雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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実りの秋、食べられる野生果実(その8)       ――野生モモ――
●秋になりました。稔りの秋であります。本日(2012年9月11日)にある植物の観察をするために、諭鶴羽山系の北斜面の谷の奥に行ってきましたところ、野生モモがぼちぼちと食べごろを迎えていましたから、写真を撮りました。モモは中国北部原産とされ、縄文晩期の遺跡からモモの種子(核=種子の入れ物=内果皮)が出土するというから、恐らくモモは史前帰化植物であろうかと思われます。諭鶴羽山系にも谷ごとに点々と野生モモが自生しています。おそらく諭鶴羽山系に自生する野生モモも古い時代に中国から伝来したものが、野生化しているのでしょうけれども、しかしながら、栽培種と比べると果実が小さく、熟期も遅く、樹勢がきわめて旺盛で大木になるなど、形質にかなりの違いが認められます。それで、日本列島の各地に野生モモが分布しているのは、これは帰化植物などではなく、日本自生種だとする説もあるようです。

中国渡来説と、日本自生説とがある野生モモ】 諭鶴羽山北斜面にて
野生モモの木
↑大きなものでは樹高10mにも達し、けっこう大木になります。写真の木は老木なので、果実の着果状況は疎らで少ないのですが、樹勢の旺盛な個体ではウメの木のように沢山成ります。

野生モモの果実が色づく
↑熟期は栽培種よりも大分遅く9月11日でもまだ青くて硬いものが多いです。しかし、なかにはぼちぼちと色づきはじめた実もあります。今月末には食べごろとなるでしょう。お味は栽培種ほど甘みがありません。けっこう酸味があるのですがスモモほど酸っぱくもありません。ちょうどモモとスモモの中間の味です。実は栽培種よりも小さく、スモモかアンズ程度の大きさです。栽培種ほどではありませんが、野生モモも虫害が多いです。で、果実を採集して食べる場合には、虫を食べないように気をつける必要があります。

野生モモの面白い食べ方は、核のなかの種子を取りだして、炒って木の実として食べるのもいいでしょう。10月ごろ地面に落ちた果実を拾い集めて、果肉を腐熟させて中身の「核、かく」を取りだします。そしてよく乾燥させます。乾燥させたら3時間水につけて核をふやかします。核の内側は乾燥状態、核の外側は湿った状態にするのです。うまくこの状態にしてフライパンで炒ると核がパリンと割れます。で、中身の種子を取りだすのですが、その種子を塩をまぶして炒ります。上等な木の実(ナッツ)になります。分かりやすく言えば、野生モモのアーモンドです。お酒のつまみには、宜しいかと……。でも、作るには手間がかかりますよ。

野生モモの用途
果樹栽培の方面では、野生モモの実生苗に、よく栽培品種のモモが接ぎ木されています。とくに有名なものが「富士野生モモ」です。富士山麓の本栖湖の周辺に自生していたものから選抜されたもので、これを台木にして接ぎ木をすると樹勢が強く、寒害や虫害にも強く連作障害も出にくいといわれています。とりわけモモの樹勢を弱らせる樹脂病に抵抗性があり生育がいいとされています。富士野生モモのほかに、長野県の野生モモも有名で、農業試験場などで試験栽培がよく行われています。ですが、諭鶴羽山系の野生モモが、栽培品種のモモの台木に使われたというハナシはまだ聞いたことがありません。
国華園の富士野生モモの台木
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シマサルナシの果実の観察 (その4 付録)
●11月18日に知人の写真家から私の携帯に電話がかかってきました。

「山のキノコさん、これからシマサルナシの写真を撮りにいこうと思います。いま、灘大川にまで来ているのですが、都合どないですか? 来てくれへんやろか」

「今日は急には無理ですわ。いま用事で洲本まで来ているんですよ」

「そうなんですか、灘にいるものとばかり思っていましたよ…。じゃあ、一人で行ってきます。今日、決行しないと明日、明後日と天気悪いみたいやさかい…」

「気を付けていってらっしゃい。ところで、シマサルナシの写真の他にも、時季的にアゼトウナの写真もいいですよ。今、大川に来ているのでしたら、その辺の崖に沢山ありますよ」

「じゃあ、それも撮ってみますわ」

というふうな会話でしたが、めでたく朝日新聞に写真が採用されたようです。昨年の今頃にも、その写真家と灘払川の「もたご」に行きましたが、昨年は不採用でした。その写真家の話によると、新聞社に写真を投稿しても必ずしも採用されるとは限らないそうです。しかし、数さえどんどん投稿すれば当たる…、らしいです。(歩留まりの低さを資材の大量投入でカバーか?)その写真家は朝日新聞の地域版の専属カメラマンみたいな人で、年中行事・歳時記・地域の自然の写真をどんどん投稿されています。時には全国版の紙面にも写真が載ります。

で、その知人の写真家はシマサルナシに関しては2回目の投稿で、晴れて写真が採用されました。その記事が次です。 asahi.com この実な~に/南あわじ

【記事の引用】
「晩秋を迎え、南あわじ市灘払川の山中に、キウイフルーツにそっくりのシマサルナシが実をつけるようになった=写真、里口寿信さん撮影。実はキウイより一回り小さい直径2センチ、長さ3~4センチほどだが、果実の色や味はキウイと変わらないという。
 洲本市の植物研究家、南光重毅さんによると、マタタビ科のツル植物。木に巻き付いて数十メートルの高さまでツルを伸ばし、実をつけるという。沖縄のほか、県内では淡路島の南部で見ることができる。地元の人の話では、戦後の一時期は食用だったが、今は猿や鳥のエサになっているという。」

