量の流木と浮遊性ゴミが海岸に打ち上げられました。ハマアザミの移植生育地の3分の1程度が流木等で埋まるという惨状です。しかしながらハマアザミは海水の飛沫等には耐性があるためか、埋まらなかった個体には被害がありませんでした。↓がその大しけ等の様子です。
大しけの灘海岸

台風の被害
↑もこもこした緑のものがハマアザミです。向こうの方に流木等が打ち上がっています。

実りの秋、食べられる野生果実(その3)ウラジロマタタビ
ウラジロマタタビの果実が採り頃を迎えました。ウラジロマタタビはサルナシの変種だとされますが、母種のサルナシは淡路島に分布していません。淡路島に自生しているのはウラジロマタタビばかりです。本種は諭鶴羽山系にはごく普通に見られる蔓植物なのですが、果実をつける個体は割合に少ないように思います。本種は野生果実の中では味よし風味よし、大きな株に当たれば収穫量もかなりあり、きわめて上等な部類に入ります。

ウラジロマタタビ
↑シマサルナシのように鈴成り状態というのではなく、どちらかと言うとパラパラと疎らに果実がつきます。10月4日の時点ですでにかなりの葉が落ちています。落葉時期が早い蔓植物のような感じです。

ウラジロマタタビの果実
↑一つの房に1~4個程度の着果数で、果実の長さは最大限3㎝です。大部分のものが1.5~2.5㎝の範囲内にあるようです。シマサルナシよりもやや小さめです。樹上で果実が熟しているものもあります。熟しているものは果皮にしわができているというふうで、未熟か熟しているかは簡単に見分けることができます。本種のほうがシマサルナシよりも果実の熟期がかなり早いようです。2か月も3カ月も早いという印象がします。

ざるに盛った果実
↑ざるに盛った収穫物です。緑色をベースとして果実の肩が赤く色づいています。その配色が大変美しく、美味しそうにみえます。試食してみると、リンゴのような爽やかな酸味があり、またマンゴーのような穏やかな甘みがあります。甘酸調和して柔らかいゼリーのような食感で、とても美味しいものです。果皮は毛などなくツルツルで滑らかな舌触りです。皮を剥く必要がなくそのまま食べることができます。果実の形質の良い系統を山の中から探し出して栽培する価値がありそうです。

母種のサルナシをサル(猿)が木の「うろ」に蓄えて自然に発酵させ “サル酒” を作るなどと言われますが、その真偽はともかく、ウラジロマタタビはサルナシのごく近縁種なので、集めた果実を甕にほり込んですりこぎで潰し、酵母をパン屋さんとかで入手して振りかけて発酵させたらいいのではないか? うまく発酵できたら上等なお酒になるのではないか? と思います。

太い幹
↑腕の太さほどもあるウラジロマタタビの幹です。幹(つる)の色合いはやや灰色がかった茶色で、樹皮が剥離しています。諭鶴羽山系ではこれに似た藤本植物はあまりないので、樹林の中でウラジロマタタビを探すのは太い蔓を目印にして捜せばいいでしょう。(若干、ブドウ科のエビヅルやサンカクヅルあたりが似ていますが、馴れると見分けられます)

ウラジロマタタビの葉
↑ウラジロマタタビは裏白マタタビです。葉の裏面がメリケン粉をまぶしたような感じで白っぽいことからの名称です。葉の形状はサルナシやマタタビよりも少し丸っこいような個体が多く、葉の厚みがやや厚い傾向がありそうです。
浮島現象、今秋初めて現る!
浮島現象は、暖かい海水の上に寒気が進入して発生
晩秋から初冬の風物詩である浮島現象 (うきじまげんしょう) が本日 2011年10月3日に観測されました。 (わたくし山のキノコが視認した) 例年よりも1か月ほども早いです。浮島現象は別に珍しいものでも何でもなく、淡路島では晩秋以降は頻繁に見られる現象です。ありふれた現象です。海岸部に住む人ならば誰でも目撃したことがある筈です。

●浮島現象は、晩秋になってシベリアから寒気が流入してきたときなどに顕著に見られます。秋に、まだ海水の温度が高く、したがって海水のすぐ直上の空気が暖かく、そこに寒気が侵入して暖かい空気の上に冷たい空気が乗っかったときに発生しています。海水とその上の空気との温度差が大きいことが発生の条件で、蜃気楼の一種であります。海水が暖かく空気が冷たいときは下位蜃気楼 (浮島現象)、海水が冷たく空気が暖かいときは上位蜃気楼で、見え方が異なります。発生頻度としては浮島現象のほうが圧倒的に多く発生しています。

Wikipedia の説明 「蜃気楼」

日本気象学会 『天気』 52巻1号3~4頁 (2005年) トンレサップ湖 (カンボジア) に出現した下位蜃気楼

↑ 日本気象学会の機関誌は無料で閲覧できます。難しいのですが、どういう光学的な気象現象なのか知るためには、とても参考になります。

浮島現象
↑ 望遠レンズではないので極めてわかりにくいですが、島が海面から浮き上がっています。10月3日午前9時頃です。淡路島南部の南あわじ市灘白崎から南南東の方向、和歌山県日ノ御埼を遠望しました。この間の直線距離は約44㎞です。観測点の海抜は約5mです。写真にとるよりも肉眼のほうがくっきりとよく見えました。なお、海岸道路から山道に入って観測点の海抜が高くなると浮島は見えなくなります。

