雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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淡路島南部にも、ヒラタケ狩りのシーズンが到来
●ヒラタケ (平茸) は晩秋~初冬のキノコであります。私の観察では、淡路島南部の 南あわじ市での採集適期は11月中旬~12月下旬 ぐらいでしょうか。色々な樹木の立ち枯れ幹にでますが、良く出る樹木のベスト3は順に、ニワウルシカクレミノエノキ、です。他にも、アカメガシワムクノキ、にもでます。傾向としては落葉樹木で材が柔らかい樹に出る傾向が強いという印象はしています。晩秋~初冬は寒波の吹きだしが始まる季節で、瀬戸内海沿岸地方は乾燥します。キノコというのはカビのなかで子実体を作るものを言うのですけれども、カビには乾燥が大敵です。したがいまして、淡路島南部地域でヒラタケ狩りをするには、谷筋の湿気が多い場所 で、先に挙げた樹種の 立ち枯れや風倒木や切り株 を捜すのがいいでしょう。

瓦が重なるようなヒラタケ
↑ これはニワウルシの立ち枯れの幹に出てきたヒラタケです。幹の径40センチ程度のそこそこに大木の立ち枯れです。ニワウルシは環境省が特定外来植物に指定して目のカタキにしております。たしかに、果樹園跡とか、乱開発で森林を破壊したところなどに侵入して、爆発的に増殖しています。しかしながら生長が早いことの裏返しで、樹の老化もはやく、寿命も短く、いま淡路島南部でニワウルシの大木が次々に枯れています。で、ヒラタケが発生する原木を提供 しています。キノコファンにとっては、ニワウルシは特定外来植物として忌み嫌うべきものでは決してなく、とても有益な有難い外来種の樹木 なんです。

ヒラタケ
↑ このヒラタケは地面から1メートル以内の低い所に発生しました。そのためにススキの叢 (くさむら) に埋まっていて、シカ(鹿)に見つかりませんでした。近年、淡路島南部の山岳地帯のシカたちは好んでキノコを食べております。シカたちが見つけ損ねた残りものをヒトが頂戴いたします。

【↓ 本日、2013年12月3日の収獲物であります】 ヒラタケの傘の裏側の 「ひだ」 は普通は白いことが多いのですが、この物はネズミ色です。ヒラタケも変異の幅が大きいようで、傘の色も茶色い物や黒っぽい物や灰色っぽい物など、生える樹や時期によって変化があります。山中にはいくつかの系統があるような感じです。ヒラタケとは別種とされているものも見られます。淡路島南部の山岳地帯でもヒラタケに近縁種としてトキイロヒラタケ、ウスヒラタケ、オオヒラタケ (アワビタケ) の3種を確認 しています。ウスヒラタケならば晩春から初夏にかけて諭鶴羽山系で頻繁に見られますが、他の2種は稀 (まれ) であります。
本日の収獲

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淡路島では少ない 「ナラタケ」
●本日は2013年11月16日です。一昨日に淡路島では比較的に稀産の 「ナラタケ」 を採集しましたので少し書いてみましょう。ナラタケは非常に有名で優秀な食菌です。キノコの王国であり聖地である東北地方では、ナラタケの発生が非常に多く、どこにでも生えて大量に採れ、味も良くダシもでる庶民のキノコとしてもてはやされています。 わが淡路島南部の南あわじ市では、私はナラタケを毎年見ることは見ていますが、そうやたらにどこにでもあるというキノコではなさそうです。恐らく瀬戸内海式気候が関係しているのでしょう。秋から冬にかけて非常に乾燥し、キノコの発生や生長に不可欠な水分とか湿気が不足しています。晩秋のキノコであるナラタケとか野生のエノキタケが出てきても、生長の途中で乾燥に遭い生育が止まってしまいます。枯木の上で乾燥キノコになってしまったものもよく見かけます。このような気候特性があるから、南あわじ市でナラタケ狩りをするには、山の北斜面の沢筋を歩くのがコツであると言えましょう。

Wikipedia の説明 「ナラタケ」

Google 画像検索 「ナラタケ」
●ナラタケは肉眼的な形態の変異の幅が非常に大きいキノコであります。近年ではいくつかの別種に細かく分類されているようです。種の範囲を大きくとるか細かくとるか、また他種との境界がどこにあるのか? どのように判断するのか? 同じ物が研究者が違うと別の同定になったりと、大変難しい問題で、顕微鏡観察・胞子紋・試薬による呈色反応・究極的にはDNA解析…、と肩が凝るハナシになってきそうです。深みにはまったら大変なことになるので、われわれ一般のキノコハンターは、Google画像を沢山みて変異の幅が非常に大きいことだけ知っていたらいいのではないか? それにしてもGoogle画像検索は優れ物であります。 (下の方になってくるとセンボンイチメガサとか違う物が出てくるので要注意) 


↓ 半ば地中に埋もれたウバメガシの枯れ木に群生したナラタケ。兵庫県淡路島の南あわじ市灘にて。わたくし山のキノコの実家の前の小高い山の北斜面に生じた。
ナラタケの群生

↓ 傘の裏の 「ひだ」 は白色~黄土色で、必ずしも白とは限らない。ナラタケは変異の幅が大きく白でないものもある。白であっても古くなると茶色くなる。
柄の上部に明瞭なつばがある

↓ 胞子紋は白~クリーム色。瓦を重ねたような状態なので、上の子実体の「ひだ」から落ちた胞子が下のものの傘の表面に積もっていますが、白っぽくなっています。胞子紋が白であることを窺わせています。
胞子紋は白っぽい

↓ 柄の下部は古くなると黒っぽくなる。写真のものは一見して野生のエノキタケみたいですが、エノキタケほどには黒くならないです。
古くなると柄の下部が黒っぽくなる

↓ 本日の収獲】 味噌汁の実にして食べた。出しが良く出て軽いぬめりがあり、舌触りもなめらか。大変に美味いキノコであります。
本日の収獲

引用】 山と渓谷社 『日本のきのこ』 1988年、から引用します。

「標準和名のほかに、ボリボリ、モダシ、ナラブサなど、おびただしい数の地方名があることでわかるように、古くから多くの人々に食べられてきた有名なきのこの一つ。歯切れ、舌ざわりがよく、ほのかに甘い香りがある。汁物に入れればぬめりを生じ、よいだしが出る。ナラタケのこくのあるうま味は、全く癖がなくどんな料理にも使える。いたるところに生えて収穫量も多いきのこだが、食べ過ぎると腹痛を起こしたり、下痢をすることがある。消化が悪いためだけではなく、生食すると中毒を起こす成分を含むので要注意。」 【引用終了】