●記事にあるように、昔は灘地区の住民はシマサルナシ(住民はコクモンジと呼んでいる)を採って食べていました。わたくしも小・中学生のころよく採りにいきました。しかしながら高度経済成長の恩恵は島の果てのこの地にもおよび、食生活が豊かになったため、誰も見向きもしなくなりました。そもそも、コクモンジはそれほど美味いというものではなく、食糧危機の際には腹の足しになったという程度のものです。

西日本の暖かい沿海地から琉球諸島まで広く分布し、それらの地域では特に珍しいものでもありません。その果実が食べられると言っても、結局、栽培作物化されることはありませんでした。ごく一部の農業試験場や農学部で栽培試験されているようですが、いわばほとんど趣味の研究という程度です。キウイの台木として、キウイの品種改良の交配種としての価値は若干あるかもしれませんが、シマサルナシが栽培果樹となる可能性はほとんどないでしょう。いかんせん、その果実が小さすぎます。皮をむくのに手間がかかりすぎます…。すでにキウイという大玉の栽培種が広く普及していますから、シマサルナシをわざわざ栽培する必要性はなさそうです。

で、これから年末・年初ごろメジロ・ヒヨドリ・サルがシマサルナシの果実を食べに来ます。シマサルナシは動物たちに果実を食べられることによって、種子を散布する植物です。種子散布をしらべるのも自然観察のテーマの一つです。本種を食べにくる鳥類の種類は何か? 留鳥だけでなく渡り鳥もくるのか? 動物の消化管を通った種子とそうではない種子とでは発芽率が変わるのかどうか? 発芽して出来た新しい幼株の雌株と雄株の比率はどうなのか?(灘地区に自生する集団のものは、果実を付けるものが6割、付けないものが4割という大まかな印象ですが、まだ調査が全くできておりません。)自然観察には終わりというものがありません……。

シマサルナシの生え際
↑シマサルナシの蔓の基部です。蔓植物というよりも樹木という印象がします。

シマサルナシの太い蔓
↑シマサルナシの太い蔓です。蔓の周囲が20㎝です。太い蔓になると樹皮が縦にも横にも割れて異様な形状になります。独特な樹皮ですので一目でそれと分かります。

ウラジロマタタビの太い蔓
↑こちらはウラジロマタタビの蔓です。蔓の周囲が15㎝です。樹皮が薄く剥離しています。ちょうどヒノキの樹皮が剥がれる感じににています。なんとなくエビズル等のブドウ科の蔓ににています。

シマサルナシの果実の観察 (その3)
●諭鶴羽山系の南側沿海地には数か所のシマサルナシの自生地があります。東西10キロほどの狭い範囲でも、自生地により、また個体により果実の形状や大きさにかなりの変異がみられます。そこで、先に灘来川に自生するシマサルナシの果実の長さ・重さを計測しましたが、今度は灘払川に自生するものを調べてみました。ここのものは個体により大きな変異が見られます。

●2個体の果実を調べました。1つは果樹園跡に生じたもので、元ミカン園ですが放棄されて30年ぐらいであろうかと思われます。もう一つは山の斜面が深く浸食された谷の斜面に生じたものです。どちらも株元の蔓の周囲が20㎝ほどで、同じ程度の樹齢であろうかと思われます。また日照の程度は同じぐらいかと思われます。と言うよりもシマサルナシは他樹の樹冠の上まで伸びて枝葉を広げるので、日当たりが悪いということはありません。

シマサルナシの自生地の谷
↑幅は100mぐらいしかないのに、谷底と尾根との比高が30~40mぐらいありそうな深い谷になっています。

果実の大きさに差がある
↑左のものは果樹園跡に生じた個体の果実で、小さくて丸いです。右のものは浸食谷の斜面に生じた個体の果実で明らかに大きくてやや長細いです。

果樹園跡の個体の果実の計測値
果樹園跡のものは、果実長が15-31㎜の範囲に分布していました。
果実の長さの平均値は、22.06㎜です。標準偏差は2.57㎜です。


浸食谷の斜面にある個体の果実計測値
浸食谷の斜面のものは、果実長が16ー39㎜の範囲に分布しています。
果実の長さの平均値は29.35㎜です。標準偏差は4.87㎜です。


果実長1㎜刻みの階級ごとの度数分布
●両者の度数分布をグラフ化すると一目了然です。(両者では標本数がAが304、Bが246と違いがあるので、Bの度数分布は各階級すべて1.24倍にしました。)

Aの果樹園跡に生じた個体の果実がかなり小さいことが分かります。22㎜が最頻値になっていて、Bよりもデータが狭い範囲に密集しています。果実の形状も丸っこい感じです。

Bの浸食谷の斜面のものは果実が大きくて、綺麗な楕円体という感じであります。30㎜のところに最頻値があります。標準偏差が4.87と大きいことから、データが広い範囲に散らばっています。