●遠望する陸地が島みたいになっていますが、実は島ではありません。陸続きの岬です。岬に並んでいる小さな山が島のように見えているのです。良く観察すると、山の下部が見えなくなっています。山の上部が実像として見えていております。その実像の下に、山の上部が鏡像となって見えています。海面すれすれの空気が暖かくその上の空気が冷たくと、2層の密度の異なる空気による光の屈折のなせる現象でありましょう。冬到来の風物詩としてのニュースバリューがあるし、高等学校の物理の光の屈折の説明の材料にも使えそうです…。

●この写真を撮った時間の紀伊水道周辺の気温は次のとおりです。 和歌山市18.4度、和歌山県川辺18.1度、徳島市19.0度、徳島県蒲生田18.4度、淡路島南淡18.1度、です。 (3日09時気象庁アメダスより) 紀伊水道の海水温度は、南あわじ市福良で25.2度、南あわじ市沼島で24.4度、です。 (10月2日神戸海洋気象台のデータより) アメダスの気温はさほど低くありませんが、この季節としては強い寒気が上空に流れ込んできたので、海面上の空気も冷たくなり、しかし海水温がまだ25度ぐらいあってその温度差が7~8度とか10度近くになったので浮島現象が発生したのではないか?

浮島現象が頻繁に見られるのは晩秋から初冬にかけて
海水温度が下がるのは気温の低下よりも1~2か月も遅れるからです。ちょっと寒波がくると浮島がみられます。ところが厳冬期から春先にはまずみられません。これは海水温の低下が終わり気温が先行して上昇に向かうので、温度差が少なくなるためです。

建物が空中に浮かぶように見える
↑ 望遠レンズで撮ってないので不鮮明ですが、建物が幽霊みたいに浮きあがっているのが分かると思います。南あわじ市灘白崎から和歌山市を遠望しました。直線距離はおよそ27㎞です。


リンボク(バラ科サクラ属)の観察
諭鶴羽山系のあちこちで今リンボクの花が満開ですので、観察したいと思います。リンボクといえば古生代石炭紀の巨大シダ植物が有名です。リンボク・ロボク・フウインボクの3大化石シダ植物は高等学校の地学の教科書にも載るほど有名なものですが、今回のリンボクはそんな化石植物ではなくて、バラ科サクラ属の暖帯の常緑高木であります。単に和名が同じというだけです。

リンボク(化石植物)……鱗木と書く。幹に「魚のうろこ」状の模様が
            ある。地質年代の後に石炭になりました。
リンボク(バラ科)………桜の親戚ではあるが、花は房状になってい
            て、常緑樹。漢字では「橉木」と書くらしい
            です。こちらは「木へん」です。つくりは上
            のものと同じです。

大阪自然史博物館の展示物 鱗状の幹のリンボクの化石
川崎悟司氏のHP『古世界の住民』でリンボクの復元イラストが見られます。

リンボク
↑これが現生バラ科サクラ属のリンボクです。諭鶴羽山系では私の観察では、由良天川、鮎屋川上流、成相渓谷、灘山本などで見ていますが、個体数はごくわずかです。なかなか見ることのできない樹木です。兵庫県下でもそんなに沢山は無いようです。10mかそれ以上になる樹木で、樹冠の上の方で花がさくので花の観察がきわめて困難です。

リンボクの花
↑ご覧のように総状花序に直径6~7㎜ぐらいの個花がふさふさと20~40花もつきます。花は小さなウメの花という感じですが、めしべが花弁よりもはるかに長いので、毛がたくさん出ているように見えます。諭鶴羽山系での花期は9月中旬~9月下旬ぐらいです。10月初旬まで咲いています。

バラ科サクラ属の樹木で花が房状になるものには他に、ウワミズザクラ(淡路島には自生していない)、イヌザクラ(淡路島にある)、バクチノキ(淡路島にある)などがありますが、本種リンボクとバクチノキは秋に花が咲きます。

葉の縁は波打つ
↑葉は照葉樹らしく光沢があり、テカテカとしています。写真のものは葉の周辺にギザギザがなく全縁で、葉の周囲が波打っています。リンボクは成木や老木では葉はこの写真のようになりますが、若木では葉の縁に鋭いギザギザがあって別物のように見えます。リンボクの別名はヒイラギガシですが、この別名は若木の葉を見てつけられた名称であろうかと思います。

幹の樹皮はサクラに似る
↑径20㎝ほどの太い枝の樹皮です。横縞になった皮目(ひもく)があります。サクラの樹皮に良く似ています。サクラの親戚だなどと言っても、サクラに似ても似つかぬようでありながら、よく観察するとどこかにサクラと共通項を見出すことができます。
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