●膨大に存在する地方名。しかし、ナラタケの地方名は圧倒的に雪国・北日本での名が多いように思われます。西日本ではあまり野生キノコを食べないのです。したがってあまり地方名は存在しないのではないかと思われますが、手元にある文献で西日本の地方名を調べてみた。なお、淡路島でのナラタケ地方名は無いのではないか? もしあるのならばご教示を賜わりたい。

『岡山のキノコ』 山陽新聞社 もとあし(蒜山地方)
『広島県のキノコ』 中国新聞社 ざざんぼ
『徳島県のきのこ図鑑』 徳島新聞社 地方名記載なし
『熊本のきのこ』 熊本日日新聞社 クヌギナバ(阿蘇郡小国地方)ササナバ(菊池市) 


天然マイタケ(舞茸)の発生が始まった。
淡路島で発生した天然マイタケ。10月2日撮影なるもピンボケ写真。
アカガシ(赤樫)の立ち枯れ木の根際に生じたマイタケ

●1年が経つのは早くて季節は巡り、またマイタケの発生時期となってまいりました。毎年、同じような記事でありますが、マンネリといえばマンネリでありましょう。そもそも日々の暮らしは、古雑誌を1枚づつめくるような単調な繰り返しで、生活そのものが人生そのものがマンネリであります。意表を突くような珍妙な変化というのは少ないのです。マンネリこそ人生の本質であり、日々同じことの繰り返しでありますが、ある意味ではそれは安心です。明日なにが起こるか予想もつかないということの方が恐いです。偉大なるマンネリの中でヒトは生きていますから、去年と同じような記事になるのはしかたがありません。

●山菜王国でありキノコの聖地である東北地方の日本海側から、遅れること3週間~4週間でわが淡路島にも天然マイタケの発生前線が南下してきました。淡路島南部の山岳地帯、諭鶴羽ー柏原山山系でのマイタケ発生時期は例年9月25日~10月20日ぐらいですが、出る木により、その場所の標高で微妙に異なります。で、マイタケの発生する木ごとに収獲適期がずれるのですが、ちょうど採り頃に行くには結構経験が必要です。私は30年間淡路島の南部の山岳地帯をほとんど空白なく歩き尽くしていますのでチョイチョイと採ってきますが、残念ながら俄かキノコハンターが天然舞茸を採ることは、偶然の僥倖が味方しない限りまず無理でしょう。キノコハンターの間ではキノコの発生場所(シロ)はご互いに秘密なのです。親兄弟にも場所は言いません。

で、コツだけここに公開いたします。天然舞茸は中央高地から東北地方の日本海側が発生頻度の高い深山のキノコですが、西日本の瀬戸内側にも太平洋側にも広く分布しています。発生する樹木は北の地方では圧倒的にミズナラですが、南の地方ではシイ(椎)の木です。他にも、アカガシ、シラカシ、ウラジロガシ、クリ、サクラなどにも発生します。まず大木に出ますが、その木には、一部の大枝が枯れているなどどこか傷んでいる箇所があります。全く健康な木ならばマイタケ菌にまだ感染していないのです。北の地方でも南の地方でも何故か山の南東向きの斜面に発生する確率が顕著に高いです。

天然マイタケを見つける一番のコツ
●山の斜面を一望に見渡せるようなところに立って、 ①、高性能の双眼鏡で、斜面にある大木を捜します。とくに山の南東斜面を捜します。その山の大木はもれなくチェックして ②、1本1本丁寧に根際をしらべる。調べるのは ③、できたら5年間にわたって調べます。なぜならば個々の発生木で毎年出るとは限らないからです。今年出ても後3~4年休むこともあります。 ④、西日本ではシイやカシの木を調べますが、四国や紀伊半島など ⑤、1000m以上ではミズナラをしらべます。なお、ブナには出ませんが、近縁種のトンビマイタケが良く出ます。トンビマイタケは手で触ったり押えたりした部分が黒く変色する欠点がありますが、ダシが良く出るキノコで食べられます。それから西日本の低地では ⑥、サクラ(桜)の大木も見逃してはいけません。発生頻度が高いです。 ⑦、平地の寺社林が意外に穴場なのです。寺社林には大木がありますし、都会の只中のシイやサクラの大木での発生例も報告されています。寺社巡りをしながらマイタケ探しも面白いです…。マイタケは北日本の深山のキノコというイメージが浸透していますが、西日本の低地にも発生しています。採って食べなきゃ勿体ないです。


本日(10月2日)の収獲物。 これはやや小振り。走りのものは小さいことが多い。
本日10月2日の収獲物

調理の一例。舞茸ごはん。山のキノコの作品。器が悪く、美味そうには見えない。 
マイタケ調理の一例

作り方
【材料】 メインの具材は、もちろん天然舞茸。 へら状の傘が開き切ったものではなく、若いものがいい。薄く短冊状に切るとアワビの刺身みたいな食感で大変美味い。脇役の具材は、人参、むきエビ、イカ、油揚げ、鶏肉を入れてもいい。具材はやや大きめに切るほうが宜しい。ちまちまと小さく切るのは良くない。

【調味料】 昆布と煮干しでとった出し汁。醤油。塩少々。酒少々。化学調味料は絶対に入れてはいけません。化学調味料は食品ではなく工業製品であり薬品。厚生労働省が認可していても後に発がん性が分かったなどで使用禁止になる食品添加物がけっこうあります。そういう添加物をブレンドして作っているのが化学調味料。害がある可能性がありうるし、人間の本来の味覚を麻痺し撹乱しています。食卓から化学調味料を追放するのが望ましいのです。

【作り方】 はご飯を炊くときに、メイン具材と脇役具材を投入し、水ではなく出し汁と調味料でご飯を炊きます。その分量は適宜。濃い味が好きな方は調味料を増やすし、薄味の好きな人は減らす。人によって好みが違うから適当に。ご飯は「おこわ」になるように堅めに炊きます。「おこわ」は油分が入ると飯がパラパラとなってべとつかないから、油揚げとか鶏肉を入れるのが望ましい。