●この大きな変異の原因は不明です。遺伝的な相違によるものか? 遺伝的な倍数性があるのか?、2倍体とか4倍体とかの…。土質や土壌水分などの環境の違いがあるのか、ひょっとすると雌花と両性花では果実の大きさに違いがでるのか? 良く調べないと分かりません…。

果実は房成りになることが多い
1本の果梗に5個もついています。
シマサルナシの果実の観察 (その2)
シマサルナシの自生する谷

●シマサルナシの果実の観察です。果実採集日は2011年11月21日、果実採集場所は南あわじ市灘来川、自生地の環境は幅の狭い谷で海岸から300mほどの所、急傾斜の斜面です。3個体から太い枝に着く果実や、中ぐらいの枝に着くもの、細い枝に着くものと、片寄りなきようまんべんなく採取しました。345個の果実が得られ、それぞれの果実の長さを測りました。果実の幅(短径)の測定まで行うと、大変な作業になるので割愛しました。果実の重さについては、345個を果長1㎜刻みの階級に分けて、各階級ごとの総重量をまとめて測りました。 

シマサルナシの果実長さおよび重さの測定結果

果実の長さ1㎜毎の度数分布

●以下のことがわかりました。

1、果実の長さは、16㎜~42㎜の範囲にあります。
2、果実の長さの平均値は、29.24㎜。(10089÷345)
3、最頻値は29㎜で、度数が30個出現しています。
4、このデータが正規分布していると仮定したならば、標準偏差(σ)は
  5.76㎜です。(306413÷345)-(29.24の2乗)= 33.17、これ
  の正の平方根をとると5.76。
5、果実の重さは3㎝のもので10g強あり、4㎝のものでは20g超とな
  り、ウラジロマタタビの果実よりもかなり大きいです。

●このデータが正規分布しているかどうか全く分かりませんが、果実長の分布の両端の±2σを越えるものを異常値と看做すと17.72㎜~40.76㎜が正常果の範囲という解釈になります。そこでシマサルナシの果実の大きさは、18-40㎜であると記述できそうです。

実際に、果実長20㎜ぐらいの小さなものは形状がいびつで奇形果という感じです。極端に小さな果実は切ってみると種子が極めて少なく、受粉がうまくいかなかったので生育不良になってしまったのではないか?、という気がします。普通ならば花の開花後に落果するところ、何らかの要因で落果せずに残ったのでは?(本当のところは分かりません)

シマサルナシの果実を横切りした
↑果実の長さが35㎜とか40㎜の大きなものでは、果肉の中心の芯を取り囲むように放射状に種子がたくさん並んでいます。しかし果実の長さが20㎜程度の小さなものでは、種子がないことはないのですが、とても少ないです。

房状に2~4個成ることが多い
↑このように1本の果梗に2~4個の果実がふさふさと成ることが多いです。調べた345個の内訳は、1個成りのものが144、2個成りのものが69(138個)、3個成りのものが17(51個)、4個成りのものが3(12個)でした。

果実の長さと重さの関係
↑横軸はシマサルナシの果実の長さ(単位は㎜)です。縦軸は果実の重さ(単位はg)です。指数関数的なグラフに成るのではないか?と予想もしたのですが、そうでもなさそうです。

★普通に考えれば、ある物体の長さが2倍になれば、その物体の体積は8倍(2の3乗倍)になるハズです。その物体の形状が相似であるならば、またその物体の密度が同じであるのならば、その物体の重さは “その物体の長さの3乗” に比例してその物体の重さが増減するハズです。グラフから果長21ミリで果重約5gです。ならば果長42ミリになれば果重は40gが予想されます。

★果実長(x)の果実の重さ = (x÷21)の3乗 × 5g が成立しそうですが、実際には果実長42ミリでは23gと予想よりもかなり小さな数字になっています。おかしいな? なんでやろか? とよく観察しましたところ理由がわかりました。小さな果実ほどその形状が球形に近いのですが、大きな果実では楕円体状で長細いことが原因でありました…。(果実の短径も測って、長径と短径の比率を調べたらすぐ気付いたハズですが、気付くのが遅れた…。)

シマサルナシの果実の観察 (その1)
マタタビ科のシマサルナシです。牧野富太郎先生の図鑑では「なしかずら」の名称を採用しています。他書では、『日本の野生植物』『原色日本植物図鑑』大井次三郎先生の『日本植物誌』など多くの書物が「シマサルナシ」の名称を採用しています。「なしかずら」は梨のような果実が成る蔓植物の意味であろうと考えられます。「シマサルナシ」は島猿梨であると思われます。島は南西諸島を指すもので、島に自生していて、梨のような果実が成り、猿が好んで食べるという意味であろうかと考えられます。

●沢山の地方名が存在しています。(6月10日拙稿)シマサルナシは諭鶴羽山系の名物植物の一部を再掲いたします。

「シマサルナシの全国的な分布は、本州(三重県・和歌山県の紀伊半島南部、山口県、島根県)四国、九州、琉球列島の沿海地ですが、伊豆諸島のある島でも見つかっているようです。自生地各地の住民はこの果実を食べているようで、各地におもしろい地方名が沢山あります。ナシカズラは牧野植物図鑑にも載っていますが他にも、ゼゼガモリ(場所不明)、スズッコナシ(不明)、コッコナシ(不明)、ドーラン・ドーランカズラ(島根)、ヤマナシ(宮崎)、ソッポ(鹿児島)、コッコー・ホッポウ(種子島)、クガ・クガカズラ・クカ(奄美大島)、フガー(沖縄)、など沢山あります。不明が3つもあるのは、シマサルナシの地方名を調べた知人のOさんが急逝されて、聞かずじまいになったためです。こんなに沢山の地方名があるのは、この植物が日本自生の野生果実として価値がある証拠でしょう。実際に、大学農学部や果樹試験場でシマサルナシが栽培試験されています。」

シマサルナシの分布
↑シマサルナシの分布図です。福岡誠行・黒崎史平先生の、頌栄短期大学研究紀要 第29巻 1993年 『本州西部植物地理雑記12』を元にして、国土地理院の『電子国土ポータル』に転記しました。(一か所付けくわえました)日本列島の南西部の海岸に分布しています。東限は伊豆諸島のある島、北限は島根県の日本海に浮かぶ小さな島で、淡路島は北東の限界地に当たります。

シマサルナシの淡路島南部での分布
↑こちらは淡路島南部の詳細な分布状況です。わたくし山のキノコが自生を確認した場所をプロットしました。必ずしも標本の裏付けのある正式な分布図ではありません。諭鶴羽山系の南斜面に点々と自生しています。いずれの場所も海岸から1.5㎞までの沿海地で海抜は150mまでの低地です。谷の斜面の水はけが良いが湿潤なところに自生しています。山系の北側の鮎屋川水系にもあるとの情報があるのですが、わたくしは確認していません。

●南あわじ市灘地区でのシマサルナシの地方名は「コクモンジ」ですが、何かいわくありげな名称ですが意味は全く不明です。昔は住民が採って食べていました。洲本市の上灘でも「コクモンジ」と呼んでいます。洲本市上灘畑田や相川の住民に話を聞くと、上灘でも昔は採って食べていたそうです。

シマサルナシの果実

シマサルナシの果実

シマサルナシの果実
↑上3枚の写真は11月18日に撮りました。果実はまだ堅いです。樹上ではなかなか熟さないのです。樹上で熟して果実が軟らかくなるのは12月中旬以降になります。果実が熟すとメジロやムクドリなどの鳥類が食べにきます。が、11月ではまだ訪鳥は全くみられません。人間が食べるのであれば、果実をリンゴと一緒にビニール袋に入れておくとか、生の米糠にしばらく埋めこんでおくとか、「追熟」すれば食べられます。

他樹を覆い尽くすシマサルナシの蔓
↑シマサルナシは蔓植物なので自分では自立できません。他樹に寄りかかりよじ登るしかありません。ご覧の通り自生地では、シマサルナシの蔓が他樹の樹冠を覆い尽くして物凄いことになっています。覆われた樹木はやがて枯らされてしまいます。しかしながら、これは戦略的・合理的な生き方なのかもしれません。幹や枝を太らせて自立するには、沢山の炭酸同化物質を幹に回す必要があるはずです。考察するにこのシマサルナシの生き方は、他人を利用して、あるいは他人の犠牲の上で、幹にまわす炭酸同化物質の節約をする戦略なのではないか? という解釈もできそうです。ですが、利用される方はたまりません。
シマサルナシは『兵庫県レッドデータブック2010』ではBランクの貴重植物ですが、その生態を観察すると、侵略者かプレデターであると言っても過言ではありません。

★金融工学を駆使して虚業でメシを食おうとした米国が、リーマンショックでその国家経営ビジネスモデスが崩れ去りました。で、なんとか正業に回帰志向で、オバマ大統領は米国の輸出倍増を唱えています。その輸出倍増計画の標的は、TPP協定に引きずり込もうとしている日本であることは明白で、日本は体よく利用され踏み倒されることでしょう。アメリカの戦略はシマサルナシの生き方によく似ています…。

(本稿はつづく)
実りの秋、食べられる野生果実(その7)        ――アキグミ――
●秋も一段と深まってまいりました。そろそろ木枯らしが吹く頃でありますがかなり暖かいです。ちょっと前までは平年値より少しでも気温が高いと “地球温暖化だ!” とマスゴミが騒いだものです。ちょうど2年前に、例のクライメートゲート事件があってから、マスゴミは地球温暖化をあまり言わなくなりました。とくに今年の3月の原発事件(あれは事故じゃなくて事件だ!)があってからは、マスゴミは地球温暖化の話題を避けているようにさえ見えます。マスゴミは一体どうしたんでしょうか? 未来予測のシミュレーション計算士のあの江守正多博士のご託宣も、最近ではかなりトーンダウンしてきました。ぼちぼちアリバイ作りを始めたようにさえ見えます…。

人類は古くから太陽黒点の消長が、気候や経済と強い相関関係があることに気づいていました。その太陽黒点と気候変動との因果関係を説明する仮説として有名なスベンスマルク説が、いま再び注目されるようになってきました。一度棄却された仮説の復権というのは喜ばしいものです。自然科学の研究に政治が色濃く介入してくるのは、そろそろ止めにしてほしいものです…。CO2地球温暖化説に加担した気象学者たちが、やたらとスベンスマルク説を口にするようになってきました。
宇宙天気情報センターのHPで太陽黒点等の観測データを閲覧できます。