なんぼ考えても勿体ない、ヤナギマッタケ
せっかく、ヤナギマッタケという上等な食菌が発生したのにもかかわらず、見つけるのが遅くて食べられません。傘の裏面が焦げ茶色に変色しています。まだ腐ってはいませんが既に老菌です。あと1週間早く気がつけばなあ、と残念であります。食べるタイミングが外れ、とても勿体ないです。

以下の3枚の写真は、ヤナギマッタケという珍しいキノコであります。優秀な食菌ではありますが食用適期を過ぎています。モクレン科のハクモクレンという樹の切り株に発生しました。淡路島南部のわが南あわじ市でもよく発生します。晩春から夏にかけて出ることが多いです。その名称が示すようなマッタケの香りなどはありませんが、炒めものとか、スープや味噌汁に良く合う食材です。一部で栽培化が始まっていますが、世の中で普及し、田舎のスーパーの店頭にまで並ぶのは相当先になるであろうかと思われます。南あわじ市でヤナギマッタケを賞味するには、自分で見つけて採取するほかは今のところ方法がありません。私の写真では既に傷んだ老菌なので、分かりにくいと思います。そこで Google画像検索 「ヤナギマッタケ」 を閲覧するといいでしょう。ただし、沢山並んでいる写真群の中には違う物も混じっているのが見受けられます。しかし9割超のものがヤナギマッタケであります。大勢の人々が色々な樹に発生した幼菌から成菌・老菌まで生長の各段階のものを写真にとり、しかも、単発で発生した1本だけのもの、株立ち状で発生したものなどいろいろな写真が並んでいます。非常に参考になります。キノコ図鑑とかキノコ誌などとは別の有意義さがGoogle画像検索にはあります。とても優れ物でありますね、。

↓ 兵庫県南あわじ市にて、2013.7.6、ヤナギマッタケ。
ヤナギマッタケ

↓ 同じものを別のアングルから見る。
ヤナギマッタケ

↓ 裏面のひだは既に褐色に変色し、柄の上部にあるツバと呼ばれる膜がほとんど消失しています。ツバの一部は傘の裏面に貼り着いていて、残存しています。
ヤナギマッタケ傘の裏面

ランクルさんからコメントを戴いたので、記事として取り上げます。 (原文を損なわない範囲で、編集しました。また明白な変換ミスは直しました。)

山のきのこさんは当然キノコに詳しいのですが、私らの素人にはキノコは怖いものだとインプットされているので、なかなか食べれるのか判らずにいます。先日も孫がクワガタを採りに行こうというので、ヌレの木(正式なのはニレなのか? 椚の葉っぱと似ているが小さい)にクワガタを探していたら、ヌレの木に大きなキノコが生えていました。カメラを持っていなかったので、写してはいませんがお椀ぐらいのキノコが、根元から50cmぐらいのところに数本並んで生えていました。

山のきのこさんのおっしゃっている今回のヤナギマッタケの話と関係あるのか知りませんが、昔からヤナギの木に生えるキノコは食べられると聞いたことがありますが、それも食べたことはありません。キノコは好きなんですが……。毒キノコの話を子供の頃から聞いているので、買ってこないキノコは口に入れることはメッタにありません。心配なら農業試験場へ持っていって聞いてきたらいいと言うひとも居ますが、そこまでして食べようとは思わないので、気にはなっていますが……。


わたくし山のキノコの返信
ランクルさん こんばんわ。いつもお世話になります。

>>ヌレの木(正式なのはニレなのか?

正式というか標準和名は 「アキニレ」 です。ニレにはアキニレ(秋ニレ)と、ハルニレ(春ニレ)があります。アキニレは花が(淡路島では)秋9月ごろ咲くので秋ニレなんです。ハルニレは花が春です。ハルニレは北日本や本州高冷地に分布していて、兵庫県でも北部の山地にはハルニレが分布していますが、淡路島ではハルニレは見つかっていないです。 暖地にあるのはアキニレです。

>>心配なら農業試験場へ持っていって聞いてきたらいいと言うひとも居ますが

きのこ狩りが盛んなのは北海道・東北地方・北陸地方・長野県あたりの北日本や雪国です。さまざまな野生きのこが日常的に採取されて食べられているみたいです。山採り天然キノコが朝市で法外な値段で売られています。で、これらの地方では、保健所などに野生きのこの食毒判定できる人がけっこういるみたいです。保健所は食中毒の防止活動や食中毒患者発生統計を取っているようで、それらの活動の関連なのか、キノコに詳しい職員がいた場合には食毒判定しているみたいです。 ただし、保健所はキノコの食毒判定が正式な業務じゃないハズです。あくまでもサービスでやっているのではないかと思います。それも、保険所の職員は必ずしもキノコ分類学のエキスパートじゃない筈で、その職員が分かる範囲で…、ということであろうかと思います。

淡路島のように暖地では、東北地方のようにきのこ狩りが盛んではなく、(天然きのこの朝市も全くありません)キノコ中毒発生もほとんどないので、保険所の職員はキノコ中毒に関心が薄いであろうと思います。保険所に野生キノコを持ちこんで食毒判定してくれと頼んでも、多分、断られるだろうと思います。ただし、そのキノコを食べて中毒した場合は別で、その不明キノコをしかるべき機関に回して種名を同定するような対応を取るであろうと思います。(しかし、中毒してからキノコの正式名を知っても後の祭ですよね…)

農業試験場に持ち込んでも同じことで、農業試験場はキノコの食毒判定が正式業務ではないので、南あわじ市にある農業試験場では多分、ダメでありましょう。期待できません。しかし、農業試験場に居る職員は農学や林学や獣医学など専攻した人が多いので、たまたま菌学(キノコの分類や生態)を学んだ人がいたならば、食毒を判定してくれるでしょうが、それも、分かる範囲でです。そもそも、日本のキノコ分類学はまだ発展途上みたいで、名前のついてないキノコがまだまだ沢山あります。食毒不明種がたくさんあります。

キノコの鑑定をしてもらうのに期待できそうなのは、農業試験場ではなく、林業試験場のほうです。なぜならばキノコの専門家が居るからです。林業試験場では、キノコが森林の産物であるということで、キノコの栽培試験などやっています。その栽培試験の土台に、キノコの分類や生態の基礎知識が絶対に必要です。沢山ある野生キノコの中から、新しい栽培種を開発できないか? などの研究もやっているようです。たとえば、ハタケシメジの栽培・商品化を手掛けたのは奈良県の林業試験場でしたか? このように林業試験場にはキノコの専門知識を持った職員がいるんです。(会費を払い忘れて除名されたみたいですが)私が入っていたキノコの会には、各地の林業試験場のキノコ研究員が大勢会員になっていました。農業試験場の研究員はいなかったと記憶しています…。

たとえば、南あわじ市から最寄りのところでは、徳島県の林業試験場が徳島市の外れ、眉山の西のふもと、吉野川の支流の鮎喰川(あくいがわ)沿いにあります。キノコの栽培試験研究を盛んにやっていて、キノコの専門家がいます。この徳島県林業試験場は以前にシイタケの栽培試験で、色々な樹種の原木でシイタケ栽培をする試験をやりました。結果、中国南部原産のフウという樹木と、北アメリカ原産のモミジバフウという樹種がシイタケの収穫量が素晴らしく多いことを報告しています。で、こういう機関に持ち込んだら、ひょっとしたらキノコの食毒判定をしてくれるかもわかりません。でもそれは正式の業務ではないから、実際はどうなのか問い合わせてみないと分かりませんが…。
 徳島県立 農林水産総合技術支援センター総務管理課 森林林業研究所 すくなくとも、南あわじ市の農業試験場や保健所では、キノコの分類の専門家がいないと言う理由で、断わられるのではないでしょうかねえ?

ところで、そういえば、西淡町の人は(湊とか慶野の人とか)は慶野松原でショウロを採っていますよね。ショウロ以外にも、金茸(きんたけ)という黄色いキノコも採って食べているようです。正式名はほぼ間違いなくシモコシであろうかと思いますが、実物で確認しようと過去なんべんも捜しに行っているんですが、私はまだよう見つけていません。ハツタケ(初茸)もしばしば発生していて、食べる人は食べているみたいですよ。慶野の松原でキノコ観察会(実態は単なるきのこ狩り)など面白そうですね…。鍋を持って行ってキノコの野外料理とか…。


追記
農水省の外郭団体で 日本特用林産振興会 というのがあって、きのこアドバイザーという資格?を作っています。きのこ鑑定士とも呼ばれています。身近にそういう人がいて、採ってきた野生キノコの食毒を気軽に聞けたらいいのですが、まだ全国で僅か200人ほどしかいません。

淡路島には 「きのこ鑑定士」 は多分いないと思います。きのこ鑑定士になるには、キノコの会やキノコ関連の研究所などに所属していて、その団体・機関の推薦がなければ、きのこ鑑定士になるための研修が受けられません。推薦団体となり得るキノコの会は近畿地方には、日本菌学会関西支部・関西菌類談話会・(京都)幼菌の会・(神戸)兵庫きのこ研究会ぐらいのものでしょうか? 他のキノコの会は、きのこ狩りを楽しむ程度のものばかりです。昔、調べたことがあるのですが、これら専門家が主宰しているようなキノコの会の会員自体が淡路島にいませんでした。(今はひょっとしたら居るかもしれませんが)林業試験場なども淡路島にはないし、必然的に、淡路島には 「きのこ鑑定士」 は居ないであろうと思われます。つまり、わが淡路島には野生キノコを採集して持ち込んでも、その種名を同定したり、食毒の判定を教えてくれる機関も人もいないと考えざるをえないのです…。

私の拙い観察でも、1本食べたら命を落とす危険性が極めて高いドクツルタケやシロタマゴテングタケが、淡路島の山で結構ふつうに発生しています。地面に生えて壺(つぼ)のある白いキノコは特に厳重な警戒が必要です。安易な試食などは危険です。よく分からない物には絶対に手を出さない方が宜しそうで……。
大寒のヒラタケ、採る
●本日は、2012年1月25日であります。いよいよ年間で一番寒い時期になりました。気象観測統計をチェックしてみましたところ、わが淡路島の洲本特別地域気象観測所(旧洲本測候所)の観測統計では、1月28日~2月2日の6日間が、日最低気温の平年値が1.6度であります。この6日間が年間で一番気温が低くなります。6日間の真ん中をとれば1月30日と31日との境ということになるのですが、つまり、年間で一番気温が下がるのは1月の月末ということになりましょう。

●厳寒期にもかかわらず、ヒラタケが逞しく出てきました。西日本ではカンタケ(寒茸)という異名が広く分布しています。読んで字のごとく寒い中でも出てくるという意味ですが、その異名に恥じない面目躍如という感じです。

1月25日に見つけたヒラタケ(平茸)ホストはニワウルシの立ち枯れ木
↑本日1月25日に見つけた。収獲適期を数日過ぎているという感じではありますが、気温が非常に低い時期なので傷みがほとんどなく、食べられます。実際に晩飯のおかずに七輪(?)で炭火であぶって焼肉のタレで食べたら美味かったです。焼いて焼肉のタレで食べるという食べ方は、昨年12月23日に観察会 「おたけさん」 の 特選写真ギャラリー をした際にもヒラタケを見つけて、参加者の「おたけさん」が考案した食べ方です。
今年(この冬)はヒラタケの当たり年かも? 昨秋から何回もヒラタケを賞味させていただきました。

●昨年12月23日の観察会でのヒラタケは、エノキ の大木の枯れ木に出ていました。本日見つけたものは、ニワウルシ の枯れ木に出ていました。ニワウルシは環境省が特定外来生物に指定して目のカタキにしています。けれども、ニワウルシの大径木の枯れ木には、ヒラタケや野生のエノキタケがよく出てきます。キノコファンには有難い神様のような樹木なんです。特定外来生物に指定して目のカタキにするのは、バチが当たります。そのほかの樹木ではヒラタケは、カクレミノ にもよく発生しています。淡路島南部の山岳地帯では、ヒラタケの発生する3大樹種はエノキ・ニワウルシ・カクレミノなのです。他の樹木では発生頻度は極めて低いです。なお、ヒラタケは枯れ木でないと発生しません。生きている木はダメです。で、ヒラタケ探しのコツは、この3大樹木の立ち枯れや切り株を探すことです。