★あれほど騒ぎ立てた地球温暖化ですが、人々の記憶から忘れ去られるのも、もはや時間の問題です。かつて騒ぎ立てたオゾンホールの問題も米国の某大手化学メーカーが、代替フロンをたくさん売って大儲けしたら、いつの間にか雲散霧消しました。あのダイオキシンの騒ぎにしても、日本の某焼却炉メーカーが全国自治体のゴミ焼却炉をさらにさせたら、いつのまにか沈静化しました。地球温暖化の問題も、まだ商売し足りないヤカラが今後も散発的に騒ぎ立てることはあっても、マスゴミが大々的に煽ることはもうなさそうです。しだいに沈静化するでしょう…。(当たるかどうか賭けをしてもいいです)マスゴミが「CO2地球温暖化説」と「地球温暖化危機説」をほとんど言わなくなったので、とてもうれしいです。これから厳しい冬に向かうので、もっともっと温暖化してほしいものです。原油価格が高値高原状態です。北半球の中緯度・高緯度の冬はとてもきびしく、温暖化するのは福音です。神の恩寵であります。

●さて、諭鶴羽山の裾の海岸でアキグミの赤い果実が成っています。
アキグミ
↑これはアキグミです。アキグミとは秋グミで、その果実が秋に熟することからの和名です。南あわじ市灘地区では「シャシャビ」という地方名がついています。グミの仲間特有の渋味はありますが、アキグミの果実は甘くて食べられます。採集して食べるのには果実の一回り大きなマルバアキグミがよいでしょう。普通のアキグミは果実が小さいのです。しかし、残念ながらマルバアキグミは個体数が少なく、素人では見つけられないかもしれません。灘海岸には両種あることはあります。

アキグミの果実
アキグミは北海道南西部から九州にいたるまで、日本全土に分布しているとされます。淡路島では海岸に多いです。とくに道路工事にともなう法面とか、急斜面・崖地とか、宅地造成して山を切り開いたがその後に放置した場所などに自生しています。そういった所は土壌が少なく荒れ地です。アキグミは空中窒素固定菌と共生する肥料木なので、そのような荒れ地でよく育つのです。

銀葉のアクグミ
↑アキグミの葉は銀色です。アキグミの葉や枝には白~銀色の星状毛や鱗片がびっしりとあって、個体によっては真っ白に見えるものもあります。特に葉の裏側が白いです。アキグミは海岸だけでなく山中にも少しあるのですが、その場合は遠目にもよく目立ちます。
実りの秋、食べられる野生果実(その6)  ムベは古代の人々の甘味源のひとつ

●アケビやミツバアケビに少し遅れて、アケビ科のムベが熟してきました。とても美味しそうな色になっています。子供のころ秋になると学校の帰り道で、ムベをおやつ代わりに採ったものです。どこか郷愁をさそう野生果実であります。南あわじ市灘地区ではムベを「ヌメ」と呼んでいます。発音はよく似ていますから、地方名というほどではなくて、ムベが少しばかり転訛しただけかもしれません。ちなみに、アケビは「アクビ」と呼んでいます。

ムベの果実 2個成り
↑ムベの果実ですが、1本の果梗に2個の果実が成っています。

ムベの果実 1個成り
↑こちらは1本の果梗に1個の果実です。どちらかと言うと1個成りが多いようですが、2個成りもかなりあります。しばしば3個成りも出現します。4個成りがあるのかどうか?は私はまだ見たことがありません。

ムベの葉
↑ムベの葉です。ムベは別名をトキワアケビ(常葉あけび・常葉はときわと読む)と言うぐらいですから、常緑のつる植物です。真冬でも青々としていて、葉の表面には光沢があります。葉は掌状複葉で、小葉は6枚~9枚ぐらいが多いですが写真の個体を観察したら圧倒的に7枚がほとんどでした。複数枚も奇数枚もどちらも出現しています。個体によって差があるかも分かりません。
果実の収穫
↑大収穫であります。ちょうど採り頃です。ムベはアケビ類と異なり、果実が熟しても裂開しません。いつまでも閉じたままですが鳥類の大好物ですので、鳥が来て果実をつつき中身を食べてしまいます。ムベもアケビ類とおなじく鳥類が種子散布をしています。

●写真のものについて果実の長さと重量を測ってみました。採集地は南あわじ市大日ダム、採集日は本日10月26日です。2個体から適当に採取しました。

【1個成りのもの】    【2個成りのもの】
  長さ  重さ       長さ  重さ
① 7.3㎝  99g     ⑥ 6.7㎝  88g
② 7.0㎝ 104g     ⑦ 7.2㎝ 107g
③ 6.4㎝  98g     ⑧ 6.1㎝  86g
④ 6.5㎝  82g     ⑨ 6.5㎝ 114g
⑤ 7.2㎝ 139g

9個の平均は、果実の長さが6.77センチ、重さが101.9グラムでした。

ムベの果実の断面
↑ムベの果実を包丁で切ってみました。左側のものは果実を横切りにしたものです。右側のものは果実を縦切りにしたものです。果肉はごく薄い黄色っぽく種子がたくさんあります。果実を横切りにした感じはパッションフルーツ(果物時計草)になんとなく似ています。ムベの果肉はとても甘いものです。難点は種子が多いことです。