● Google画像検索「ヒラタケ」 を見ると沢山出てきます。広い世の中にはヒラタケファンが大勢いるようです。写真の撮り方にもよるんですが、傘の色など変異の幅があなりありそうです。私が本日採ったものは「ひだ」がかなり黒味を帯びたものでした。Google画像群は下の方にいくとクリタケ、ナメコ、など明らかに違う物が出ているので、参考にするには上の方の物だけにしておくほうが無難です。なお、37段あたりに観察会に参加下さった方が出てきたのにはびっくりです。

● 『今昔物語』に載るヒラタケの話 がネットに落ちていました。この文章は、多分、小川真著『きのこの自然誌』から転記したものだと思います。同小川氏著『マッタケの生物学』と並んできのこファン必読の名著です。
また、マイタケ捜し。マイタケ三昧の日々…。
●諭鶴羽山系で、マイタケ狩りの最盛期となりました。マイタケ狩りの本場といえば、もちろん東北地方でありましょう。淡路島の諭鶴羽山系は秋田県・山形県からは緯度にして4度も5度も南にありますし、山の海抜高度も低いので、本場と比べると、やはり1か月前後はマイタケの発生が遅くなるようです。

●南の地方のシイの木やカシの木などの照葉樹林帯の住民では、マイタケ狩りをするなどという習慣は皆無であります。というよりも、マイタケが南の地方にも分布していること自体が、住民の間で全く知られていません。で、淡路島の人口は約15万人ですが、島の南部の洲本市と南あわじ市に10万人も住んでおりますが、秋10月に、島の南部の山々を歩き回ってマイタケ捜しをするのは、たぶん、恐らく、わたくし山のキノコ一人だけであろうかと思います。ということは、奪い合いをする競合相手が全くいないということです。換言すれば、諭鶴羽山系で発生するマイタケはわたくし一人占めであります。

本場の秋田県・山形県・新潟県などでは、マイタケ狩りをして食べるという食習慣が定着し伝統でありますから、大勢のキノコハンターがいて、大勢の人々がわんさかと山に入り、キノコハンター同士で熾烈な奪い合いです。競合相手がひしめいている状況では、「あの人はマイタケ採りの名人らしい」ということになると、ライバルが興信所の探偵よろしく跡を付けてくるというようなことが当然あるでしょう。で、煙に巻く必要もありましょうし、油断をしていたらトンビに油揚げをさらわれてしまいます。

●その点、諭鶴羽山系のマイタケ狩りは、だれも跡を付けてきません。とても気楽なキノコ捜しなんですけれども、逆に、同好の者が全くいないので “情報交換” などもありません。やはり大勢の目で観察することによって見えてくるものがあると思います。現在、マイタケの発生を確認している樹種はシイ・ヤマザクラ・アカガシだけですが、更に調査すれば他のブナ科の樹木アラカシ・シラカシ・ウラジロカシ・クリあたりもマイタケの発生はあり得ると予想しています。しかしながら、この小さな山系であっても200平方キロもあり、一人では悉皆調査など絶対に無理であります…。

本日、2012年10月21日に見つけたもの
シイの木の根際に出たマイタケ
↑シイの木の根際に発生していました。量りではかっていないけれども、2~3キロありそうな大物です。沢山のヘラ状の傘がいろいろな方向に伸びて模様を作っている様子が、なんとなく スズメバチの巣 に見えます。

マイタケの収獲
↑紙袋に、正月の飾りにするシダ植物のウラジロの葉を敷いて、見つけたマイタケを入れました。これは御世話になったランクルさんにおすそわけしました。とても美人の奥様に渡しましたが、懸念するのは、上手く料理ができるだろうか? ということであります。本場の東北地方の人々と異なり、西日本ではマイタケ狩りの習慣がないため、マイタケの扱いに馴れていません。

コツは、とにかくマイタケを70度~80度のやや低温で火を通すことです。たとえば鍋物にするならば、他の具を鍋に放りこんで沸騰させて煮て、一旦火を止めて、マイタケを投入し余熱で煮るぐらいの気持ちで料理する、のが秘訣です。その理由は70度~80度の低温の時間帯を長くすると、旨み成分が生成されるからです。強火で沸騰の100度で一挙に火を通すと旨み成分が出ないのです。東北地方の人々は長年の経験からそれを体得しているので、強火で他の具材を料理し弱火に切り替えてマイタケを入れるという要領を知っていますが、西日本の人はそんなことは誰も知らないのです。これが、西日本ではマッタケは珍重しても、市販の栽培マイタケをあまり評価しない理由です。

●マイタケが美味いかどうかは、料理法で大きく左右されます。たとえば、山形県の 天然の山菜・きのこ・木の実を産直販売の「山菜屋ドットコム」様 の天然マイタケは1キログラム株で8000円という値段です。これはちょっと高すぎると思いますが、他の東北地方の業者の値段を調べると、天然マイタケは1キログラム株で、3000円~8000円が通り相場のようです。西日本の住民の目には全く理解に苦しむ法外な値段に見えます。この相場では、写真の物は2万円程度になってしまいます。そんなアホウな、と思います。しかしながら、東北地方の人々はマイタケを美味く料理するすべを心得ているからこそ、そんな法外な評価になるのだろうと思います…。

有名な秋田県の郷土料理 きりたんぽ鍋 は入れる材料が決まっていて、ゴボウ、鶏肉、マイタケ、ネギ、たんぽ、セリの6種とされるそうですが、マイタケが必須なのです。

青森県を除く東北地方の郷土料理といえば、あまりにも有名な 芋煮会(芋煮) ですが、You Tube「芋煮の作り方 山形名物 芋煮会 レシピ」㈱黒田吉五郎商店様 の動画を拝見すると、やはりキノコを入れるようです。シメジも入れていますがマイタケもしっかり入れています。(動画では栽培品を入れています。天然品は値段が高すぎるのでしょうか?)

まだまだアケビが成っています
アケビの果実
↑10月21日です。まだ成っています。早いものは9月中頃に熟していましたから、早い物と、遅い物とでは1カ月の差があります。
諭鶴羽山系にもキノコ狩りシーズンが到来!
●今年はまだ終わっていませんが、今年の9月までの西日本の気象を概観すると、冬がかなりきびしいものでした。「日最低気温」の記録更新地点の、大量出現 がめだちました。寒波が原因で、寒さに弱い果樹の ビワの幼果に「凍害」が発生! 今後、懸念される寒冷化の被害 というのも顕在化しました。春先になっても気温の低い状態は解消せず、ウメや サクラの開花 は平年開花日よりも大幅に遅れ、生物季節の1週間から10日の遅れが鮮明になりました。なんせ 諭鶴羽山系のシャクナゲ観察会 も5月13日に行ったほどです。10年前ならば5月のゴールデンウィークのころが満開期でした。1週間ていど遅方にずれています…。この気温の低い状態は7月中旬まで続きました。

●しかしながら、7月下旬から以降は一転して、気温が平年よりも高めに推移しました。そもそも、地球儀を見るとよく分かるのですけれども、地球の南半球は90%が海であります。一方、北半球は陸地が50%、海が50%と拮抗しています。北半球の海と陸地の比率が半々という分布が、そもそも偏西風の大蛇行を引き起こす根本的な理由だと言われています。夏は相対的に陸地が熱く海が冷たく、冬は相対的に陸地が冷たく海が熱いわけですが、気圧の高圧部と低圧部が交互に配列し、しかもその配列は季節が変わると変化し、その結果気流の大きな蛇行が起こっているようなんですけれども、南半球ではそんなことはあまり起こっていないところをみると、やはり海陸分布が半々ということが偏西風の大蛇行を引き起こしていることが直感的にも理解できそうです。その蛇行も一定のパターンで季節変化しているようなんですが色々な要因で “ときどき位相がずれてしまう” ということが起こり、その位相のずれた時間・場所で平年値よりも大きく偏差する観測値が観測される、という感じでありましょうか? 平たく申せば偏西風の大蛇行が大きく北上する面で記録的高温が観測され、偏西風の大蛇行が大きく南下する面で記録的低温が観測されているという感じで、なんでもかんでも地球温暖化に結び付けて解釈する風潮には、疑問というか、政治力学の干渉を感じざるをえません…。

●で、夏以降は、大気の循環運動の位相がずれて “暑い廻り” になってしまったようで、それは特に東北・北海道の北日本で顕著だったのですが、淡路島のある西日本もやや暑い夏でありました。キノコ発生前線の南下もちょうど1週間遅れてしまいました。春の花の開花が平年値よりもちょうど1週間遅れ、秋のキノコの発生もちょうど1週間遅れたのは、つり合いが取れていて、位相のずれという面からもうまく説明がつきそうな感じがしております。

平年よりも1週間遅れて、諭鶴羽山系でマイタケが出てきました。
諭鶴羽山系では点々とマイタケの発生がみられますが、意外に人家の近くにも出てきます。標高の高いところでは10月上旬から中旬ころ、標高の低いところでは10月中旬から下旬がマイタケ狩りの適期であります。わたくしの調査でマイタケが発生する樹種を確認したのは、ヤマザクラ(山桜)、シイ(椎の木)、アカガシ(赤樫)、の3種だけですが、可能性としてはアラカシ・ウラジロカシ・クリあたりもマイタケの発生は有り得ると思います。普通は大木とか古木に出るとされているのですが、意外にも、径50㎝ほどのそれほど大きくない木にも発生します。
狙い目はサクラの木です。サクラの古木は人里にも各地にいくらでもあります。京都では市街地のサクラの大木に巨大なマイタケがでたという話もあります。それから神社のシイの木です。山だけでなく平地にも、どこの神社にもシイの大木はあります。
さあ、カゴをもって捜しに行きましょう。

本日2012年10月12日に採ったマイタケ
今月いっぱいは、キノコ捜しに忙しいので遊んでいる暇はありません。
マイタケ
↑これはヤマザクラの根際に出たものです。保護色になっていて見つけるのが難しいです。

マイタケ
↑こちらはアカガシの根際にでたものです。これも保護色になっていて見つけにくいです。

シイタケ
↑こちらはシイタケの秋子。樹種は不明ですが枯れ木に出ていました。

タマゴタケ(卵茸)の観察
●諭鶴羽山系のシイ林やウバメガシ林では、夏から初秋にかけて、地面にタマゴタケがよく出てきます。落葉が溜まり、厚い腐葉土が形成されているようなところに出ることが多いです。このタマゴタケは傘がオレンジ色~朱色であります。原色けばけばしくて、とくに幼菌では目の覚めるような鮮紅色でありますから、恐ろしい毒茸のように感じる人もおりましょう。しかしながら本種は上等な食菌です。“毒キノコは鮮やかな色で、食用キノコは地味な色” などとするのは全くの迷信であり、その迷信は根強いのですけれども、そんな根拠なき迷信を打破するのに最適なキノコがタマゴタケなのです。

●近年では、諭鶴羽山系では、タマゴタケの成菌を見ることが少なくなりました。というのはイノシシやシカが食べるのです。タマゴタケはよく目立ちます。イノシシ(猪)やシカ(鹿)の色彩感覚はどうなっているのか、イヌ(犬)みたいに色盲なのかどうか知りませんが、タマゴタケの幼菌の段階で見つけて食べてしまいます。諭鶴羽山系のイノシシやシカはキノコが大好きなのです。天然のシイタケを採る場合、発生する枯れ木の下の方は動物たちが食べてしまいます。動物たちの背が届かない2mぐらいから上のものしか残りません。

まずは、キノコの各部位についての名称を覚えましょう
テングタケ属の用語図解
↑保育社 上田俊穂著『検索入門 きのこ図鑑』から借用。テングタケ属(Amanita・アマニタ)の部位名称です。

【↓タマゴタケの幼菌 9月12日撮影】2日後、動物に食べられた。
タモゴタケの幼菌
↑卵の殻(白身)を突き破って、中の黄身ならぬ赤身が出てきました。更に幼菌があったならば、縦に切るとタマゴタケと和名を付けられた理由がよく分かるのですが、捜しましたが、ありませんでした。

【↓タマゴタケ成菌 9月14日撮影】上の写真のものとは別もの。
タマゴタケの成菌
↑タマゴタケの傘は縁よりも中央部のほうが色が濃いです。この写真は傘のてっぺんが白っぽいですが、これは光線の当たり具合によるものです。傘の表面がツルンとしているので光線を反射しています。白っぽいわけではありません。傘の頂は、たんこぶが出来たかのように少し盛り上がることが多いです。

●上の写真のものを測ってみました。
傘の径は6.7㎝、高さはツボの基部から傘の頂まで12.0㎝、つぼは長さ3.4㎝、幅2.1㎝、柄の径は基部つぼに接する部分で1.0㎝、最上部で0.6㎝であります。あくまでも写真の子実体のサイズでありますが、タマゴタケとしては、やや小ぶりという感じであります。