●甘みに飢えていた大昔の人々は、ムベ(アケビ類も)大歓迎したと思われます。砂糖の歴史は古く、奈良時代に日本に帰化した中国僧の鑑真(がんじん)が砂糖を日本に伝えました。しかし砂糖は長いあいだクスリであって庶民の口に入りませんでした。奈良・平安時代の甘味料は、「甘蔦煎・あまづらせん」で、ツタの蔓を切って出てくる汁を煮詰めたもので、古典文学にしばしば登場します。しかし、それとて極めて貴重品です。古代の人々が甘みを味わうには、天然のニホンミツバチの蜂蜜、米の加工品の飴や甘酒のようなもの、柿などの果物等しかなく、ムベが大歓迎されたことは想像に難くないです。

●しがない庶民がムベを大歓迎するだけでなく、高貴な人々も歓迎したらしく、平安中期に編纂された 『延喜式・えんぎしき』 という書物に、近江の国から、また諸国から宮中にムベを献上させたことが記載されています。

★ムベという野生果実には商品価値があるのかも??
本日10月27日朝に、南あわじ市灘から神代に帰る途中に立ち寄ったコンビニのファミリーマート北阿万店の店頭になんとムベを販売しているではありませんか! 店頭でムベを見たのははじめてです。プラスチックのパックに3個入れて100円でした。1個は33円。このコンビニ店には地元で獲れた野菜や果物をやたらと置いています。店主がコンビニというよりもスーパーマーケット的な営業政策を採っているようです。しばしば農家の人らしい人が来て商品の野菜を陳列していますが、店と契約している専属の農家の人が山で採ってきたムベを陳列したのではないか? 野趣があって面白いということなんでしょう。あいにくカメラを持っていなかったので写真が撮れなかった…。
実りの秋、食べられる野生果実(その5)        ――クリは縄文時代の人々の主食のひとつ――
野生クリ
↑諭鶴羽山系のあちらこちらで野生のクリが稔っています。山系の南斜面にもありますが、どちらかと言うと北斜面の方が沢山自生しています。クリの栽培は古く、青森県の縄文前期~中期の三内丸山遺跡ではクリが栽培されていたことは良く知られています。大昔からヒトは野生クリを採集し、野生クリから形質のいいものを選抜して栽培しましたが、そんなクリの栽培化の歴史に思いを馳せながら、籠をもってクリを拾いに行きましょう。
クリを「野生果実」という範疇に入れるのは少し違和感があるのですが、果実であろうと堅果という種子そのものであろうと、自然の恵みには相違はありません。野生クリ(シバグリ)の中にも大きな実の系統の木がありますからそのようなものを捜しましょう。

野生クリは大小不揃い
↑野生のクリはその堅果の大きさが極端に不揃いです。その木により、個体により、クヌギのどんぐり程度の小さいものもあれば、栽培種に遜色がないほど立派な大きなものもあります。遺伝的な多様性に富むため、粒ぞろいという訳にはいきませんが、庶民が食べるには粒ぞろいである必要はありません。クリは皮むきが大変です。その方法は色々ありますが、特別な道具なしで出来る推奨法は次です。
 
1.鬼皮クリを熱湯で2分加熱すると鬼皮が軟らかくなります。
2.クリの鬼皮を出刃庖丁で剥きます。根気よく心を込めて鬼皮を剥
  き、渋皮クリにします。
3.渋皮クリを多めの油を引いたフライパンで炒めます。この時、
  渋皮には切れ目を入れておきます。炒める時間は渋皮の色が変
  わる程度です。
4.そうすると、渋皮がパリッとしてすぐに剥けます。
5.鬼皮・渋皮がめでたく剥けたら、あとはクリご飯にでも炊けばよ
  ろしい。
6.クリの分量等で要領は変わります。各自、試行錯誤です。失敗を
  積むほどに上手くなります。

クリの皮剥きの裏ワザ特集
↑かなり参考になるサイトではあります。しかし弱点は、「~そうです」「~という」と伝聞推定ばかり。なにごとも追観察、追試験、追実験、追考証、の検証作業は必要であろうかと思います…。つまり、うのみにしてはいけません。疑ってかかるのです。たとえ、どんなに偉い先生が言ったことであっても、ウソがないか?と疑うのは絶対に必要な姿勢なのです。

●野生クリは粒の不揃いだけでなく、その堅果の熟する時期も1か月も2か月も早晩があります。自然状態で早生も晩生もあるのです。良く観察いたしますと、8月下旬にすでに「いが」が割れて栗色の堅果が顔を出していたものもあります。逆に10月中旬に入っても「いが」が青く堅くて割れる気配の全くない木もあります。

遺伝的な多様性を持つことは自然界でその種を存続させるためには、不可欠なことのようです。かつてマツクイムシ(マツノザイセンチュウ)が猛威をふるってマツが絶滅するのでは?と思われるほどでした。しかしマツノザイセンチュウに抵抗性のある系統が見つかっていることから分かるように、遺伝的多様性があれば生き残る個体が必ずあるようです。クリも一時クリタマバチが猛威をふるい、クリが絶滅するのではないかと危惧されましたが、別にどうと言うことはありませんでした。