【↓傘の縁には縦じま模様の条線がある】これが本種の大きな特徴。
傘の縁には条線がある

【↓柄には縞模様がみられます】
柄には「だんだら模様」がある
↑卵の殻のようなつぼからぴゅーっと伸びるには、地色よりも濃色のだんだら模様(縞模様)があります。柄の上部には膜質のつばが垂れ下がるようにまとわりついています。柄は中空です。(中身が詰まっていなくて、柄を横断するとストローのように穴があいている)
かさの裏側のひだは黄色っぽく、ひだの粗密状態については、傘の外縁部において数えると1㎝幅に8~9本ありました。(当然ながら傘の中心部に行くと密になる)

食べ方、山と渓谷社『日本のきのこ』から引用します
傘は薄くやわらかく、ぬめりがあり、きわめて舌ざわりがよい。きのこそのものの味はよい。根もとの白いつぼは、味がなく、口あたりもよくないので取り除いて料理する。きのこ汁、けんちん、お吸い物などの汁物や、鍋物には、こっくりとしたうま味のあるだしが出る。ただし夏場に発生するものは、特に虫がつきやすく、傘の内の痛みも早いため、特有の腐敗臭が出ないうちに、手際よく料理しなければならない。

注意点
タマゴタケの亜種に傘の色が異なるものが知られています。暗褐色のチャタマゴタケ、黄色のキタマゴタケ、ですが諭鶴羽山系にはなさそうです。また、傘が赤色のタマゴタケには柄にだんだら模様がない系統があるみたいで、諭鶴羽山系でわたくしも見たことがあります。
タマゴタケが属するテングタケ属のキノコには、猛毒菌がたくさん含まれているのが知られています。諭鶴羽山系でも、致死量が1本と言われる猛毒菌御三家のドクツルタケシロタマゴテングタケがよく見られます。ので、観察して少しでも変に思ったら、絶対に手をださないことであります。特に白いキノコには手を出さないこと
キノコ狩りシーズン到来! カゴを持って採りに行きましょう。 キノコのご注文は「天然きのこ産直便」へ!
【謝辞】
さっそくに、ランクルさんが氏のサイトの 連絡ボード で宣伝をしてくださいました。ランクルさんにはいつもお世話になりまして、ありがとうございます。御礼申し上げます。で、自然観察会は涼しくなる10月中旬ぐらいがいいのでは? と思うんですが、そのころが秋の野生果実の熟するピークです。「2つのアケビ、地面のツチアケビと樹上のミツバアケビ」の観察はいかがでしょうか。

参加者にはひょっとしたら天然マイタケのおすそわけが付くかも?? 残念ながらマイタケの発生する場所は、非公開です。きのこハンターの世界では、キノコの発生するシロは見つけた本人一代限りで、親兄弟子にさえも秘匿なんです。しかし、収獲物のおすそ分けならばできます。(9月7日追記)


本日は9月6日(木曜日)であります。

●秋になりました。空の高いところには、刷毛で掃いたような高層雲がぼちぼちと現れはじめました。野には色々なハギの花も咲いています。ススキの穂も膨らんできましたが、暖地の淡路島南部では中秋の名月の観月会の活花に間に合うかどうか? わかりません。まだまだ残暑は厳しいわけですが、しかし高層天気図を毎日見ていると、高緯度の上空の気温が急激に下がってまいりました。

アムール川中流域の、寒気を伴う上空の低気圧では、500hPa高度で昨日(5日21時)に寒気の中心が-21℃です。更に北をみると-30℃の数字もちらほらと見え出しました。地上ではどんなに残暑がきびしくとも、上空の観測データをみると確実に急速に秋は深まっております。いつの日になるかは分かりませんが、残暑を一挙にけちらかす冷気がシベリアから、どっと南下してくるのは時間の問題であります。

●さて、稔りの秋はきのこ狩りの秋でもあります。春5月13日に淡路島自生のシャクナゲ観察会を催行しました。また、梅雨の6月24日に沼島の結晶片岩の観察会を企画催行したしたところ、ランクルさんのご尽力をたまわり、いずれも好評を博しました。暑い夏が終わったので、つぎに秋の自然観察会の企画として「きのこ狩り」かあるいは「奇妙なラン科植物のツチアケビの観察」などを考えているわけでございますが、もし実施するということになりましたら、拙ブログで発表いたします。

私のきのこ写真(マイタケの写真)が『新潟こだわり市場』様の「天然きのこ産直便」サイトの表紙の写真に採用されました。
東北地方・新潟県といえば全国有数の天然きのこや山菜の宝庫であります。キノコに目が肥えている市場の方に拙写真が採用されるとは、まことに光栄な限りであります。また、その目の肥えている地方の方から見ても、諭鶴羽山系のマイタケは姿・形が秀麗であり、北の地方のキノコと比べても何ら遜色が無いことを表しているのであろうかと思います。

●秋の自然観察会で、もし「きのこ狩り」を催行することになりましても、キノコの発生は気温や降水量の微妙な条件に依存しています。で食用価値の高いキノコがそう簡単に採取できるわけではありません。半日、山の中を歩き回っても収穫ゼロということも多いです。で、確実に、天然キノコを賞味されたい方は「天然きのこ産直便」に注文されるといいでしょう。

【天然きのこの入手先は次のサイトです】
天然きのこの通販・販売なら「天然きのこ産直便」
このサイトを見ると、きのこ狩りの名人たちの写真が見られます。みんな平和ないい顔をしていますねえ。キノコは複雑な分子構造の多糖類をたくさん含んでいて、免疫力を増す効果など薬理作用があることがよく知られています。すぐれた健康食品であります。また、色々な微量ミネラルを含み食物繊維も多く、栄養的にも価値ある食品です。キノコを常食すると、健康が良くなるだけでなく気持ちが穏やかに落ち着いてきまして、きのこ狩り名人のようないい顔になってきます。女性の方には美容にもキノコがいいでしょう。ご紹介サイトでは天然マイタケだけではなく、天然のナメコや天然のヒラタケなど色々と珍しいキノコも扱っているようです。
こちらは、旨いものひとすじ『新潟こだわり市場』です。
こちらのサイトで、有名な “お米の宝石” とも言える新潟県魚沼産コシヒカリをはじめ、珍しい名産の数々を注文することができます。

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【諭鶴羽山系で見られる食用キノコ】
↓シイタケ 春にも秋にも出てきます。
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↓マイタケ 秋10月に出ます。
マイタケ
↓ヒラタケ 秋遅くに出ます。春にも出てきます。
ニワウルシの枯れ木に生じたヒラタケ
↑樹上で乾燥して干しヒラタケになっています。

●他にもいろいろと食用キノコは出てきますが、紹介するには写真が撮れていません。拙ブログのプロフィールのところの写真は天然のエノキタケです。秋遅く11月~12月に出てきますが、諭鶴羽山系でも普通に見られます。


天然きのこ産直便
優秀な食菌「ヒラタケ」の天然品について
★寒候期のキノコのヒラタケを見つけたので写真をとりました。寒い時期に出ることが多いので、西日本ではカンタケという別名が広く分布しているようです。
ニワウルシの枯れ木に生じたヒラタケ
↑これは中国東北部あたりが原産の帰化樹木のニワウルシの立ち枯れ木の幹に発生したものです。本日1月30日に写真に収めました。ヒラタケ科の「ヒラタケ」です。秋遅くとか春先とか、あるいは梅雨時分によく出るキノコです。写真の物は恐らく11月ぐらいに出て、12月以降は少雨だったので樹上でうまく干物になっています。干しヒラタケです。籠に一杯ありがたく収穫させていただきました。優秀な食菌で煮物・鍋物・天麩羅などどんな料理にも合います。

★諭鶴羽山系では、ごくありふれた普通種のキノコです。いろいろな樹種の枯れ木に出るのですが、突出してよく出る樹種は「ニワウルシ」と「カクレミノ」の2種です。ウコギ科のカクレミノの葉の写真はこちら。 他にはサクラ・アカメガシワ・ビワの木などにも出るのですが、ヒラタケは「木材腐朽菌」なので枯れ木にしかでません。シイタケと同様に樹皮が剥がれた部分にはまず出ません。枯れ木で樹皮があるという条件が必要です。

★写真の物の「かさ」の色は茶色っぽいですが、ヒラタケはかなり変異があるみたいで、白っぽいものから灰色がかったもの、濃い茶色、えび茶色と色には変化があります。梅雨時分に出るものの多くは「かさ」が小さく白っぽくて肉薄の「ウスヒラタケ」が多いようです。

裏側のひだの様子
↑この乾燥ヒラタケを採取して、裏側を写真に撮りました。「ひだ」は “やや密” の状態です。写真のものは乾物になっているので「ひだ」が波打っていますが、生の状態ではほぼ真っ直ぐです。「柄」はほとんど無いか、あったとしても1~3㎝程度で極めて短いです。「かさ」の縁が内側に少し巻いていますが、生時でも少し巻いていることが多いです。

★淡路島には毒茸のツキヨタケは全く分布しておりませんが、ブナ帯(冷温帯)のキノコ狩りでは、ヒラタケとツキヨタケが同一のブナの倒木や立ち枯れに発生することがあります。で、少し注意を要するのですが、諭鶴羽山系ではヒラタケに似た毒キノコは全くありませんから、安心して採取できるキノコであります。おおいに採って食べましょう…。

●さて、淡路島の店頭で販売される食用キノコに、どのようなものがあるか? また、店頭で販売される食用キノコのうちその野生品が何種、淡路島に自然分布しているのか? 調査してみました。
店頭で販売される食用きのこ
調 査 日   2012年1月30日 調査員 HN・山のキノコ
調査場所  南あわじ市賀集 岡田商店南あわじ店の野菜・乾物売場
調査方法  目視により確認。証拠写真は許可が出ず撮れなかった。
調査結果  以下の9種の食用きのこが販売されていることが判明。

ナメコ …………… ぬめりのなさそうな栽培粗悪品が陳列。
マッシュルーム … ツクリタケが標準和名。栽培品の蕾があった。
エリンギ ………… これは外国原産で、日本には自生しない。
エノキタケ ……… 白っぽいモヤシ状の栽培品が陳列していた。
シイタケ ………… 生品・乾燥品ともに売られていた。
ブナシメジ ……… かつてホンシメジと誤った名で売られた。
マイタケ ………… ホクト株式会社の栽培粗悪品があった。
ハタケシメジ …… 「丹波大粒しめじ」という商品名がついていた。 
アラゲキクラゲ … 生品はなく、乾燥品が売られていた。

(note:何故かヒラタケが店頭に無し。別のスーパーにはあった)

淡路島に自然分布する食用キノコ
岡田商店の店頭で販売されていることを確認した9種に、他のスーパーで確認したヒラタケを加えた10種のうちの何種が淡路島に自然分布しているかにつていてでありますが、わたくしの過去の観察をもとに考察してみます。

ヒラタケ ………… 本記事の通り諭鶴羽山系に普通に発生する。
エノキタケ ……… エノキ・ムクノキ・ニワウルシに発生しているの
          を確認。プロフィールの写真参照。
シイタケ ………… ごく普通にある。ブナ科の樹種に広く発生する。
マイタケ ………… 諭鶴羽山系にある。 こちらを参照。
ハタケシメジ …… ある。証拠標本は無いが、南あわじ市神代で確認
          している。地中の埋もれ木から出る。
アラゲキクラゲ … 諭鶴羽山系に普通に発生。アカメガシワの木によ
          く出てくる。収量の多いキノコ。
マッシュルーム … 本種とハラタケを同じものであると解するのなら
          ば、草地によく出てくる。

(note:ナメコとブナシメジは冷温帯のキノコであり、淡路島には分布
 していない。エリンギはもともと外国産であり、日本には分布せず)

余 談
岡田商店はその後に大膨張していって、ジャスコ、イオンと改名しました。現副首相の岡田克也氏の実家であるのはよく知られています。この岡田副総理のお兄様が経営する岡田商店(現イオン)に、今、大きな疑惑が持ち上がっているようです。政治経済学者の植草先生の記事を是非ごらんください。野田や岡田では何の改革もできないことが分かります。 増税推進岡田副総理のイオンに官民癒着の大疑惑

【訂正】「岡田商店」は「岡田屋」の誤りでした。訂正いたします。わたくしは若いころ岡田屋の発祥の地の三重県に住んでいたことがあるのですが、周りの人々が岡田商店と言っていたので、そうだと思い込んでいました…。
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