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●ところで話題が少し発展しますが、近年、林野庁やマスコミがマツ枯れに似た現象の「ナラ枯れ」をよく問題にしています。ナラ枯れはカシノナガキクイムシが媒介するナラ菌が原因ですが、被害木はほとんど樹齢が50年以上の中径木や大径木ばかりです。幼齢木はあまりやられません。ということは、ナラ枯れが広がる背景には、昭和30年代の燃料革命以降50年間薪炭用に山の木をあまり切らなくなったことが厳然としてあるハズです。マスゴミの報道のタチの悪さは、なんでもかんでも地球温暖化の影響だなどと短絡的に報道することです。
そもそもカシノナガキクイムシは全国一様に分布するのではなく、生息しない県も沢山あります。(淡路島ではナラ枯れは報告されていないので分布していないと思われます)ナラ枯れの分布を見ると地球温暖化など関係ないのは明白です。最近の報道の劣化は目にあまります。

↓の図は独立行政法人・森林総合研究所のHPからです。ナラ枯れの発生市町村の分布図です。とても不思議な分布図です。ナラ枯れ発生は、日本海側に集中しています。太平洋側は少ないです。太平洋側に無いわけではなく、紀伊半島南部と九州南部には発生しています。また四国南西部にも昔の発生記録があります。どう見たって地球温暖化には関係なさそうです。地球温暖化が原因ならば、南の地方にあったものが北の地方に広がったという分布にならなければなりません。
(南の地方のナラ類にはナラ枯れに耐性があって被害が顕在化しなかった、しかし温暖化で北に分布を広げて耐性のない日本海側のナラ類がやられた、という説明も可能ですが、ちょっと無理があります。それでは紀伊半島南部と九州南部の被害が説明つかない…)
ナラ枯れ市町村の分布図
ナラ枯れの被害をどう減らすか ――里山林を守るために――

燃料革命後の樹木生長で大径木が増えたから、と言う説明も説明し切れていないです。燃料革命は日本全国でおこったわけで、南の地方でもナラ類の大径木は増えているからです。
樹種の分布と関係あるのかも?と考えてみました。ナラ枯れはコナラ・ミズナラ・クヌギ・アラカシ・シラカシ・シイ・マテバジイなど、ブナとイヌブナを除くすべてのドングリの成る樹種で発生が報告されています。しかし被害が著しいのはミズナラです。次はコナラです。ミズナラは南の地方では1000m以上の標高でなければ見られません。そもそもミズナラがほとんど分布していないのでナラ枯れがないのだ、という説明もありうるのですが、これも紀伊半島南部等の被害を説明しきれません。

ということで、なぜ近年ナラ枯れが増えたのか?その要因について、雨後のタケノコのような諸説が林立しそうな不思議な分布図であります。まだ、十分には分かっていない…、というのが正しいのかもしれません。すくなくともマスゴミのように単純に条件反射的に「それは地球温暖化のせいだ」などと主張しないほうがよろしい。

●マツ枯れもクリタマバチ被害も別にどうもありませんでした。ナラ枯れもそんなに大騒ぎする必要はなさそうです。ほうっておけばいいのです。生き残るナラの木は必ずありましょうし、ナラが多く枯れても別の樹種がすぐさま侵入してきて森はすぐに鬱蒼と茂るものです。遷移が進んでやがて極相林になるだけです。それで困ることは何もありません。昔は里山の薪炭が必要だったから管理していたのです。必要もないのに管理することなどありません。林野庁や林野庁官僚が天下る森林総合研究所は里山を “公園のように” 管理しないと気が済まないようです。どうやらこの国には、“里山利権乞食” や、補助金をかすめ盗ろうとする “補助金乞食” がとても多いようです……。

実りの秋、食べられる野生果実(その4) ミツバアケビ
アケビに少し遅れてミツバアケビの果実が赤っぽく熟れてきました。諭鶴羽山系のあちこちに沢山自生していますので、かごを持って採りにいきましょう。

ミツバアケビ
↑ミツバアケビは果梗(かこう、果実の着く柄のことです)の先にたいてい1個づづ着くことが多いです。ときには2個とか3個着くこともありますが、大部分は1個づつです。果実の色は赤っぽい色で、紫と赤の中間ぐらいです。桃色っぽいこともあります。葉は3出複葉で、小葉の縁には波状の疎らな鋸歯があります。

●近縁種のアケビは、果実が果梗の先に沢山つくことが多いです。1個のこともあるのですが、時には5個も6個も着くことがあり賑やかです。果実の色は紫、水色系統の色で赤味は入りません。果皮に “さび” が出て茶色に変色し、しかも果実の手触りがざらざらしていることも多いです。葉は5出複葉で、小葉の縁に鋸歯はありません。

ミツバアケビの収穫
↑本日の収穫です。ミツバアケビの果実はアケビよりも幅広でぽっちゃりというか、ぼてっとしています。赤紫色で鳴門金時のサツマイモみたいに見えます。ミツバアケビも果皮にさびが出て茶色くなるものもあります。茶色くなったものは手触りがざらざらしています。

写真の5個の果実の長さを測ってみると、7.3㎝、9.3㎝、10.4㎝、11.3㎝、12.0㎝、です。また果実の重さは、59g、78g、107g、146g、169g、です。ミツバアケビのほうがアケビよりも果実が大きいなどと記述する文献が多いようですが、本当にそうなのでしょうか? そういう印象は確かにありますが、正確なところは数百個の果実を収集して調べてみないと分かりません…。

●ミツバアケビも果皮を料理して食べます。果肉は種子がたくさん混じったバナナみたいな格好をしていて、甘くておいしいものです。種子は呑み込んでもどうということはないのですが、気になる人はプッと吹き飛ばしましょう。何人かで種子をどれだけの距離を飛ばせるか競うのも面白いでしょう。
中身を食べ終わった果皮を捨てるのはもったいない…。油とよくなじむ食材なのでナスに準じる扱いで料理をしてたべましょう。ほろ苦い味はアケビと同じです。ビールが苦味がなければ価値がなくなるのと同じで、ほろ苦味が身上の食材かもしれません。食べなれると病みつきになるかもしれません。人生の辛酸をなめつくした大人の味であります。
料理法等は、先に書いた記事を参照ください。実りの秋、食べられる野生果実(その2)アケビ

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●アケビよりもミツバアケビの方が果実が大きい理由
ミツバアケビは1本の果梗に1個の果実がつく傾向が強い…。
ミツバアケビ
ミツバアケビ
↑サクラの木にアケビの蔓が登っています。2枚に分けて写真を撮りました。上の写真に果実が12個、下の写真に8個が写っています。(葉影で分かりにくいものもあります)1果梗に2個果実が着くものがひとつありますが、残り18個はみな単独で1個づつついています。

4個成り
↑これは1果梗に4個成りです。このようなものも出現するのですが、傾向としては1果梗1個成りが多いのです。

●一方、アケビの方は着果数が多くて、1果梗に時には10個つくことさえあります。1果梗に1個だけ成るものは比較的に少ないです。アケビは着果数が多いので子だくさんでは1個あたりの養分が不足して、果実が小さくなるのではないか? また、ミツバアケビはもともと1個成りが多いので養分を一人占めして大きな果実になるものが出現するのでは?
ということが考えられますが、しかしよく観察するとミツバアケビにも小さな果実がけっこう見られます。どうやら果実の大きさの範囲が両種で異なるようです。

アケビ……………1個の果実の重さが、50g ~ 150g に分布。
ミツバアケビ……1個の果実の重さが、50g ~ 200g に分布。

のような感じで、ミツバアケビは果実重量の上限が大きいのではないか? で、ミツバアケビは巨大な果実が混じっているので、全体的に果実が大きいように錯覚する…。 のか?
(これは厳密な統計的調査に基づくものではなく、単なる印象です。誤っている可能性もありますので、信用しないでいただきたい)

実りの秋、食べられる野生果実(その3)ウラジロマタタビ
ウラジロマタタビの果実が採り頃を迎えました。ウラジロマタタビはサルナシの変種だとされますが、母種のサルナシは淡路島に分布していません。淡路島に自生しているのはウラジロマタタビばかりです。本種は諭鶴羽山系にはごく普通に見られる蔓植物なのですが、果実をつける個体は割合に少ないように思います。本種は野生果実の中では味よし風味よし、大きな株に当たれば収穫量もかなりあり、きわめて上等な部類に入ります。

ウラジロマタタビ
↑シマサルナシのように鈴成り状態というのではなく、どちらかと言うとパラパラと疎らに果実がつきます。10月4日の時点ですでにかなりの葉が落ちています。落葉時期が早い蔓植物のような感じです。

ウラジロマタタビの果実
↑一つの房に1~4個程度の着果数で、果実の長さは最大限3㎝です。大部分のものが1.5~2.5㎝の範囲内にあるようです。シマサルナシよりもやや小さめです。樹上で果実が熟しているものもあります。熟しているものは果皮にしわができているというふうで、未熟か熟しているかは簡単に見分けることができます。本種のほうがシマサルナシよりも果実の熟期がかなり早いようです。2か月も3カ月も早いという印象がします。

ざるに盛った果実
↑ざるに盛った収穫物です。緑色をベースとして果実の肩が赤く色づいています。その配色が大変美しく、美味しそうにみえます。試食してみると、リンゴのような爽やかな酸味があり、またマンゴーのような穏やかな甘みがあります。甘酸調和して柔らかいゼリーのような食感で、とても美味しいものです。果皮は毛などなくツルツルで滑らかな舌触りです。皮を剥く必要がなくそのまま食べることができます。果実の形質の良い系統を山の中から探し出して栽培する価値がありそうです。

母種のサルナシをサル(猿)が木の「うろ」に蓄えて自然に発酵させ “サル酒” を作るなどと言われますが、その真偽はともかく、ウラジロマタタビはサルナシのごく近縁種なので、集めた果実を甕にほり込んですりこぎで潰し、酵母をパン屋さんとかで入手して振りかけて発酵させたらいいのではないか? うまく発酵できたら上等なお酒になるのではないか? と思います。

太い幹
↑腕の太さほどもあるウラジロマタタビの幹です。幹(つる)の色合いはやや灰色がかった茶色で、樹皮が剥離しています。諭鶴羽山系ではこれに似た藤本植物はあまりないので、樹林の中でウラジロマタタビを探すのは太い蔓を目印にして捜せばいいでしょう。(若干、ブドウ科のエビヅルやサンカクヅルあたりが似ていますが、馴れると見分けられます)

ウラジロマタタビの葉
↑ウラジロマタタビは裏白マタタビです。葉の裏面がメリケン粉をまぶしたような感じで白っぽいことからの名称です。葉の形状はサルナシやマタタビよりも少し丸っこいような個体が多く、葉の厚みがやや厚い傾向がありそうです。
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